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ようやく関東も梅雨明け・・ですよね。 気象庁!「・・・思われます」などという曖昧な表現は勘弁してくださいよ!
さて、今日は少し長くなりますが、先日このブログでも話しました液体サプリメントについて話します。今日はビジュアルで見せる液体とカプセルのサプリメントの吸収能力の違いについて。
少し子どもじみた実験ですが理屈は理解してもらえると思います。
レモン果汁(pH2.0-2.2)とコーヒーフィルターを準備します。コップを2つ用意して中にそれぞれにレモン水を入れます。カプセルタイプのサプリメントと液体サプリメントを用意し計りでコップと一緒に計量しておきます。
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                    カプセルを計量
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                  液体サプリメントを計量
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              コップの黄色い液体はレモン果汁です
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      カプセルと液体サプリメントをそれぞれレモン果汁の入ったコップに入れます
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                      10分後です
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                     2時間後です
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  4時間後。一般的にはこのくらいの時間経過で胃酸によって消化の90%は終了します
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             コップの中身をコーヒーフィルターにかけます
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ろ過後、カプセルのほうは7.8で開始前が8.6でしたから0.8の差ですね。(秤はオンス表示です)
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一方液体サプリメントのほうは開始前が9.0で開始前が9.2なので差は0.2です。
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フィルターに残った残渣はこれだけ異なります。カプセルのほうは粉がまだ残っています。

このコップに残った液体こそが胃の次の十二指腸小腸から始まる吸収工程に進む栄養素になるわけです。
カプセルのほうはレモン果汁による4時間分解(消化分解工程)で0.8もロスした反面、液体サプリメントのほうは0.2しかロスしていないことになり、消化工程によって液体サプリメントは97.8%が吸収され得るのに対し、カプセルは90.7%の吸収し得る状態に留まるということになります。
人間の体内はもっと複雑で病気や食事環境、ストレス、食材、薬の影響などなど、全ての人間の体内環境が同じではないので、必ずこのようになるということではありませんが、基本的にはこのようなプロセスをふんでいるということです。
by nutmed | 2007-07-31 18:14

ペクチンについて

今日は東京の隅田川をはじめ各地で夏の大花火大会があります。きっとはるか上空から日本を見たら、今晩は世界で一番にぎやかで彩りのある島なんでしょうね・・

昨日の鉛中毒にも登場したペクチンについて少しお話します。

ペクチンはほとんどが可溶性の繊維質で、ほとんどの植物果実に存在しますが、もっとも多く含まれているのは柑橘類とリンゴです。ペクチンは合成も可能で、安定剤や粘着材として多くの食品に添加物としても添加されています。1000から3000の単糖類が結合してできた多糖類を形成するペクチンは、便秘改善の素材としても有名ですね。

小腸で1部が消化されるペクチンは、そのほとんどが大腸でバクテリアによって分解醗酵されます。バクテリアによって醗酵されたペクチンからブチル酸が作られますが、最近このブチル酸が細胞の老化(アポトーシス)を抑制しているのではないかと注目されています。
また、醗酵されたペクチンの最終産物の中には短鎖脂肪酸があります。最近ではすっかりダイエット効果で名をあげた短鎖脂肪酸ですが、脂肪燃焼だけでなく整腸作用もあります。
また、ペクチンにはガラクツロン酸という物質が含まれていますが、このガラクツロン酸は体内に蓄積している水銀、鉛などの重金属と結合して体外に排泄をしてくれます。

最近メタボリックシンドロームが話題ですが、ペクチンには中性脂肪とHDL-コレステロールを低下させる効果もあるので、メタボリックシンドローム対応の健康食品メーカーや食品メーカーでもペクチンによるメタボリックシンドロームビジネスが今後活気つくでしょうね。
by nutmed | 2007-07-28 07:27

