第817回 胃酸と吸収 ビタミンB12の吸収について

7月に入り、今年もそろそろ花火の季節になってきました。昨晩は青山外苑前クリニックでのカウンセリングが早く終わったので、久しぶりに浅草橋の花火問屋に顔を出して、今年の新作花火の話を聞いてきました。
昨年は忙しくて花火を1発も揚げることができなかったので、今年はどこかで打上げしたいですね。

さて、今日は吸収が胃酸に大きく影響を受けるビタミンの1つ、ビタミンB12についてです。
ビタミンの中でも胃酸と深いかかわりを持っていて、胃酸の分泌やpHにその吸収が大きく依存するビタミンがビタミンB12と言ってもいいかもしれません。
ビタミンB12については、今までこのブログでもテーマにあげてきたビタミンの1つですが、このブログを参考に復習してもらうといいでしょう。
食物から得られ、人間の体内で作用するビタミンB12は、動物性のタンパク質中に含まれているビタミンB12になります。ただ、動物性のタンパク質に含まれるビタミンB12が体内に吸収されるためには、いくつかのプロセスが必須で、その中で最も重要なファクターが胃酸になります。タンパク質と結合しているビタミンB12は、胃に送られると胃酸と消化酵素のペプシンの働きによって、ビタミンB12が切り離されます(遊離またはフリービタミンB12)。胃の中で単独の状態になったビタミンB12は、腸(回腸付近)で吸収されるようになるため、胃の中で別なタンパク質と再び結合します。このタンパク質を「内因子(Intrinsic Factor:IF)」と言います。IFは胃酸を分泌する場所と同じ胃の壁から分泌されます。IFと結合したビタミンB12は腸へ送られ、回腸付近に来ると、回腸の上皮細胞から分泌されるIFの受容体と結合し、細胞の中に取り込まれ、IFと切り離されたビタミンB12の吸収が完了します。
図でみると以下のようになります。
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つまり、胃酸とペプシンが不足していたり、十分なpHでなければ、いくらビタミンB12が豊富な動物性たんぱく質を食べても、ビタミンB12が吸収される以前のプロセスがスタートしないということです。
以前から紹介しているように、胃酸の分泌量は加齢とともに少なくなることは自然の現象ですが、年齢が高くなくても、たとえば委縮性胃炎などの症状がある人、またはストレスなどによって一時的にも胃酸の分泌量が低下するような人の場合には、ビタミンB12とタンパク質を切り離すことができ難くなるために、ビタミンB12の不足になりやすくなることがあります。例えるならば、本来なら新幹線のぞみに乗り、名古屋でひかりに乗り換え、自宅のある岐阜羽島で下車しないといけないのに、そのまま終点まで行ってしまうような・・ものでしょうかね(笑)

週末、予報では雨模様ですが、このところの天気を考えると、晴れ間があるような週末です。
それでは皆さん、よい週末を!
by nutmed | 2010-07-02 10:37