第1394回 ナスが皮膚がんの予防に有効

今日はナスに含まれるソラソジン配糖体(Solasodine Glycosides)という成分が皮膚がん(扁平上皮および基底膜細胞)の治療に効果があるという話題です。もともと紫外線による皮膚がんが多いオーストラリアで1990年に発見されたソラソジン配糖体は、デビルスアップル(下の写真)というフルーツから抽出されました。

このデビルスアップルに含まれるソラソジン配糖体は皮膚がんの細胞の増殖を強力に抑制しますが、正常な細胞の増殖には影響を与えません。ソラソジン配糖体を配合したクリームが開発されていて、「BEC5」という名前でインターネットの通販でも販売されています。オーストラリアとイギリスで行われたBEC5を使用した72人の皮膚がん患者の治療効果の研究では、1-13週間という驚くほどの速さで、なんと72名(100%!)の患者の皮膚がんが治癒していると報告されています。日本でも九州大学薬学部研究室がこのソラソジン配糖体のがん細胞抑制作用の報告をしています。
ソラソジン配糖体はデビルスアップルに豊富に含まれていますが、このほかナスにも含まれていることがわかっており、ナスを積極的に食べることが扁平上皮がんの予防にもつながることが期待されています。

扁平上皮がん細胞は皮膚がんのほか、食道、喉頭、口腔、膣、陰茎、陰嚢、外陰、上顎、子宮けい部、肺などの組織に発生するがんです。
これから食卓のメニューにナスを積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか・・・
by nutmed | 2015-05-13 10:00