第712回 神経の働きに重要な栄養素

今週は23日を挟んで平日4日になりますからあっという間に年末気分に突入でしょうか。
国内外で寒波の影響で公共機関にも影響がでていますね。今日の東京も足のほうからシンシンと冷える1日でした。

さて、先日ブログ読者から神経の働きに重要なビタミンを教えてくださいというメールをいただいたので今日は公開回答のかたちで説明してみます。

1、ビタミンA(レチノール)
①欠乏症状
・目の働きの低下。特に夜盲症。
・皮膚および粘膜の働き低下。味覚障害
②過剰摂取
・吐き気
・疲労感
・頭痛
③食材
・サツマイモ
・ニンジン
④備考
昔に比べてビタミンAの欠乏症を持つ人は少なくはなったが、霜降り牛などを育てるときには、故意にビタミンA欠乏状態にして牛を育成する方法が取られていることがあるので注意。

2、ビタミンB1(チアミン)
①欠乏症状
・運動機能低下
・手足の痛み
・頭痛
・髄稍(ミエリン)の損失
・脊髄神経の損傷に伴なう感覚および運動機能低下
②過剰摂取
・報告なし
③食材
・豚肉
・動物肝臓
・穀類
・小麦胚芽
・納豆
④備考
アルコール飲酒の多い人でビタミンB1欠乏が多く見られる。

3、ビタミンB2(リボフラビン)
①欠乏症状
・視覚機能の低下。焼けるような目の痛み。光への過敏症状
・口の周囲が焼けるような感覚
・抹消神経の損傷
②過剰摂取
報告なし
③食材
・牛(肝臓)
・小麦胚芽
・アーモンド
④備考
リボフラビンは光に敏感なビタミンなので、調理のときに注意しないと30-50%が失われる

4、ビタミンB3(ナイアシン)
①欠乏症状
・頭痛、皮膚炎、錯乱などを呈するぺラグラ
・皮膚炎症
②過剰摂取
・顔の紅潮(ただし、non-Flashタイプの場合は現われない)
・肝機能障害
③食材
・ビール酵母
・鶏肉ささみ
・ピーナッツ
・豚肉
・ひまわりの種
④備考
 ナイアシンが欠乏して発病するぺラグラは日本人の食生活ではほとんど心配ないが、過剰にアルコールを飲みつづけるとナイアシンを大量に消費して欠乏状態になり発症する。また、炭水化物、脂質、たんぱく質からエネルギーを生産するときには必須なビタミン。


5、ビタミンB5(パントテン酸)
①欠乏症状
・疲労感
・手足の焼けるような感覚
②過剰摂取
報告無し
③食材
・ビール酵母
・とうもろこし
・卵黄
・ピーナッツ
・大豆
・小麦胚芽
・ひまわりの種
パントテン酸は自然の食材の多くに含まれているため、欠乏状態は非常にまれ。

by nutmed | 2009-12-21 18:20