臨床栄養士のひとり言

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閑話休題-サプリメント外来について

今日は朝から3月下旬の陽気の中、愛知県一宮まであるドクターに会いに行ってきました。さすがにこれだけ暖かくなったので、街行く人の中にマスクをしている人の数が増えたようですね。勿論花粉症です。
三島を通過するころに車窓から見える富士山も心なしか春の準備をしているようでした。
一宮のドクターには、以前から私が手がけている医師向けの栄養療法支援ソフトの紹介が目的で、忙しい診療の中時間を作っていただき、予定の時間をオーバーするほど熱心に話を聞いていただきました。
このドクターの話の中にもでてきたことですが、最近巷に増えているサプリメントを扱うクリニックや病院では、一体どのように患者にサプリメントを処方しているのかということを考えてみたことがあります。サプリメント外来というキーワードでGoogleってみると1600件以上もヒットしますが、勿論1600件以上の医療施設がサプリメント外来をしているわけではないと思います。私の知りうる限りでは、サプリメント外来を標榜されて患者にサプリメントの指導や処方をしている医療施設には大きく分けて2種類あると思います。
1つは、血液や尿、場合によっては便などを材料とした臨床検査の数値をもとに患者の体内環境を調べ、適切な栄養素としてのサプリメントの処方・指導をするケース。もう1つは臨床検査など患者個人の体内環境を調べることなく、症状を見たうえである意味でのパターン化されたサプリメントを機械的に処方するケースではないでしょうか。
話が長くなるので今回は詳細を説明しませんが、人間の体内の働きの多くが時間、季節、環境の影響を大きく受ける為に、臨床検査を行う場合でも血液や尿を採取する時間が変れば数値も変化し、その数値の意味と解釈は変ってきます。
ただ、少なくとも患者個人の体内環境をその患者の材料を使って検査したうえで適切な栄養素の指導をすることは非常に重要なことだと思います。
また、サプリメント外来を進めていく上で、栄養士、看護士、薬剤師などパラメディカルスタッフのサポートは、患者にとってもドクターにとっても重要なことだと感じています。
この5年間で、日本にもヘルスコミュニケーター、サプリメント指導士やサプリメントアドバイザーなどの名称でスタッフを育成する機関やプログラムが増えたことは歓迎すべきことですが、実際に医療現場を見ると、まだまだこれらのスタッフが本領を発揮できる土俵が少ないような気がしています。
今後、保険行政をはじめ、日本の医療システムは大きな転換期を迎えることが予想される中、栄養療法やサプリメント外来を掲げる医療施設は確実に増えるでしょう。それを考えると、今後さらなるパラメディカルスタッフの育成と法の整備は急務な課題であるともいえます。

さて、明日から3月。3月は副腎疲労シリーズの締めになるべく、その改善についてまとめて説明する予定でいます。
by nutmed | 2008-02-29 22:07

副腎疲労の改善について-インスリンの分泌について

1日ごとに春がすぐそこまで来ていることを意識させる臭い、色、音を感じるようになりましたね。
私は1年でこの時期が一番好きな季節です。そろそろモグラも土の中から出る準備をはじめたような今日この頃です。

さて、今回は副腎疲労の背景にあって、大きな影響を与えるホルモンの1つ「インスリン」と栄養素の関係についてお話します。
今年の2月8日のブログで血糖のコントロールと副腎の働きじついて説明したように、副腎疲労によって血糖コントロール機能が低下してしまうような低血糖症の方の場合、インスリンの分泌をなるべく穏やかにするような食事の摂取が望ましいと言えます。したがって、1日3食ではなく、1日に5-7回ほどに食事を分ける頻回食、または分食の指導とともに、炭水化物(精製漂白されたような米、小麦、砂糖)ではなく、高タンパク食が勧められます。
3大栄養素といわれている「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」は、体内でいずれもエネルギー源となるグルコースに変換しますが、グルコースに変換する時間が異なります。最も早くグルコースに変換されるのは炭水化物で、次にたんぱく質、最も時間がかかるのは脂質です。この背景には、インスリンの分泌量と栄養素の関係があります。
下の図を見てもらうとわかると思いますが、栄養素によってインスリンが分泌する時間は異なります。(クリックすると拡大します)
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炭水化物だけの場合がインスリンの分泌する時間が最も早く、食後急激にインスリンの分泌がはじまり、40分後には早くもピークを迎え今度は一気に下降していきます。一方、たんぱく質は食後徐々にインスリンが分泌され、その後もゆっくりと上昇し平均して食後2時間ほどでピークを迎えますが、その後もゆっくりと下降を続けて5-6時間かけてエネルギー源としてのグルコースを供給してくれます。脂質もたんぱく質をほぼ同じ動きと考えてください。
また、面白いことに炭水化物とたんぱく質を一緒に食べた場合には、食後一気にインスリンが分泌されますが、炭水化物だけの場合と異なり、食後90分ほどでピークを迎え、その後下降をしますが、なだらかなカーブを描くように下降していきます。