悲しい出来事・・・

私が懇意にしているルイジアナ州バトンリュージュに住む栄養療法医師から、今朝メールが届き、彼の3男として昨年9月に生まれた子どもが、今週水曜日に急性鉛中毒で亡くなりました。
日本ではあまり馴染みのない小児の急性鉛中毒ですが、アメリカでは年間に数千人の子供が鉛中毒で命を落とします。
原因の多くは壁に塗るペンキの劣化したものが床に落ち、それを口に入れてしまうことなんです。最近では鉛を排除したペンキが多いのですが、古い家やアパートの場合には以前塗った鉛入りのペンキがまだまだ多く残っているようです。

鉛についての研究報告がありますので紹介します。

ミズーリ大学の研究者らが、9ヵ月~6歳の小児144例を評価したものです。約半数の小児の血中鉛濃度はCDCの鉛曝露の閾値である10mcg/dLを上回っていました。免疫機能検査でこれらの小児を評価したところ、血中鉛濃度が10mcg/dlを上回る小児は、血中濃度が低い小児と比較して、Ig(免疫グロブリン)Eが高値でした。IgE抗体高値は、アレルギー患者の数値に類似していて、。鉛がアレルギー発症のリスクを上昇させるならば、喘息発症の一因にもなりうることを報告しています。鉛に曝露する可能性が最も高い都心部では特に、小児喘息症例数がますます増加しているようです。この研究では、ジフテリアと風疹の予防接種を受けた小児において、鉛に曝露した小児の抗体反応が、曝露していない小児よりも弱いということが判明しています。これらの小児ではジフテリアや風疹を適切に予防したにもかかわらず、鉛曝露が免疫応答を阻害した可能性があると報告されています。

軽度の鉛中毒の場合以下の栄養素が効果的です。
·カルシウムが欠乏している場合、鉛はより速やかに組織に蓄積するためカルシウムの摂取を充足させること。
・リン摂取の増量
·ビタミンCの増量
·ビタミンB複合体、特にビタミンB6、葉酸、ニコチン酸アミド(B3)の増量
·ペクチン、ビタミンEの増量
·ビタミンA、C、クロムは細胞の損傷を予防し、鉛濃度を低下させる。
·ビタミンDの摂取が不十分であると、鉛の吸収が促進される。
by nutmed | 2007-07-27 18:55

オキアミの栄養成分

あー、東京の空もついに泣き始めました・・・。やはり今年はナニーニャの勢力が弱くなってしまったんでしょうかね・・

さて、今日はオキアミについてです。読者の中には海釣りをする方がいれば「オキアミ」といえば撒エサとして熟知しているでしょう。
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エビのような格好をした甲殻類のオキアミはクジラや小魚のエサになるプランクトンの親分です。このオキアミのオイルは最近アメリカで話題の素材なんです。「Krill Oil」という名称で呼ばれており、必須脂肪酸のオメガ-3、オレンジ色の色素で強力あ抗酸化作用をもつアスタキサンチンが豊富に含まれるオイルで、今話題のメタボリック症候群の中性脂肪とLDL-コレステロールを抑制する優れた素材であることがわかっています。
最近の研究では、オキアミの色素であるアスタキサンチンには胃潰瘍の原因と考えられるヘリコバクター・ピロリ菌の繁殖を抑制する作用があることも研究報告され、オキアミから抽出されたオイルが一層注目されています。
元来、必須脂肪酸のオメガ-3は体内で炎症を抑え、痛みを軽減するプロスタグランジンに変換することがわかっていますので、このオメガ-3がリッチに含まれたオキアミから抽出されたオイルは、PMS(生理前症候群)や生理痛、痛風、腰痛などをはじめ、各種炎症を抑える素材としては非常に優秀な素材といえます。

実は日本人は昔からオキアミを佃煮や酢の物など食材として取り入れてきた民族でもありますが、最近では残念ながらあまり食す機会がなくなっています。

オキアミはどこで購入できるのかというと、食材を販売しているマーケットではなく、釣具店にいくのが一番早いでしょう。カチカチに冷凍された塊がブロックで販売されています。
解凍後、よく水で洗って低い温度(60℃くらい)の湯でさらした後に貝類やわかめと酢の物にしてもいいし、ゴハンにふりかけて食べてもおいしい素材ですよ。

