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以前からこのブログを講読していただいている方はお気づきになったでしょうが、先週からタイトルに回数を入れるようにしました。今年の6月で2年を経過するこのブログももう420回を重ねたんですね。最近は口コミで購読者が増えているらしく、急激に購読者数も増えていて、1週間で2000ヒットを超えます。まだまだ、ネタは沢山ありますから目指せ10年がひとつの目標です。

さて、前回のメタボリックタイプのテストの反響もすごいですね。昨日記事をUPしてから今朝までに48通のメールをいただいています。あっ、今もまた2通届いたようです・・
私がこのメタボリッックタイプに非常に興味を持ったのは今から6年前でした。いつかこのテーマも皆さんに紹介しようと思っていました。興味をもった背景は、ある意味での「限界」でした。
特に糖尿病、高血圧、高脂血症やうつ病、慢性疲労、副腎疲労など「慢性疾患」と言われている症状に対するビタミン・ミネラル、ハーブなどを用いた栄養療法での限界を感じたからです。
アロパチー(Allopathy)と称される現代西洋医学と私が学んできた栄養療法をはじめとする人間の自然治癒力を高めるホリスティック(Holistic)な医療を考えると、以下の表のような違いがあると考えています。
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しかし、ホリスティックな医療であっても、栄養療法であっても最近では「スタンダード化」の波が押し寄せています。たとえば、骨の症状には一律のようにカルシウムやマグネシウムという具合、うつ病や神経症状にはナイアシンやビタミンB6といったように。西洋医学ではかなり以前から始まっている「医者が既存の枠(価値観、方法論、知識、常識etc)にそって患者に対応し、できるだけその枠内で問題解決しようとする傾向」、まさに「パラダイム」ですが、このパラダイムが栄養療法にも少しずつ影響を落しはじめている気がしていました。急性・唖急性の病気であれば栄養療法やその他ホリスティックな医療でも十分対応でき、またエビデンスも豊富に存在します。しかし、慢性的な病気については、人間の生活習慣、栄養状態だけでなく、性格や就労環境など非常に多岐にわたる背景を原因としていることが多く、パラダイムシフトを余儀なくされる場面があまりにも多くなったような気がしていました。
そんなときに私が出会ったのが、人間の体内では天文学的な数字の化学的な反応が毎日のように起こっていて、そのかなりの部分に「代謝(メトボリック)」と自律神経(交感神経と副交感神経)が関与していることを提唱してきたDr.WilliamsとDr.Watsonの研究でした。
昨年から東京都内の2つの医療施設で友人でもありホリスティックな医療に強い興味を持つドクターの栄養療法のサポートとしながらいろいろな病気の患者さんに対応するようになり、自分でもパラダイムを経験していた以前と異なり、メタボリックタイプのコンセプトを少しずつ取り入れていくうちに、自分でも薄々感じていたパラダイムからわずかですがシフトをすることができる予感とその結果を感じています。
慢性的な症状や体調の悩みを持っている方は、ぜひ1度自分の代謝と自律神経のタイプを知っておくことをお勧めします。
by nutmed | 2008-05-27 10:49
今日の内容はかなり長くなります。 先日少し紹介しましたメタボリック(代謝)のタイプ分類の自己判定テストの紹介です。本来であれば3つのメタボリックタイプとその背景、それに分類された後の改善方法を先に説明したいところですが、たぶん皆さんまずは自分がどのタイプに分類されるのかを知りたいでしょうから、今日はそのヒアリングを公開します。
あえてこのブログでは44の設問からどのタイプに分けられるのかの判定は掲載しません。もし、ヒアリングを行って自分のタイプを知りたい方は個別にタイプの判定をメールで返信さしあげますので、info@nutmed.comまでテストの結果、A,B,Cの数をメールください。なお、そのときのメールの件名には「メタボリックタイプ判定申込」としてください。それでは44の設問を紹介しましょう。
エネルギー変換効率からみたメタボリックタイプ判定テスト
無断転載・引用禁止
栄養医学研究所

