臨床栄養士のひとり言

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副腎疲労の改善について-ハーブ

今朝は昨晩の雨と気温の関係で、今朝から関東は霧による交通への影響が続出のようです。
折角なので今年も我が家の桜の様子をご覧いただければと思って、朝からデジカメ片手にパシャッ!とやってきました。
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さて今日はAFSの改善のためのハーブの紹介です。
アメリカでは副腎の疲労や慢性疲労の改善にはハーブはポピュラーな素材として使われています。日本でも漢方や生薬として使われてきたものも少なくありません。
副腎疲労症候群(AFS)やストレス耐性が低い状態の改善に効果のある6種類のハーブを紹介しましょう。
1、リコリス(Licorice Root)
日本でも漢方や生薬の「甘草」(カンゾウ)として古くからつかわれてきたハーブで、アメリカでAFSの改善といえばファーストチョイスされるハーブです。Anti-Stress Herbとして知られているリコリスの有効成分はグリチルリチンで、グリチルリチンは砂糖の150~300倍の甘さがあり、天然の甘味料として使われています。このグリチルリチンが副腎のコルチゾール生産と分泌を刺激することでコルチゾールが上昇します。しかし、リコリスには常用していると血圧を上昇させる薬理作用があり、その原因はこのグリチルリチンがコルチゾールがコルチゾンに変換することを阻止してしまうためと考えられています。リコリスはこのグリチルリチンの活性を抑制させたジグリチルリチン(DGL)という成分があり、胃潰瘍やピロリ菌毒素の影響を抑制する目的で使われる素材ですが、AFSの改善にはジグリチルリチン(DGL)ではあまり効果が期待できません。したがって、AFS改善の目的でグリチルリチンが含まれるリコリスを使う場合の注意点として、常に血圧をモニターしながら使うこと、また最長でも4週間以上継続して使わないことがあります。4週間使って2週間休み再び摂取しはじめるサイクルがポピュラーな方法です。
2、アシュワガンダ(Ashwagandha Root)
アシュワガンダはナス科の植物で、インドの伝統医学アーユルベーダで利用されるハーブの一つです。アシュワガンダには強力な抗炎症作用があり、リウマチや関節炎の炎症改善には医薬品と同等またはそれ以上の効果が報告されてもいます。また、アシュワガンダは「アダプトゲン」(トラウマ、不安、肉体的疲労などのストレスへの抵抗能力を高める働きのある天然のハーブ)としても知られていて、コルチゾールが過剰な場合でも、低下している場合でも正常な状態に戻すサポートをする作用が報告されています。1日あたり30gを越えるアシュワガンダの摂取は逆にコルチゾールを抑制する報告もありますので注意してください。
3、チョウセンニンジン(Panax Ginseng)
チョウセンニンジンは日本でもあまりにも有名な素材ですね。チョウセンニンジンは女性よりも男性のAFS改善に効果が顕著で、逆に女性がこの素材を使う場合には注意して欲しいことがあります。女性がチョウセンニンジン、特に「赤チョウセンニンジン」といわれる種類の場合には、常用することでDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)の生産と分泌過剰になることがあり、顔面にニキビが出たり、顔面の毛が濃くなることがあるので注意してください。
男性の場合でも使用に際しては、最初は少ない量から徐々に適量に増やしていくことがお勧めです。
4、シベリアニンジン(Siberian Ginseng)
シベリアニンジンは名前を聞くとシベリアに育つチョウセンニンジンなのかと思われがちですが、現在のシベリアニンジンの生産地はほとんどがアメリカの北東部になります。シベリアニンジンにはAFS改善に有効な様々な作用があり、ストレス耐性を向上させる、神経伝達物質のコントロール、スタミナとエネルギーの生産向上、睡眠の誘導、そして血糖値の抑制があります。私がシベリアニンジンを使うケースは副腎疲労やストレス耐性の向上もありますが、そのほか鉄欠乏性の貧血傾向のある方、脂肪代謝能力の低い方などにも使うことが少なくありません。その背景にはシベリアニンジンがビタミンB3,B5、B6の代謝を向上させる作用とビタミンCの体内での代謝を向上させる作用があるためなんです。
5、ショウガ(Ginger Root)
ショウガもアダプトゲンとして知られるハーブの1つで、コルチゾールの生産と分泌を正常に保つ作用、血圧を正常に保つ作用、脂肪燃焼とエネルギー生産の向上の作用があります。また、ショウガにはたんぱく質と脂肪を分解する酵素の生産を刺激する作用もあります。
日本ではショウガを食材として使うケースが多く、その背景には薬味としてだけではなく、体の働きを調整コントロールするための素材として使われてきた歴史もあります。
AFSの改善の目的でショウガを使う場合、お勧めはショウガティーですね。朝食時に温めのお湯100ccにショウガを絞った汁を10ccほど入れて飲んでみるといいですよ。
6、イチョウの葉(Ginkgo Leaf)
痴呆症の予防ですっかり日本でも有名になったイチョウの葉(ギンコ)ですが、その薬理効果は世界中で報告され、臨床現場でも使用されるほどのハーブです。イチョウの葉の成分には強力な抗酸化作用があり、AFSやストレスによって副腎が生産するコルチゾールが慢性的に増加することによって副腎の細胞にダメージを与え、フリーラジカルが増加することで副腎の働きが低下し始める状態にある場合、このフリーラジカルの除去に対してイチョウの葉は非常に有効なハーブ素材として選択されます。イチョウの葉には機能性成分としてのバイオフラボノイドも豊富に含まれていて、血流改善にも有効な素材です。

