第1236回 アメリカのダイエット素材事情

1週間のアメリカ出張から昨日無事帰国しました。 アメリカ西海岸は例年になく雨が多く、特にロスアンジェルス近郊でも連日数時間の雨模様の天候で、こんなところにも異常気象の影響があったのかと思った次第です。
今回の出張では予想以上に収穫が多く、興味深い素材と商品にたくさん巡り合ってきました。
その中の1つが今日紹介する、アメリカでもも最近にしては珍しく大きな話題になっているダイエット素材の「Green Coffee Beans Extract」つまり、未成熟の緑色のコーヒー豆から抽出されたポリフェノールです。アメリカの昼帯で毎日放映されている情報番組に登場するDr.OZ(ドクターオズ)という医師がサプリメントの紹介する番組で取り上げられた途端に、1分間に10万本の注文が殺到した素材です。この数週間で、どこに行っても、ネットで検索しても売り切れ続出の人気商品にまで上り詰めたGreen Coffee Beans Extractですが、動物だけでなく人間による臨床検討もそこそこでており、減量の有効性は高いと考えられています。
Green Coffee Beans Extractの成分に含まれる減量効果をもたらすポリフェノールはクルルゲン酸(chlorogenic acid)と呼ばれる物質で、脂肪の代謝(燃焼)を促進することが分かっています。日本でもクルルゲン酸についての研究報告はあり、大腸癌、肝癌、肝硬変などの肝疾患の予防効果、2型糖尿病の予防効果、活性酸素の除去作用によるコレステロール抑制、胃液分泌を増やす作用が報告されています。
クルルゲン酸はコーヒー豆の他にもキクイモ(ヤーコン)等に含まれる成分ですが、含有量では圧倒的にコーヒー豆に多くふうまれていることが確認されています。
日本でも過去からこの手の商品は後を絶たない状況があり「飲むだけでOOkg減量!」などというキャッチコピーが飛び交ってきましたね。Green Coffee Beans Extractが従来の素材と多少なりとも異なるのは、動物実験だけでなく人間の臨床検討もある程度行われ、そこそこ効果が確認されていることでしょうか。
ここまで書くと、Green Coffee Beans Extractのいいことずくめの紹介ばかりになりますが、他の天然素材成分と同様、Green Coffee Beans Extractにも要注意点はあります。
第一にGreen Coffee Beans Extractに含まれ、脂肪の代謝向上を促進する成分でもあるクロロゲン酸には強力な金属キレート作用があり、主に鉄、銅、アルミニウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルと結合するキレート作用があります。このキレート作用によって、これらのミネラルが体外に排泄を促されるだけでなく、これらのミネラルが補酵素として働く栄養素の働きにも影響が出る可能性があります。その1つとして鉄欠乏性の貧血傾向の人は、Green Coffee Beans Extractに含まれるクロロゲン酸によって鉄の吸収が抑制され貧血症状が悪化する可能性、クロロゲン酸がビタミンB1およびビタミンB2を破壊することで吸収が阻害される可能性があることです。
今までのサプリメント市場の歴史と同様に、遅かれ早かれGreen Coffee Beans Extractのサプリメントが上陸し、話題になることが予想されますが、誤った使い方をしないように、また自分は飲んでもいいのか悪いのかについての情報も自己責任で収集し、上手に使ってもらいたいですね。
by nutmed | 2012-10-29 14:55