2012年 11月 02日
第1238回 クロミウムについて
さて、今日はミネラルのクロミウムについてです。
ここで言うクロミウム(クロム)は3価のもので、血糖(グルコース、及び、インシュリン(ホルモン)が正しく機能するため、そして、コレステロール、及び、脂肪酸の吸収代謝のために必要とされる必須ミネラルです。また、クロムはマンガンと亜鉛とともに、炭水化物の代謝分解のために働きます。クロムは腸で吸収されますが、アミノ酸でキレート(アミノ酸と結合した形)されたクロムが最も吸収し易いです。環境中に存在し有毒とされている6価クロムは、生化学的な反応を経て3価クロムへと変化します。
クロミウム濃度が低い場合に考えられることは、漂白精製された食物(砂糖、小麦などの炭水化物)を頻繁に摂取する食生活、酒などアルコールの頻繁な飲酒、高齢出産女性、さらには腸でのクロミウム吸収障害を持つ場合、ビタミンB群の摂取不測が報告されています。
クロミウムが不足すると、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増加することで心臓や脳の梗塞(垢がたまる)の危険性が高くなるだけでなく、インシュリンを多量に必要とすることから、糖分に対する耐性が低くなり糖尿病の危険性が高くなることが報告されています。また、精神的なストレスへの耐性も低下します。
・摂取源
3価クロムの食材源としては、全ての穀物、ビール酵母、蜂蜜、麦芽、マッシュルームなどです。
・クロミウムが低い状態の改善方法
クロミウム(GTF:糖耐性タイプのもの)及び、ビタミンB群を十分に補給することをお勧めします。
クロミウムは人間の体内にはごく微量ですが必要なミネラルです。クロミウムは糖分のコントロールに深くかかわるミネラルで、血液中を流れる糖分を細胞に取り込むために働くインスリンが必ず必要とするミネラルです。爪分析でクロミウムが低い場合には、細胞中のクロミウムが少ない傾向にあることを反映している可能性があります。このような状態が継続することで、慢性疲労、低血糖、頻繁に甘いものや炭水化物を食べてしまう「シュガークレービング」という症状が現れることがあります。
緑黄色野菜、根菜類、ナッツ類、ブドウに豊富に含まれますのでこれらの食材を意識して摂取してください。また、クロミウムがインスリンに正しく働きかけるためには、ビタミンB6、亜鉛、マグネシウムが必要になります。また、鎮痛剤に含まれるサリチル酸はクロミウムの吸収を高めることがありますので注意してください。
クロミウム濃度が慢性的に低くなると、血中コレステロールが高くなる傾向があります。また、インスリンによる血糖のコントロールが上手にできなくなり低血糖を招いたり、慢性疲労の症状を引き起こす可能性もあります。緑黄色野菜を積極的に食べるとともに、白米、パスタ・麺類、パンなど、食後すぐに糖に変わってしまうような単純な炭水化物を控え、玄米、穀類、豆類を積極的に食べるようにしてください。
明日から週末ですね。
ここ川越では昨日から小江戸川越菊まつりが喜多院で開催されていて、菊人形展も開かれています。喜多院はこの時期紅葉もきれいなので、お時間があればでかけてみてください。
それでは皆さん良い週末を!