第1256回 ヒアルロン酸を増やすなら紅茶キノコ!?

今日の話は、紅茶キノコとヒアルロン酸についてです。 紅茶キノコと言えば昭和50年頃に日本で大きなブームになった、健康食品でしたね。我家でも母親が知り合いから株分けされた謎の菌体を使って、梅酒を漬ける容器で作っていましたっけ。あの頃はどこのご家庭に行っても紅茶キノコを作っていないほうが珍しいくらい大変話題になりましたが、その後瞬く間になりを潜めてしまいました。
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その紅茶キノコが、海の向こうのアメリカで昨年話題になりはじめ、今では紅茶キノコの飲料水を製造販売するメーカーが10社はあると言います。アメリカで一躍話題になった紅茶キノコが、逆輸入される形で再び日本でも、特に健康志向の若い女性の間で話題になりはじめているそうです。
紅茶キノコの白い菌体は、主に乳酸菌、アシドフィルス菌に加え、ブロメライン、パパインといったたんぱく質を分解する消化酵素、それにグルクロン酸という糖類、ビタミンB群、ビタミンCが含まれた、ある意味では機能性素材です。その作用は、腸管の機能を向上させる働きと免疫(腸管免疫)を向上させる働きがあることが報告されています。
アメリカで紅茶キノコが話題になっている背景にも、免疫機能を向上させることによって、風邪やインフルエンザ、細菌感染の予防になるということと、腸の働きを改善することから便通やホルモンバランスが良好になると言う作用があって、特に女性にうけたものと考えられます。
その紅茶キノコなんですが、女性なら誰もが大好物のヒアルロン酸と深い関わりを持った素材でもあるんです。
ヒアルロン酸は簡単に言うと特殊な糖の塊なんですが、グルクロン酸とN-アセチルグルコサミン(NAG)という糖分が結合してできたものがヒアルロン酸です。つまり、ヒアルロン酸の原料になるこの2つの糖を意識して摂ることで、体内でヒアルロン酸の合成を促進してくれるため、シワのケアだけでなく、膝の痛み、腰の痛みなど、関節の軟骨の校正成分であるヒアルロン酸が増えることで、これらの症状の改善にも有効とおもわれるわけです。グルクロン酸もNAGもキノコ等の菌体類に豊富に含まれています。
昨年春にアメリカで大ブームになった紅茶キノコは、アメリカでは「Kombucha」と言いますが、日本人に馴染みのあるこぶ茶ではありません。
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なせアメリカで紅茶キノコが今頃大ブームになったかというと、アメリカで最大のkombuchaメーカーのGT社の創設者の母親が乳がんを患っていたところ、ロシア人の友人から教えてもらった紅茶キノコで母親の乳がんが治ったことから商品化して火がついたというものでした。おそらくこの母親の乳がんの克服にも紅茶キノコに豊富に含まれたグルクロン酸がヒアルロン酸の合成を促進したことと、がん細胞と戦う能力を持った多くの糖類の働きによるものだと思います。
このような背景から、女性が大好きなヒアルロン酸の体内合成を促進するために、紅茶キノコは極めて有用な素材だと思われます。
スキンケア、軟骨の痛みの改善に興味のある人は、紅茶キノコの自家栽培を考えてみてはいかがでしょうか。ネットで栽培の方法を検索すればたくさんの情報がヒットするはずですよ。

それでは皆さん明日からの3連休、風邪などひかぬようにエンジョイしてください。 よい週末を!
by nutmed | 2013-01-11 15:17