カルシウムも豊富ですからお子さんや高齢者の食材としても最適でしょう。
by nutmed | 2007-07-26 17:53

ビルベリーと黒スグリ

関東の梅雨は明けたのでしょうか・・・中々はっきりしませんね・・
でも今日の東京は30℃を越え、久々の夏らしい1日です。

さて、今日は季節柄アントシアニジンの代表格ビルベリーと黒スグリについてです。
アントシアニジンと言えば日本人にはブルーベリーが有名ですが、アメリカでアントシアニジンと言えばベリー果実のなかでも、ビルベリーと黒スグリ(カシスとも言う)が有名です。目の働きをサポートするだけでなく、抗酸化力の強い素材としても有名になりました。
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                      ビルベリー
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                      黒スグリ
最近の研究では、目や抗酸化のサポート素材だけでなく、これらのベリー果実が含むアントシアノサイドが持つ優れた作用が報告されています。
米国における動物実験では、血管壁を強化し、血液の流れをスムースに保つことがわかってきました。また、血糖値を抑制する作用もあることがわかりました。
カナダにおける人間の臨床研究では、イースト菌、真菌の増殖が抑制されることがわかり、カンジダ菌による胃腸機能障害の予防と改善には有効であることが報告されています。
また、同じ臨床研究では、胃潰瘍の原因と見られ、日本人の60%以上が感染していると目されるへりこばくたー・ピロリ菌の駆除にも有効であることが報告されています。

米国コネチカットに在住の私の知人の自然療法医師のDr.ライリーは、昨年5月から末梢神経障害を持つ2型糖尿病患者にビルベリーと黒スグリのエキスを飲ませてきましたが、服用後6ヶ月弱で空腹時血糖が35%低下し、末梢神経の障害が大幅に改善されています。

日本ではあまり馴染みのない果実ですが、最近のガーデニングブームもあってか、ビルベリーと黒スグリの苗は比較的入手し易くなりました。血糖値が高い方は是非自宅の庭やプランターで育ててみるといいですよ。
by nutmed | 2007-07-25 16:49

ビタミンB6について

最近の気象庁は中々断定的なことは言わなくなりましたね。どうやら関東も梅雨明けのようです。昨日までのメディアの報道では今年は野菜が高騰し、1993年のように米が劇的に不足して米の輸入措置なんてことも言ってましたが、今後注意しないといけないことは事実ですが、そうならないことを祈ってます。

さて、今日はビタミンB6についてです。
以前ブログで日本人のマグネシウム不足傾向についてお話しましたが、マグネシウムとともに沢山の酵素の働きに必要なビタミンがこのビタミンB6です。
別名ピリドキシン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシン塩酸塩、P5P(リン酸ピリドキシン)とも呼ばれ
水溶性であり、熱に対して比較的安定しているビタミンB群の1つです。
ビタミンB6が含まれる素材としては、アボカド、バナナ、ふすま、ビール酵母、ニンジン、鶏肉、トウモロコシ、オヒョウ、ニシン、サーモン、エビ、マス、マグロ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、米糠、大豆、ヒマワリ種、クルミ、小麦胚芽で、体内で必要なビタミンB6の形として最も望ましい
P5P(リン酸ピリドキシン)を多く含む食材は以下のとおりです。
全粒小麦     0.6mg/45g
アボガド     0.4mg/半個
バナナ      0.3mg/1本
カシューナッツ  0.8mg/100g
コーンフレーク  0.6mg/30g
ピーナッツ    0.29mg/100g
ジャガイモ    0.5mg/150g
ひまわり種    0.63mg/50g
サツマイモ    0.33mg/130g
魚白身      0.5mg/150g