ハーブは漢方や生薬と同じように薬理作用を持つ素材です。したがって、使用に際してはその成分が持つ作用や他への影響などを十分理解、熟知している専門家の指導を受けて使うことが望ましいと言えます。

次回はいよいよ副腎疲労症候群の最終回になります・・・
by nutmed | 2008-03-25 11:23

副腎疲労の改善について-ミネラル

我が家の桜も土曜日には20-30の花が咲き始めました。今日の雨で少し咲が鈍ってくれると週末には満開になるかな・・
土曜日は横浜までボズスキャッグスとTOTOのコンサートに行ってきました。ボズは御年63歳とは思えない元気な姿と声を披露してくれました。一方のTOTO、声といい、ルカサーの体型といいメタボまっしぐらで多少がっかり・・ギターのテクニックは相変わらず絶品でした。

さて、今日はAFS改善のミネラルについてです。
1、マグネシウム
マグネシウムは副腎にとってはエンジンのスパークプラグのようなもので、副腎が作り出す各種ホルモンに必要な酵素とエネルギーにはマグネシウムが不可欠なミネラルです。したがってAFSやストレスが続いているようなときには積極的に摂取するべきミネラルでもあります。
AFSの改善に必要なマグネシウム量は1日あたり300-400mgです。お勧めのマグネシウムのタイプは吸収が高いクエン酸マグネシウムになります。クエン酸マグネシウムはエレメントとしてのマグネシウム量は20%前後ですから、400mgのクエン酸マグネシウムには最大でも80mgのエレメントマグネシウムしかが乳されていません。飲むタイミングですが、AFSの場合には1日をとしてマグネシウムが不可欠となりますから、1日摂取量を3-4時間おきに食事の前または食事後2時間を空けた空腹時がお勧めですね。日本ではクエン酸マグネシウムは入手が困難かもしれませんので、酸化マグネシウムなどの場合には吸収をあげるために酸(トマトジュースなど)と一緒に摂取するといいでしょう。
副腎でのマグネシウムはビタミンCとパントテン酸(ビタミンB5)、カルシウムがパートナーになりますから、これらの成分もあわせて摂取してください。
2カルシウム
カルシウムはAFSの原因にもなるストレス耐性を高めるためと、神経の興奮状態を抑える働きを持ったミネラルです。1日あたり750-1000mgがAFSの改善とストレス耐性向上にはお勧めな量になります。タイプとしてはクエン酸カルシウムがお勧めですが、マグネシウム同様入手ウランが困難な場合にはその他のカルシウムでも結構ですが酸と一緒に摂取するといいでしょう。
3、微量ミネラルご存知のように多くのミネラルはビタミンと異なり体内にはごく微量しか存在しませんが、非常に多くの役割を担っています。中でも副腎、下垂体、視床下部、腎臓、甲状腺などAFSに深く関わっている臓器では、カルシウム、マグネシウムといったメジャーなミネラルだけでなく、亜鉛、マンガン、セレニウム、モリブデン、クロミウム、銅、ヨードなどの微量ミネラルが重要な働きを担っています。
AFSまたは副腎の疲労、ストレスが続いていてこれらの微量ミネラルを摂取する場合には、代謝および副腎やその他の関連組織臓器の働きを考えると夜の就寝前に酸と一緒に摂取することがお勧めです。
微量ミネラルを選択するときに注意していただきたいのは、「コロイドミネラル」という商品です。
米国でもかつて話題になった鉱物性の分子が小さいミネラルですが、地中の鉱石や化石性物質から抽出されるために、商品の中には水銀、鉛、ヒ素といった重金属が含まれているものがありますので注意してください。

