歯科医は街のヘルスゲートキーパー!

昨晩の春の嵐は凄まじかったですね!各地で大きな被害がでているようですが、またしても異常気象の影響、そして大都会の脆さが露呈してしまったようです。
さて、今日は24節季の1つ「啓蟄」です。冬眠していた虫や小動物がそろそろ陽気に誘われて顔をだしはじめる頃なんですね。ただ、今年は虫や小動物たちもゆっくり冬眠できないほどの異常気象だったのでは・・・

私事で恐縮ですが、実はこの4月から横浜にあります鶴見歯科大学の非常勤講師を仰せつかることが昨日正式に決まりました。私の生涯ライフワークの目標の1つが教壇にたって後に続く世代に教えることだったので、何を置いても嬉しい知らせでした。以前からこのブログでも書いていますが、私は歯科医ほど地域住民の健康管理のヘルスゲートキーパー(健康の管理人または門番)として最適なポジションにある医療従事者はいないと思っています。
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我々が毎日食べる食材はどこから体内に入るのでしょうか? そうです、口からですよね。
口の中には食べた食材を細かく砕き、口の中で分泌される最初の消化酵素と混ざり合うことで消化のプロセスがスタートするわけです。このプロセスで最も重要な役割を担っているのは「歯」ですよね。この歯がガタガタになるような歯槽膿漏や噛みあわせができなくなるような虫歯があっては、正しく食材が砕かれないばかりか、消化や味覚にさえも大きな影響がでてきます。
日本人は世界的にも類稀な味覚を持っていた民族ですが、食材の変化、生活習慣の変化だけでなく、この歯の健康によって、その味覚さえも変わりつつあるようです。

さて、体が必要とする栄養素を分解する最初のプロセスに大きくかかわっているこの「歯」の健康の専門家が歯科医なわけです。皆さんだって、内科や泌尿器科、産婦人科などに行って「健康のためには・・」と難しい言葉を並べられて説明されるよりも、人間にとって食事がどれほど大切であり、その食事から必要な栄養素を摂るためには「歯」が大切だという説明を受けたほうが、理解できるのではないでしょうか。

白くて美しい歯やチタンのボルトを歯の骨に埋め込んで歯を作ることもQOL(生活の質)の向上には重要なことですが、これからの歯科医、歯科衛生士に求められるのは、自分の歯を永い期間健康に保たせ、人間の細胞が必要とする栄養素をどのように摂取させるか、そして最適な健康を維持させるかとい地域住民への指導啓蒙だと考えます。

そのために、私がどれだけの力を発揮できるかはわかりませんが、少なくとも今回の講師の立場から、1つのきっかけ作りができるのではないかと思っています。
by nutmed | 2007-03-06 10:06