現在市販されているサプリメントに含まれるビタミンB6のほとんどは、合成されたピリドキシン塩酸塩で、天然の素材から抽出したリン酸ビリドキシン(P5P(Pyridoxal-5-Phosphate)を配合したサプリメントの摂取が好ましいと言えます。
人間の体内では、ビタミンB6は腸内細菌によって作られますが、その僅かしか吸収利用できません。ビタミンB6が不足傾向にあるのは、授乳期の妊婦、消化吸収の働きが低下する高齢者、また、エストロゲンを主成分とする避妊用ピルを服用している女性です。
我々の体はピリドキシンをビタミンB6として直接は吸収できません。ではどのようにして吸収するかと言うと、我々の体に好ましい形に変化させて吸収します。
その形がP5P(Pyridoxal-5-Phosphate)であり、この形こそが、人間の体が吸収し得る形であり、速やかに吸収され、後述するビタミンB6の働きを産み出します。
P5Pの形でビタミンB6を摂取することによって効果があるのは、上記のような不足傾向にある対象者に加え、自閉症小児、SIDS(小児突然死)の危険のある乳幼児です。
特に新生児や乳児では、P5P(Pyridoxal-5-Phosphate)の形でしかビタミンB6を吸収利用できないことから、ピリドキシン塩酸塩の形でビタミンB6を補っても吸収利用できないため、実質的なビタミンB6の欠乏状態となり、神経系統の働きにダメージを及ぼすことが少なくありません。この時期にビタミンB6の欠乏状態を経験した新生児や乳児は、発育の途中で動脈硬化発症の危険率が高くなるという報告もあります。
日本ではP5P(リン酸ピリドキシン)は医薬品として処方されてます。

ビタミンB6は摂取後、約8時間後に尿から排泄される。したがって、食事から常に摂取しなければならないビタミンの1つである。
最近の研究では、葉酸とともに摂取することで動脈硬化の引き金になるとされるホモシステイン(アミノ酸の1種)の抑制にも効果があると言われている。
ビタミンB6の作用
①水分バランスの調整(NaとKのバランスを調整)
②マグネシウムと亜鉛の代謝促進
③正常な赤血球の生産
④脳神経伝達物質(エピネフリン、セロトニン)の生産
⑤ホモシステインの抑制
⑥アンチエイジング(老化抑制)のための正常な核酸(DNA)の合成
⑦たんぱく質代謝に必要な酵素生産
⑧脂質代謝に必要な酵素生産
⑨炭水化物代謝に必要な酵素生産
⑩アミノ酸のトリプトファンをナイアシン(ビタミンB3)に変換させる
⑪エネルギーの生産
⑫必須脂肪酸の代謝
⑬抗体の生産
⑭胃酸の成分である塩酸の生産を助ける
⑮ビタミンB12の正常な吸収
⑯各種皮膚疾患の改善
⑰前立腺肥大の抑制(プロラクチンの分泌抑制作用)
⑱PMSの改善
⑲シュウ酸塩腎臓石の形成を抑制
⑳血液抗凝固作用
by nutmed | 2007-07-24 09:21

昨日から、愛媛県四国中央市に行ってきました。
2004年4月1日に愛媛県の東端に位置する川之江市(かわのえし)・伊予三島市(いよみしまし)・宇摩郡土居町(うまぐん どいちょう)・宇摩郡新宮村(うまぐん しんぐうむら)が合併して生まれた新しい市です。地場産業は紙業で、大王製紙の大きな工場が町のはずれに鎮座しています。
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今回は四国中央市の歯科医のグループからの招待講演で、「歯からはじまる健康-咀嚼と吸収」についてというテーマでの講演でした。
四国中央市では全国に先駆けて、この8月1日から母子の歯科検診を市をあげてスタートさせます。この費用の75%を市が負担するという熱の入れようです。これは非常に画期的かつ革新的なことだと私も影ながら応援しています。すぐに結果がでるものではないかもしれませんが、2年5年と時間の経過とともに確実に市民の未病促進につながりますし、何をおいても将来を担う子どものケアを妊婦さんの時期から進めようというものなので、確実に結果がでてくるものでしょう。
この検診の実現を進めてきたのが、今回の歯科医グループの先生であり、歯科衛生士、保健士、助産士の皆さんですが、私が感心したのはこの時代に予算をつけて推進を決定した市長さんの決断力と実行力ですね。
この検診プログラムは私にとっても非常に興味があるので、今後も協力を惜しまないつもりです。
by nutmed | 2007-07-22 20:11

