臨床栄養士のひとり言

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コルチゾールのコントロール

今年は雪が多いせいか、花粉症の方も多少は症状が出にくくなっているかもしれませんが、この後すぐに春一番が吹く季節に入りますから、地面に雪とともに落ちている花粉が舞い上がって症状が悪化するかもしれませんよ。ご注意ご注意・・

さて、今日はコルチゾールのコントロールのしくみについて説明しましょう。
コルチゾールの生産と分泌量は主に脳によってコントロールされています。精神的ストレスが高くなったり、うつ状態になったりするとコルチゾールの分泌量に影響を与えるのはこのためです。
脳の下のほうにある視床下部、下垂体という組織がコルチゾールのコントロールに関っていて、体調、環境などによって副腎に信号を送ることによってこのしくみは働きます。
かつてブッシュ大統領がテロ支援国を「悪の枢軸」と呼んでいたことがありますが、コルチゾールをコントロールの生産と分泌をする視床下部、下垂体、副腎は「生命の枢軸」と言ってもいいかもしれません。英語では「HPA Axis:Hypothalamus/Pituitary/Adrenal」(Axisとは軸という意味)と呼んでいます。

視床下部からはCRF:コルチコトロピン放出ホルモン、下垂体からはACTH(副腎皮質刺激ホルモン) というホルモンが分泌されますが、これらのホルモンは信号のような働きをしていて、体調、環境などによって副腎にコルチゾールの生産と分泌量を加減する刺激を送ります。
このしくみは専門用語では「ネガティブフィードバック機構」と呼ばれていますが、何だか難しい名前ですよね。簡単に言えば暖房ヒーターのスイッチを温度の変化によってON/OFFするしくみだと言えばわかりやすいでしょうか。
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室内には常に適切な温度を保つために温度を感知するサーモスタットがあります。これが視床下部に相当します。感知した温度によってヒーターから暖かい空気を出し室内を暖めるためのスイッチがあり、これが下垂体に相当します。そしてヒーターが副腎に相当します。
室内の温度が上昇しすぎるとサーモスタットが温度を感知してヒーターを止めるためにスイッチがOFFになりますが、このしくみを「ネガティブフィードバック」といいます。つまり、何かを抑制したり低下させるために働くしくみです。このしくみによって人間の体内では恒常性を保つための1つとして副腎が生産分泌するコルチゾールの量を一定に保っているわけですから、副腎疲労症候群は副腎に対する直接的なダメージや負担だけでなく、生命の枢軸の視床下部や下垂体の働きが低下することでもおこるわけです。
by nutmed | 2008-02-07 11:30