臨床栄養士のひとり言

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メタボリック症候群の改善―シナモンとインスリン様作用― 

連休中日の今日は、先週末よりもさらに公共交通機関の状態はいつもよりも空いていますね。
今日で4月も最終日。明日から5月です。この後の連休は好天に恵まれアクティブ日和のようですよ。

さて、今日はメタボリック症候群の改善の最終回です。やはり皆さん気になるのは血糖値のようですね。連休中にも関わらずたくさんのメールが寄せられています。
以前にもこのブログでシナモンが血糖値を抑制する作用についてはお話しましたが、そのおさらいのために。
シナモンに含まれるバイオフラボノイドポリマーであるMHCP:メチルヒドロキシカルコンポリマー(Methyl Hydroxy Chalcone Polymer)とシヌリンという成分にはインスリンの働きを刺激し約20倍も向上させるという研究成果がでています。これらの成分はプロシアニジン(procyanidins TypeA)としても知られている成分ですが、2001年以来これらの成分によって血糖値の低下、つまり血液中を流れる糖分を正しく細胞内に取り込む働きが改善されている2型糖尿病の患者が後を絶ちません。これらの成分は実際に栄養療法のクリニックだけでなく、西洋医学で2型糖尿病の治療にあたるクリニックや病院でも使われる場面が少なくありません。これらの成分はインスリンの働きを刺激向上するだけでなく、それ自身がインスリンに似た作用を持っており、糖分を細胞中に取り込みエネルギー源として代謝を促進するだけでなく、グルコースの合成も促進します。
過食や運動不足によって血中の糖分がいつまでも細胞に取り込まれエネルギー源として代謝されない状態が糖尿病であり、いわゆるメタボリック症候群の中でも厄介なものであることはご存じだと思います。

日本でもかつて血糖値を下げるためにシナモンが話題になったことがありますが、シナモン自身にはこれらの成分だけでなく、血液を凝固しにくくしてしまう成分(クマリン)なども含まれているので、シナモンを直接摂ればいいということでもありません。シナモンに含まれるプロシアニジンこそがインスリン様作用を持つということです。

私の師匠であるDr.ライトのタホマクリニックでもこのMHCP:メチルヒドロキシカルコンポリマー(Methyl Hydroxy Chalcone Polymer)とシヌリンを2型糖尿病患者お栄養療法で使っていますが、75%の患者で薬剤を中止しても血糖値が低値安定する結果をだしています。
by nutmed | 2008-04-30 18:27

メタボリック症候群の改善―インスリン抵抗性と肥満― 

今年のGWはかなりの飛び石連休なので業務はいずこもカレンダー通りだと思っていたら、今朝の首都高速や道路はかなりすいていますね。輸出依存度が強い企業ほど思い切って連休にしてしまうのでしょうか・・
昨日は懇意にさせていただいており若くして栄養療法を実践しているドクターの華燭の席に招かれ、久しぶりに若いカップルの結婚式に出席してきました。今はやりの派手な結婚式ではなく、列席された客人すべてが厳かに祝福するような本当にすばらしい式でした。若いお2人におめでとう!

さて、今日は肥満が引き金になるインスリンの抵抗性についてです。
インスリンに反応しにくくなる、またはまったく反応しなくなり、結果として糖尿病を招くインスリン抵抗性の主要な原因は肥満であることは数々の研究報告が物語っています。
肥満はインスリン抵抗性をもたらすだけでなく、高血圧、中性脂肪の上昇、LDLコレステロールの上昇とHDLコレステロールの低下を招く原因にもなります。
インスリンへの抵抗性を持ち始めることは2型糖尿病のスタートを切ることにもなり、グルコース(糖)のコントロールができにくくなることになります。血液中を慢性的に高い濃度で糖が流れ続けることは、血糖値が上昇することはもちろんのこと、酸化ストレスを増大させることになります。
それだけでなく、血糖値が上昇しつづけることは、細胞、特に末梢細胞で糖化(AGEs:Advanced glycation endproducts:糖化物質)を作り出すことになります。(AGEsについてはここを参照)
末梢細胞、神経に糖化の影響が出ることで目の視覚障害、末端細胞の壊死などが深刻な問題としてあらわれることもあります。