薬の副作用

今日は金曜日TGIF(Thanks god it friday)です。今週は月曜日が休みだったので1日得をした気分。朝から久々の陽がさしています。多くの学校は明日から夏休みですね。来週から少し夏休みだからこそ家族で試して欲しい食生活の改善について特集してみようかと思っています。

さて、今日は薬の副作用について少しお話します。
正確な数字として表面に出ることは少ないですが、世界中で毎年、医者が処方する化学合成された薬剤による薬物治療よって数万人の患者が死にます。多くは患者が薬剤に対するアレルギー反応によるものです。また、長期間の薬物治療は、しばしば副作用を誘発します。
多くの新薬が開発され投与されていますが、その新薬の薬害が表面に出るまでには何十年もかかる場合があります。 プロザックと言う薬が良い例です。
この薬は新世代のうつ病治療薬で、最初に発売されたとき、イーライリリー社(プロザックの開発製造発売会社)はプロザックを飲む人の8%がある程度の性的機能障害に苦しむと報告しました。 しかし、プロザックが発売されてから10年後に、その数字が80%に近い数字であることが判明しています。 うつ病などの精神神経疾患で入院している患者の50%は、蛋白質/アミノ酸が不足していると思われます。現在の病院では、アミノ酸検査を日常的に実施しているところがほとんど無いために、精神科の医者は患者の多くが蛋白質/アミノ酸不足に陥っていることが理解できません。したがって、精神科医は、ほとんど全てのうつ病患者にプロザックを処方するように思われます。
今、欧米では抗生物質の薬害について声を上げ始めた医師や薬剤師が少なくありません。この薬害は未然に防ぐことのできるいわば「人為的な薬害」でもあります。細菌の種類の確認をせずに抗生物質の投与過剰、不必要な継続当ウラ投与によって、その有効成分に対して細菌が抵抗性をもつことになり、もはや治療することができないバクテリアに直面することにあるということです。いわゆるイタチごっこですね。
by nutmed | 2007-07-20 09:40

今朝、ニュースでノルウェー(だったと・・)の研究機関が「風邪にはビタミンCは全く効果がない」という研究発表をしたと報道していましたね。今朝からこの問合せが数件栄養医学研究所にも入ってます。早速、アメリカの知人のドクターにメールでこのニュースを確認しましたが、返ってきた答えは「So What ?」 つまり「それがどうかしたの?」 まあ予想していた回答ではありましたが(笑)
私は原文をまだ詳しく見ていないのでなんとも言えませんが、ビタミンC博士として有名なライナス・ポーリング博士もそうでしたが、「風邪そのものの治療にビタミンCが有効である」という報告は誰もしていません。今朝からの問合せで私は「今まで通り風邪をひいたらビタミンCは多目に摂取してくださいね」と言っていますが、ポーリング博士をはじめ従来から風邪のときにビタミンCを摂取することを勧めている背景には、風邪の原因となるウィルスを駆逐するためではなく、むしろ風邪にともなう諸症状、例えば筋肉痛、疲労などの緩和に有効な実績があるからなんです。

