第719回 風邪症状の緩和にニンニク

今朝は朝1番でアメリカのドクターと電話で会議があったので、朝5時に家を出て、まだ暗い日の出前にオフィスにやってきました。朝も7時を過ぎるころが最も寒いと聞いたことがありますが、今朝の東京も7時を過ぎたころから風も少し出始め寒さが増してきたようです。それでも夜から朝へのバトンタッチの日の出の瞬間は、冬の東京でも清々しささえ感じます。

さて、今日はニンニクについてです。
昨年末の厚生労働省の報道によれば、新型インフルエンザの感染もほぼピークを過ぎたということのようですが、まだまだ乾燥の季節が続くため、私は個人的にはこれから第2波が世界的にやってくるのではないかと思っていますので、油断はできない状況だと思います。そんな中医療施設でもワクチンがダブつきはじめたという話もあちこちから聞こえ始めてもいます。
以前からこのブログでは新型インフルエンザだけでなく、ウィルス性の風邪には予防が重要であり、ビタミンDをはじめいくつかの予防に有効な素材について紹介してきました。
ニンニクもその1つです。ニンニクは日本だけでなく世界中で風邪の予防、感染した後の症状の緩和に昔からつかわれてきた機能性素材の1つです。私も子供のころ風邪の季節になると母親からニンニクを毎朝食べさせられた記憶が鮮明に残っています。
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この10年ほどの間、日本でもニンニクの使ったサプリメントや健康食品の市場は伸びていますが、私自身はやはり生のニンニクを調理して日常的に食すことが一番だと思っています。確かに臭いという問題はありますが・・。

風邪の予防や症状の緩和に有効とされているニンニクに含まれるアリシン(Allicin:硫化アリル)はニンニク特有の臭いの元になりますが、非常に強い抗菌、抗ウィルス作用と、代謝を高め発汗を促すなどの作用もある物質です。残念ながら熱には弱いので、長時間加熱する調理には向いていません。
ですから生のまま食べることが一番なんですが、ニンニクをすりおろしたりすりつぶしたりすることで、アリシンがニンニクに含まれるビタミンB1(チアミン)と反応してアリチアミンという熱に強い物質に変化してくれます。
アスリートや野球選手から火がついて、今では一般の方にも広がった「ニンニク注射」の成分や、アリナミンの主要成分はこのアリチアミン(活性型のビタミンミB1)です。

ニンニク、アリシン、アリチアミンと風邪の予防に関する研究報告はこの30年間に世界中の研究者から五万と報告されていて、2001年にアメリカで発表された研究では、風邪のシーズンの前(9月)から半年間ニンニクを毎日1片食べることによって、ウィルス性感冒に感染しにくくなるだけでなく、感染した場合でも症状がなくなり完治するまでの日数が平均で1.52日と、ニンニクを食べない人の平均5.01日に比べはるかに完治が早いという報告もあります。

私もこの季節、予防のためにビタミンDとともに生のニンニクを積極的に食べるようにしていますが、夕食でたべるよりも朝ニンニクを食べたほうが臭いの出かたは少ないと感じます。
by nutmed | 2010-01-06 08:27