体内のミネラルの過不足状態の確認はAFSの改善には不可欠な分析検査です。可能であれば3-4ヶ月に1回、爪や毛髪による体内ミネラル分析をしてモニターをすることをお勧めします。

次回はハーブです・・・
by nutmed | 2008-03-24 12:37

投稿内容の訂正と・・・ハイパーフォリン

急に暖かさが増してきた関東では、どうやら桜の開花も少し早まるような・・。我が家の桜の蕾の1つは今朝すでに開花しました。

さて、今日は読者の方からの問合せで判明した私のブログ記事内容の記載ミスについてこの場を借りて訂正とお詫びを・・・m(_ _)m

古い話ですが昨年2007年1月5日のブログ記事「今年以降話題になる素材」の中で紹介しました「Hyperforin(ハイパーフォリン)」の摂取量で欠落事項ありましたので以下のように訂正いたします。
「日あたりのハイパーフォリンの摂取上限量は、すでにうつ症状や記憶障害などを持っている場合では2mg/日、予防の目的で使用する場合には1mg/日を目安・・」は「日あたりのハイパーフォリンの摂取上限量は、すでにうつ症状や記憶障害などを持っている場合では2mg/kg/日、予防の目的で使用する場合には1mg/kg/日を目安・・」となり、これは体重1kgあたり何mg摂取すればいいかという量になります。
申し訳ありませんでした・・・

ついでに質問者の方に送ったメール内容を見ていて、きっとほかにも同じ症状を持っている方がいるのではと思いますので、ここに紹介させていただくことにします。

国内外問わずSt.Jonn's wartのハーブサプリメント全てにハイパーフォリンが配合されているとは限りませんので必ず確かめてください。通常、ハイパーフォリンの含有量はSt.Jonn's wartの総量に対して3-5%が良識或るメーカーのものですが、多くは0.5%前後ですね。私がカウンセリングでクライアントにお勧めしているのはBio Nurix社のAMORYNという商品です。このサプリメントは確かな医学的エビデンスがありパキシルとの比較試験でもパキシル以上の有効性をあげています。インターネットでAMORYNと検索すると商品が購入できるサイトがいくつかでてきます。
AMORYNにはハイパーフォリンのほかにうつ症状改善のための以下の成分が配合されています。
AMORYN1カプセル中成分量
ハイパーフォリン:18mg
5-HTP(5-hydroxytryptophan):25mg
Rhodiola Rosa(紅景天):90mg
ビタミンB6:20mg
ビタミンB12:30mcg
葉酸:300mcg
ビタミンD3:400IU
亜鉛:15mg
ビタミンC:10mg


飲み方ですが、あまり症状がひどくない初期症状であれば1カプセル/日を朝食後に、症状が中程度の場合には2カプセル/日で、朝食後に1カプセル、昼食後に1カプセルがいいです。必ず服用の間は最低4時間あけてください。これを2週間継続して何らかの効果実感がなければ、朝食後に1カプセル、昼食後に1カプセル、夕食後に1カプセルの1日3カプセルにしてください。1回に1カプセル以上は飲まないようにしてください。今までのデータで実感をする平気的な時間は5-7週間で87%の方が実感をしています。
副作用は稀ですが、今までに報告されているものとしては頭痛、不眠、胃痛があり、飲み始めてから1週間以内に起こるようです。頭痛の場合には水を多めに飲むことで、不眠の場合には1日の最後に飲む時間を就寝の4時間前までに飲むようにすることで、胃痛の多くは空腹状態での服用が原因なので必ず食後20分以内に飲むことで解決するはずです。
既にパキシルやプロザックなどのSSRI薬を処方されている場合には主治医に相談してからAMORYNを飲むようにしてください。
内容素材に米粉が入っていますのでアレルギーがある場合には避けたほうがいいですね。

ドクターにはハイパーフォリンやビタミン・ミネラルの件を相談するとき「そんなワケのわからないものはやめなさい」と一括されないと思いますので以下の文献集の部分をコピーして持参するといいでしょう。