俗に肥満の人でメタボ真っ盛りの人は、そうでない人に比べ糖尿病のリスクが5倍、動脈硬化のリスクが2-3倍と言われています。これらは少なからずインスリン抵抗性からスタートを切ることになります。
肥満の改善は食材を含めた食生活と運動であることは皆さんの耳にタコができるほど聞かされていることでしょうが、もう少し詳細な改善方法まで突っ込んで考えた場合、このインスリンに対する抵抗性を緩和させることは大きな意味があり、実際の栄養療法の中でも大きな成果をあげています。
では、インスリン抵抗性を緩和させるための方法とは?
それは次回にお話しましょう・・
by nutmed | 2008-04-28 15:37

メタボリック症候群の改善―5つの危険因子― 

明日からGWに突入の方もいたっしゃるかもしれませんね。今年のGWはかなり飛び石の連休なので、遠出をする方よりも近場で片付ける方が多いそうです。今年の私のGWはと言えば、知人のドクターの結婚式にはじまって、昨年同様溜まった原稿書きと原書の本を読み漁る時間に費やします。それとちょこっと好きなバイクで山里の新緑を愛でにでも・・

さて、今日はメタボリック症候群の5つの危険因子についてもう少し詳しく解説してみます。
それにしても4月1日からスタートした国をあげてのメタボ改善運動はマスコミメディアでもあまり報道されませんね・・ 残念ながらこれも国民性なんでしょうか・・

1、内蔵肥満
腹部を中心に見られる脂肪蓄積による肥満です。脂肪が付く場所の中でも最もやっかいで取れにくい脂肪です。メタボ改善目標基準として胴回りの寸法が話題になり、日本でも昨年男性よりも女性の基準のほうが多いことで物議をかもしたのは記憶に新しいですね。この部分に付く脂肪は加齢とともに付きやすくとして取れにくくなっていく傾向にありますが、若い人でも運動だけでなく、ストレスや不規則な食事でも同様の結果を招きます。
2、インスリン抵抗性
いわゆる空腹時血糖を確認してインスリンに対して反応しない状態にあるかを確認します。場合によってはインスリンのたんぱく質に抗体を作ってしまうこともあるので詳細な血液検査を行うこともあります。食後少なくとも8時間以上経過したときの血液中のグルコース濃度が高い場合には何らかの理由でグルコースを細胞中に取り込むためのインスリンに反応していないことがわかります。これは遺伝によるものもありますが、やはりストレス、食事内容、運動にも影響を受けるものです。
3、高い中性脂肪
中性脂肪はグリセロールに3つの長鎖有機酸が結合した脂肪です。中性脂肪が高くなる背景にも遺伝的な背景があることがわかっていますが、多くの場合やはり食事内容、運動、ストレスの大小に深くかかわっています。胴回りにつく脂肪の1つがこの脂肪です。
4、低いHDL-コレステロール
善玉コレステロールとして有名になったコレステロールで、血管にたまった脂(コレステロール)を肝臓に戻す掃除役でもあります。ただ、血液検査でHDLコレステロールが高いからと一喜一憂ができないこともあります。HDLコレステロールは薬剤、特に血糖降下剤の1部を常用している場合には慢性的に高くなりますから、あくまでも自分のおかれている環境を考えてメタボ改善の指標とするべきだと思います。
5、高血圧
遺伝的素因、塩分の過剰摂取、ストレス、運動不足、アルコール、肥満によって引き起こされる高血圧は本態性高血圧と呼ばれていますが、高血圧の95%はこの分類にはいるほど、生活環境の影響は大きいものです。

これらの5つの因子は単独で働くのではなく、それぞれの因子が影響しあっている、また1つの危険因子が見つかれば他の4つの危険因子が動き出すと考えるべきですね。
かなりの背景に食生活がかかわっていることは言うまでもありません。 メディアのメタボに関する街頭インタビューを聞くと多くの人が「わかっているんだけどね・・」「明日から食生活改めます・・」なんてコメントしていますが、私から言わせてもらえば「わかっていないから改善できない」ということにつきると思います。中には「自分のことだからほっといて欲しい・・」「余計なお世話だ・・」などと考えている人も少なくないでしょうが、決して他人ごとではないんです。あなたが病気になったときに支払われる医療費は国民全体で支えているわけですからね。
by nutmed | 2008-04-25 11:17

メタボリック症候群の改善―メタボリック症候群って?―

子育てからようやく手が離れはじめた昨年秋から、ワイフとコンサートを聴きにいくことが増えてます。先週末もヒューイルイス&ザ・ニューズとシカゴのWキャストコンサートを聴きに行ってきました。観客の平均年齢は我々と同じ世代のご夫婦連れが多かったですね。35年の時間の流れが一気に逆戻りしたのは言うまでもありませんでした。