副腎疲労症候群(AFS)、またAFSによって低血糖を起こしている方に高たんぱく質食の指導がされるのはこのためです。低血糖症だけでなく、副腎の働きが疲弊しきっている方の場合にも、インスリンの分泌が急激に変化する炭水化物は避け、時間をかけて1日をとおしてエネルギーを供給してくれる高たんぱく質食が望ましいと言えます。
このインスリンと栄養素の反応を考えると、低血糖症状が出ていないAFSの方の場合、食事メニューは「朝食に高たんぱく質食」がお勧めになります。食材の選択と調理を考えると、高たんぱく質だけの食事は中々難しいかもしれませんが、1つの目安として高たんぱく質食材を70%、脂質を20%、複雑炭水化物を10%になると思います。
エネルギー源としてのグルコースの穏やかな供給維持を考えた場合、私の経験から最もお勧めする食材は、間食として昼食後の午後2-3時、夕食後の午後7-8時に「ヒマワリの種」です。量は1回あたり30-50gが適当だと思います。最近では日本でも健康食材としてもヒマワリの種が出回るようになりましたので、購入は容易化と思います。是非1度お試しください。
by nutmed | 2008-02-28 16:42

箸休めの話題-アミノ酸分析が日本でも本格化!

異常気象の1つなのでしょうか、今年の風は異様とも思える嵐のような状態ですね。昨晩も風雨が強く、今朝から電車のダイヤにも影響が出ています。
昨晩の天気予報で桜の開花予想が出されていましたね。今年は4月4日あたりが東京近郊でも満開の予想だそうです。今年は我が家の桜も立派に育っていますので、友人知人を招いて夜桜会を催そうかと考えています。

さて、今日は暫く副腎疲労の話題が続いているので、最近気になったニュースを1つ、箸休めに紹介させてください。
アミノ酸の分析については昨年5月22日のブログからシリーズで紹介してきましたが、その中でも日本ではアミノ酸分析を行うドクターがめっきり少なくなっていることをお伝えしました。アミノ酸は人間の全ての細胞、酵素、ホルモンなどの源となる、生命には欠かせないたんぱく質を構成する最小の単位物質であることはご存知でしょう。したがって、アミノ酸の体内環境を知ることは至って重要な分析であると言えます。
2008年2月25日の日経産業新聞に、世界のアミノ酸の供給と研究では最も大きな味の素が、血中アミノ酸分析を行い、そのデーターから症状の分析・解析をするための解析法として「アミノ酸インデックス」という計算式を研究開発中で、2010年を目処に、医療機関での採用を計画中であることが報道されていました。

病態や症状、また栄養摂取の状況やストレスによって影響を受けるアミノ酸の体内での動きをこの計算式によって詳細な解析をするものだそうです。
以前にも説明しましたが、栄養に携わる私の立場では、アミノ酸分析は体内環境を知る上での重要な指標で、アメリカで臨床栄養を勉強していたときにも頻繁にアミノ酸分析の重要性を叩きこまれたものです。
実際、私の師匠でもあるDr.ライトのタホマクリニックでもアミノ酸分析(41種類)は日常的な検査として採用されており、病状、症状、進行度合い、栄養摂取、たんぱく質の合成能力、ホルモン生産能力などの確認には欠かせない分析です。

日本でも味の素のアミノ酸インデックスが広く普及し、従来不定愁訴として片付けられてきた症状の改善にも大きな進歩が見られるようになることは大歓迎なことです。
by nutmed | 2008-02-27 09:12