参考文献
(1) Szegedi A, Kohnen R, Dienel A, Kieser M. Acute treatment of moderate to severe depression with hypericum extract WS 5570 (St John's wort): randomised controlled double blind non-inferiority trial versus paroxetine. British Medical Journal 2005 Feb.
(2) Fava M, Alpert J, Nierenberg AA, Mischoulon D, et al. A double-blind, randomized trial of St. John's wort, fluoxetine, and placebo in major depressive disorder. J Clin Psychopharmacol 2005 Oct;25(5):441-7.
(3) Gastpar M, Singer A, Zeller K. Efficacy and tolerability of hypericum extract STW3 in long-term treatment with a once-daily dosage in comparison with sertraline. Pharmacopsychiatry 2005 Mar;38(2):78-86.
(4) Kasper S, Dienel A. Cluster analysis of symptoms during antidepressant treatment with Hypericum extract in mildly to moderately depressed out-patients. A meta-analysis of data from three randomized, placebo-controlled trials. Psychopharmacology (Berl) 2002 Nov;164(3):301-8.
(5) Schulz V. Clinical trials with hypericum extracts in patients with depression--results, comparisons, conclusions for therapy with antidepressant drugs. Phytomedicine 2002 Jul;9(5):468-74.
(6) Lecrubier Y, Clerc G, Didi R, Kieser M. Efficacy of St. John's wort extract WS 5570 in major depression: a double-blind, placebo-controlled trial. Am J Psychiatry 2002 Aug;159(8):1361-6.
(7) Friede M, Henneicke von Zepelin HH, Freudenstein J. Differential therapy of mild to moderate depressive episodes (ICD-10 F 32.0; F 32.1) with St. John's wort. Pharmacopsychiatry 2001 Jul;34 Suppl 1:S38-41.
(8) Brenner R, Azbel V, Madhusoodanan S, Pawlowska M. Comparison of an extract of hypericum (LI 160) and sertraline in the treatment of depression: a double-blind, randomized pilot study. Clinical Therapeutics 2000 Apr;22(4):411-9.

by nutmed | 2008-03-19 14:47

副腎疲労の改善について-ビタミン

週末は暖かな陽気で、花粉の飛散量も多かったですが、絶好の行楽日和でしたね。
土曜日は趣味のバイクで朝から房総までツーリングにでかけてきました。平均年齢は50歳に近いオジサンたちのライダーですが、ひとたびヘルメットを被ると皆さん人が変わったように豹変します(笑)最近はリターンライダーがめっきり増え、高速道路のSAでもヘルメットを脱ぐと白髪や髪が寂しくなったおじさん達が元気いっぱいです。

さて、今日から副腎疲労症候群の最終章、改善のためのビタミン・ミネラル、ハーブに突入です。今日はビタミンです。
1、ビタミンC
ビタミンCは副腎の代謝機能には不可欠のビタミンです。実際、AFSになってコルチゾールの生産と分泌能力が低下している人にはビタミンCが欠乏に近い状態の人が少なくありません。
欧米の栄養療法ドクターの中には血液中のビタミンCを検査することによってコルチゾールの生産能力と副腎の働きを間接的に分析するドクターもいるほどです。AFSだけでなくビタミンCwo摂取するときには、アスコルビン酸(ビタミンC)だけでなく、バイオフラボノイド(ケルセチンやケンフェロールなど)が一緒になった「ビタミンCコンプレックス」を摂取することで、ビタミンCが体内で働く時間が延びますし、抗酸化能力も高いのでお勧めです。ビタミンCとバイオフラボノイドの最適な配合比率は2:1がお勧めですね。日本で市販されているビタミンCはトウモロコシ(コーンシロップ)から作られているものが少なくないので、アレルギーのある人は注意してください。因みに栄養医学研究所で扱っているビタミンCはケルセチンを配合したサゴヤシ(Sago Palm)から作ったビタミンCです。
副腎の働きを考えると、毎食を目安にする摂取方法ではなく、1日をとおして満遍なくビタミンCを補給することがお勧めの摂取方法ですね。1日の目安としてはトータル2,000-3,000mgを5-6回にわけて摂取がいいでしょう。
2、ビタミンE
ビタミンEはビタミンCto異なり副腎の働きに直接関与するものではありませんが、副腎がホルモンを生産する際にひつようとする6種類の酵素がフリーラジカルによって酸化するのを防ぐ重要な働きがあります。ビタミンEの選択は、β(ベータ)トコフェロールを中心としたミックストコフェロールがお勧めですが、最近の研究ではd-α(アルファ)とこでロールの過剰摂取がβトコフェロールの吸収代謝を抑制するという報告があるので、各トコフェロールの配合比率には注意してください。1日の目安としてはトータル100ー150mgを5-6回にわけて摂取がいいでしょう。
3、ビタミンB群
①パントテン酸(ビタミンB5)
ビタミンB5は副腎がホルモンを生産する際に必要とするエネルギーの供給の役割を持ったビタミンの1つです。1日の目安としてはトータル1,000mgを5-6回にわけて摂取がいいでしょう。
②ナイアシン(ビタミンB3)
ビタミンB3は副腎の働きに関る酵素(補酵素)の触媒の役割をもったビタミンです。1日の目安としてはトータル25-50mgを5-6回にわけて摂取がいいでしょう。
③ピリドキシン(ビタミンB6)
ビタミンB6も副腎の働きに関る酵素(補酵素)の触媒の役割をもったビタミンです。ビタミンB6は副腎だけでなく多くの細胞、臓器の働きにあ不可欠なビタミンの1つで、比較的不足しやすいビタミンです。私がアメリカで研修中の専任ドクターの1人がビタミンB6の不足を確認する面白い方法を教えてくれたことがあります。前日の夜に見た夢の内容を覚えているかを聞いてみるだけの方法なんですが、覚えていない人の多くはビタミンB6が不足している傾向があると言います。実際、覚えていなかった人に1日あたり50mgのビタミンB6を1週間ほど摂取させると、80%の人が前日の夜に見た夢を覚えているという結果を私は目の当たりにしました。1日の目安としてはトータル50-100mgを5-6回にわけて摂取がいいでしょう。日本でサプリメントとして市販が可能なビタミンB6ha「塩酸ピリドキシン」という形のものですが、塩酸ピリドキシンは体内で吸収代謝されるまでに多くの酵素の働きを必要とするため、AFSの人の場合には医薬品で処方され、吸収代謝が直接的なビタミンB6である「P5P(リン酸ピリドキシン」がお勧めです。

