2011年 04月 22日
第T30回 震災後の心身ストレス
実はこのような現象は、日本だけに限ったことではありません。 この数週間、海外在住の私の友人のドクターたちから相次いで送られてくるメールの中で、このような症状を持ってクリニックを受診するクライアントが激増しているそうです。イギリス、アイルランド、フランス、ドイツ、オランダ、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、ロシア、マレーシア、シンガポール、台湾、韓国、中国、アメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジルとほぼ全世界から同様のメールが届いています。中には、血圧が日ごとに乱高下して、低血圧かと思えばいきなり血圧が上昇するような人もいるそうです。
最近の表現で言うならばPTSD:Post Traumatic Stress Disorder(心的外傷後ストレス障害)になるのかもしれません。
私は、間違いなくTVをはじめとするマスコミメディアから流された映像、津波に巻き込まれる家屋や車、飛行機、それに追い打ちをかけるようにやってきた、原発から放出される放射能の恐怖が原因だと思っています。 多くの人が、今まで経験したことのない、見たことのない惨事を、TVを通していきなり脳に入ってくるわけですから、強烈なインパクトがあります。 このような症状の背景は、自律神経系統が過剰に反応してしまうことからくるものでしょう。人間の体の臓器の多くが自律神経(交感神経と副交感神経)によってコントロールされていることを考えれば、これらの症状が現れる原因も納得がいきます。
このような症状が継続することで、もちろん副腎を刺激し、副腎に多大な負担をかけることになり、慢性的な副腎疲労を招くことになります。
このような症状は早期に改善することが大切で、副腎への負担を早期に緩和させることが重要です。
薬に頼る以前に、真っ先にやるべきことは、 しばらくはマスコミメディアの震災や原発の報道に目や耳を向けないことです。見聞きすれば不安を煽り、いらぬストレスを被るだけでしょう。 そのうえで、副腎の働きを改善するために以下の事を意識して見てください。
1、できるだけ睡眠をとることです。 場合によっては睡眠導入剤を一時的に使ってでも。
2、体を動かすこと。特にいつもあまり使わないであろう背中の筋肉を大きくうごかして血流を与える。
3、副腎の糖分コントロールに負担をかけないようにたんぱく質の摂取量を少し増やす。
4、入浴時は必ず湯船に入り、38℃前後の湯に20-30分ほど入浴する。
可能であればカモミールティーのティーバッグを入浴前に湯船に2-3袋入れて
5、入浴後に「ニガリ」の原液を3ccほど手にとり、両足のふくらはぎにやさしく塗りこむ。決してニガリをのんではいけない