臨床栄養士のひとり言

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副腎疲労症候群(AFS)のだ液コルチゾール検査

今日で1月も終わりです。俗っぽいですが時間の経過は本当に早い!明日からはもう如月・・
暖かい小春日和は1日だけで、今朝は平年の寒さが戻ってきました。週末には再び低気圧が太平洋岸を通過する様子なので、気温によっては雪になる可能性も・・・

さて、今日はだ液コルチゾール検査の2回目です。
皆さんが病院やクリニックで臨床検査をするときに用いる材料の多くは血液または尿ですね。最近では栄養療法を標榜するクリニックも少しずつ増えてきていて、爪や毛髪を使って体内のミネラル量を分析する検査も行われるようになりました。栄養療法や自然治癒力を高めるためのホメオパチー、気功、カイロ、鍼灸などの療法では、西洋医学とはまた違った観点で検査をし、数値の見方もことなることが少なくありません。だ液のコルチゾール検査も同じカテゴリーになると思います。ホルモンとしてアクティブな状態のコルチゾールを、日内変動の背景を考慮しつつその生産量を知ることで、体のいたるところに影響を与える副腎の働きを推測することがこの検査のポイントです。
また、だ液であるために針を刺して採血する必要がなく痛みを伴なわない「非侵襲的な検査」でもあるわけです。


今日は前回に続きだ液コルチゾールの値をある職業特性からみていきましょう。このケースも栄養医学研究所の提携クリニックに協力してもらってだ液の検査をしたものです。

例2
大手都市銀行でクラーク職にある29歳の独身女性です。26歳のときから銀行の勤務時間後に自宅近所のクラブでホステスでアルバイトをはじめています。クラブの出勤時間は午後8時、帰宅は平均して午前3時。週末土曜日はほとんど夕方まで寝ていて、日曜日も昼過ぎにならないと起床できない。食事は90%が外食で体重が増えやすいので野菜と豆腐が中心で市販されているサプリメントを常用。平日の平均睡眠時間は4時間ですが、熟睡感がなく朝のシャワーでやっと目覚めることができる状態。半年前から首の下、両腕ひじの内側、足のひざの裏側、耳の後ろが赤くなり痒みが出始めました。クリニックに行きアトピーと診断されステロイド軟膏を処方され患部に塗り続け、3ヶ月前から銀行出社後、昼食して午後2時頃になると睡魔に襲われるようになったことと、食べたものの味が変わるようになり、特に塩を感じなくなりはじめました。クリニックでの血液検査ではγ-GTPと中性脂肪が少し高い以外は正常と判定され、アルコールの飲みすぎには注意するように指導されています。
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この女性には提携クリニックのドクターにお願いして、深夜から帰宅後の午前5時までの1時間置きにだ液コルチゾールの検査をお願いしましたが、想像していたとおり午前1-2時に再びコルチゾールの生産量が高くなり、生産量は午前5時まで僅か5%づつしか低下してきていませんでした。職業環境からくる典型的な副腎の働きが常に高い状態(副腎機能亢進状態(HyperAdrenal)の状態)であることが考えられます。
このパターンは何もこの女性のように夜の仕事をしている方だけではないことが厄介なんです。
この女性のコルチゾール生産量のパターンのように、常に副腎が酷使され休む間もなくフル稼働させられていて私がカウンセリングを行ったケースには、為替のディーラー、電話で顧客対応をする通販会社のテレアポセンター勤務の方、アトピー症状の方、政治家の秘書、フライトアテンダント、地下鉄の運転士、エステシャン、病院勤務医、勤務歯科医などがありますが、私も以外で想像してなかったケースに「受験生」がありました。中学受験をする小学校5・6年生の子どもです。その原因背景は皆さんでも想像はつくと思いますが、昼夜を問わず机に向って勉強してきた彼ら彼女たちには、親の期待と受験日が近づくにつれて増す極度のプレッシャー、そして不規則な食事、運動不足によって副腎の働きは極限に近い状態を強いられているわけです。
その後も「勝ち組」として過酷な競争社会でのサバイバルゲームがあるだけでなく、その後も継続する不規則な食事環境によって副腎への影響は計り知れないものがあると思っています。
いずれ時間とチャンスがあれば受験生の子どもたちと、その延長線上にある「勝ち組」になったグループ、そしてその対称となるグループのだ液検査をして副腎の働きの関係につて調査してみたいと思っていますが・・・
by nutmed | 2008-01-31 11:31