次回はミネラルです・・
by nutmed | 2008-03-17 15:34

副腎疲労症候群の改善と食事-炭水化物

啓蟄も過ぎ、今日日比谷公園近辺を歩いていると、路側のブロック塀の上を蟻が行列をつくって行進していました。もうすぐ沈丁花の香りがただよって来る季節です。

さて、今日は副腎疲労症候群の食事-炭水化物と脂質についてです。
以前のブログでGI値(グリセミックインデックス)について説明しましたが、AFSの改善を目的とした食材では、「低GI値食材」を選択することがポイントになります。加えて可能な限り「生の食材」がお勧めです。とはいっても生のフルーツはなるべく避けること。フルーツジュースは避けるべき食材の1つになります。これは果物は単糖類(すぐに血糖が高くなる)としての果糖が多いためですが、特にメロンは最も果糖が多い果物の1つです。
体に必要となるエネルギーの源である糖(グルコース)ですが、前回のたんぱく質のところでも説明したように、なるべく時間をかけてまた長時間にわたって体にエネルギー源としてのグルコースを供給してくれる素材を選択することがAFS改善のポイントになります。
炭水化物はその構成内容から、1)糖類2)でんぷん3)でんぷん以外のもの、として3つに大別することができ、具体的な素材例をあげると、1)果物2)穀類3)野菜になります。
もう少し具体的な例をあげると、糖類には砂糖、ハチミツ、シロップ、生果実、フルーツジュース、牛乳、ソフトドリンク、菓子類ですが、これらの食材はGI値が高く、食べてからすぐに血糖値が上がるため、エネルギー供給の即効性がありますが、1時間もしないうちに血糖値は一気に降下してしまいます。最近では早朝の街角や駅のコーヒーショップでコーヒーを片手にデニッシュやドーナッツをほおばる男女の姿も珍しくなくなりましたが、あの光景を見るたびに「ああ、ああやって朝からシュガークレーバー(糖分欲求が高い状態)のジェットコースターに乗り込んでしまうんだな・・」と思っています。
人間にとって炭水化物は重要な栄養素であるとは間違いがありませんが、事AFSまたはその予備軍であることを感じたときには、賢い炭水化物の選択をする必要があります。以前から言っているように精製漂白したいわゆる「白モノ」のすぐに血糖をあげてしまうような単純な形をした炭水化物は避けるということです。そして、炭水化物を食べる時には必ずパートナーとしてたんぱく質を一緒に食べるように心がけてもらうといいですね。
つぎにでんぷんですが、おもに穀類や根菜に含まれています。お米などの穀類は精製して栄養素の豊富な胚芽の部分を削ってしまったものと、胚芽が残っているいわゆる全粒に区分されるます。AFSの改善には糖類と同様GI値の低い精製されていない全粒穀類がベストといえます。欧米では体重の減量、糖尿病など生活習慣病改善、そしてAFSの改善の食材のファーストショイスはどのクリニックに行っても必ず「玄米食」になります。それほど海外の研究者や市民が認めている「玄米」であるのに、日本では中々玄米食が根付かないのは非常に残念なことですね。
by nutmed | 2008-03-12 18:27

