臨床栄養士のひとり言

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第1342回 グルテンとカゼインに注意

グルテンは、小麦、大麦、ライムギ、及び、オートムギのような草食物に含まれる蛋白質です。カゼインは、母乳、牛乳、アイスクリーム、チーズ、及び、ヨーグルトなどの乳製品に含まれる同じく蛋白質です。
グルテンやカゼインは人間にも有用なたんぱく質ですが、年齢、吸収能力を考えて摂取しないと、逆効果にもなるたんぱく質で、これらの食物に含まれるグルテンとカゼインが幼児のアレルギーの原因および神経系統の働きに支障を来す可能性が示唆されはじめています。
・牛乳の摂取には注意
牛乳のたんぱく質の80%を占めるカゼインは、人間の腸で歯分解がし難いタンパク質でもあります。母乳にも含まれるたんぱく質ですが、牛乳のカゼインは母乳の7倍ほどの料が含まれており、特に乳幼児の腸には、異性タンパク質として影響を及ぼしやすいたんぱく質です。しかし、牛乳に含まれるカゼインは、胃を4つも持つ子牛にとっては容易に分解できても、人間の乳幼児には分解が困難なたんぱく質です。したがって、乳幼児、少なくともカゼインを分解する酵素(トリプシン、キモトリプシン)が分泌できるようになるまでは、牛乳の摂取には注意する必要があると考えます。

・大豆食品の過剰摂取はカゼインの分解を阻害する
大豆には膵臓で分泌され乳タンパクであるカゼインを分解する酵素(トリプシン)の働きを抑制するトリプシンインヒビターが含まれる。

・牛乳や小麦はモルヒネと同じ作用を持つ!?
グルテンとカゼインは、腸でタンパク分子(2個以上のアミノ酸が結合したペプチドと呼ばれる分子)に分解され、最終的にアミノ酸に分解されます。
グルテンとカゼインが、腸でタンパク分子に分解されるとモルフィン(グリアジノモルフィン、カソモルフィン)と呼ばれる物質になります。このモルフィンは本来血液の中には存在しない物質で、これが腸の膜を通過して体内に吸収される可能性があります。特に、小腸の粘膜が破れてしまうようなLGS(リーキーガット症候群)の場合には確実に体内に吸収されることになります。
血液を通して体内に入ったモルフィンは、麻酔薬のモルヒネに似た作用を持つことが知られており、このモルフィンは脳膜を通過して脳内に入り、小児の脳、特に、言語や聴覚機能を司る側頭葉の働きに影響を与え、ADHDの引きがね、また、統合失調症の原因になる可能性が報告されています。

・グルテンとカゼインは自閉症と統合失調症の原因の可能性?!
フロリダ大学のケイド博士らの研究によると、自閉症および精神分裂症患者の95%は、グルテンとカゼインのタンパク分子(ペプチド)が尿に排泄されるペプチド尿症であることを報告しています。一般に、このペプチドは尿中には排泄されないものですが、ペプチド尿症の場合、ペプチドが腸の膜を通過して血液に入り、腎臓でろ過されずに尿に排泄されてきます。ケイド博士の報告では、このペプチド尿症を食事療法や透析によって改善することで、自閉症および精神分裂症の症状がかなり納まることを報告しています。

・グルテンとカゼインはローテーションダイエットで摂取する

グルテンとカゼインは全く食べないほうがいいと言うことではないですが、少なくとも現在、注意が散漫で、落ちつきがなく、集中力に欠けるようなお子さんの食事のメニューを考えるとにきは、グルテンとカゼインの摂取には注意することをお勧めします。
グルテンとカゼインは添加物としても使用されていることが多く、現代食生活の中では、避けることが非常に難しいたんぱく質であると言えますが、明らかにグルテンとカゼインが含まれている食材を毎日のように継続して食べさせることは避け、食材をローテーションさせ、なるべくグルテンとカゼインを分解する負担と蓄積を抑えることを考えた食事のメニューをお勧めします。
基本的には、5歳未満のお子さんには1週間に1回、5歳以上のお子さんには週に2回を目安に、また、落ちつきのないお子さんには2週間に1回を上限に考えてみるといいと思います。

・注意するべき食材
お母さん方もその食材選びに四苦八苦されていることと思います。
グルテンとカゼインの作用について説明してきましたように、集中力が低下するお子さんにとっては、あまりお勧めできない食材であると思います。自閉症のお子さんの多くは胃酸の分泌が低下していると思われる状態で、グルテンとカゼインが含まれる食材の摂取には注意べきでしょう。
*避けるべき食材
・小麦、大麦、ライムギなどの麦類
うどん、パン、スパゲッティ、シリアル、肉まん、あんまん、クッキー、ピザ
ケーキ、オートミールなど
・乳製品
牛乳、ホットミルク、チーズ、ピザ、ヨーグルト、アイスクリーム
・グルテンをつなぎとして添加している加工食品
そば、ラーメン、ハンバーグ、餃子、ミートボール、アイスクリーム、マッシュポテトなど
by nutmed | 2014-03-07 10:32