臨床栄養士のひとり言

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第1301回 湿疹、じんましんの背景に潜むステアリン酸

②日ばかり涼しい朝を迎えられたtp思ったのもつかの間、今朝は気温がどんどん上昇して、再び30℃越えの暑い1日になりそうです・・・

さて、今日は、私が神尾記念病院の栄養カウンセリングでケアをしている女性から頂いた、彼女の症状の原因と考えられる背景の物質の報告と、その物質の詳細について紹介します。
副腎疲労の可能性があり、エネルギーの生産と供給不良、睡眠不良、慢性的な疲労感、平易感染などの症状を持ち、食事療法、栄養療法を指導してきたこの女性からの報告メールです。
彼女の症状改善のために、副腎の機能サポートを行うサプリメントの導入によって、ベースにあった上記の症状の多くが少しずつ改善されはじめました。
特にエネルギーの供給が以前に比べて、多くまた良好になってきた実感が出始めてきたという報告をもらい、喜びながら届いたメールを読み進めていくと、以前からも続いていた湿疹の原因らしきものがこの物質ではないかと考えられるようになったとの報告部分を見て、私自身がハッとしました。
彼女が感じている湿疹の原因物質とは、日本でも多くの食品素材、加工食品、化粧品、サプリメント、健康食品、医薬品に至るまで、幅広く含まれる脂質の1つです。それはステアリン酸という飽和脂肪酸の1つです。ステアリン酸は動物性、植物性の脂肪に含まれる脂肪酸の1つです。
ステアリン酸は、乳化剤、保湿剤として石鹸、シャンプー、ローション、コンディショナーに使用されるほか、プラスチック、キャンドル、クレヨン、ゴム軟化剤を作るための主成分として使用されています。サプリメントや医薬品の錠剤とカプセル(中身のパウダー)にも、潤沢剤としてステアリン酸マグネシウムが添加されていることがあります。
錠剤を成形する際に型枠から離形しやすくするためや、カプセル内のパウダーのバランスをとるための増量剤として添加されることがあります。これらの商品に使われるステアリン酸の原材料は、植物性の場合にはヤシ油または綿実油を加工処理したもの、動物性の場合には、牛、豚など家畜の脂肪から抽出加工したものになります。
彼女が自らの湿疹の原因がステアリン酸ではないかと疑っている一方で、ステアリン酸が皮膚が赤くなる湿疹、蕁麻疹、腫れの原因物質となる可能性については、アメリカを中心に2000年ころから報告があります。
今回報告をしてくれた彼女のほかに、私が栄養医学研究所で2006年にカウンセリングを行った、うつ様症状を伴う副腎疲労の女性が、ステアリン酸に対する反応を持っていたことがあります。日本では調査してもこのような報告を見つけることができず、アメリカのコネチカット州で栄養療法医師している私の友人に相談したところ、ステアリン酸に対する反応を持つ人が増えていることと、副腎疲労によるダメージレベルに比例して、ステアリン酸への反応は高くなる可能性を教えてもらいました。
カウンセリングを行った女性には、ステアリン酸の含まれた食材、化粧品、ならびにサプリメントを一時的に止めてもらったところ、皮膚の症状はほとんどなくなりました。
ステアリン酸の何が反応の原因になっているのかの説はいくつかありますが、やはりここにも水素処理による脂肪酸のトランス化加工と、ヤシと綿花の栽培で散布される農薬のケミカル成分の残留の可能性が示唆されています。
原因不明の湿疹、蕁麻疹が慢性化している人は、一度ステアリン酸の含まれた食材、化粧品とともにサプリメントなどの確認をして、1週間程度使用摂取を止めて、症状が治まるかどうかを確認してみるといいと思います。
by nutmed | 2013-07-18 10:20