副腎疲労症候群(AFS)のホルモン検査

今日は先週からの寒波の影響が和らぎ、朝から3月中旬を思わせる陽気でスタートです。
我が家の紅梅もちらほらと蕾が開きはじめました。今週待つには2月のスタート。3月6日の啓蟄まではまだ時間がありますが、確実に春に向って生き物たちが活動しはじめたようです。

さて、今日は副腎の疲労状態を反映するホルモン「コルチゾール」の日内変動についてお話します。
副腎が作るホルモンであるコルチゾールには日内変動があり、通常、午前6時ころから生産が増え、午前8時ころにその生産はピークを迎えます。これはエネルギーを最も必要とするのが日中の活動期であるからです。その後午前11時から正午にかけて急速に生産は低下し、午後3時以降午前0時に前後に最も生産が低くなります。低い状態が翌日の午前5時から6時まで継続します。午後11時以降、翌朝午前6時ころまでは、日中のピーク時に生産されるコルチゾールの10%程度しか生産されませんが、これは日中に多くの精神的、肉体的ストレスを受け、エネルギーの供給のために限界状態で働いている副腎がリラックスをするための休息期になります。残念ながら、現代人の仕事、食事、居住などの生活環境を考えると、副腎の働きを限界以上に酷使するような環境を背景としたコルチゾールの生産異常が少なくありません。
栄養医学研究所が提携している東京のクリニックの協力を得て、十数人のだ液中コルチゾールを測定してみた結果の典型的な3例を数回にわけて説明します。

3つのグラフはともに赤い線がコルチゾールの下限黄色い線が上限でこの範囲に入っていることが望ましいと考えます。

例1:慢性疲労が8ヶ月継続していて、夜眠れず朝までほとんど眠れない状態でクリニックの検査で低血糖傾向であることがわかった32歳女性です。出版社の企画職にあり、勤務時間は不規則で徹夜の作業もあり。週2回ジムにも通い健康には気遣いをしていました。酒はワインを毎晩コップ2杯、タバコは吸いませんが、食生活は外食が多く、食事の時間も不規則。8ヶ月前から急に疲れが抜けなくなり、朝起きることさえ辛くなり、それと同時に動悸が激しくなることもしばしば。夜中に突然甘いものが食べたくなるようになり、ひどい場合にはシュークリームを10個まとめて食べていたこともあり。不眠が極端になりはじめ、ベッドに入っても朝まで全く寝付かないことが多くなり疲労感も極限にきていた。クリニックで検査をしてもらったところ1軒目のクリニックでは検査データは特段の異常値はなかったが、2軒目のクリニックで低血糖の傾向が確認された。
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1日を通して全体的にアクティブなコルチゾールがフル稼働で生産されている状態です。日中も比較的高い状態が継続していて副腎には相当な負担がかかっていることがうかがえます。この女性にはこの後深夜から早朝にかけて2時間おきにだ液を採取してもらいコルチゾールを検査してもらいましたが、本来であれば副腎の休息期にはいっているはずのこの時間帯はピーク時の10%程度の生産のはずですが、日中とほぼ同じコルチゾールの生産状態にあり24時間を通して副腎の完全な休息期をもてない状態でした。

私が懇意にしているクリニックのドクターに聞くと、このようなケースの女性が最近多くなっているそうで、検査結果に異常がないことが多いために不定愁訴として片付けられてしまうことが少なくないそうです。

