第450回 注目の機能性成分 その3

昨日で14日間の北京オリンピックも幕をとじましたね。それにしても中国の躍進ばかりが目立った今回のオリンピックでしたが、ゲームから目を少し離してみると、何か異様な雰囲気の中で毎日のゲームが進んだ今回の北京オリンピックだったように感じたのは私だけではなかったのではないでしょうか・・
先週末に韓国のケーブルTV局の取材を受けました。テーマは重金属汚染についてで、日本の状況とその排泄についてのインタビューでした。スタッフの話を聞くと、韓国でも水銀をはじめとする重金属汚染がかなり深刻な問題となっているようです。残念ながら日本では1部を除いて番組をみることはできないようですが・・放映は9月26日の「MEDITV」という番組だそうです。

さて、8月も後半に入りました。しばらく閑話休題が続いていたので、注目の機能性成分に少し話を戻します。
今日はレスベラトロールについて。
レスベラトロールに関しては、この10年でたくさんの研究が世界中で進められており、その有効性については医薬品以上の効果があるエビデンスが多く報告されています。研究がはじめられた当初は、ポリフェノールとしてのレスベラトロールには心臓循環器の働きを改善する効果があることに注目され、その後神経伝達機能への有効性としてアルツハイマーの予防改善に有効である報告や血糖代謝の改善、免疫増強などの効果が続々と報告されてきています。
いずれの報告もその多くはレスベラトロールの持つ「強力な細胞の酸化抑制」にあります。今更の話ですが、細胞の酸化によって細胞組織の本来の働きが損なわれるわけですから、ほぼすべての疾患の背景には細胞の酸化があると思ってもいいでしょう。
レスベラトロールは植物がバクテリアやウィルスから身を守るために自らがつくりだしたアレキシンという物質が主成分ですが、このアレキシンは人間の体内でも作られる成分で免疫に関るたんぱく質として現在は「補体」と呼ばれています。アメリカ、ドイツ、イタリアでもレスベラトロールに血中の中性脂肪とLDL-コレステロールを抑制する作用があることが確認されており、高脂血症や肥満、高血圧、糖尿病の予防に期待がもたれていますが、最近の研究では、うつ病や痴呆症などの神経に関る症状のほか、免疫機能にも有効に作用することがわかりはじめています。
レスベラトロールには2つの異性体(cis-とtrans-)がありますが、中性脂肪とLDL-コレステロールを抑制する作用など様々な薬理作用を持つのはtrans-異性体のほうです。

レスベラトロールが含まれる植物には赤ブドウ、桑の実、ピーナッツ、大豆、蜜蝋があります。赤ブドウの中でもブルゴーニュ地方の赤ワイン種としても有名な「ピノ・ノワール」にはレスベラトロールが豊富に含まれています。俗に「フレンチパラドックス」ということがよく言われますが、あれほどワインを飲むフランス人には心臓循環器病の発症率が低い背景には、赤ワインに含まれるポリフェノール、特にこのレスベラトロールがあるからではないかとも言われています。

日本でも至るところに生育している「雑草」「山菜」の中にも豊富に含まれていることが確認されていて、イタドリ(Japanese Knotweed)にはレスベラトロールが豊富に含まれています。
イタドリは繁殖力が盛んで、てんぷらにしても良し、おひたしにしても良しで、日本でも昔からよく食べられてきた植物です。でも「ジャパニースパラドックス」ってことは聞いたことがありませんね・・・
日本でもフランスでも、むしろ「カントリーパラドックス」ということに注目すべきだと私は思います。レスベラトロールのような自然の生き物が備えている強力な抗酸化機能など、機能性成分を日常から摂取していることが健康の秘訣であることはだれしもが疑う余地はないわけですからね。
by nutmed | 2008-08-25 11:41