第1337回 注目される炎症抑制素材

今日のテーマは炎症を抑える素材についてです。
炎症は、癌、自分の体に攻撃をかける自己免疫疾患をはじめ、糖尿病、アレルギー、感染症など様々な症状の根底に存在するメカニズムで、最近では老化(エイジング)の背景にも炎症が深くかかわっていることが報告されています。
つまり、現代人が抱えているであろう、生活習慣病の症状改善tそのリスクの回避のためには、炎症を上手に克服することが重要なポイントになってきていると言えます。
最近、世界中の臨床現場で、炎症のメカニズムに深くかかわる、HMGB1(High Mobility Group Box-1)というタンパク質注目されており、このHMGB1を抑えることが炎症を抑え、憎悪を防ぎ、症状の改善と予防に有効であることが、多くの研究結果によって報告されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22845335
日本を含め、世界中でこのHMGB1の抑制についての研究がおこなわれているなか、2012年と2013年にアメリカのNorth Shore大学の研究チームが、マウスの実験で、HMGB1の抑制に緑茶のEGCG(エピガロカテキンガレアート)と緑豆の皮の抽出成分が非常に有効であるという結果を報告しています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17987129
緑茶のカテキンについては今更説明するひつようもないほど、日本人にも広く浸透してきた素材です。緑豆はあずきの仲間で、日本ではモヤシのほとんどがこの緑豆を使用していますし、春雨もこの豆が使われています。
緑豆については、炎症を抑える作用を持つ漢方素材として、中国での歴史は非常に古く、1000年ほど前から使用されてきた歴史があります。
また、緑茶についても、日本をはじめ世界中でカテキンの薬理作用が研究報告されており、炎症を抑える作用もその1つです。
North Shore大学の研究チームは、緑茶カテキンと緑豆を一緒に、摂取することで、HMGB1を効果的に抑え、炎症の抑制に有効であると報告しています。
by nutmed | 2014-01-30 14:35