次回は職業から見たコルチゾールの値です・・・
by nutmed | 2008-01-30 15:09

副腎機能の分析プロローグ 体液中のホルモンのお話

今週のスタートも西から低気圧がやってきて、週の中旬から関東地方にもまた雪を降らせることになるかもしれませんね。

先週末には2日間で226通のメールが押し寄せてきました!勿論、副腎疲労症候群(AFS)の確認検査についてですが、反響の大きさもさることながら、かなりの方がAFSに関心があり、今持っている体調がなんらかの形でAFSに関係していることが先般のICTや血圧計チェックで納得していただけたようです。中にはドクターや歯科医からのメールもちらほらと見受けられました。日曜日は全てのメールに返信はいたしました(笑)

さて、今週は自宅での自己チェックで何らかの背景が確認できた場合の次のステップとして、病院またはクリニックで受けてもらうといい検査についての話に入ります。が、その前に、今後AFSの背景をより深くしるために行うホルモン検査の材料について少し話しておきましょう。

皆さんの多くが病院またはクリニックで臨床検査を受けるとき、特にホルモン検査を受ける時に採取されるのは血液または尿ですね。これからAFSの背景を確認するための検査として紹介するホルモン検査で使用する材料は「だ液」です。
血液や尿中に含まれているホルモンには、少なくとも血液または尿中に存在するタンパク質と結合した状態のホルモンとタンパク質と結合していない遊離(フリー)ホルモンの2種類があります。したがって血液や尿で検査されたホルモンの値はこの2つのホルモンを分析していることになります。一方、だ液に含まれるホルモンのほとんどはタンパク質と結合していない遊離(フリー)ホルモンで、検査ではそれを分析します。
タンパク質と結合した状態のホルモンとタンパク質と結合していない遊離(フリー)ホルモンの違いを端的に言えば、「細胞の中でホルモンとして働くことのできる活性型」のホルモンが遊離(フリー)ホルモンであり、タンパク質と結合した状態であることで「タンパク質と結合していることで細胞内では活性が低い型」ということになります。副腎をいろいろな臓器組織で作られ分泌されるホルモンには様々な働きがあるわけですが、それらのホルモンが細胞・組織・臓器でその機能を果たすためには「活性」のある状態でなければならないことになり、それらのホルモンの状態を把握する場合でも、本来であればこの「活性」のある状態のホルモンを検査分析することがいいわけです。
残念ながら日本ではだ液を使ったホルモン検査についてはポピュラーではありませんが、アメリカでもEUでも、オーストラリアでも、だ液を材料とするホルモン検査は非常にポピュラーです。最近日本でも多く見かけるようになった「アンチエイジング療法」で分析されるDHEA-Sやコルチゾールなどのホルモン検査は血液材料で行われていますが、アンチエイジング療法で投与されるホルモンは、自らの体でつくるものではなく、不足を補う為に外から補充するホルモンであるからこそ、アクティブな「活性のあるホルモン」の状態を検査で把握する必要があるはずです。そのために検査は血液ではなくだ液であることは、欧米のアンチエイジング療法を実践しているドクターが明らかにしています。

さて、話は長くなりましたが、これからこのブログで展開していくAFSのテーマの中では検査分析の話題が幾度と泣くでてきますが、基本はだ液検査になります。
針をさすことで痛みをともなうことまなく、尿を決められた時間溜めて採尿することもなく、手軽に簡単にどこでも、痛みを伴わずに採取できるだ液の検査ということです。
by nutmed | 2008-01-28 22:33

副腎機能の自己チェック その3 脈拍によるテスト

今週はじめに関東に雪を降らせた低気圧が東北方面で爆弾低気圧になり、昨日は東北北海道では冬の嵐だったようで被害もでているようです。その影響ではないでしょうが、今朝の東京はこの冬1番の冷え込みで、我が家の庭の防火用バケツの水にも厚い氷が張っていました。

