第1246回 N-アセチルシステイン

9日の日曜日からいよいよ栄養療法塾が開校し一回目の講義があります。限られた時間の中でたくさんのことを習得してもらいたいと思うあまり、資料もてんこ盛りになり、教材作成の途中で幾度も追加が発生し、とどめが亡くなりはじめています。今日中には最終まとめをして日曜日の本番にむけて調整です。

さて、今日はアミノ酸の1つでもあるNアセチルシステインについて紹介します。
システインは、体内環境の状態によって体内で合成することができない硫黄の成分を持つ含硫アミノ酸の1つで、シスチンと双子のような関係にあり、シスチンはシステインが安定した形と考えられている。含硫アミノ酸であるシステイン、シスチン、タウリンはメチオニンおよび硫黄から構成されている。システインは糖代謝に関る重要なアミノ酸で、グリシン、グルタミン酸、ナイアシンおよびクロミウムとともに糖コントロールに関る。システインの代謝にはビタミンB6が必要となる。
①システインの働き
・毛髪や爪に含まれるケラチンたんぱくの合成
・インスリン、トリプシノーゲン、パパインなどのたんぱく質を合成
・フリーラジカルの分解(メチオニンととも)
・グルタチオンの合成
・α-リポ酸の合成
・ビオチンの合成
・ヘパリンの合成
・補酵素の合成
・ラクトグロブリンの合成
・有害重金属の排泄
①臨床応用
・肝毒性物質の排泄(アルデヒド、脂肪、ダイオキシン)
・水銀、カドミウムのキレーション
・術後の上皮細胞治癒促進
・火傷による上皮細胞治癒および炎症抑制
・老化抑制(アンチエイジング)
・抗真菌剤の有効性向上

INTERACTION
以下にあげる薬剤を服用中の場合にはシステインの使用には注意する必要がある
・ACE阻害剤
ACE阻害とNAC(N-アセチルシステイン)を併用した場合、血圧の降下作用が増強される可能性がある
・狭心症薬
ニトログリセリンおよびイソソルバイドとNACを併用した場合、頭痛、低血圧を引き起こす可能性がある

注意点
システイン摂取に際して、糖尿病既往者が過剰なシステイン(1500mg/日以上)を摂取する場合にはインスリンの分泌に影響を与えるため、摂取には十分注意すること。また、尿酸値が高い場合や結石を持つ場合、システインがシスチンに変化することによって腎臓および胆嚢の結石をつくり易くなるので、システインまたはシステインが多く含まれる食材(タマネギ、ニンニクなど)や摂る場合には、その3倍量以上のビタミンCを摂取することでシステインの結晶化を防ぐ。

N-アセチルシステイン(NAC)は硫黄性のグルタチオンを合成するために必要なアミノ酸で、強力な抗酸化物質であると同じに、体内に蓄積した水銀・鉛などの重金属の排泄を促すアミノ酸です。

NAC使用上の注意点
1、NACはカンジダ、イースト菌の好物でもありますので、NACを飲む場合には、  
ラクトバチルスなどの乳酸菌を一緒に飲んでください。
2、飲んでいる期間中はイースト菌を使用した食材(パン、クッキーなど)をなるべ  
く避けてください。
3、NACを飲んでいる期間はなるべく水を多めに飲んでください。
4、NACは亜鉛、マグネシウムの排泄も促しますので、必ずマルチビタミン・ミネ
ラルなどを併せて飲んでください。

それでは皆さん、よい週末を!
by nutmed | 2012-12-07 13:31