食育と食のモラル

今朝、8時45分ころからFM局のJ-WAVEで11月22日のセミナーを別所哲也さんんが紹介してくれましたので、聴いていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
番組の中で「食育」が1つのテーマになっていましたが、この食育、最近のキーワードにもなっていますよね。いじめによる自殺や荒廃した教育、落ち着きのない子ども、学力の低下、国会で安部総理もが取り上げるほどの大きな話題ではあります。
私は常々食育については思うところがありまして、現代の子どもの行動や意識が全て食育で解決できるとは到底考えていません。 むしろ今仰々しく組織された研究会や国会議員、栄養士の先生たちが集まって議論したところで、解決できるのは目の前にある現象だけで、子どもだけでなく親や周囲の大人の心の奥底にポカンと開いてしまった穴は埋めることができないと思っています。「何ですか、その穴って言うのは?」
それはズバリ、「モラル(道徳)」だと感じています。もっと具体的に言えば「食のモラル」です。
もちろん、皆さんの多くが子どものころお爺さん、おばあさん、両親から口やかましく言われていた「箸の持ち方」「ご飯粒を残さない」「よく噛んで食べる」と言ったことは素材の生産者であるお百姓さんに申し訳ないことだということも含まれますが、それだけでなく、「何故食事をしなければいけないのか?」「食事の環境がもたらすもの」、少し哲学的になってしまうかもしれませんが、食材と人間の関係、食事の仕方など「道徳観念」があるべきところにその道徳がなくなってしまったことが大きな原因の1つだと考えています。モラル(道徳)は何も食だけではなく、毎日の生活の全てに共通してあるべきものがこの「道徳」だと思うんですね。
自分でも、ハッ!とするような非道徳的な言動はありますが、子どもだけでなく全ての大人が、今の世の中がこの道徳観念を忘れてしまっているのではないでしょうか?
では誰がいつこのモラルを教えるのか? 多くの小中学校が道徳の授業を見直す動きがあるようですが、インターネット普及のこの時代だから「情報モラル」を売りにした道徳の授業をやるのもいいでしょう。でも、何もわからずに世の中に出てきた子どもに、これから生きていくためのルールとしての人間のモラルをすりこんであげられるのは、一番身近にいる親兄弟ですね。私の立場から言えば、まさに親御さんにこそ食生活を通じて食のモラルを教えてあげていただきたい。どうでしょう、「今更ね・・」と言わずに今からでもモラル(道徳)について真剣に考えてみませんか?
by nutmed | 2006-11-09 13:30