第1462回 カンジダ菌と糖尿病

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今日のテーマは、日本でも糖尿病の専門医師の中にも注目をしはじめたドクターが増えつつある、カンジダ菌と糖尿病の関係についてです。

あまり注目されてきてはいませんが、糖尿病の症状にあるインスリン抵抗性による高血糖と低血糖症状の拝啓には、カンジダ菌の存在と旺盛な繁殖がかかわっていることが近年の研究で分かり始めています。
糖尿病症状の1つである高血糖、インスリン抵抗性増大
カンジダとの関係は何でしょうか?

それを知るためには、体内でのカンジダ菌の機能について知る必要があります。 カンジダ菌は、体の多くの臓器や組織に見られる様々な環境に適応する驚くべき能力を持っカビの一種の真菌で、その繁殖成長にはエネルギー減として糖分が不可欠です。カンジダ除菌食事療法において真っ先に糖質制限を指導される背景には、カンジダ菌の繁殖の源である糖分の枯渇による兵糧攻めが有効であるためです。


カンジダ菌が体内で組織破壊を引き起こす主なメカニズムは、Secteted Aspartyl Proteases(SAPs)と呼ばれるプロテアーゼ酵素によるものです。 プロテアーゼ酵素は、タンパク質およびタンパク質構造を破壊する働きを持つ酵素です。 カンジダ菌は繁殖に伴いこのタンパク質分解酵素のSAPを生産します。
カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、このSAPプロテアーゼ酵素が糖尿病、高血圧、およびカンジダ感染の3つの一般的な症状である免疫系抑制につながる可能性があることを発見しました。 SAPは、インスリンが作用するためにインスリンが結合する細胞上のインスリン受容体を破壊することによって、糖尿病を作り出すと考えられます。

インスリンは、膵臓腺により産生されるホルモンで、

細胞の受容体部位に付着し、細胞壁に門を開き、糖が細胞に入り、絵ベルギー源として使用されるという点で重要な働きをします。 インスリンは受容体がなければ、糖は血流にとどまり続けて蓄積し続け、血糖を調節する際の問題につながります。

SAPを介して、カンジダは、細胞壁上のタンパク質で作られた受容体を破壊することができ、より高い糖が体内を循環することで糖尿病を発症させます。

すでに、カナダ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドでは、党病病(2型)の予防及び治療に、カンジダ菌の除菌を含めたコントロールを取り入れたアプローチが広がっているようです。

糖尿病の予防については、とかく糖質制限、食事制限、投薬治療がメインストリームの日本の医療ですが、カンジダ菌の適切なコントロールは非常に有効なアプローチであると考えられます。

カンジダ菌は腸内細菌の環境改善だけでなく、口腔内のカンジダ菌コントロールからスタートする必要があると思います。


by nutmed | 2017-01-24 16:07