ビタミンB6について

最近の気象庁は中々断定的なことは言わなくなりましたね。どうやら関東も梅雨明けのようです。昨日までのメディアの報道では今年は野菜が高騰し、1993年のように米が劇的に不足して米の輸入措置なんてことも言ってましたが、今後注意しないといけないことは事実ですが、そうならないことを祈ってます。

さて、今日はビタミンB6についてです。
以前ブログで日本人のマグネシウム不足傾向についてお話しましたが、マグネシウムとともに沢山の酵素の働きに必要なビタミンがこのビタミンB6です。
別名ピリドキシン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシン塩酸塩、P5P(リン酸ピリドキシン)とも呼ばれ
水溶性であり、熱に対して比較的安定しているビタミンB群の1つです。
ビタミンB6が含まれる素材としては、アボカド、バナナ、ふすま、ビール酵母、ニンジン、鶏肉、トウモロコシ、オヒョウ、ニシン、サーモン、エビ、マス、マグロ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、米糠、大豆、ヒマワリ種、クルミ、小麦胚芽で、体内で必要なビタミンB6の形として最も望ましい
P5P(リン酸ピリドキシン)を多く含む食材は以下のとおりです。
全粒小麦     0.6mg/45g
アボガド     0.4mg/半個
バナナ      0.3mg/1本
カシューナッツ  0.8mg/100g
コーンフレーク  0.6mg/30g
ピーナッツ    0.29mg/100g
ジャガイモ    0.5mg/150g
ひまわり種    0.63mg/50g
サツマイモ    0.33mg/130g
魚白身      0.5mg/150g

現在市販されているサプリメントに含まれるビタミンB6のほとんどは、合成されたピリドキシン塩酸塩で、天然の素材から抽出したリン酸ビリドキシン(P5P(Pyridoxal-5-Phosphate)を配合したサプリメントの摂取が好ましいと言えます。
人間の体内では、ビタミンB6は腸内細菌によって作られますが、その僅かしか吸収利用できません。ビタミンB6が不足傾向にあるのは、授乳期の妊婦、消化吸収の働きが低下する高齢者、また、エストロゲンを主成分とする避妊用ピルを服用している女性です。
我々の体はピリドキシンをビタミンB6として直接は吸収できません。ではどのようにして吸収するかと言うと、我々の体に好ましい形に変化させて吸収します。
その形がP5P(Pyridoxal-5-Phosphate)であり、この形こそが、人間の体が吸収し得る形であり、速やかに吸収され、後述するビタミンB6の働きを産み出します。
P5Pの形でビタミンB6を摂取することによって効果があるのは、上記のような不足傾向にある対象者に加え、自閉症小児、SIDS(小児突然死)の危険のある乳幼児です。
特に新生児や乳児では、P5P(Pyridoxal-5-Phosphate)の形でしかビタミンB6を吸収利用できないことから、ピリドキシン塩酸塩の形でビタミンB6を補っても吸収利用できないため、実質的なビタミンB6の欠乏状態となり、神経系統の働きにダメージを及ぼすことが少なくありません。この時期にビタミンB6の欠乏状態を経験した新生児や乳児は、発育の途中で動脈硬化発症の危険率が高くなるという報告もあります。
日本ではP5P(リン酸ピリドキシン)は医薬品として処方されてます。

ビタミンB6は摂取後、約8時間後に尿から排泄される。したがって、食事から常に摂取しなければならないビタミンの1つである。
最近の研究では、葉酸とともに摂取することで動脈硬化の引き金になるとされるホモシステイン(アミノ酸の1種)の抑制にも効果があると言われている。
ビタミンB6の作用
①水分バランスの調整(NaとKのバランスを調整)
②マグネシウムと亜鉛の代謝促進
③正常な赤血球の生産
④脳神経伝達物質(エピネフリン、セロトニン)の生産
⑤ホモシステインの抑制
⑥アンチエイジング(老化抑制)のための正常な核酸(DNA)の合成
⑦たんぱく質代謝に必要な酵素生産
⑧脂質代謝に必要な酵素生産
⑨炭水化物代謝に必要な酵素生産
⑩アミノ酸のトリプトファンをナイアシン(ビタミンB3)に変換させる
⑪エネルギーの生産
⑫必須脂肪酸の代謝
⑬抗体の生産
⑭胃酸の成分である塩酸の生産を助ける
⑮ビタミンB12の正常な吸収
⑯各種皮膚疾患の改善
⑰前立腺肥大の抑制(プロラクチンの分泌抑制作用)
⑱PMSの改善
⑲シュウ酸塩腎臓石の形成を抑制
⑳血液抗凝固作用
by nutmed | 2007-07-24 09:21