副腎疲労症候群 最終回

今日から新年度。巷ではガソリンの価格が下がることや食品の価格が上がることで大騒ぎの新年度スタートですね。今日の東京駅周辺は新社会人とハッキリわかる新入社員が不安と期待をいだいて歩いていました。これから2-3か月は新しいルールや組織の中でストレスを被るのでしょうね・・・

さて、1月12日からスタートしたはじめてのロングラン企画で紹介してきた副腎疲労症候群のテーマもいよいよ今日で最終回です。約2ヶ月半、たくさんのメールをいただき、また副腎疲労症候群についての講演会の依頼が舞い込んだりと予想以上に反響が大きく本人も驚いていると同時に、予想以上に副腎疲労症候群および、その予備軍が多いかに驚愕もしています。

この8か月ほどの間、知り合いのドクターやクリニックに協力を仰ぎ、数十名の方のだ液コルチゾールを分析した結果、副腎の働きが極限まで疲弊し、すでに副腎疲労の極地に至ってコルチゾールが1日を通してほとんど生産分泌されない方も数人いたことに驚きましたが、いつこのような状態に至ってもおかしくないような、コルチゾールが1日を通して慢性的に高い状態のいわゆるAFS予備軍の方が非常に多いことにおどろきました。

予備軍の方のほとんどが血液や尿の検査、問診を受けても、異常な値は見られないけれども、確実に何らかの症状をかかえている、いわゆる「不定愁訴」をもった方であることを考えると、今後もAFSが増大することは間違いのないことでもあり、従来のアプローチとは異なる診断、検査、治療を進めてもらうことが必要だと痛感しています。

最後に予備軍である可能性のある方の副腎の状態を復讐の意味で紹介してこのテーマの最終回とします。

*副腎とは?
副腎の大きさはクルミと同じくらいで、重さはブドウの巨峰1個よりも少し軽い程度。形は調度ミラミッドのような形で腎臓の上にある臓器です。形はちいさくてもその働きは人間にとっては重要なそしてパワフルな働きをもった臓器です。俗に「ストレス調整臓器」とも言われるようにストレスに対する機能を持ちますが、それだけではなくホルモンの生産分泌、免疫、炎症、糖のコントロールに関わる働きのほか、炭水化物と脂質の代謝、たんぱく質と脂質のエネルギーへの変換、脂質の蓄積(特にわき腹と顔の頬)、胃酸のコントロールなどなど、副腎には多くの働きがあり、どれ1つをとっても人間の営みには欠かすことのできない働きばかりです。
また、副腎は加齢とともにその働きに変化がでてきます。思春期から青年期にはおもに生殖器で作られて来た性ホルモンは、中高年期になるとその多くが副腎でつくられるようになります。

*副腎に負担となる原因背景
副腎は非常に繊細な臓器とも言えます。過信や些細なことでも予想以上のストレス負担を受け、それが慢性的に継続したり、突発的に何かが起きることによっても想像以上に負担となり、徐々に症状が慢性的になります。副腎の負担からくる症状のやっかいなところの1つは、今まで全く普通に生活・仕事ができていたのに、ある日突然にドーンと症状が現れることです。副腎への負担からくる症状を予防するためには、日常生活のチェックとその改善が一番です。

副腎への影響となる主な要因を挙げると・・・・
・重金属
・化学物質
・アレルギーを起こす原因物質
・過労
・喫煙
・睡眠不足
・早食い
・精製糖、精製漂白小麦の頻繁な摂取
・運動不足
・薬の継続服用(特に抗生物質、ステロイド剤)
・腐敗した食材の摂取
・カフェインの頻繁な摂取
・恐怖心
・不安
・恒常的な緊張
・肉体的ストレス
・親族友知人の死
・ウィルスや細菌の感染
・多量、頻繁な飲酒
・ジャンクフード、ファーストフードの頻繁な飲食

これに加えて生活習慣病といわれているような糖尿病、高血圧、高脂血症、そして低血糖症、慢性疲労症候群、花粉症など、持病として抱えている症状のストレスも副腎には大きな負担となります。実際には、副腎にかかる負担が慢性化し継続することでこれらの病気が発生することが少なくありません。