副腎疲労の昼食と夕食

週末の嵐はすごかったですね! 我が家の近辺にはまだ畑が沢山あるので、その土が一気に空に舞い上がり、砂嵐で太陽が隠れるほどの嵐でした。

さて、今回は副腎疲労(AFS)を改善するための食事、昼食と夕食についてです。
AFSの改善のための食事の注意点として時間がありますが、朝食同様昼食も夕食もなるべくエネルギーを得易い状態をつくるための時間帯に食事をすることが望ましいと言えるでしょう。
昼食については、昼(午後0時)よりも前に早めの昼食がお勧めになります。AFSの方の場合、副腎の機能が低下しているために、午前10時前に食べた朝食で得られたエネルギーは想像以上に早く枯渇していることが少なくありません。そのため、なるべく早い時間帯、午前11時から11時30分くらいに早めの昼食を摂ったほうがいいと考えます。
頻回食または分食についてはいずれ詳しく説明しようと思いますが、1日3食というペースではなく、少ない量を2-4時間置きに食べることで疲弊しきった副腎の働きを高める方法はAFSの方にはお勧めの食事法と言えます。
午後2時から3時に再び軽いスナック食を食べることは、その後午後3-4時に訪れるコルチゾールの日内変動リズムで副腎の働きが低下してくる状態い備えるためにはお勧めになります。

そして夕食ですが、やはりコルチゾールの日内変動リズムを考えて午後5-6時に食べることが望ましいと言えます。
早い夕食はその後ベッドに入るまでの時間が長い場合には、ストレスになる可能性もあります。
場合によってはうまく眠りに入ることができないことも。このような場合には、就寝の30分前に軽いスナックを食べるといいでしょう。その場合のスナックは糖分の無い、複雑な炭水化物がいいでしょう。つまり、漂白小麦粉や砂糖を添加した、すぐに糖分に変わってしまうものではなく、時間をかけて糖分に変わる素材のものがいいですね。
いずれお話する頻回分食の素材としても、また就寝前の優良素材食としても私が今1番お勧めしているのはアマニを焼き上げたクッキーです。
実は今このクッキーを販売している会社にお願いして、AFSによる低血糖症の方用のアマニクッキーの製造をお願いしているところなんです。近いうちに医療施設などに紹介できるようになると思います。
by nutmed | 2008-02-25 11:23

副腎疲労の改善について-朝食は食べるべし!

昨日は24節季の1つ雨水でした。もうそろそろ季節が雪から雨になるころなんですが、雨水の日に生まれた私のこよみも半世紀を迎えました。
あと50年、頑張るつもりですが・・、図々しいなんて声が友人から聞こえてきました(笑)

さて、今回からAFS改善について、食と栄養を中心としたシーズン2に突入です。1回目の今回は「いつ食べることが望ましいか?」についてです。
副腎の働きが低下しているAFSの状態の人に共通している食事行動の間違いの多くは朝食を食べないこと、または起床後すぐに食事をしないことです。 AFSの方がまず食事行動で最も重視しなければならないことは「朝食は午前10時前に食べる」ことです。1日の始まりである朝、体にとって重要なアクションはエネルギーとなるグリコーゲンの供給です。この重要な1日のスタート時に、エネルギー源となる食事が摂取されないことによるAFSの深刻化が進むケースが最も多く、たとえスナックであっても朝食を食べないよりは食べたほうがAFSの改善のためにはいいわけです。

とは言っても、最近の20-30、40歳代の方は、特に女性は、とりたててダイエットのためではなくとも、朝食を摂る「元気」すらなく、また食欲がわかないという方が多いですよね。
この原因には2つの理由があります。
1つめは、副腎から分泌されるコルチゾールが1日のうちで最も増え、一気にに上昇し午前6-8時にピークを迎えますが、コルチゾールが増えると食欲が低下します。調度この時間は、皆さんギリギリまで寝ていて起床し、あっという間に身支度を整え、通勤通学の途に付く時間ですよね。
2つめは、副腎の働きが慢性的に低下していることによって肝臓の働きも低下していることが多く、(深夜まで起きていることによる覚醒作用も・・)早朝の空腹感を抑制してしまうためです。

