第516回 その土地の水

今年もあと1日ですね。
昨日今日と比較的暖かい日が続き、今年最後のバイク乗り納めにでかけようと思ったのですが、案の定大掃除に駆り出され私の担当は換気扇と家中の窓拭きでした。

そんな中、長野の友人が築地まで正月の食材を仕入れに来た帰りに寄ってくれ、今年の新米をお土産にいただきました。昔から水が冷たい長野のお米は関東・東北のお米に比べて味が・・ということを良く耳にしていましたが、先入観念ということもあるのでしょう、確かに新潟から取り寄せているお米に比べると、うまく表現できませんが少し味がちがうことを感じていました。
その友人は、私が以前からそんなことを言っていることを知っているので、今回はわざわざ地元長野の水を2リットルのペットボトル5本に詰めて持ってきてくれました。
彼が言うには、米や野菜を料理するときには、その食材が育った地元の水を使うのが一番だそうで、騙されたと思って今晩この水でお米を炊いてみて!と勧められました。
早速、今晩の炊事は私が担当。興味もあったので、同じお米を、このお米が育った地元の水と、我が家の水道水(浄水器をとおしています)、それに市販のミネラルウォーターとお隣でいただいた地元埼玉の地下水の4種類の水で炊いてみました。
我が家の住民には炊いた4種類のご飯を少しづつ食べ味わってもらい(もちろんどのごはんがどの水かは伏せて)、私自身も4種類を味わい、5点満点評価をしてみました。
結果、私を含め家族全員が1点をつけ最低評価だったのは予想外にもミネラルウォーターで炊いたご飯でした。続いて平均2.5点だったのが我が家の水道水で、3点が地下水、そして地元長野の水で炊いたご飯が堂々の5点で一番おいしいごはんという結論になりました。

我が家の住人は以前にも私の友人からいただいた長野のお米を幾度となく食べたことがあり、そのたびに評価はいまいちでした。今回は最後にネタばらしをするまで、いつもの新潟のお米とは違うだろうけれどまさか長野のお米だとは思ってもいなかったようです。

何がすおさせている原因なのかはわかりませんし、抽象的かもしれませんが、明らかにその土地で育った植物が吸収してきた水が、調理にまで影響を与える、それもプラスの影響を与えていることは間違いないのだろうなと感じました。

知らない土地や初めての土地での生活になかなか慣れないことを「水に慣れない」と言いますが、人間だけでなく、むしろ植物にとってその土地の慣れ育った水で調理をし味わうことは、実は私たちが想像している以上に大きな力にもなり、その恩恵をうける最適な手段なのかもしれませんね。

輸送やその方法の問題があるかもしれませんが、お米に自信を持っている米作り農家の皆さんの販路拡大と、そのお米を今まで以上に消費者がいただけるための1つのアイデアとして、お米と一緒にその米作りをしている土地の水を一緒に供給してみたらどうなんでしょうかね・・
by nutmed | 2008-12-30 23:18