第620回 酵素について

3連休明けの今日は、一斉に通常に戻ったために道路も電車も非常に混雑していたようです。
皆さんの連休はいかがでしたか? 
さて、明日は今世紀最大の天体ショーとも言われる日食がありますが、天気はどうも・・・せっかく日食グラスを準備したのに・・・

さて、今日から少し酵素についてお話してみましょう。
数十年も前からのTVCMで「酵素パワーの〇〇〇!」と言う洗剤のCMがあります。これは、下着やYシャツの襟にこびりついた人の汗だけでなく細胞、つまりたんぱく質を酵素の力でおとす効果を謳ったもので、洗剤に含まれているタンパク質を分解する酵素の働きによる効果ですね。
酵素というと「消化酵素」を思い浮かべる方が多いと思いますが、消化(分解)酵素だけでなく酵素にはたくさんの働きを持ったものがあります。自然界に存在する酵素の数は40000種類を超えると考えられていて、そのうち4000種類ちかくの酵素についてはその詳細な働きがわかっています。この小さなたんぱく質の分子である酵素は、人間をはじめとするすべての動植物の営みに不可欠な役割を持っています。我々人間で言えば、1000種類もの酵素は人が必要とする酸素、タンパク質、脂質そして炭水化物を生きるために必要な形に変化をさせるために必要な物質でもあります。
ほとんどの酵素は体内で作ることができますが、いくつかの研究報告を見ると人間には潜在的に酵素を作り出す能力に限界があると書かれているものがあります。確かにそれは遺伝子のしくみによるものも1つの要因で能力には限りがあるのかも知れませんが、私は人間が自ら酵素をつkるために不可欠な栄養素の不足も大きな要因になっているのではないかと考えます。
欧米だけでなく日本でも古来から酵素を食材から積極的に摂取することで、酵素不足や酵素の働きの不調によって起こる症状の改善に有効であることは知られていることで、アメリカやフランス、カナダでは最近になって野菜や果実の植物性酵素を食事に取り入れることで健康管理をする食生活が見直されています。

たとえば、植物の中にはたんぱく質の分解を促進する酵素(プロテアー)を豊富に含んだ野菜や果実があり、パインアップルやパパイアは皆さんもよく知っている素材ですね。
タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)を含む植物
・パパイヤ
・パインアップル
・グアバ
・イチジク
・キウィ
・アスパラガス
・冬瓜
・スイカ
・メロン
・キュウリ
・カボチャ
・大麦
・米胚芽
・グリーンピース
・トマト
・オレンジ
・トウモロコシ
・オーツ麦
・アルファルファ
・ピーナッツ
・大豆
・ホウレンソウ

このほか、糖分を分解する酵素であるα-ガラクトシダーゼを多く含んだ食材にはキャベツ・ブロッコリ・カリフラワー・玉ねぎがあります。
食後に腹部が張る方、、むかつき、嘔吐感のある方は、その原因の多くはこのα-ガラクトシダーゼが不足していることが背景にあることが少なくありませんから、これらの食材を意識して食べてみると症状が改善されることがありますよ。
by nutmed | 2009-07-21 17:24