昨日から今朝にかけてもICTテストと血圧テストに関するメールが沢山寄せられています。副腎疲労症候群に関心を持っていただくことはいいことだと思います。

さて、週末の今日は脈拍数による副腎の働きの間接的な確認方法です。
副腎の働きに負担をかける原因の1つにアレルギー反応があります。これから紹介する方法は、「Cocaのパルステスト」と呼ばれていて、ホリスティック療法ではポピュラーな方法で、日本でもアレルギー専門のドクターの中にはこの方法を使っている方もいるようです。この方法は「アトピー」の名づけ親でもあるアメリカのコーネル大学のDr. Arthur F. Cocaによって開発された方法です。ドクターCocaは、アレルギー反応を引き起こす原因物質を食べたり体内に侵入することで、人間の脈拍は平常時よりも速くなることを発見しました。
この背景には、アレルギー物質が体内に侵入することによって副腎が反応し血圧が上昇することで脈拍が増えることにあります。通常安静時の成人の脈拍数は1分間に65-85ですが、年齢、体調によって個人差があるので、安静なときの日常の脈拍数を覚えておくといいですね。

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方法
テスト前の注意点として、脈拍数に影響のある血圧が上昇するような状況でのテストはしないということです。例えば喫煙、飲酒、薬剤服用、緊張などを避け、リラックスした状態を心がけてください。
準備するもの
①時計(秒針のあるもの)
②メモ帖と筆記用具
手順
1、以下の時間に手首の脈拍数を正確に1分間計測し、年月日、時間と脈拍数を記録する。病院やクリニックで脈拍をとるときのように30秒または30秒ではなく必ず1分間計測する。
①起床時(ベッドや布団から起きる前の寝たままの状態)
②食事の前(朝食または1日の最初の食事の前)
ここで必ず食事の素材内容を正確に記録する(可能な限り材料まで)
③食後30分後・60分後・90分後

2、上記のチェックを2-4日間繰り返し記録する

判定
副腎の働きが低下している場合には、起床時に計測した脈拍数をベースとして、食後30分後・60分後・90分後の脈拍数と比較し、脈拍数が10%(6回前後)程度高くなる。また食べたものの中に体にとってはアレルギー物質となる素材が含まれている可能性が高い。
食材の中には、調理や生の素材などによってアレルギー反応が現われるまでにかなりの時間を要する物質もあるため、数回繰り返しテストをして確認することをお勧めします。

原書でも読める方はDr. Arthur F. Cocaの著書「Pulse Test」がAmazonで購入できますから読んでみるといいですね。
by nutmed | 2008-01-25 13:30

副腎機能の自己チェック  瞳孔テストの追加情報

昨日の雪も今朝はすっかり消えて、我が家の庭の常緑樹、キンモクセイの葉をつたわる雫に、雪で洗われ澄み切った空気の向こうからさす陽射しが反射して、なんとなく春を予感させる朝です。
前回、前々回の副腎機能自己チェックの投稿に対して昨晩から今朝にかけてすさまじい数のメールが押し寄せてきてます(笑) 北は北海道から南は宮古島まで、129通のメールが届きました。
「ブログの自己チェック、早速家族全員でやってみました。我が家の家族構成は43歳の私、47歳の夫、大学3年生の息子と大学1年の娘です。東京の麹町で代々続く夫の家業を手伝っていますが、佐藤先生のブログにあったような症状や悩みのほぼ全てが該当しています。夫も同じような状態です。この瞳孔を確認するチェックが何時ころにやったらいいのかわからなかったので、家族全員が揃う夕食後にやってみました。結果は大学で山岳部に所属している息子以外の3人は瞳孔にライトをあててすぐに瞳孔が小さくはなりましたが、だいたい20秒前後で瞳孔が大きくなりはじめました。これは一大事!副腎という名前は知っていても日常の生活からくるストレスや食事のアンバランスで副腎に負担になっていたんですね。改善方法の紹介が待ち遠しいです。それにしても、自宅にいながら簡単な方法で、それにお金をかけずに体の状態というのがわかるのは大変助かります。・・・」