さて、今日から、この4月からスタートした国をあげてのメタボリック症候群改善を支援するトピックスを少し続けてみたいと思います。
1回目の今日はメタボリック症候群の総論についてです。
日本では事の良し悪しは別として、「メタボリック症候群」という言葉がこの数年一人歩きし、この言葉を見聞きしない日はないほど国民のほとんどが認知しているのではないでしょうか。
このメタボリック症候群という言葉は、アメリカでもヨーロッパでも日本ほど一般人にはあまり知られていません。認知度ではたぶん日本が世界で一番高いのではないかと思いますね。
もともとアメリカで命名されたメタボリック症候群の定義をここで紹介してみましょうね。
「メタボリック症候群は、糖尿病、心臓循環器の病気を招く、肥満(内蔵)、中性脂肪の高値、高血圧、HDL-コレステロール低値、インスリンへの抵抗性の5つの危険因子を持つ状態」とされ、人間の生命の根幹を担う「代謝」に著しく影響を与える危険因子です。
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日本では行政が音頭をとって国民がこぞってメタボの改善に上へ下への大騒ぎ(私個人としてはマスコミメディア、それにメタボでひと稼ぎしようと市場に群がる企業だけが騒いでいるようにも感じていますが・・)の感もありますが、実際にはメタボリック症候群について研究が始まったのはわずか50年前で、医師や専門家が研究を続けていますが、未だに人間の「代謝」については未知の部分があまりにも多く、実は一言で「メタボリック症候群の改善」と片付けられないのではないかという研究報告も出始めています。たとえば、コレステロールですが、今日本をはじめ先進国で提唱されているコレステロールの目標値は一律ですよね?これに異論を唱える専門家が最近増えています。年齢や性別だけでなく、住環境、就労環境、もっと言えば病気の前後やストレスの有無によって個人差があるのは当然のはずですね。
日本の医師や企業の労務管理部門の方々の中にも、メタボリック症候群の魔女狩りと改善の推進には、今少し冷静に研究報告や世界の動きを見てからでも遅くはないだろうと考えている方は少なくないようです。

皆さんも今一度メタボリック対策については冷静に考え、決してメディアに踊らされることのないようにしていただきたいと思います。何といっても自分の体のことであって、流行でも何でもないんですからね・・
by nutmed | 2008-04-22 11:10

潰瘍性大腸炎 (炎症性腸炎)の改善にマスティックが有効

今朝の地震、皆さん感じましたか?午前4時過ぎだったでしょうかね。震原は岩手県だったようです。今朝は兵庫県でも震度4の地震があったようですね。

さて、今日はマスティックについてです。
読者の中にはマスティックという素材の名前を覚えているかたもいると思いますが、今から5年ほどまでに日本でも胃潰瘍の原因とされ、日本人成人の80%の胃の中にいるといわれているヘリコバクター・ピロリ菌の除菌に有効とされ、歯磨き粉やガムなど様々な商品が話題になったことがあります。
残念ながら、日本人の特徴でもありますが、マスティックについては今ではあまり話題にならなくなってしまいました。
マスティックは地中海沿岸地方で育つピスタチオの仲間の樹木の樹皮から抽出された成分です。
2007年にギリシャの研究グループが発表した研究によると、このマスティックには潰瘍性大腸炎やクローン病など、炎症を伴う腸炎の抗炎症機能成分として有効であると報告しています。
クローン病は若年層での発症が顕著で米国では患者100万人を超えるといわれ、日本でもの食生活が欧米化し、動物性蛋白質や脂質の摂取が多くなるにつれ患者数も年々増加し、現状25000人ほどの患者がいると報告されています。日本では国が難治疾患として定めているクローン病は炎症を伴う腸炎です。
ギリシャの研究グループによれば、マスティックの成分が炎症にかかわる4つのサイトカインに働き炎症を抑える作用をもつとのことです。
18人のクローン病の男女に1日あたり2.2gのマスティクパウダーを4週間摂取してもらったところ、下痢、痛みなどの主な症状の改善が見られ、血液検査で炎症で上昇する4つのサイトカインを検査したところ、顕著な抑制が確認されています。
by nutmed | 2008-04-17 13:51

