ワクチンと自閉症の関係の裁判本格化

今から丁度4年前の4月、私が自閉症の子供のケアを始めて3年目を迎えたころにケアをスタートした東京在住の男の子がいます。私が彼に会ったのはもう少しで3歳を迎えるころでした。九州からお父さんの転勤で上京したばかりで、私がケアしていた他の自閉症のお子さんに比べると症状はシビアなものではありませんでした。お母さん、お父さんをはじめとする家族や、そのころ通っていた療育所、幼稚園の先生の熱心なケア、何よりも一番頑張ったのは彼でしょうが、その彼がこの4月からピカピカの1年生になりました。それも一般の子供と同じ普通学級の1年生です。 一番喜んだのはもちろんご両親ですが、多少なりとも彼をケアしてこの4年間ずっと見守ってきた私にとってもわが子のことのように嬉しいニュースでした。
この数年でメディアやマスコミが以前に比べて自閉症に対する「正しい報道」をしてくれたこともあるでしょうが、世の中の人が彼ら彼女たちを見る目や考え方が少しずつ変化してきたことは幸いなことですが、残念ながら自閉症そのものの数は年々増える傾向にあるようです。
自閉症の原因は実はまだはっきりとした確定的なものはありません。ウィルス感染、食事(グルテンやカゼイン)、農薬に含まれる化学物質、そして水銀による背景など、単一の原因によるものではないことも診断やその後の治療に影響を落してもいます。

そんな中、私が以前からアプローチしている自閉症と水銀に関係するニュースがアメリカから届きました。
昨年2007年6月にアメリカ連邦裁判所法廷が自閉症小児の9つのケースいついてワクチンに含まれるチメロサール(Thimerosal)と自閉症の発症の因果関係を詳細に検証するという、従来からは考えられない異例の審判をくだしました。この検証の結果によっては、ワクチンの副作用に自閉症の発症の可能性がリストアップされることになり、ワクチンを接種する場合にはドクターまたは自治体が自閉症を発症する可能性を明確に患者に説明しなければならなくなります。この結果は今年2008年中には出る予定になっていますが、全米でも注目のニュースになっています。
ただし、実際には過去15年間でワクチン接種との因果関係が強く疑われる5000あまりの自閉症のケースが連邦法廷に上告されてきましたが、すでに300のケースについては認められず、いまだに4700のケースについては保留になっている状態が一方であります。
チメロサール(Thimerosal)はワクチンの防腐剤として使用されている物質で内容には水銀が含まれています。この水銀は体内に入っても通常であれば2週間前後で尿や便から排泄されてしまうものですが、ワクチンを接種する対象が肝臓の機能がまだ未成熟な乳幼児であることや、体内に侵入してきた水銀が別な物質と結合することによって長い時間体内に蓄積しはじめることも報告されています。

日本ではワクチンの水銀についてはあまり多くが報道されませんが、北欧のスウェーデンでは100%チメロサールが配合されていないワクチンをすでに使用しています、またドイツでも限りなくゼロに近い基準を設けています、アメリカでもその動きに呼応しはじめました。

少しデーターは古くなりますが2001年3月に厚生労働省が発表しているチメロサールを含むワクチンのリストを紹介しておきます。

インフルエンザHAワクチン,日本脳炎ワクチン,組換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来),組換え沈降B型肝炎ワクチン(CHO卵巣細胞由来),沈降B型肝炎ワクチン(huGK-14細胞由来),沈降破傷風トキソイド,成人用沈降ジフテリアトキソイド,沈降はぶトキソイド,沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン,沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド
[販 売 名]
ビケンHA(阪大微研)
インフルエンザHAワクチン(化血研)他
日本脳炎ワクチン(化血研)他
γ-HBワクチン「シオノギ」(塩野義)
ビームゲン(化血研)
ヘプタバックス-II(万有)他
γ-HBワクチン「ミツビシ」(東京三菱)
沈降B型肝炎ワクチン(明治乳業)
沈降破傷風トキソイド"化血研"(化血研)他
成人用沈降ジフテリアトキソイド(阪大微研)
沈降はぶトキソイド(千葉血清)
沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン(化血研)他
沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド(化血研)他
[重要な基本的注意] 本剤は添加物としてチメロサール(水銀化合物)を含有している。チメロサール含有製剤の投与(接種)により,過敏症(発熱,発疹,蕁麻疹,紅斑,そう痒等)があらわれたとの報告があるので,問診を十分に行い,接種後は観察を十分に行うこと。
  平成13年(2001年)3月厚生労働省医薬局
by nutmed | 2008-04-03 10:01