少し長くなりましたが、寄せられたメールの1つを紹介してみました。寄せられたメールの多くはこのような内容でして、実際にICTチェックをやってみた方の3割ほどが副腎に負担がかかっている状態という結果のようです。
この自己チェックの結果で全てが副腎疲労症候群ということが判定されるわけではありませんが、体はウソをつきませんので、定期的にICTチェックや血圧測定をしてみて、常に副腎にストレスをかけない生活習慣をつくる意識を高く持ってもらえればと思います。

それと、ITCチェックを行う時間ですが、以下の図を見てもらうとわかるように、1日のなかで副腎が分泌するホルモンであるコルチゾールの生産量(日内変動)は、朝が最も高く、日中から夜にかけて低くなり、夜中から朝にかけて再び高くなります。つまり副腎の休息状態が夜中から朝にかけてであるということです。この副腎の働きのリズムを考えると、夕方から夜にかけてITCを行うよりも、最もアクティブに働いている昼間の状態のときを観察してみるのがいいと思います。
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また、1日をとおして、例えば朝起床後(6-8時)、日中(11-12時)、夕方(15-18時)、そして夜(22-24時)にITCチェックを行ってそれぞれの時間帯での副腎の疲労度を確認してみるのもいいでしょう。ただ、継続的にチェックを進めるのであれば毎回決まった時間帯にテストすることが望ましいでしょう。
by nutmed | 2008-01-24 11:58

副腎機能の自己チェック その2 血圧テスト

今朝は早朝から予想とおり東京近郊は雪です。積もるような降りではないですが、雪のせいでしょうか朝から私鉄各社はダイヤが既に乱れているようですね。雪国の方から見ると情けない話ですが・・・本当に首都圏機能は雪に弱いです。

前回の瞳孔収縮テストもそうですし、今回お話する血圧テストもそうですが、自分で判断確認できる手段を持つことはこれからの日本における健康維持には非常に重要なことだと思います。
世の中、予防・未病が話題で今年から国をあげてスタートするメタボ対策をはじめとして、検診・健診がにわかに活気づいていることはいいことだとは思います。しかし、結局は予防・未病のための健診も検診も、病院、クリニック、保健所など、どこかに行かなければ実施ができないものばかりです。未病先進国の欧米、特にアメリカでは、SELF TESTやHOME TESTというカテゴリーがあり、健診のためにどこかに行かなくとも自宅やオフィスにいながらに自分の体調や体内環境をチェックする方法やキットが非常にポピュラーでもあります。日本は世界的に見ても長寿国ですが、一方で世界でも1,2を争う投薬大国でもあります。今後、日本が長寿を維持して、国民が未病を促進するためには、欧米のようなSELF TESTやHOME TESTの普及による本当の意味での自己管理が必要になるのではないでしょうか。

さて、今回は前回に続き、ご自宅で簡単に副腎の働きを確認するチェック法の紹介です。
今回は、今ではどこのご家庭にも常備されていると思われる血圧計を使ったチェック方法の紹介です。この方法は日本でも内科のドクターに重宝されている簡易判断法でもあります。
血圧の上下は副腎の働きの影響をうけるインジケーターの1つでもあります。慢性的に血圧が低い人を含め、低血圧の状態はあまりドクターから重要視されていない部分かもしれません。このチェック方法は寝ている時と立っている時の血圧をそれぞれ測り、その差によって副腎の働きの状態を推測するテストです。
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方法
①血圧計をセットし横になり10分間安静状態を保った後に血圧を測定
②寝ている状態の血圧測定を終えた後、速やかにその場に立ちすぐに血圧を測定
判定
①立った状態の血圧が寝ている状態で測定した血圧よりも10-20mmHgほど高い場合には副腎の働きは良好
②立った状態の血圧が寝ている状態で測定した血圧よりも低い場合には副腎の働きは低下している。
ただし、脱水状態または水分補給が不足しているような状態の場合にも血圧は低くなるので、水分を十分補給した直後に再度テストしてみるといいでしょう。逆に言えば、立った状態の血圧が低い場合には、念のためにコップ1-2杯の水を飲み、その直後に同様のテストをして、立った状態の血圧が寝ている状態で測定した血圧よりも10-20mmHgほど高い場合には副腎の働きは良好と考えます。水を飲んだ後でもなお血圧が低い場合には、副腎の働きが低下している可能性があると考えられます。
また、かなり厳格な菜食主義を貫いている方の場合には、もともとの血圧が低いことが多いためこの限りではありません。


