第T37回 放射線から身を守る自己防衛方法 その1

今日の東京は朝から雨です。風はほとんどないようなので、放射性物質の飛散も少ないかもしれないですね。
さて、今日から放射線から身を守る自己防衛方法を数回にわけて紹介したいと思います。
東北地方太平洋沖地震発生から2カ月以上が経ち、遅々として進まなかった、復興に向けての具体的なアクションが動き始めたようです。しかし、福島原発を巡る放射線の人体への影響の問題は、子供の被ばく線量の議論にとどまらず、依然として明確な情報を得ることができない状況の中、今後の日常生活ではいかに放射線の影響から身を守るかということが重要になるでしょう。以前のブログでも紹介したように、人体、特に遺伝子(DNA)に多大な影響を与える放射線を出す、放射性物質(ヨード、セシウム、ストロンチウムなど)を積極的に体外に排泄する機能性成分や栄養素は、残念ながら確認されていません。

しかし、今、日本人が直面している放射線の影響から身を守る術の大きなヒントを与えてくれる生き物がいることはあまり知られていません。
放射線の被ばくが、生命に影響を与えることは、すべての日本国民がこの2ヶ月間に痛感したことでしょう。しかし、自然界の中には、放射線の影響をほとんど受けずに、種を維持してきた微生物がいます。D.radiodurans(Deinococcus radiodurans:ディノコッカス ラディオデュランス)というバクテリアがそれです。名前の由来は「放射線にも耐えて生きる不思議な果物」というラテン語を持ち、人間が死にいたる放射線量の3000倍の量を被ばくしても死なない、現在確認されている生物の中では最強の放射線耐性生物です。
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D.radioduransの生態を調べると、放射線による細胞への強烈な酸化ストレスを除去するための、非常に強力な抗酸化物質を作り出す能力がこのバクテリアには備わっていることがわかりました。極限の環境下でも生き続け、環境に対応する能力を身につけてきたこのバクテリアに、今、放射線の影響の心配と不安に直面している日本人が身を守る術を学ぶところは大きいかもせいれません。
今回の福島原発の場合、放射線(ガンマ線)の被ばくが、人間を含む動物の細胞に与える影響の多くが、リンパ球や細胞のDNAに対する直接的な影響ですが、今問題になっている小児の被ばく線量限界である、1年間の積算量が20mSvという低量の放射線被ばくの場合でも、リンパ球への影響のほか、細胞への酸化ストレスなどの影響は想像以上に多いと言えるでしょう。
現状の原発の状況と、生活環境、特に東日本に住む人にとっては、いつになるか分らない放射線飛散の改善を待つことなく、自ら身を守る策を講じる必要があると思います。

次回から、放射線の酸化ストレス影響から身を守る素材について紹介をしていきます。
by nutmed | 2011-05-11 12:12