さて、今日のテーマは液体サプリメントについてです。
以前にもこのブログで液体サプリメントについては少しお話したと思いますが、この3年ほどでアメリカ、EUのサプリメント形状に少し変化がみられるようになりました。その大きな1つが液体タイプのサプリメントです。
カプセルやタブレットのサプリメントは加工が容易、持ち運びが簡便、保存管理が容易などのメリットはありますが、固形状のため小児や嚥下能力の低い高齢者には敬遠されやすいことは否めません。また、吸収率を見ると、以下の米国PDR(Physicians Desk Reference)での報告にもあるように、カプセルやタブレットが最大でも20%なのに対し、液体フォームの場合には最大で98%と、吸収効率では液体のサプリメントフォームにアドバンテージがあります。
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栄養医学研究所でも1年半前から今後の日本の人口動向や医療システムを考えて液体タイプのサプリメントの開発検討を行ってきましたが、ようやくこの3月に1種類が、そしてこの6月に5種類が完成し、現在提携医療機関で臨床検討を行ってもらっていますが、経過報告では評判はいいそうで、血液データでもいい結果がでているようです。
今後、日本でも液体タイプのサプリメントが普及していくのではないかと・・・
by nutmed | 2007-07-19 13:15

で、今京都から戻ってきました。
早朝1番の新幹線始発に乗って京都で一仕事。昼には昼食する時間もなく帰路の新幹線車中で大阪寿司をほおばって、今東京に戻ってきました。何年ぶりでしょうかね、こんなハードな出張。

さて、今日2回目の投稿は2型糖尿病の最終回です。

2型糖尿病の予防と改善に有効なハーブと言えばゴツルー(Goat’s rue:Galega officianalis)と日本では有名な緑茶です。
ゴツルーは古くからヨーロッパで糖尿病治療の民間薬としての歴史があり、ゴツルーの成分に含まれるグアニジンには血糖降下作用があることが1918年に発見されています。またゴツルーにはAGEによる細胞のダメージを防ぐ作用があります。
次に緑茶ですが、緑茶には日本でも最近知られるようになっているはずのカテキンというこれもまた非常に強力な抗酸化物質が含まれています。同じ種族のウーロン茶、紅茶は加工方法の違いによって緑茶に比べるとカテキンの量は少ないと言えます。
このカテキンはエピガロカテキンガレート(epigallocatechin gallate)またはEGCGと呼ばれるもので、このEGCGには強力な抗酸化作用があるだけでなく、インスリンの働きを活性化させる作用があることが米国の農務省の研究チームによってわかりました。また、EGCGには血糖値そのものを上げ難くする作用があることがわかりました。農務省の研究チームはボランティアを募り、200-500mgの緑茶から抽出したEGCGを飲ませた後に50gのでんぷん(α―アミラーゼ酵素によってグルコースに変換する)その後の血糖値を測定したところ、EGCGを飲まなかったグループに比べて圧倒的に血糖値が低いことを報告しています。これは、EGCGが食物をグルコースに変換させるα―アミラーゼ酵素の働きを抑制し、腸から血中に吸収されるグルコースが抑制されたことが原因です。
日本の緑茶の成分であるEGCGにそのような強力な作用があったのですね!
日本でも最近は減量のために緑茶飲料水、特にこのカテキンを強調した商品が話題になっている背景には、EGCGがグルコースそのものに変換させないような作用を持っていることがあるわけです。
ただ、2型糖尿病の予防と改善にはEGCGのこのような作用はメリットがありますが、いわゆるダイエットの目的でグルコースの変換を抑制しすぎることは危険です。グルコースは人間が動き、物を考えるために必要不可欠なエネルギー源なわけですから、血糖値が高くない方がEGCGによって強制的かつ慢性的にグルコースの取り込みを抑制してしまうことには賛成できませんね。
緑茶カテキンについては今年の6月に米国の研究機関から肝臓へのダメージがあるとの報告があったばかりですが、私はこの報告に悲観的な見方をしています。
日本では既に何百年という歴史のある緑茶ですが、もし肝臓にダメージが起こるのであれば、昔から日本人の肝障害例がもっとあってもいいはずですよね。それにこの研究では緑茶カテキンのほかにどのような食生活またはサプリメント、医薬品の併用をしていたのか、ボランティアの詳細な背景が見えませんので、緑茶カテキンの影響によるものなのかは断定できません。
by nutmed | 2007-07-18 15:24