大豆とトリプシン(消化酵素)

早いもので今日から11月、霜月(しもつき)ですね。今年のあと2ヶ月・・なんて言葉があちこちで聞こえてきそうな季節になりました。昨夜は我が家の近所の幼稚園でもハローウィンパーティーがあったようで、衣装を身につけた子どもたちがお母さんに手をとられてウロウロしてました。

さて、今日はトリプシンというたんぱく質分解酵素についてです。
トリプシンは膵臓で作られたんぱく質を分解する酵素の働きを持つほか、膵臓のB細胞という細胞が作り出すインスリンのコントロールに関る酵素でもあります。
少し前に大豆といえば「イソフラボン」が有名でしたが、同じように糖尿病(2型)の治療にこのトリプシンを阻害する働きを持つ「トリプシンインヒビター」という物質が注目されています。トリプシンインヒビターを2型糖尿病の治療や栄養療法で用いることはすでに10年ほど前からアメリカやイタリアでも研究されています。このトリプシンインヒビターという物質は天然素材にも含まれていて、中でも生の大豆には豊富に含まれています。このほかピーナッツなどにも。
トリプシンインヒビターは膵臓を肥大させる働きをもっているために以前は人間にとって良くない物質と考えられてきましたが、使い方と対象者を正しく見極めることによって、膵臓でインスリンを作り出すB細胞を増殖させインスリンの生産を高めることから、2型糖尿病やその予備軍の予防には有効であることがわかってきました。
その見極めですが、まずたんぱく質を分解し体に必要なアミノ酸まで分解してくれるトリプシンの働きを阻害するわけですから、発達途上にある乳幼児から成長期にある13歳くらいまでと、神経の働きにかかわる症状を持っている方、特に痴呆症やアルツハイマーなどの症状が出ている方にはトリプシンの働きを阻害してしまうことは避けるべきです。
また、アスリートなど持久力を必要とする運動をするような場合にも同様ですね。そうそう、妊婦も同じです。次に、インスリンの生産が高まるということは血糖値を下げることになりますから、低血糖症状の方(反応性、無反応性)の症状がある場合には避けるべきでしょう。

きっと「それじゃ子どもに豆腐や納豆は食べさせないほうがいいのか?」という声が聞こえてきそうですが、大丈夫、トリプシンインヒビターもトリプシンと同様に熱に弱い酵素(50℃以上になると活性を失う)ですから、熱を加えて加工している豆腐、納豆、味噌ではトリプシンインヒビターの働きは失われています。
では、逆に血糖値を抑えるためにはと言うと、浅煎のきな粉、生豆乳(大豆を茹でずに搾ったもの)などがお勧めになりますね。


 
by nutmed | 2007-11-01 12:57