第1450回 妊娠糖尿病の予防はビタミンB6で!

日本人の妊婦の15%前後に発症が確認されている妊娠性糖尿病。出産経験をしている多くの女性が、妊娠中の食事指導で糖分の厳格な指導を受けてきたことと思います。
医師や看護師、管理栄養士のなかには、専門家であるにもかかわらず、過剰な糖質制限を平然と指導し、高血糖状態になるのは過剰な糖分摂取、または家族の遺伝的な背景が原因であるかのような指導をされている話は珍しくありません。
妊娠中に血糖値が高め維持をする原因もやはりインスリンの機能低下がありますが、妊婦さんの場合には少し背景が込み入った原因も内在しています。
妊娠中の女性の血液の中にはキサンツレン酸(Xanthurenic acid)という物質の生成が増加します。キサンツレン酸は2型糖尿病の人にも増加が報告されています。このキサンツレン酸にhアミノ酸のトリプトファンの代謝を低下させる作用しとともに、インスリンとキサンツレン酸が結合しインスリン-キサンツレン酸コンプレックスを形成することで、インスリンの働きが著しく低下することg、1940年代には既に報告されています。
トリプトファンの代謝が低下する背景ちキサンツレン酸の生成が増加する背景の共通点は「代謝酵素」とその代謝酵素の「補酵素」にあるようです。
その補酵素の正体はビタミンB6であることも多くの研究報告によってわかりました。
1975年のBritish journal of medicine(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1131652)発表された、妊娠糖尿病の14人の妊婦に対するビタミンB6の投与検討では、1日100mgのビタミンB6を2週間継続した結果、12人(86%)の妊婦で糖負荷検査で正常値になったことが確認されています。続いて1977年に行われた同様の検討では、13人の妊婦全員(100%)に高血糖状態が改善されたことが報告されています。
別の報告では、妊娠糖尿病の女性が情緒不安や睡眠不足を持つ女性が珍しくない背景に、トリプトファンの代謝不良によるセロトニンとメラトニンの合成低下の可能性も指摘されています。
妊娠初期のつわりがありますが、この背景もトリプトファンの代謝低下でることが報告されていますが、つわりのレベルに有無に個人差があるのもまたキサンツレン酸の増加が関与していると思われます。
妊娠初期につわりがシビアな妊婦さんは、その後の妊娠糖尿病の予防h積極的に意識をするべきだと思います。
なお、ビタミンB6を摂るのでれば、日本国内で製造販売されている「塩酸ピリドキシン」のサプリメントではなく、医療施設に相談して「ピリドキサール(P5P)を処方していただくぉとをお勧めします。









by nutmed | 2016-12-21 11:06