第1359回 にわかに注目!オリーブ葉のエキス

西アフリカを発生源とするエボラ出血熱ウィルスの感染拡大と、その脅威が連日報道されています。
過去にもエボラウィルス感染による死者がでたという現象はありましたが、今回の感染拡大の様相は以前と異なり、感染力はかなり協力に変化しているようです。
ワクチンが現状では存在せず、ウィルスの増殖を食い止める薬剤も明確にはなっていないことから、現状では、感染拡大の予防措置としての隔離、渡航規制のほか、自らの免疫力向上に努めるほか手立てがないのが現状です。
そんな中、にわかに注目されているのが、BSA(Broad Spectrum Antimicrobial:広範囲抗ウィルス作用)を持った機能性素材で、中でもオリーブの葉に含まれる機能性のフィトケミカルです。まだ、初歩的な実験のレベルではあるようですが、今後、エボラウィルス感染の予防のための機能性素材として大きな期待が寄せられています。
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オリーブと言えば、オメガ-9脂肪酸であるオレイン酸を豊富に含む「健康油」として重宝されているますよね。欧米人にとっては命の木として聖書にも登場するほど古くから生活の1部となっていますが、日本人にはここ50年たらずで徐々に有名になってきたものだそうです。ご存知のように日本でオリーブオイルが有名になったのは地中海沿岸国の住民に心循環器系疾患の発症率が極端に低く、その原因背景を研究したところオリーブオイルに含まれるオレイン酸のLDLコレステロール酸化抑制作用の恩恵でもあることがわかりました。これ以外にもオリーブオイルはスーパーナチュラルドラッグと言われるほど、細菌やウィルスに対する効果は高いといえます。
記憶に新しい2001年9月11日の同時多発テロの直後、猛毒と高感染力を持った炭疽菌を使ったテロが米国内を震撼させましたが、このとき再びオリーブがにわかに注目を浴びることになったことはあまり知られていません。オリーブの葉に含まれるオレウロペインが炭疽菌に対して強力な抗菌作用を示すことがわかったからです。オレウロペインには細菌の生命活動、増殖を抑制させる強力な抗菌作用があり、エレノル酸カルシウムという成分には全てのウィルスに対してではないものの、ウィルスの増殖を抑制する作用があることがわかりました。米国をはじめ世界中の研究機関では今オリーブの葉エキス成分によるHIVの増殖阻止に関する研究が続けられています。オリーブにはこのほかヒドロキシチロソルという抗炎症作用をもった成分も含まれている。こうしてみると、オリーブは細菌に対してのみ有効な抗生物質の働きと、ウィルスに対してのみ有効な抗ウィルス剤の作用、それに炎症を抑える作用もあり、まさしく「命の木」であると言えます。
by nutmed | 2014-08-12 10:42