リコペンについて少し・・・

最近トマトなどの野菜にすいて気が付いたことがあります。もう365日いつでもトマトや茄子などの季節野菜が食べられるようになって久しいですね。子供たち、いえ、大人中にもトマトが夏野菜だってことを知ってる人が少なくなったのは少し悲しいですが、私の中では、確実にこの数年テレビやメディアが意識して季節野菜、つまり旬の畑の恵をその季節に流すようになったと感じています。これは決して偶然ではないと思いたいですね。さて、今日はトマト、それもトマトが我々人間に与えてくれる恵の1つであるリコペンについてお話しましょう。
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いまさらトマトとリコペンの関係を説明する必要はないと思いますが、トマトがなぜ強力な抗酸化作用を持つフラボノイドのリコペンを作り出しているのかについてはあまり知られていないと思います。端的に言えばそれは「種族の保存のため」といっても過言ではないでしょう。露地で赤々と結実したトマトの甘さを懐かしく思う方もいると思いますが、露地と温室で育ったトマトでは味だけでなく色調が異ります。燦々と太陽の光を浴びて育ったトマトは紫外線からDNAの損傷や細胞の酸化を防ぐためにリコペンを作り出し、結果として優良な子孫を残すための種を作ることができます。実際、リコペンが持つ紫外線防御数値(SPF値)はSPF3で、それほど高い数値ではありませんが、数年前から米国やフランスではリコペンの持つ紫外線防御機能を利用して、オフィスや屋内にいるときの間接的な紫外線の影響を防ぐためのローションが商品化されているのをご存知ですか?しかし、シミやソバカスの原因になるメラニン色素は皮膚の中から発生するものであること、また皮脂や汗でいくらSPF値の高い化粧品を使っても、一時的な対処法でしかないことは言うまでもありません。2002年に英国の栄養雑誌が、リコペンと紫外線予防について興味ある研究報告をしているので紹介します。毎日リコペンを最低でも20mg摂取すると紫外線によって発生するメラニン色素が抑制されるというものです。20mgのリコペンを摂取しようと考えると生のトマトなら1kg、トマトジュースなら250cc、ケチャップなら50gも必要でお腹が膨れてしまいますね。やはりリコペンの恩恵はサプリメントから賢く摂るほうがいいと言うことになるのでしょうかね。リコペンが生の素材よりも加工品に多く含まれる理由は、リコペンは生の場合には繊維結合して活性が低いのですが、加工によって繊維と切り離されることで多くのリコペンが活性された形になるためであることを覚えておくと賢くリコペンが摂取できますよ。
by nutmed | 2006-08-22 13:22