2008年 10月 17日
第474回マグネシウム Vol.8 吸収を阻害するもの
お近くの方や西東京方面の方には朗報だと思いますので、少し紹介しておきます。
岡田クリニック:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-4-14三宅ビル5階0422-26-9029
URL:http://www.okada-cli.com
さて、今日はマグネシウムの吸収を阻害してしまう色々な原因背景を紹介します。
マグネシウムは小腸で吸収が始まりますが、胃酸の分泌が十分であったとしても、残念ながら摂取したマグネシウム量の50%前後は便や尿から体外排泄されてしまい、平均して吸収されるマグネシウム量は摂取量の50%前後だと言われています。
マグネシウムの吸収に影響を与える要因
1、小腸、十二指腸の機能低下
2、マグネシウムが吸収される際に必要となるたんぱく質不足(合成不良)
3、副甲状腺ホルモンの分泌
4、水分補給の不足
5、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、ラクトース(乳糖)の過剰摂取
(これらの物質はマグネシウムの吸収を阻害する)
6、鉄の過剰摂取(鉄が過剰になるとマグネシウムの吸収を抑える。また逆にマグネシウムの過剰摂取によって鉄の吸収も抑えられる)もし、貧血ぎみで鉄分を摂取するのであれば、鉄を摂取してから3-4時間後にマグネシウムを摂取すると良い
7、シュウ酸はマグネシウムの吸収を抑制する(シュウ酸はホウレンソウやチャードなどに含まれている)
8、フィチン酸はマグネシウムの吸収を抑制する(フィチン酸は大豆や小麦胚芽などに含まれる)
シュウ酸について
シュウ酸は食物に含まれている自然由来の酸で、マグネシウムだけでなくカルシウムの吸収も阻害します。リンゴ、アスパラガス、紅茶、ブラックベリー、甜菜(ビート)、甜菜の葉、チョコレート、ココア、クランベリー、干しブドウ(赤)、グズベリー、ブドウ、ピーマン、スモモ、ラズベリー、ダイオウ、ホウレンソウ、チャード、イチゴ、トマトを摂りすぎないように注意します。幸いなことに、シュウ酸は熱を加えると破壊されます。したがって、アスパラガス、甜菜、甜菜の葉、フダンソウ、クランベリー、ピーマン、ダイオウ、ホウレンソウは調理して食すのにベストな食材であるといえます。
フィチン酸について
何千年ものあいだ、世界中のあらゆる食の伝承文化において、全粒穀類は、水に浸す、発酵させるなどの準備をしたうえで調理されてきました。すべての穀類とマメ科植物にはフィチン酸塩と呼ばれる物質が含まれていることを現代科学が発見したことにより、伝承文化における調理法が智恵にもとづいたものであることが明らかになりました。フィチン酸は、穀類の外皮やマメ科植物の種皮に含まれています。フィチン酸は腸管のなかでマグネシウム(さらに、鉄、カルシウム、リン、亜鉛とも)と結合して吸収を阻害します。フィチン酸塩を過剰に摂ると、深刻なミネラル不足、アレルギー、腸の痛み、骨量の減少を引き起こしかねません。あらゆる穀類にフィチン酸塩が含まれていますが、小麦、オート麦、豆乳にはとくに多く含まれています。では、どうすればよいのでしょうか?簡単です。穀類(大豆、オート麦、粟、ライ麦、大麦など)を料理するまえに一晩水に浸しておくだけでよいのです。また、味噌、醤油など発酵食品はフィチン酸塩を破壊するので好きなだけ使うとよいでしょう。しかし、豆腐、豆乳、大豆加工パウダーは発酵させてないので、フィチン酸塩が含まれています。したがって、制限して摂る必要があります。発芽パン、サワー種で膨らませたパンは長時間の発酵を経て作られているので、フィチン酸塩はほとんど含まれていません。そのほかのパンはすべてフィチン酸塩を多く含んでいるので注意してください。