第606回 銅について

私は日中以外に毎朝6時と就寝前の午後11時ころには必ずメインのメールアドレスに来ているメールをチェックしますが、今朝6時にメールをチェックしてビックリしました。いつもこの時間帯に入ってくるメールのほとんどは時差の関係からアメリカやドイツからのものが90%なんですが、今朝のメールボックスには日本国内からのメールがいつもの3倍の120通、それもすべて件名が「メタボリックタイプ判定申込」メールでした。今、午後3時を過ぎようとしていますが、なんとか97人の方には分析結果レポートを返信しました。
返信された方はどうぞレポートの分析結果をよく読んで、現在の状況と今後の食生活の改善の参考にしてください。

さて、今日はミネラルの銅について少し・・
銅は人間の体には不可欠な必須の元素で、70kgの成人では体内に約80mgの銅が蓄積されていて、その3分の1が筋肉に、残りが他の組織および体液に存在しています。銅は鉄が働くために必要であるため、血液(赤血球)を構成するヘモグロビン合成には不可欠です。体内の銅は多くのタンパク質と結合した形で存在していて、セルロプラスミン、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)のほか、水銀や鉛などの重金属と結合して体外に排泄をしてくれる金属タンパク質(メタロチオネイン)も銅が構成するものです。

銅の主な働き
•鉄の吸収促進
•タンパク合成に関与
•ビタミンCの吸収を助ける
•RNA産生における重要な因子
•ミエリン産生に重要
•甲状腺刺激ホルモン(TSH)の合成に不可欠

銅はアミノ酸と結合し胃・十二指腸からの吸収が促進されます。成人では食品に含まれている銅の約56%が吸収され、主に胆汁を介して排泄されます。

さて、ここから本題に入りますが、銅と片頭痛は深くかかわっています。
片頭痛と言えばチラミンという物質の名前がよく登場しますね。チラミンはアミノ酸が作る代謝産物で、チーズ、ワイン、ビール、酵母、鶏の肝臓、ワイン、酢漬けニシン、チョコレート(カカオ)などの食材に多く含まれていて、チラミンが血管の拡張(収縮と拡張)を誘導することで片頭痛が起こるといわれています。
このチラミンは銅が結合してつくらている酵素のモノアミンオキシダーゼ(mine Oxidase,MAO)によって分解され活性を失います。言い換えればMAOが不足しているとチラミンが体内(血液中)に増加し、血管の拡張を引き起こし片頭痛が起きやすくなります。つまり銅が不足することによって片頭痛の原因と考えられているチアミンの蓄積を増長させてしまうことになるわけです。
片頭痛の改善を考える場合には、チラミンの含まれる食材のことだけでなく、銅についても考えてみると改善の効果はあがるでしょう。
by nutmed | 2009-07-01 15:27