*副腎に負担がかかることであら現れる症状
アレルギー症状・ぜんそく・リウマチ・関節炎・骨密度の低下・化学物質過敏症・慢性疲労・高血圧・高血糖・肥満・痴呆・不眠症、慢性微熱、体温の低下、どれを見ても現代人の多くが持ち、悩む症状ばかりです。

*副腎とホルモン
副腎の主要な働きにはホルモンの生産と分泌があります。副腎は主に3つのホルモンを生産していて、コルチゾール(グルココルチゾール)、アルドステロン、アンドロジェン(DEHA/DHEA-S)です。コルチゾールの主な働きは日常生活で受けるストレスのコントロール、血糖のコントロール、免疫機能のコントロールです。また、アルドステロンには、塩分と水分のバランスをコントロールする働きがあります。アンドロジェンのDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)はホルモンの母と呼ばれていて、テストステロン(男性ホルモン)及びエストロゲン(女性ホルモン)に変化します。体の中でもこれだけ多くのホルモンを作り、多岐にわたる機能をもった臓器は少なく、逆に言えば副腎に高いストレス、負担がかかることによって体に現われる症状は少なくありません。

*副腎ホルモン「コルチゾール
副腎が作るコルチゾールの生産状態をみることは、副腎の働きと現在の疲労状態を推測するために有効な方法です。
副腎が作るホルモンであるコルチゾールには日内変動があり、通常、午前6時ころから生産が増え、午前8時ころにその生産はピークを迎えます。これはエネルギーを最も必要とするのが日中の活動期であるからです。その後午前11時から正午にかけて急速に生産は低下し、午後3時以降午前0時に前後に最も生産が低くなります。低い状態が翌日の午前5時から6時まで継続します。午後11時以降、翌朝午前6時ころまでは、日中のピーク時に生産されるコルチゾールの10%程度しか生産されませんが、これは日中に多くの精神的、肉体的ストレスを受け、エネルギーの供給のために限界状態で働いている副腎がリラックスをするための休息期になります。残念ながら、現代人の仕事、食事、居住などの生活環境を考えると、副腎の働きを限界以上に酷使するような環境を背景としたコルチゾールの生産異常が少なくありません。

コルチゾールが高い場合
①コルチゾールの生産と分泌が過剰になると、病気や感染症に対する抵抗力である免疫力の強弱に関る免疫細胞を作る臓器(胸腺)が収縮してしまうため、免疫細胞を作る働きが低下します。その結果、ウィルスや細菌の感染、皮膚の炎症、傷の治りが遅くなるなどの症状が出やすくなります。
②コルチゾールの生産と分泌が過剰になると、甲状腺ホルモンの分泌が低下し、食欲不振や食欲低下、平熱から比べて体温が低くなる低体温になります。その結果、体力が落ち病気への抵抗力も低下します。
③コルチゾールの生産と分泌が過剰になると、食物を消化分解したり、ウィルス、細菌の殺菌をする胃酸の生産と分泌を促進するホルモンであるガストリンの分泌を促進します。ストレスなどによってガストリンの分泌が促進されると、食物が胃の中に無い状態のときにも胃酸が慢性的に出るような状態が続き、結果として胃潰瘍を引き起こすことがあります。
④コルチゾールにはタンパク質をエネルギー源となるグルコースとグリコーゲンへの変換を促す働きがあります。コルチゾールの生産と分泌が慢性的に過剰になると、筋肉を構成しているタンパク質の分解が進みます。その結果、筋力の低下、筋肉疲労が起こります。
⑤コルチゾールの生産と分泌が過剰になると、脳内でのセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の合成を低下させます。その結果、ストレスへの抵抗性が低くなり、喜怒哀楽がはげしくなったり、うつ病を発症させる可能性もあります。
食べたものの糖分はエネルギーとして使われるためにインスリンというホルモンの働きによって糖分を細胞へ取り込みますが、コルチゾールにはこのインスリンの働きを抑制し、血糖値を上昇させる働きがあります。コルチゾールの生産と分泌が慢性的に過剰になると、血糖が慢性的に高くなり糖尿病を引き起こす可能性が高くなります。
by nutmed | 2008-04-01 18:00

栄養・健康・食に関する気ままな日記


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