臨床栄養士のひとり言

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2017年 03月 07日 ( 1 )

第1468回 ヒスタミンと炎症拡大

今日は、私のブログでは過去にも取り上げたヒスタミンについてです。
この時期、まだまだ花粉症症状に悩まされる国民は多いと思います。その症状のおkン廷にある原因の1つがヒスタミンです。 一方で、ヒスタミンは人間の生活にとって重要な役割を持つ化学物質でもあり、花粉症症状や痒み、腫脹、じんましんの背景にはあるものの、「抗ヒスタミン剤」によって過剰に抑えてしまうことは決して得策でないことも事実でしょう。
1、ヒスタミンとは?
一般的には、じんましんの原因とされているヒスタミンは、多くの体の機能には欠かせない、非常に重要な生理活性化学物質で、神経伝達物質であり、胃酸、血管、筋収縮、および脳機能の調節に関わっています。 ヒスタミンは、ヒトでは皮膚、肺、胃で最も量が多く、脳と心臓では少量確認されています。
ヒスタミンは肥満細胞(MAST Cell)でつくられ、全身に分布していて、白血球や肥満細胞に格納され存在しています。ウィルスや、アレルギー症状の原因物質となる花粉、ダニ、ハウスダスト、ペットのフケなどが体内に侵入してくると活性化され、生体システムを防御する最初の防衛化学物質として血液細胞中に放出されます。放出されたヒスタミンは、ヒスタミンの受容体(H1レセプター)と結合し、体内に侵入した病原体や毒素が全身に拡散しないよう、炎症を起こすことによって外部から侵入した異物から細胞の働きを守るほか、血管拡張、血圧降下、血管透過性亢進、平滑筋収縮を担います。
*注:血管透過性亢進とは、血管内皮細胞の間隔を拡張させることで血管の収縮を増大させるとともに、貪食細胞(マクロファージ)や白血球などの細胞が血管をすり抜けて、炎症部位へ運ばれやすくする状態を言います。
鼻水、咳、くしゃみ、目の痒み、じんましんなど、アレルギー症状が発生する背景には、ヒスタミンが過剰に生産されることによって、血管透過性亢進を伴う血管の拡張、収縮によって細胞の浮腫、炎症の憎悪が拡大することがある。
2、ヒスタミンは人間の生体外でもつくられる

ヒスタミンは人の体内でつくられるだけでなく、食品や飲み物からの摂取して体内に入る経路も有ります。ヒスタミンは、アミノ酸のヒスチジンを、バクテリアが持つ代謝酵素によって生産することが確認されています。味噌、醤油、納豆、キムチ、鰹節、塩辛、醸造酒、ナタデココ、アンチョビ、漬けもの、魚醤、発酵バターなど微生物による発酵食品をはじめ、ヨーグルト、ナチュラルチーズ、ワインの製造過程で関わるバクテリアの多くが、発酵過程でヒスタミンを生産します。このほか、熟成工程や保存加工を経た肉や魚で使用するバクテリアも同様にヒスタミンを生産します。ヒスタミンを生産するバクテリアの中には0℃前後の低温で繁殖する種もいて、長期間冷蔵保存している魚等でも保存中に大量のヒスタミンが生産されることが確認されています。
このように、ヒスタミンは体内で合成されるのみならず、一般的な食材の中にも確認されている物質です。
ヒスタミン不耐性をはじめヒスタミンの影響を受けやすい自覚がある人は、日常的にヒスタミンの影響についてと、その対策を理解しておく必要がありそうですね。

by nutmed | 2017-03-07 16:42