私が栄養医学研究所や提携クリニックでカウンセリングをしているときにも、この朝食の説明を頻繁にしますが、40歳以上の男女は十分理解していただくのですが、20-30歳台の、特に女性はほぼ100%「先生の言うことは十分理解してます。朝食が体に必要なことも理解してます。でも物理的に無理ですね」と、来るんですね(笑)
何が無理なのか一向に理解できない私が次にアドバイスする内容は、「無理にとは言いません。今の状態でいいのであれば、またこの後年齢が高くなるにつれて色々な不調が出てくることが確実にわかっているにも関らず、今のライフスタイルを崩したくないのであればご本人が決定することだから何も強制はしません・・」と。決して見放したわけではないんですが、こうアドバイスすると5人のうち4人はムッ!とした顔で帰っていきますが、面白いもので、4人のうち2人から2日後には電話がかかってきて「食事指導してください・・」と電話の向こうでボソボソ・・とはじまります(笑)

次回は昼食から夕食について・・
by nutmed | 2008-02-20 18:16

副腎疲労の症状の見方注意点について

週末は東京マラソン、天気に恵まれてよかったですね。それにしても3万人規模のマラソンは世界でも類をみない規模ですね。私は、土曜日にちょっとしたアクティブがあって、日曜日は高熱でダウンしていました・・・

さて、本来であれば今日から副腎疲労の改善についてのテーマをスタートする予定でおりましたが、先週金曜日深夜にアメリカの友人のドクターと電話で話をしていて、AFSを論じるときにこれをお話しておかないと、いけないかもしれないということになりまして、急遽本日だけテーマを変更させていただきます。
で、今日のテーマは副腎疲労症候群(AFS)や慢性疲労症候群(CFS)と症状が非常に似ているのに、改善治療のアプローチが異なるものを説明します。場合によってはアプローチが間違って治療が遅れることによって症状が悪化するケースもあるので、注意していただきたと思います。
その症状とは日本では比較的珍しい感染症で「ライム病:Lyme disease」といいうマダニ(シュルツェマダニなど)を介して感染するスピロヘータの一種であるボレリアよる細菌感染症です。
日本でも北海道や長野県などで毎年感染者が確認されれいますが、一説によるとここ数年都会でも感染者が出ているという話も聞きます。
一般にはダニからの感染で人から人への感染はないとされています。
症状は勿論ダニに噛み刺された後に発症します。感染初期には筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、倦怠感など風邪の初期及び副腎疲労症状に酷似したものが現われることが多く、その後、神経症状をはじめ、多様な症状が現われるために一般的な診断では判定が難しいとされています。
アメリカでは日本よりも感染者が多いライム病ですが、症状から見て明らかに副腎の疲労だろうと思い、だ液中のコルチゾール検査をすると24時間を通じてコルチゾールが非常に高い状態であることが少なくないため、かなりの精神的・肉体的なストレスによるAFSで、蕁麻疹又はアレルギー症状を伴なっていると判断されたケースは少なくないそうです。実はライム病であることが後々の血液検査でわかるまでに、AFSの改善のための栄養素、ハーブの処方と食材改善を数ヶ月行っても全く改善されるどころか、症状が悪化するケースがあるようです。

日本ではライム病が比較的稀な感染症だといわれていますが、AFSとの混乱誤診をさけるためにも、1つの知識としてライム病を覚えておくといいと思います。勿論ライム病の診断の始まりは、それ以前にどのようなところへ行ったか、何かに刺されたり、噛まれた記憶はないかということからはじまります。

次回はいよいよ改善の話です・・
by nutmed | 2008-02-18 15:09

副腎疲労の改善について

今週は月曜日が祝日だったので、なんだか得をしたような週末です。今週末はここ何週か続いた天気の崩れもなく、日曜日の東京マラソンに参加される皆さんにとっては絶好のランニング日和でしょうね。体調は万全に、そしてゴール後の体調栄養管理もお忘れなく!

