2008年 12月 10日
第506回 カンジダ菌とイースト菌
さて、今日はカンジダ菌とイースト菌についてです。
カンジダ菌はパン酵母やビール酵母などイースト菌と同じ仲間であることは以前にも紹介しました。カンジダ菌を増殖させないようにするためには、パン酵母やビール酵母などイースト菌などを偏食しないようにすることと、カビで作られた食材(チーズなど)には注意することが大事であることも紹介しましたが、この背景には、これらのイースト菌やカビがカンジダ菌の住みやすい環境をつくってしまうことがあります。
カンジダ菌を含むイースト菌の作用には以下のようなものがあります。
1、カンジダ菌を含むある種のイースト菌は腸の粘膜を溶かしてしまう酵素を作り出してしまうことがあり、LGSを誘発してしまうこともあります。
2、イースト菌はアレルギー反応や細菌感染を容易に引き起こす免疫状態をつくる
(専門的には体の免疫防御機構の主役でもあるT細胞の中のTh1とTh2のバランスが崩れるため)
3、イースト菌やカビは乳酸菌、大腸菌など腸内細菌の性格を一変させてしまう。(事実この性質を利用して抗生物質の多くはカビからつくられている)
4、人間は傷の化膿や肺炎の原因となる黄色ぶどう球菌を自ら殺菌する能力を持っているが、カンジダ菌やある種のイースト菌はその能力を抑制する酵素をつくりだす
5、イースト菌は酒石酸、アセチルアルデヒド、アラビノールという有害な物質をつくりだす。酒石酸には筋力を低下させる作用があることが報告されている。
6、イースト菌はCoQ10、アミノ酸のタウリンとアスパラギン酸の働きを低下させる
以上のようなイースト菌やカビの作用が直接的にも間接的にもカンジダ菌の増殖を招いたり、カンジダ菌の影響を増長させることになるわけです。