閑話休題 AntiAgingとAntiAGEingについて

週末は2月末の砂嵐の後片付けをしました。砂というのは厄介なもので、目に見えるところはいいのですが、雨戸の戸袋の奥や、自転車やバイクの込み入った場所、洗濯を干すポールの中など、結構掃除は大変で丸1日かかりでした。おまけに花粉。私も娘も昨年11月からGSE(グレープフルーツ種子のエキス)とケルセチンで準備を怠っていなかったために、全くと言ってもいいほどマスクをせずともくしゃみ鼻つまり、目の痒みはありませんでした。
そんな中、我が家の桜も、ホラこのとおりふっくらと蕾を膨らませはじめましたよ。
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さて、今日は今年はじめに読者の方からいただき回答を忘れていた質問にあわてて回答させていただくことにします(笑)

質問の内容から見て多分ドクターだろうと私は思ってます・・・
詳細な質問内容は割愛しますが、質問内容はこうです・・「5年ほど前に日本でもアンチエイジング(老化抑制)療法の看板をあげたクリニックが雨後の筍のようにあちことで建ちはじめ、マスコミやメディアでもアンチエイジングという言葉が市民権を得たような気がしますが、一方で都心で乱立したかのようなアンチエイジングクリニックが経営不振で倒れるケースが増えていると聞きます。米国で行われているアンチエイジング療法とはどのようなもので、日本で行われているものとは異なるのか、また佐藤先生はアンチエイジング療法についてどのような考え方を持っているのか教えてください・・」
非常に難しい質問ではありますね・・・
この場で日本で行われているアンチエイジング療法の良し悪しをコメントするつもりはありませんし、また日本の多くのクリニックで行われているアンチエイジング療法がどのような内容(メニュー)とコンセプトで行われているのかについては、インターネットでアンチエイジングの検索をすれば良くわかると思いますのでここでは省略させていただきます。

今日本には多くのアンチエイジングクリニックがありますが、経営面ではそれなりに大変なところもあることも聞いています。私のブログの読者の方は、私が米国で学んできた臨床栄養学や栄養療法の基礎はDr.ライトをはじめとする栄養療法、分子栄養学、臨床栄養学の先人からの教えのうえに成り立っていることは理解していただいていると思いますが、これらの先人の教えに共通していたことは、いわゆる日本語で言うところの「アンチエイジング」には、実は少なくとも2つのアプローチがあることです。私が学んで実践してきた栄養療法の中でも「アンチエイジング」は確かに核になる療法として、米国やEUでも私の友人の多くが実践しています。私が師匠であるDr.Jonathan Wrightらが提唱する「アンチエイジング」は、巷で行っているアンチエイジングとは異なるアプローチのアンチエイジングであると思っています。多くのドクターが実践しているアンチエイジングが「Anti Aging(老化抑制)」であるのに対して、私が学んできたアンチエイジングは「Anti AGEing(糖化抑制)」です。AGEとはAdvanced Glycation Endproducts(糖化最終産物)の略で最近話題のメタボには深く関わっているだけでなく、体内環境を考えた場合には体内から細胞組織の損傷、機能低下・抑制を招く物質で、最終的には寿命に大きく関るファクターです。この糖化産物を抑制することが本当の意味での体内からの「老化抑制」になるという考え方です。
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勿論、シワ、シミ、肝斑、たるみなど、加齢とともに現われ増える状態を改善するためのアンチエイジング療法の存在も重要な意義をもっているだけでなく大切なアプローチであることは間違いありません。化学物質、ストレス、食生活など、決して良いとは言えない環境が原因背景の多くを占めると考えられる現代人の「細胞老化」ですが、実際には、これらの環境によって細胞のいたるところで「糖化」が進んでいることは間違いのないことで、その糖化によって細胞の老化だけでなく、生命の危険すらはらんでいることを考えなければいけないと思います。

実は日本にもこの糖化抑制にフォーカスしているドクターは少なくありません。今はマスコミやメディアが「メタボ」「アンチエイジング(老化抑制)」に注目しているので、中々陽のあたる場所に出ることは無いかもしれませんが、私は本当のアンチエイジングは「ANTI AGEING(糖化抑制)」だと確信しています。

あっ、Anti AGEing糖化抑制については近いうちに大きなテーマとして扱いますので・・
by nutmed | 2008-03-10 14:08

副腎疲労症候群の改善と食事-たんぱく質

昨日は栄養療法のレクチャーのために京都の太秦まで行ってきました。京都は今年はじめてでしたが、東京に比べるとやはりまだ寒いようでした。次回はゆっくり時間をつくって久しぶりに寺社仏閣見物でもしたいですね。