さて、新年1月15日からロングランで続けてきた副腎疲労症候群(AFS)も1ヶ月を迎えました。
いままで1つのテーマでこれほどの長い投稿はなかったので、感慨深い反面、自分でもいい追加勉強になりました。
メールでの反響もいつものテーマの10倍!はあり、皆さんの関心の深さがわかります。
すでに、メールで促されてはいるのですが、「AFSの改善にはどうすればいいの?」についの問合せがやはり殺到しています。決して出し惜しみしていたわけではないのですが・・・・

と言いつつも、本編での改善の方法や栄養素、ハーブの紹介については次週からという予告になりますが、週明けをご期待ください・・
by nutmed | 2008-02-15 10:22

副腎機能と甲状腺の機能

昨晩は再結成して27年ぶりに来日したポリスのコンサートにワイフとでかけてきました。平日ということもあり開演は午後7時30分を過ぎた遅い時間。スティングはソロ活動を続けていることもあってか、往年の声は健在で2時間たっぷり堪能してきました。この後3月はBOZ&TOTO、4月はCHICAGO&ヒューイルイスとコンサートずいています・・

さて、今日は副腎と甲状腺のかかわりについてです。
下垂体を中心として考えると、甲状腺と副腎はホルモンを生産分泌する器官として互いにかかわっている部分が少なくありません。また、副腎の働きが低下している場合に、同様に甲状腺の働きも低下していることは少なくありません。
副腎の働きについてはだ液や血液によってかなり正確に確認することはできますが、甲状腺の働きが低下している状態を血液検査で確認する場合、かなりその症状が進んでいないと検査の数値に表れ難いということが少なくありません。逆に言えば見落としてしまう可能性もあるということです。

日頃から自分の甲状腺の働きについて、ベースとなる健常な状態を覚えておくことで、副腎の働きとともに甲状腺の働きが低くなっているかを知ることができますので、それを紹介しましょう。

甲状腺の働きの自己チェック方法
1、体温の確認
健康なときの自分の平熱を確認して覚えておき、起床前にベッドの中で体温を計り、平熱よりも0.5-1.0℃低い状態が3日以上継続する場合。
2、運動をしても持久力やスタミナが増えない。
3、以前よりも動作が緩慢になった。
4、以前よりも体重が増えやすくなった。特にお尻と腰の周囲。
5、朝起きてから1日中だるく、動く気力がない。
6、夕食を食べた後は食べる前よりも気力が出る。


もしこれらのうち4つ以上に該当するような状況があれば甲状腺の働きが何らかの原因で低くなっていると考えてみてください。
そのうえで専門医に診察をお願いすることをお勧めします。
by nutmed | 2008-02-14 10:31

歯科領域の副腎疲労症候群

今週はじめから街はチョコレート一色ですね。寒さもどこかに吹っ飛んでしまうくらい甘ーい1週間になりそうです。

さて、今日は歯科領域での副腎疲労についてお話してみましょう。
実は歯科の治療と副腎の働きについては深い関連があります。今まで副腎の働きについて詳しく説明してきたので、副腎がストレス、免疫、エネルギー生産と密接な関係にあることはおわかりだと思います。歯科での治療を進めていく際に、このストレスと免疫を考慮しながら治療を進めるのと、全く無視して進めるのでは、治療効率や予後だけではなく、患者さんのQOLも大きくことなると言われています。

もっとも身近にある歯周病や歯肉炎の原因となるバクテリアの対処についてですが、色々な原意背景で一時的にこれらのバクテリアの繁殖が高くなり、症状として歯肉炎になったり歯周病になったりした場合でも、患者本人の免疫の働きが高い場合には治療後の経過も良好になるはずです。また、これらの治療をする前に、だ液検査で患者さんの副腎の働きを確認しておくことによって、患者さんに負荷を与えることなく、短期間で最適な治療を施すことができます。 治療前に副腎の働きが極度に低下しているところに、治療によるストレス、抗生物質、抗炎症剤、場合によってはステロイド剤を与えることで、本来の免疫が低下し、予想以上に予後が悪くなったり、場合によっては患者に大きな精神的ストレスという引き金を引かせてしまい、血糖コントロールができなくなったり、不眠症などを招くこともないとは言えません。