次回は体脈拍による副腎機能テストです・・
by nutmed | 2008-01-23 09:22

副腎機能の自己チェック その1 瞳孔収縮テスト

我が家の庭の紅梅の蕾が膨らみはじめました。陽も本当に延びてきましたし、春に向けて生き物が少しづつ動きはじめたような・・。

早速今回の副腎疲労症候群のテーマに対して沢山のメールをいただいています。それだけ皆さんの現在の症状や悩みに直結している可能性を感じているのでしょうね。一番多かった質問を1つ。
どんな人がAFS(副腎疲労症候群)になりやすいのか? 
AFSが好むと好まざるとに関わらず現代人が強いられている食事や住環境そしてストレスの影響を受けることを考えると、残念ながら年齢・性別に関係なく日本の国民のかなりの人がレベルは別としてもAFSである可能性が高いと言わざるを得ないと思います。
皆さんご自分の現在の体調や体の悩みを考えたときに、いつごろからその症状や悩みが現われ始めたのかをじっくり考えてみるといいですね。必ずその以前から副腎の働きに負担をかけるような心当ることがあると思いますよ。

さて、今日は家庭でできるAFSの可能性のチェック方法についてお話します。
この方法は私の師匠でもあるDr.ライトの友人でもあり、かつてDr.ライトのタホマクリニックでもレクチャーをしていたことのあるドクター、Wilson先生に教えてもらった方法です。自然療法医師(ND)、カイロプラクティック医師(DC)そして医学博士でもあるWilson先生は、アメリカでも著名な副腎疲労に関する専門家でもあります。
このAFSの自己チェック法で副腎の働きの状態が100%確認できるわけではありませんが、1924年に作られたこのチェック法は今でもWilson先生だけなく多くのMD,ND,DCなどの医師に採用されており、判断率は比較的高いといえます。

この方法は眼の瞳孔の収縮状態を確認するもので、ICT(Iris Contraction Test)と呼ばれています。
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準備するものは・・
・椅子と鏡を置ける机など
・懐中電灯(LEDライトではなく従来のもの)
・鏡
・秒針のついた時計またはストップウォッチ
方法
①上記の準備をしたら部屋を暗くする。
②椅子にすわり鏡を目の高さの机の上に置く
③懐中電灯を持ちスイッチをONにし、左右どちらかの目の目尻からライトをあてる。直接目にライトをあてないように。
④ライトをあてていないほうの目で鏡を覗きライトがあたっている目の瞳孔を確認する
判定
①ライトがあたっている間はずっと瞳孔が収縮している場合は正常な反応で副腎の働きは良好と判断
②ライトがあてた最初は瞳孔は収縮するが、収縮を維持できずにすぐに瞳孔が拡張しはじめる場合には副腎の働きが低下していると判断

このテストの背景は、眼の瞳孔の収縮拡散を担っている筋肉の働きの状態を確認するもので、通常、光が目にあたる(入る)と眩しさを回避するために瞳孔は収縮しますが、副腎の働きが低下していて、ライトをあててもすぐに収縮から拡張してしまう瞳孔がある場合、この拡張状態はライトをあててから2分以内に起こり、拡張状態は30-45秒間継続したのちに再び収縮するか、拡張と収縮を小刻みに繰り返します。
この方法で判定した後、もし②の状態であった場合には、ライトをあてても瞳孔が拡張している時間が何秒あったかの記録をつけておき、3週間に1回くらいの間隔で同じテストをすることで副腎の働きの状態およびその改善度がわかると思います。テストを継時的に行う場合には毎回同じ時間に行ってください。もし自分1人でできない場合には家族や友人などと一緒にテストしてもいいでしょう。