さて、今日から副腎疲労症候群(AFS)改善の食事と栄養素のアプローチにはいりましょう。
初回の今日はたんぱく質についてです。
糖とAFSの関係は今まで何回と無く話してきましたが、AFSの改善の食事で基本的に注意しなければならないのは、「すぐに糖に換わってしまう」食材を避けることです。たんぱく質をはじめとしたいわゆる3大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質)はすべからく糖に変化はしますが、時間をかけて糖に換わる食材を低GI値食材(低グリセミックインデックス)意識することが大切です。
3大栄養素の中でもたんぱく質は糖に変化する時間が長い素材です。
たんぱく質なら何でもいいかと言うとそうではありません。食塩や糖分の多い味付けをされた加工食品、プロセスチーズなどはお勧め食材ではありません。たんぱく質を積極的に摂取してもらう背景にはたんぱく質を構成しているアミノ酸がAFSの改善のために副腎の細胞の構築、コルチゾールの生産、また甲状腺や腎臓、肝臓など様々な組織細胞をつくる基本となる栄養成分であるからです。
たんぱく質は、3大栄養素の中でも、消化分解のために胃酸と消化酵素がたっぷりと必要になる食材です。AFSに陥ってしまった方の胃酸と酵素の検査をしてみると、多くの方が胃酸が十分に生産されていなかったり、消化酵素が十分生産されていない状況があります。
ですからAFSの可能性が高い方は、先ず胃酸の生産と分泌を高める食材、または補う素材の摂取を考える必要があります。副腎疲労によって胃酸の分泌が少なくなっている場合、たんぱく質が豊富な食事をした後に、ガスが溜まることによる胃腸の暴満感、重苦しさを感じることが少なくありません。胃酸の分泌が悪い方の食事内容を見ると、胃酸を沢山必要とするたんぱく質よりも炭水化物が多い食事傾向があります。

AFS改善のためのたんぱく質食材として選択の目安として考えていただきたいのは、アミノ酸のバリエーションということです。 同じたんぱく質を含む動物性たんぱく質も植物性たんぱく質も中身を良くみると、含有されているアミノ酸の種類とその量は大きくことなります。是非皆さんもたんぱく質食材選択のときには「アミノ酸」というキーワードを持ってみるといいですね。
以前に紹介したWEBサイトは英語ですが私がほとんど毎日検索、リサーチのために常用しているサイトで、これだけの食材素材と栄養成分の詳細が検索できるサイトは少ないですね。
by nutmed | 2008-03-07 16:06

副腎疲労とアルドステロン

今日の体感気温は昨日よりも少しだけ暖かいようで、確実に三寒四温真っ盛りですね。
今日、3回目の桜の開花予想が出ましたが、東京では3月27日の予想でした。
さて、今日はアクセス数が異常な数になっていて皆さんの関心度が高いことがうかがえます。また質問メールも殺到していて、今日はその中で1番多かった「アルドステロンについてもう少し詳しく教えて・・」に公開回答しましょう。

アルドステロンと副腎疲労症候群(AFS)の関係について前回のブログで説明しましたが、やっかいなことにストレスが慢性的に高くなることで、アルドステロンの分泌量が増えることもあります。これはAFSがどの程度進んでいるか(ステージと呼びますが)によっても異なります。AFSの治療と食事指導、生活スタイルの改善を進めていく場合、同じAFSでも、ナトリウム、カリウム、そして水分量のバランスを考慮しなければならないために、AFSのヒアリング、だ液によるコルチゾールの検査に加えて、このあるドステロンの検査を行うことは大切なステップです。
アルドステロンは同じ副腎で生産されるコルチゾールと同じように、1日のうちで高い・低い時間があります。午前8時をピークに午後0時から深夜に向かって徐々に低くなり、副腎の休息期に入る就寝後から翌朝4時くらいまでが低い状態です。
コルチゾールにはネガティブフィードバックというしくみがあることを以前説明しましたね。コルチゾールの生産と分泌が高くなるとそれを抑えるためのしくみがあることです。
残念ながらアルドステロンにはこのしくみがないために、アルドステロンが上昇し続け、結果としてアルドステロンの刺激を受けて働く腎臓などの臓器が、アルドステロンに反応しなくなってしまうこともあります。
アルドステロンが低くなることで、ナトリウムと水分が腎臓をとおして尿からの排泄が進み、カリウムの量が増えることで電解質のバランスが崩れ、血圧や細胞の働きに影響がでることは前回説明しましたが、逆にアルドステロンの生産と分泌が高くなると、皆さんの想像するように、今度はカリウムの排泄が進むだけでなく、マグネシウムの排泄も進み、ナトリウムと水分量が増え、いわゆる「むくみ」の状態になり、血圧が上昇したり、炎症が治りにくくなったり、筋肉の痙攣が出やすくなったりといった影響が出てきます。

AFS改善のための食事や栄養素の話が中々先に進みませんが、アルドステロンのテーマは重要なので・・・
少し難しくなってきてはいますが、・・ついてきてくださいね・・
by nutmed | 2008-03-05 22:37

