第1442回 メニュアル症状とビタミンD不足

第1442回 メニュアル症状とビタミンD不足_d0070361_1251177.jpg先日の青山外苑前クリニックに来られた女性は、先々週、突然左耳が難聴になり、近所の耳鼻科で検査を受けたところメニュエル病の疑いと診断され、漢方薬、ほか2種類の薬処方されていました。
私がもう一軒栄養カウンセリングを行っている神尾記念病院は耳鼻科なので、過去にも耳鼻科から紹介されてきたメニュエル症状をもつ患者のカウンセリングを行なったことがあります。
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栄養療法の観点からメニュエル症状の背景と比較的密接な関係にあるのが、炭酸カルシウムで、それの吸収と代謝に関わっているのがビタミンDであることは、以前から報告されています。
メニュエルの主な症状である平衡バランス機能をになってえいるのは、内耳内を通る検知管で、この管の中には炭酸カルシウムの結晶が流れていて傾きや平衡バランスを検知しています。
もちろん全てのメニュエル症状がビタミンDの不足によるものではありませんが、最近多い、低気圧によるめまい、立ちくらみを始め、メニュエル症状で悩んでいるひとは、ビタミンDの不足とともに、日光浴の不足などを考えてみてもいいかと思います。
ビタミンDが不足しているのなら、ビタミンDを豊富に含んだ食材の積極的な摂取も栄養指導としては大切なことかもそれませんが、ビタミンDが含まれた食材は特段珍しい食材にだけ含まれたビタミンではなく、日常的に日本人が食す食材には含まれたビタミンだと言ってもいいでしょう。
つまり、ビタミンDを食材から摂取して吸収ができる状態であれば、メニュエル症状が現れるほどビタミンDが不足することは、一般的には少ない、もちろん腎臓機能が何らかの理由によって低下している場合には、体内で活性型のビタミンDに代謝することがむずかしくなることもありますが。
それを考えると、食材からビタミンDが得られるほど消化分解と吸収の機能が十分でないことの問題のほうが大きいような気がしています。
そのため、1日あたり平均で15分程度の紫外線浴を積極的に行ってもらうことも、症状の改善には有効だと思います。
by nutmed | 2016-06-21 10:45