2010年 09月 01日
第850回 ビタミンKが糖尿病のリスクを下げる
さて、今日はビタミンKが糖尿病のリスクを下げるというお話です。
今年の4月の糖尿病に関する世界的な医学誌(The Journal Diabetes Care)に発表された、オランダのユトレヒト大学の研究チームによるビタミンKが糖尿病の発症リスクを下げる可能性についての報告です。
38000人を超えるボランティアの中から、918人の糖尿病(2型)と診断されたボランティア患者の食生活を10年間にわたって追跡調査したこの検討では、ビタミンK(K2)を日常的に摂取していた患者のほうが、糖尿病の様々な症状の発症リスクが平均で20%少ないことがわかったといいものです。残念ながらビタミK1では変化がありませんでした。
ビタミンKにはインスリンに対する感受性を良好にする働きがあることは、今から3年まえの7月にこのブログでも紹介していますが今回のオランダの長期間にわたる臨床検討によって、それが証明されたともいえます。
ビタミンKは現在までに7種類の存在がわかっています。自然界に存在するのはその中のビタミンK1(フィロキノン)とK2(メナキノン)になります。ビタミンKについては去年の1月に数回にわたって特集していますので、そちらを参考にしてみてください
日本ではビタミンKが豊富に含まれる食材を比較的日常的に食べる民族なので、ビタミンKの不足は稀だと思われてきましたが、従来の日本人が摂取していたビタミンKの量に比べると、この10年間でかなり不足している可能性も考えられています。
ビタミンKは以下の食材に豊富に含まれています。
100gあたりの食材に含まれるビタミンK
海苔:2600μg
納豆:930μg
しその葉:690μg
乾燥わかめ:660μg
ブロッコリ:320μg
大豆油:210μg
水菜:120μg