第1341回 血圧降下に有効な機能成分

今日は血圧を下げる機能を持った成分についてです

1、アントシアニン(よびプロアントシアニン)
アントシアニンは植物に含まれる赤・紫・青い色素をもったフラボノイドの1つで、クランベリー、ブルーベリー、ぶどう、ザクロ、ナス、紫いも、アロニア(チョークベリー)などの持つ色素です。日本でもブルーベリーのアントシアニンは有名ですが、強い抗酸化作用を持ったフラボノイドの1つです。2007年8月にポーランドの研究チームが発表したメタボリックシンドロームの改善治療に関する報告は興味深く、1日あたり300mgのアロニアから抽出されたアントシアニンを3回にわけ(100mg/回)2カ月飲んでもらったところ、平均で上の血圧が12.37mmHg、下が5.07mmHg低下していることが報告されています。この研究報告では、同時に総コレステロールが平均で14.84mg/dl、LDLコレステロールが12.5mg/dl、それぞれ低下していることが報告されています。、また、2008年8月にアメリカの臨床栄養学誌で発表されたイスラエルの研究チームによる報告によると、1日あたり50ccのアントシアニンリッチなザクロジュースを飲むことで、平均12%の血圧降下の作用があったことが報告されています。
これから期待の持てる素材として、クランベリーがあります。クランベリーにはプロアントシアニンが豊富に含まれており、強力な血圧上昇の抑制作用を持つほか、女性の膀胱炎の予防、症状改善には非常に有効な機能性素材です。

2、オメガ-3脂肪酸
オメガ-3脂肪酸については昨年6月にテーマで取り上げていますが、多価不飽和脂肪酸の1つです。栄養医学研究所でも扱っているタラの肝油をはじめ、サケ、サバ、イワシ、マグロなどの魚に含まれるDHA/EPA(長鎖脂肪酸)、また、植物性素材に含まれるα-リノレン酸(ALA・短鎖脂肪酸)では最近日本でも話題のフラックスオイルをはじめ、ナッツ類、大豆、カボチャの種子、緑黄色野菜にも含まれています。ただ、植物性素材のALAの場合、短鎖脂肪酸なので、体内でDHA/EPAに変化合成させる必要があります。
オメガ-3脂肪酸が血圧を低くする作用を持つことについては、この10年間で沢山の記事や文献が報告されていますが、その1に日本の滋賀大学の上島らが2008年に発表したオメガ-3が心臓病予防と血圧コントロールに及ぼす影響についての報告は世界的にも注目されました。日本人を含むアジア人とイギリス人、アメリカ人の白人の合計4、680人が酸化した疫学調査ですが、魚油由来のオメガ-3必須脂肪酸が血圧を低下させる効果があることを報告しています。
オメガー3脂肪酸の供給素材として、今後注目されるのは、米ぬかとブルーベリーの種子がああります。
by nutmed | 2014-02-26 13:49