高齢者の筋肉量を増やすためにアミノ酸が有効

後期高齢者という名前の良し悪しは別として、いよいよ75歳以上の全員が加入する公的医療保険制度が本格的にスタートしましたね。益々高齢者が住みにくい世の中になったという声や、75歳以降はPPK(ピンピンコロリ)を目指さないと・・などという声も聞こえてきます。
この制度のことの如何はこの場では省かせてもらいますが、ただ、確実なことは今まで以上に健康な体を意識した生活をしないといけない、それも環境汚染や新種のウィルスやバクテリアの感染、質が低下している食生活環境の中でそれを成就させることは皆さんが想像している以上に大変なことだと言わざるをえないでしょう。

今日は今年の2月にアメリカの「臨床栄養学」誌で発表された、インスリン耐性を持つ中高齢者の筋肉量の低下を改善するために、アミノ酸の摂取が有効であるという研究を紹介したいと思います。
この研究はテキサス大学医学部からのものですが、インスリンに対して抵抗性をもつ高齢者に見られる筋肉量の低下を改善するためにアミノ酸のサプリメントが有効であることを調査しています。12人に摂取してもらった必須アミノ酸は、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、そしてバリンです。これにアルギニンを加えたアミノ酸の複合体です。今回の研究では、食事指導は一切せずに普段から12人の参加者が食べてい食事をそのまま摂取してもらっています。

12人のインスリンに対して抵抗性をもつ平均年齢67歳の男女に1日あたり2回、食間空腹時に11グラムの必須アミノ酸とアルギニンを16週間摂取してもらったこの研究では、4週間ごとに足の筋肉量と筋肉の強さを測定していますが、16週間を終了した時点では筋肉量が0.6kg、筋肉の機能(強さ)は平均で22%増加しています。

高齢者の生活の質(QOL)は行動、つまり自分で思うように動くことができるか否かが大きなポイントになりますが、その動くことの基本となる筋肉の働きは筋肉量とその強さに依存します。
高齢者のQOLをあげるために関節の働きが注目され、痛みを緩和するための機能性成分、たとえばグルコサミンやコンドロイチンが話題になっていますが、その間接を自由に動かせるためには筋肉量やその強さが低下していては意味がありません。
アミノ酸は動物性・植物性の食材から摂取できる成分ではありますが、加齢とともに胃酸の分泌が低下し、消化分解、その後の吸収能力が低下(食が細くなる・・)してくる高齢者の場合には、このようなサプリメントによるアミノ酸の積極的な摂取は、QOLを向上させるための方法として有効であることが証明された報告だと思います。
by nutmed | 2008-04-15 09:39

メタボの改善にチョコレートを食べましょう!最終回

週末の土日は、今年で6回目を迎えた趣味で乗っているバイクのミーティングが岐阜県の馬瀬温泉で開催され、年に1回の楽しみなイベントなので今年もでかけてきました。例年4月末に行われていたので、今年は山間部の桜はまだ満開ではありませんでしたが、九州や山形からも集まる仲間との1年ぶりの再会で、今年もまたエネルギーをもらって帰ってきました。
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さて、今日はメタボとチョコレートの最終回です。
チョコレートの原料になるカカオ豆を構成しているニブ(Nib)にはエピカテキン(epicatechin)と呼ばれるフラボノイドが含まれています。ニブに含まれるエピカテキンは緑茶やワイン、ブルーベリー、カボチャの種を上回る量が含まれています。 
エピカテキンの主な働き
・LDLコレステロールの低下
・血小板の凝集を抑制
・血管壁の硬化抑制
・血圧の降下
・インスリン抵抗性の抑制
・グルコースの代謝促進

などがわかっていますが、エピカテキンのこれらの働きをみると、まさに今話題のメタボリックの予防、改善には最適な素材であることがわかります。

ただし、前回も説明したようにチョコレートがなんでもメタボに有効であるわけではありません。
摂取カロリーとメタボは深い関係にありますから、むろん砂糖が含まれていてはせっかくの効果も台無しになってしまいます。チョコレートを使ってメタボを予防改善する目安として必ず覚えておいていただきたいことを列記しておきます。
・糖分が添加配合されていないこと
・ホワイトチョコではないこと
・ミルクチョコなど乳成分が含まれていないこと


これらを考えると私がお勧めする素材はやはりカカオニブになりますね。またできればオーガニックのカカオニブがいいですね。日本でも最近ではオーガニックのカカオニブが入手できるようになりましたしね。ちなみにお勧めのメーカーとしてはDAGOBA(ダゴバ)です。