次回は血圧計を使った判定テストを紹介します・・
by nutmed | 2008-01-22 09:35

副腎の疲労について

昨晩は東京でも夜半過ぎから雪になって、都心でも今日の午後まで降り続き、5cmほどの積雪になるとのことだったので、昨日の日曜日は長靴や雪かき用のスコップを物置から出して準備万端でした。しかし、ポジティブに期待を裏切るように太平洋岸の低気圧は予想よりも発達せずに南岸を通過してくれたので雪はなかったですね。それでも大寒だけあって寒さは厳しい1日でした。

さて、いよいよ副腎疲労に突入です。
「副腎の働きが低下する状態」を医学英語ではHypoadreniaと呼びます。医学用語で「Hypo-」(低下している)とか「Hyper-」(高まっている)というような接頭語がよく出てくるのでここで覚えておくといいかもしれませんね。Hypoadreniaの場合には「副腎の働きが低下している状態」ということになります。今までお話してきたように、副腎は刻々と変化する体の肉体的、精神的なストレスや炎症に対応するべくフル稼動してステロイドホルモンを生産しバランスを保っています。「眠らない社会」と評されるように、現代社会では24時間、体にかかるストレスが多く、体の恒常と恒常性を保つために副腎がリセットおよび休養することなく稼動していると言っても過言ではないでしょう。この果てに副腎自体が恒常性を保ち、体のバランスを維持できなくなることで副腎の疲労が訪れます。一般にはこの副腎疲労の究極の状態が自己免疫疾患でもあるアジソン病(Addison's Disease)と考えられています。アジソン病は生まれつきの先天性のケースは希でほとんどが生後に結核、自らの体に抗体をつくって攻撃をしかけるような自己抗体によって副腎(皮質)にダメージを受け症状が現われるものです。
今までは副腎の働きが低下した結果現われる症状のほとんどをこのアジソン病としてくくり、治療のためにコルチコステロイドホルモンを投与しています。この7年前ほどから、アメリカやEUではアジソン病の原因とは異なり、食生活、生活習慣、嗜好、ストレス、重金属、薬剤など、従来のアジソン病とは異なる原因背景によって引き起こされる症状を「Non-Addison's Hypoadrenia(NAHA)」と言うようになりました。この中には、血液や尿による臨床検査の結果は全く正常なのに、症状としては明らかに副腎の働きが低下している状態が多い、原因不明(「不定愁訴」)というようなカテゴリーでまとめられてしまうことが少なくありませんでした。
日本ではまだこの「副腎疲労症候群(Adreanal Fatigue Syndrome:AFS)」という考え方が一般的ではないようですが、実際には毎日のように医療施設を訪れる患者の中には、原因が不明だけれど微熱がずっと継続している、頻繁に呼吸器(気管支)の感染症がある、アレルギー(花粉、食材ともに)、細菌による鼻炎、ぜんそく、頻繁に風邪に罹患、線維筋痛症、慢性疲労、不眠、低血糖、アルコール依存、糖尿、自己免疫疾患などの何割かは副腎の機能低下によるものが少なくはないはずです。言い換えれば、現代人が抱えている体の悩みの多くが副腎への負担による副腎疲労症候群(AFS)と言ってもいいでしょう。

次回は自宅でできる副腎疲労症候群(AFS)の自己チェックについて・・・
by nutmed | 2008-01-21 17:31

副腎ホルモンのバランスについて

今朝も関東地方は気温が低く、山沿いでは今朝から雪が舞っているようです。昨日は京都や金沢でも街がすっかり雪化粧しましたね。本格的な雪は困りますが、四季のある日本、やっぱり冬の雪は多少なりとも恋しいです・・かね。