副腎疲労の改善-塩分の要求状態について

昨日は春を呼ぶ風物詩、黄砂がかなり飛来したようで、各地で被害がでていたようです。といってもこの黄砂ですが、いままでとは状況が異なるようで、専門家の話によると中国本土の砂漠地帯で巻き上げられた砂に、昨今問題になっている重金属や化学物質などの汚染物質やケイ素など、また場合によってはバクテリアやウィルスが混ざって日本に飛来している可能性が高いそうです。中国では公害汚染、トリインフルエンザが話題になっているこの頃ですし、砂漠化が大きな問題になっていますから、単なる風物詩などど流暢なことを言っている場合ではないかもしれませんね・・・

さて、今回は副腎疲労症候群と塩分についてです。
まずは副腎疲労が生じたときに体内のナトリウムとカリウムという電解質ミネラルのバランスがどのようになるかの図を見ていただきましょう。
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副腎の働きが低下してコルチゾールを生産する能力が低くなることによって、下垂体から分泌されるACTHに対する副腎の反応が低下します。これは以前のブログでホルモンのネガティブフィードバックのしくみについて説明していますから復習してみてください。
副腎ではコルチゾールのほかにもホルモンを生産しますが、その中に、腎臓に働きかけることjにいよって血液中の電解質であるナトリウムとカリウムのバランスを調整するための「アルドステロン」というホルモンがあります。副腎の働きが低下することでこのアルドステロンの生産も低下しはじめ、腎臓から尿によって排泄されるナトリウムと水分の量が増えることになります。
腎臓には動脈と静脈が通っていますが、腎臓ではナトリウムと水分の排泄が促されるために、心臓に戻っていく静脈中のナトリウムと水分が減少して、血液の量も減少します。
この一方で、血液中を流れるもう1つの重要な電解質であるカリウムの量が増加します。体外から摂取される電解質が不足している場合には、最も重要な電解質であるナトリウムとカリウムのバランスを保つために、細胞組織にあるナトリウムと水分が総動員され、動脈を通じて腎臓に送りこまれます。このような状態が進んでいくと血圧にも影響が出てきます。

さて、ここまでくると少し理解いただけると思いますが、副腎疲労症候群(AFS)など、副腎の働きが著しく低下している人の中には塩分の摂取が多くなっている人が少なくありません。英語では「SALT CRAVING」と言い、まさに塩分を貪る(むさぼる)状態です。皆さんが毎日摂取している塩分はミネラルで言うところの「ナトリウム」で、「塩化ナトリウム」ですね。

AFSが進んでいたり、強烈なストレスで副腎機能が低下し、アルドステロンの分泌が抑制されてナトリウムとカリウムのバランスが崩れた状態のときに現われるSALT CRAVINGの改善についてですが、真っ先に注意しなければいけないのは「高カリウム食」の改善です。意外に知られていないようですが、フルーツやフルーツジュースにはかなりのカリウムが含まれています。
AFSなどの場合、フルーツに含まれている果糖(フルクトース)も問題ですが、それと同じくらいに高カリウム食材であることを認識して欲しいですね。
したがって、何も食べないよりはいいだろうと思って、朝からフレッシュフルーツジュースを飲むことはかえって逆効果になるということですね。
私の師匠でもあるDr.ライトは、AFSなどでSALT CRAVINGの状態になっている場合、血液検査でナトリウムとカリウムの状態を頻繁にモニターしながらではありますが、むしろ塩分(塩化ナトリウム)を積極的に摂取させることで電解質バランスを改善する方向で治療をしています。
この場合、血液検査は勿論ですが、血圧を1つの目安にして自宅で管理コントロールをさせることが望ましいと思います。安静時の血圧が上が140、下が90を越える状態が続くようであれば、その時点で塩分の摂取を控えることを考えます。
塩分のほかにもナトリウムが豊富に含まれる素材はありますが、以前に読者の方から、高ナトリウム食を医者から進められたが面倒なので重曹(炭酸水素ナトリウム)を飲んでいるという話を聞いたことがありますが、これは危険極まりない誤解だと言えます。消化分解を担う胃の働きを壊滅状態にする可能性がありますからね。
ナトリウムが豊富に含まれるをインターネットで調べると、ほとんどが加工された食品になっています。これは当然のことで、日持ちを良くするために塩分を添加するわけですからね。
私がよく利用する食材の栄養素リサーチのサイトがあるので紹介しておきます。英語ですが中学校程度の英語力があれば大丈夫!
NutritioData
ここは何かと便利なサイトですからブックマークしておくといいですよ。
by nutmed | 2008-03-04 18:51