どうも日本人はメタボにはこれがいい!といわれるとその食材ばかりを食べ、しばらく続けても飽きてしまう傾向が強いようですが、カカオニブといえども同じで、やはりいろいろな食材、素材を万遍無く、そして自分の生活習慣に適した摂り方を考え、継続することを忘れないでほしいですね。
by nutmed | 2008-04-14 11:55

メタボの改善にチョコレートを食べましょう!その2

昨日の中央線の変電所火災による影響は午後2時ころまで続き、結局25万人の足に影響がでたようです。おまけに山手線でも線路の亀裂が見つかり10万人の足に影響がでたそうです。
最近のJRはどうしちゃったんでしょうね・・

さて、今日はカカオニブの2回目です。
早速昨晩から今朝までにたくさんのメールが寄せれれています(笑う)。中にはこんな面白い(失礼・・)メールまで・・「主人が私のチョコレート好きを心配しています。佐藤先生からチョコレートは健康にいいんだとメールしてもらえませんでしょうか・・」
誤解を招く前に説明しておきますが、砂糖がリッチで牛乳などが配合されたチョコレートは私もお勧めはできません。あくまでもチョコレートの原料となるカカオのニブがもっている機能が健康にいいということですので・・

早速カカオニブの優れた機能性について説明しましょう。

1、非常に強力な抗酸化性をもつニブ
カカオニブには非常に強力な抗酸化性能がありその背景にはフラバノール(ポリフェノール)がリッチに含まれているためです。UCバークレー(カリフォルニア大学バークレー校)で行われた抗酸化性能を数値化するORAC分析によると以下の表のように断トツに高い抗酸化能力を持っています。

食品のORAC スコア
カカオニブ:13,120
プルーン:5,770
レーズン:2,830
ブルーベリー:2,400
ブラックベリー:2,036
ケール:1,770
イチゴ:1,540
ホウレンソウ:1,260
ラズベリー:1,220
芽キャベツ:980
プラム: 949
アフファルファ:930
ブロッコリ:890

2、微量ミネラルの宝庫!
カカオニブにはカリウム、亜鉛、銅、マグネシウム、鉄などの微量ミネラルが豊富に含まれていて、たとえば血液中に酸素を運ぶび赤血球の働きに不可欠な銅は0.8mg/100g、体内の200種類以上の酵素の働きには不可欠な常用ミネラルでもあるマグネシウムは、131mg/100g含まれています。

3、アミノ酸が豊富!
カカオニブには神経の働きにかかわるアミノ酸が豊富に含まれています。
たとえば、憂鬱な気分高揚させる働きのあるフェニルアラニンは70mg/100g、セロトニンは3mg/100g、チラミンは2mg/100g含まれています。


このほか、カカオニブの脂質には約45%の不飽和脂肪酸のステアリン酸が含まれています。
by nutmed | 2008-04-11 12:24

メタボの改善にチョコレートを食べましょう!

今朝は車で出社したんですが、車内で聞いたラジオの交通情報で中央線の変電所が火災で上下線が早朝から全面ストップとのこと。中央線は首都圏の大動脈の1つでもあるので朝のラッシュ、おまけに雨の今日はしばらくダイヤが混乱するでしょうね・・

さて、今日から数回にわけてメタボの改善にチョコレートを食べましょう!と、少し唐突かもしれませんが、お話しましょう。

私の師匠でもあるシアトルはタホマクリニックの院長でもあり世界的に著名な栄養療法医師Dr.ライトは、5年ほど前から私が会うたびにチョコレートの機能性について熱弁してくれていました。余談ですが、シアトルと言えばスターバックスやシアトルベストコーヒー、タリーズなど名だたるコーヒーショップの発祥の地。私は幾度もDr.ライトと奥様のホリーと食事をする機会があり、かつて3回、Dr.ライト夫妻と一緒にKENT市郊外のショッピングモールで夕食をともにした後、ホリーが「スターバックスに行こう」と言い出しました。Dr.ライトは日頃から「コーヒーは毒」に近いことを提唱しているのでスターバックスに行くことなどあり得ないと思っていました。
ホリーと私はラテのトールサイズを注文しているとDr.ライトが「私はホットチョコレート。ニブで砂糖は抜きだよ」これには私も少し驚きましたが、その後の彼の話を聞いて納得でもありました。

まさにこれからお話するのがチョコレートはチョコレートでも私たちが一般に食べるチョコレートとは少し違うものなんです。この「ニブ:Nib」が今回のキーワードになります。
チョコレートの原料になるのは皆さんもご存じのカカオですね。
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こんな風に木になってますよね。

