臨床栄養士のひとり言

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第695回 最近話題のビタミンB12

この3連休、皆さんはどのように過ごされましたか? 1日を除いて概ね天気は崩れなくてよかったので外出にはよかったでしょうか。
私は趣味のバイクのオイル交換やらタイヤ交換など、油まみれになって楽しく過ごし、冬場のライディングに備えバイク仲間の間では昨年から評判のヒートテックの衣類をUNIQLOに買いにいきましたが、レジで30分待ちの状況で、さすがに「独り勝ちのUNIQLO」、これもデフレの影響なんでしょうか・・・

さて、今日は最近のOTC(大衆医薬品)でも話題のビタミンB12についてお話します。
最近TVコマーシャルで話題になり、ドラッグストアに行くと一番目につく場所に鎮座している「ナボリン」(エーザイ)という内服薬がありますがご存じでしょうか?ラインアップには3種類が用意されていますが、どれも末梢神経の損傷の修復をして症状を改善するものです。この薬の主成分はいずれの種類もビタミンB12です。このナボリンだけでなく、医薬品としてのビタミンB12の多くはメチルコバラミン(メコバラミン)でいわゆる活性型のビタミンミB12になります。ビタミンミB12(コバラミン)には大きく分けて4種類の型があり、活性型といわれている種類にはメチルコバラミンのほかにアデノシルコバラミンがあります。残りの2種類はコバラミンの中でも最も安定した型のシアノコバラミンともう1つはヒドロキソコバラミンです。
先日インターネットの薬剤師の方が主催しているサイトでこのナボリンとビタミンB12を紹介しているのを見ていたところ、少し疑問を感じるとともに「やはり薬を基本に考える職業の方は・・」を感じました。
最初の説明の中に「ビタミンB12はもともとビタミンB12が不足することでおこる貧血を改善するための成分として製剤化された。つまりはビタミンB12の補給です。実はシアノコバラミンは4つのコバラミンの中では最も安定した物質であるため、推測の域を出ませんが製剤化するには都合が良かったのだと思います。あとは体内で活性化され不足を補えればいいわけですから・・・」この説明は間違ってはいないと思います。つまりシアノコバラミンが体内で代謝されてはじめて活性のあるコバラミンに変化するということです。しかし次の説明には「腰痛や肩こりの原因となる末梢神経のキズを修復することが目的となってビタミンB12がメコバラミンに変換されて活用されることはありません。腰痛・肩こり・神経痛・手足のしびれの時には、末梢神経に直接作用するメコバラミンが必要になります。こうした理由からメコバラミン製剤が開発された・・」と書かれているために、ビタミンミB12には神経の修復という作用がなく、薬として直接服用するメチルコバラミンだけに神経修復作用があるかのようにとらえられてしまいますね。
人間は最も安定的なビタミンB12の型であるシアノコバラミンを食物から摂取した後、体内でメチルコバラミンやアデノシルコバラミンといった補酵素として働くビタミンミB12に代謝変化をすることができます。

しかし、中高齢者、とくに50歳以上の男女では加齢性の胃酸分泌量の低下によって、ビタミンB12の食材からの吸収が顕著に低下することに注意が必要です。食物(動物性たんぱく質)に含まれるビタミンB12はタンパク質と強固に結合していて、胃酸によってたんぱく質と切り離されてはじめてビタミンB12として代謝をはじめますが、この胃酸が少なくなることでビタミンB12の不足、欠乏に陥ることは少なくありません。
その点では、50歳以上の中高齢者に現れる末梢神経の症状の多くは栄養学的に見てもビタミンB12の不足がその背景にあるとも考えられ、またビタミンB12(活性型)を補うことで症状の改善になるわけです。
by nutmed | 2009-11-24 15:48