花粉症の季節を乗り切るためのちょっとイイ話

2007年もスタートして1ヶ月が過ぎ、世の中は通常のビジネスモードに入りはじめたようです。いつの頃からか、この時期になると天気予報では「花粉の飛散状況」が流れるようになりましたね。それだけ花粉症に悩まされる人が増えているということでもあります。インフルエンザが猛威を振るうこの時期、街や電車の中でマスクをする人を多く見かけるようにもなりますが、マスクをしている人の40%は恐らく花粉症に悩まされている人ではないでしょうか。目がかゆくなり、鼻がグズり、頭がボーっとなり、花粉症の人にとってこれからの季節は本当に憂鬱な時期のスタートとなります。抗ヒスタミン剤やステロイド剤など、最近は非常に効果のある薬がありますが、効果が高い分、少なからず副作用や体内環境やバランスを崩してしまう可能性のある薬も少なくありません。よく耳にするのが花粉症の諸症状を緩和するために薬を飲むことで眠くなったりだるくなる症状がでてしまうのが困るということです。
*花粉症のメカニズム
花粉症が何故おきるのかについてはTVや雑誌でもおなじみですが復習の意味で少し説明しておきましょう。花粉症がおこる原因は、外部からの侵入者を排除するために人間が持っている「免疫機能」によるもので、ウィルスや細菌、化学物質に対して働くメカニズムですが、花粉や人間が食べる食物のたんぱく質などを侵入者と認識してしまい免疫機能が働いて体が過敏反応をしてしまうことによるものです。図を見てもらうとわかるように、花粉症の主な症状である鼻水、くしゃみなどはヒスタミンとロイコトリエンという物質によって引き起こされます。ヒスタミンはくしゃみや鼻水を発生させて、粘膜についた花粉を吹き飛ばそうと働く物質で、ロイコトリエンは花の血管を膨張させて鼻づまりを引き起こします。
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*花粉症の症状改善緩和の素材
・甜茶(てんちゃ)の効果
花粉症の諸症状改善のための素材は少なくありませんが、最近日本だけでなく米国でも注目されている素材が甜茶(てんちゃ)です。甜茶の「甜」の文字は甘いを意味する言葉で文字通り甜茶は甘みのあるお茶です。原産地は中国で、古くから健康茶として飲まれています。抗アレルギー作用(ヒスタミンコントロール作用)があることがわかっているのは、バラ科の甜葉懸釣子(てんようけんこうし)のみです。甜茶にはポリフェノールが多く含まれていて、甜葉懸釣子に含まれる甜茶ポリフェノールは、ヒスタミンの分泌を抑えることによって、花粉症やアレルギー性鼻炎などに効果があると考えられています。医療機関などでも甜茶ポリフェノールと同じような作用を持つ抗アレルギー剤などが治療に使われますが、甜茶にも同程度の改善が見られたという報告があります。
甜茶の効果的な摂り方は、症状が出てくる前(花粉が飛び始める1ヶ月ぐらい前)から予防的に飲み続けることがおすすめです。毎日数回に分けて飲むと良いでしょう。また、甜茶ポリフェノールを含有しているバラ科の甜葉懸釣子が原料となっている商品かを確認することも重要です。甜茶は健康茶として歴史が古く、また医薬品のような眠気などの副作用も少ないと言われていますが、食後血糖の上昇を抑制する作用が報告されていますので、糖尿病治療で血糖降下剤を服用している方、また現在医療機関を受診している方は、摂取する際には医師へ相談するようにしましょう。

*花粉症症状緩和のために有効なその他の素材
すでに長い期間花粉症に悩まされている人の多くは、ヒスタミンのコントロールが上手くできなくてロイコトリエンという物質が沢山作られてしまうことが少なくないようです。このような場合には、花粉が飛散する前から以下の素材を積極的に摂ることでロイコトリエンの生産をコントロールして鼻つまりなどの症状を緩和してくれるでしょう。
①フラックスオイル(亜麻の実オイル)
②ケルセチン(タマネギの皮や柑橘類に多く含まれるフラボノイド)
③クルクミン(ウコンの主成分)

ヒスタミンはマグネシウムと深く関わっていて、マグネシウが不足している人の場合にはヒスタミンの生産量が増加するという研究報告もあり、また、ビタミンCは血液中のヒスタミンを下げる働きがありますので、花粉の飛散時期には積極的に摂ってもらいたい栄養素ですね。ビタミンCの目安としては1日に800~2,000mg、マグネシウムは1日に100~300mgを1日に数回にわけてサプリメントなどで摂るといいでしょう。

*ワンポイントアドバイス
鼻つまりがひどい場合には外出前のプロポリスが有効です。綿棒にプロポリスを染み込ませ、それを鼻の内側に十分に塗ってみてください。個人差はありますが5~8時間は症状を緩和する期待は大です。
by nutmed | 2007-02-03 00:09