一般にカカオ豆は成熟したカカオポッド呼ばれる大きな実(上の写真がカカオポッドになります)のなかに30-40粒含まれています。カカオポッドから取り出されたカカオ豆は発酵過程を経た後ロースティングされ、続いて分離工程で豆殻(カカオシェル)が排除され胚乳部(Nib:ニブ)が取り出されます。このニブは粉砕されペースト状になるとカカオバターとカカオマスが分離されます。これらを原料にチョコレートが製造されています。
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これがNib:ニブです。

私たちが一般に食べているチョコレートはこのニブを原料としてここに砂糖や香り、スパイスなどを入れたものです。

このニブには非常に多くの栄養成分、機能性成分が含まれていますが、幸か不幸か他の植物同様に、カカオが生育している土壌や肥料、周辺環境によって含まれる栄養成分、機能性成分の内容や量は大きく変わります。ただ、このニブ入ってみれば現代社会人がさらされている環境要因によって変化しさまざまな症状を表わす状態を改善するために非常に大きな可能性をもった素材と言っても過言ではないでしょう。
最近では日本でもこのニブを加工したり、生のニブを食材として販売する業者もちらほらと出始めています。
ニブの驚くべき機能性の1つを紹介して今日の最後とします。
それは抗酸化性能ですが、皆さんの頭の中に強力な抗酸化性能をもった素材を1つ思い浮かべてくださいと言ったら何を想像しますか? 多くの方はブルベリーやトマトに含まれるポリフェノール(フラボノイド)を想像するのではないでしょうか。このニブはブルーベリーの持つアントシアニン(ポリフェノール)の実に6倍の抗酸化能力を持っていると言えばその可能性の高さを理解していただけるかもしれませんね。

次回はニブの持つメタボ改善の大きな可能性について・・・
by nutmed | 2008-04-10 10:38

タラの肝油がリウマチ改善に有効

昨日の東京は春の嵐を通り越して爆弾低気圧か強力な台風といった様相でしたね! 桜の鼻が散るどころの話ではなく、街ゆく人の傘がみるみるオチョコになってしまうし、交通網には影響が出るし・・どうやらラニーニャ現象の影響ということです。

さて、今日は今年の3月に発表されたリウマチの改善にタラの肝油が有効であるという報告について紹介します。
リウマチの症状の1つである痛みの緩和に一般的に処方されている非ステロイド性抗炎症薬 (NSAID:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs) は、服用量が増加することで胃腸の機能障害や循環器機能への影響などの副作用が問題になってきました。今回の研究では、強力な抗炎症作用をもつオメガ-3必須脂肪酸のタラの肝油をリウマチ患者に服用してもらうことで、NSAIDの服用量を減らし、副作用を軽減する可能性について検討されたものです。

97人のリウマチ患者に対して9ヶ月間行われたこの研究では、1日あたり10gのタラの肝油(約2.2gのオメガ-3を含有)を飲むグループとプラセボを飲むグループで検討されました。97人全員に従来とおりのNSAIDを服用してもらいますが、痛みの強さによって各自がNSAIDの服用量を増減し、その量をメモしておくようにしました。スタート前、4週目、12週目、24週目、36週目にそのメモを提出してもらいNSAIDの服用量の変化をチェックしました。

効果は12週目から現れはじめ、タラの肝油を飲んでもらった49人のうち19人(39%)が痛みの緩和にNSAIDの服用量が30%減り、24週目には49人のうち31人(63%)が痛みの緩和にNSAIDの服用量が40%減りました。 血液検査のRA(リウマチ因子)の値には変化は見られませんでしたが、確実にタラの肝油がもつ抗炎症作用による鎮痛効果が表れたものとかんがえられます。

この研究者は、リウマチ患者がNSAIDを服用する場合、タラのアレルギーを確認したうえで、タラの肝油をNSAIDと一緒に服用させることでNSAIDの服用量を減らすことができるとともに、NSAIDの副作用を低下させることが可能であるとコメントしています。


出展:Galarraga B, Ho M, Youssef HM, Hill A, McMahon H, Hall C, Ogston S, Nuki G, Belch JJ. Cod liver oil (n-3 fatty acids) as an non-steroidal anti-inflammatory drug sparing agent in rheumatoid arthritis. Rheumatology (Oxford). 2008 Mar 24.
by nutmed | 2008-04-09 11:12