ストレスということで言えば、かつて虫歯の治療で歯に充填していた「アマルガム」は大きなストレスといえると思います。アマルガムに成分配合されていた水銀は体温計や血圧計などと同じ「金属水銀」なので、体には蓄積せずに影響は低いという学者もいますが、もともと体内にあってはいけない金属であって、水銀は体温と同じ温度で十分蒸発をする重金属ですから、たとえ金属水銀であろうとも、蒸発したものが呼気から体内に入り循環することによって、多くの組織臓器に影響を与え、副腎もその1つでしょう。
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アメリカやドイツの歯科医の中には、治療に際して血液検査だけでなく、設問アンケートやだ液検査によって患者の副腎の働きを確認したうえで、治療計画と使用する薬や栄養素を決定することが少なくありません。
残念ながら日本ではだ液検査を歯科で行っても保険適用にはならないかもしれません。しかし、患者さんへの最適な治療だけでなく、無駄な医療費と医療資材の支出を抑えることができるわけですから、今後日本の歯科クリニックでもだ液による副腎機能の検査は是非普及して欲しいものです。歯科医の多くが敬遠する採血もないですしね。

もっとも、私が今回強くお勧めお願いするのは、歯科医、歯科衛生士など歯科従事者の皆さんがまずは副腎の働きをチェック確認して欲しいということです。ただでさえ現代の歯科医の皆さんは、生存競争の真っ只中に置かれて精神的なストレスが尋常ではないことに加え、日常の診察治療で様々な金属、化学物質に暴露しているわけですから、まずはご自分の副腎の働きを確認し、負担がかかっているのであればそれを改善することからはじめていただくことをお勧めします。
by nutmed | 2008-02-13 14:07

副腎の疲労 DHEAについて

この週末の雪は先週末の雪よりも水分が少なかったようで、竹ほうきでも簡単に掃くことができましたが、つい調子に乗ったせいもあって、わき腹の筋肉痛です。

さて、今日は読者の方から(何人かはドクターだと思いますが・・)の質問に少し回答しましょう。
特に多かったわけではないですが、最近話題のDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)と副腎疲労の関係について質問が寄せられていましたので、DHEAの使い方も含めて説明してみましょうね。
DHEAは副腎で生産される性ホルモンや他のホルモンの前駆体(元になるもの)ホルモンで、DHEAからいくつかのホルモンに分岐をしていきます。副腎疲労を伴っている方の場合、しばしばこのDHEAは低下します。DHEAもコルチゾールとほぼ同じ日内変動のリズムをもっていて、その変化を知るためにはだ液検査が最もお勧めな検査です。(少し難しくなりますが、血液で検査する場合にはDHEAよりも血中半減期が15倍も長いDHEA-Sでいいですが、コルチゾール同様にアクティブ(フリー)なDHEAを分析する場合にはDHEAをだ液で分析するほうがいいでしょう)DHEAはコルチゾール以上に年齢が高くなることによってその生産と分泌量が低下するので、話題のアンチエイジングクリニックではこぞってこのDHEAをカプセルや錠剤、または点滴で処方してくれる施設がかなり多くなりました。検査でDHEAが低い場合、DHEAを年齢や食生活、そして忘れてはいけないのは副腎疲労度を考慮したDHEAの処方ということになります。日本のクリニックでは一般に1日25-50mgのDHEAを処方しているようです。もし、皆さんがDHEAを処方され、およそ2-3週間で体調に変化がなかった場合には副腎の疲労度を疑ったほうがいいでしょう。逆に言えば、2-3週間でDHEAの効果が出てくるわけで、出なかった場合のかなりの確率でその原因背景には副腎疲労があると見ていいでしょう。
その場合には主治医にだ液コルチゾールの検査をお願いして確認するべきです。
また、DHEAを処方されたり、米国からインターネットサイトでDHEAを直接購入して飲んでいて、イライラするようになったり、怒りっぽくなったと感じているなら、今飲んでいるDHEAの量をもう1度確認してください。一般に日本人ならば特別の症状がない限りは1日あたり150mg以上のDHEAを継続して2週間以上飲んだ場合にはこれらの症状が出やすくなるはずです。勿論飲む量を減らすことで暫くすればその症状は治まります。
「量を沢山飲めばいい」っていうようなものではないので個人で輸入して飲んでいる方は十分注意してくださいね。それと男性で継続して3ヶ月以上DHEAを処方されたり個人で飲んでいる方は最低でも年に2回(半年毎)に前立腺特異抗原(PSA)の検査を受けておくことをお勧めします。PSAが上昇していた場合には直ちにDHEAを中止し、上昇している原因が判明するまで服用は避けるべきです。
by nutmed | 2008-02-12 22:37