さて、今日は副腎疲労についての予定でしたが、急遽副腎ホルモンのバランスに変更します。
副腎の主要な働きにはホルモンの生産と分泌があります。副腎は主に3つのホルモンを生産していて、コルチゾール(グルココルチゾール)、アルドステロン、アンドロジェン(DEHA/DHEA-S)です。コルチゾールの主な働きは日常生活で受けるストレスのコントロール、血糖のコントロール、免疫機能のコントロールです。また、アルドステロンには、塩分と水分のバランスをコントロールする働きがあります。アンドロジェンのDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)はホルモンの母と呼ばれていて、テストステロン(男性ホルモン)及びエストロゲン(女性ホルモン)に変化します。因みに女性でも男性ホルモンのテストステロンが作られますが、女性の場合には副腎でテストステロンが作られています。
DHEAは最近話題の「アンチエイジング」の立役者でもあって、「若返りホルモン」とも呼ばれています。

体の中でもこれだけ多くのホルモンを作り、多岐にわたる機能をもった臓器は少なく、逆に言えば副腎に高いストレス、負担がかかることによって体に現われる症状は少なくありません。
アレルギー症状・ぜんそく・リウマチ・関節炎・骨密度の低下・化学物質過敏症・慢性疲労・高血圧・高血糖・肥満・痴呆・不眠症、慢性微熱、どれを見ても現代人の多くが持ち、悩む症状ばかりです。

日本では副腎が話題になると言えばステロイド、高血圧、アジソン病くらいしかないようですが、血液・尿検査はいたって正常なのに原因不明の症状(不定愁訴)の背景の多くに副腎の働きの低下が関っていると言えるでしょう。

次回は副腎疲労にはいります・・・
by nutmed | 2008-01-18 11:20

副腎に負担となる要因

昨晩は旧知の友人が大阪から上京していて少し遅めの新年会をしました。久々のアルコールだったので、帰宅も日をまたいでしまいましたが、自宅付近では初雪の洗礼を浴びました。

さて、今日は副腎という臓器に負担を与える要因についてです。
副腎は「ストレス調整臓器」と説明しましたが、非常に繊細な臓器とも言えます。過信や些細なことでも予想以上のストレス負担を受け、それが慢性的に継続したり、突発的に何かが起きることによっても想像以上に負担となり、徐々に症状が慢性的になります。副腎の負担からくる症状のやっかいなところの1つは、今まで全く普通に生活・仕事ができていたのに、ある日突然にドーンと症状が現れることです。副腎への負担からくる症状を予防するためには、日常生活のチェックとその改善が一番です。

副腎への影響となる主な要因を挙げると・・・・
・重金属
・化学物質
・アレルギーを起こす原因物質
・過労
・喫煙
・睡眠不足
・早食い
・精製糖、精製漂白小麦の頻繁な摂取
・運動不足
・薬の継続服用(特に抗生物質、ステロイド剤)
・腐敗した食材の摂取
・カフェインの頻繁は摂取
・恐怖心
・不安
・恒常的な緊張
・肉体的ストレス
・親族友知人の死
・ウィルスや細菌の感染
・多量、頻繁な飲酒
・ジャンクフード、ファーストフードの頻繁な飲食

ざっと考えただけでもこれだけの要因がありますが、これは1部です。 これに加えて生活習慣病といわれているような糖尿病、高血圧、高脂血症、そして低血糖症、慢性疲労症候群、花粉症など、持病として抱えている症状のストレスも副腎には大きな負担となります。実際には、副腎にかかる負担が慢性化したり継続することでこれらの病気が発生することが少なくないわけですね。

さて、皆さんは上記の20項目のうちいくつに該当しますか?
この1ヶ月以内の生活環境の中で15以上の項目に該当する人はかなりの負担が副腎にかかっていると思ってください。もっとも、1つでも該当するものがあれば、そしてそれが継続的な状況であれば、副腎への負担があるということでもありますが。

現代生活の環境要因を考えれば、上記の項目には必ず該当するものがあるとも言えますね。と言うことは、現代人のほぼ全てが副腎への負担を強いられる生活をしていて、既に「副腎ストレススパイラル」の渦中にあると言っても過言ではないでしょう。

次回は副腎疲労について・・・
by nutmed | 2008-01-17 11:28