第812回 胃酸と吸収 その3 鉄の吸収

今朝は交通機関の中はサッカーの勝利の話で大盛り上がりでしたね。今朝は午前5時少し前に、隣の家の中学生の男の子の歓喜の叫びで目が覚めました・・・。サッカーには興味がない我が家でも、さすがに日本の勝利には笑みがこぼれます。

さて、今日は胃酸と吸収、鉄の吸収の最終回です。
鉄の吸収の1回目にも紹介したように、多くの日本人がサプリメントで摂る鉄(非ヘム鉄)の吸収には酸が重要な役割を担います。
今から半世紀ほど前の1963年に、すでに胃酸と鉄の吸収の関係については報告されていますが、以下のグラフはその時に報告されたものです。この研究では、鉄欠乏性貧血の患者に、水に鉄(非ヘム鉄)を加えたものと、塩酸を見ずに溶かしたものに鉄を加えたものを飲ませ、血液中の鉄濃度を分析した結果になります。
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赤いグラフが塩酸+鉄ですが、いずれの患者でも塩酸と鉄を一緒に摂ったほうが鉄の吸収が高いことがわかります。
腸での鉄の吸収は様々な要因によって左右されますが、胃酸がその後の腸における吸収に与える影響は大きいと言えます。
胃酸分泌の重要性についてはこのブログでも何十回も紹介していますが、ご自分の胃酸の分泌状態が今どの程度なのかを定期的に確認することは、鉄のみならず多くのミネラルやビタミンの吸収の改善にもなりますので、是非セルフチェックをしてみてください。

準 備
1、大さじに1杯のレモン果汁100%液をコップに入れ、水で3倍に薄める
2、夕食時に食事を食べながらレモン水を飲む。一口食べたら一口レモン水を飲む要領で。
判 定
*食後2-3時間後に胃が重く、不快感を覚えた方
・・・・・胃酸の分泌はある程度十分と考えられます
 
*食後2-3時間後、いつもよりスッキリした感じを覚えたり、空腹感を感じた方
・・・・・胃酸の分泌が足りないと思われます。


さて、日曜日はパラグアイとの一戦のようですが、寝不足にならないように!
それではよい週末を・・
by nutmed | 2010-06-25 11:23