1、朝食について
A:朝食は食べない
B:ご飯と納豆またはフルーツ、シリアル、トーストを食べる
C:卵、ベーコン、ソーセージ、パンを食べる
2、バイキングのときに選ぶ食材
A:魚、チキンを中心に野菜サラダとデザート
B:AとCの両方
C:脂肪分の多い肉、チーズ、野菜サラダのドレッシングはクリームソースやマヨネーズ
3、昼食の時の食欲について
A:あまり食欲がわかない
B:普通に食欲はわく
C:非常に食欲がわく
4、夕食の時の食欲について
A:あまり食欲がわかない
B:普通に食欲はわく
C:非常に食欲がわく
5、カフェインについて
A:カフェインを摂ると頭が冴える
B:カフェインを摂っても変化はない
C:カフェインを摂ると神経が過敏になったり気分が悪くなる
by nutmed | 2008-05-26 16:41
今日の東京は薄っすらと霧がかかった朝でスタートしました。寒暖計をみると昼にはすでに28℃をさしています。湿度がまだ低いので肌にジッとりとした汗はかかないのでまだ過ごしやすいですね。こんな日は海が恋しくなりますね。

さて、ガソリンの値段といい、小麦、トウモロコシの値段といい、バターが店先から消えることといい、最近の食糧状況には異変がでています。アメリカと言えば世界最大のエネルギー消費国として悪名が高いですが、日本ではあまり大きく報道されませんが、そのアメリカのエネルギー市場に大きな変化がおきています。
風力発電を皆さんご存じでしょうが、風力発電というとデンマークやドイツがすぐに思い浮かぶかたはかなりのエコ通ですね。しかし、この風力発電の発電量では意外にもアメリカが世界最大国なんですね。年間の風力発電量はデンマークが60万キロワット、ドイツが100万キロワットに対してアメリカは170万キロワットです。日本ですか?日本はたったの1万キロワットです。
話をアメリカに戻しまして、アメリカはこの風力発電量を向こう5年間で3倍量に増やそうと計画しています。この点は日本も電力会社のしがらみを抜けて早く欧米並に追いつかなければいけないでしょうね。一方でアメリカではこの2年ほどの原油高騰でガソリン代が高騰し続けています。私が初めてカナダに留学した今から32年前にはアメリカのガソリン価格は1ガロン(約4リットル)70セントくらいだったと記憶していますが、今は1ガロン4ドルに迫る勢いです。ブッシュ政権はこれを打開するために付け焼刃な対応でバイオ燃料に手をつけました。その結果、従来食物用として作付けされていたトウモロコシを高く買い取ってくれるバイオ燃料用に転用する農家が後を絶ちません。価格の問題もさることながら遺伝子組み換えトウモロコシが受け入れられない輸出用の価格低迷の絶好の転用となったわけです。
これによってトウモロコシの市場価格もウナギ昇りです。「トウモロコシはあまり食べないから・・」という問題ではありません。皆さんトウモロコシを原材料としている食材がどれだけあるかご存じですか? おそらく皆さんが毎日食べる加工食品の中に添加されている添加物の60%はトウモロコシの恩恵によってできていると考えられます。したがって皆さんは毎日トウモロコシの恩恵に預かっていると言っても過言ではないでしょう。
食物の価格高騰はトウモロコシだけではありません。どうやら大豆もバイオ燃料転用対象に入っているようです。また、原油と同様に投機対象になりはじめている食材も見逃せません。
タイでは政府系のファンドが米を先物市場で積極的に投機対象として金融商品化を行っているほか、小麦、黒コショウも対象リストに入っています。
私の立場でもトウモロコシや小麦、大豆の価格高騰は見逃せない話でもあります。
それはサプリメントの原材料だからです。この5年でビタミンとミネラルの素材価格は平均で20%上昇しています。残念ながらこの傾向は今後もしばらく続くようです。
特にビタミンCとビタミンEの素材価格はウナギ昇りです。この2つの成分の80%はトウモロコシから抽出されています。こんな現状がやってくることは想像もつきませんでしたが、栄養医学研究所では5年前からトウモロコシから抽出されたコーンシロップで作られたビタミンCは使用せずにサゴヤシから抽出したビタミンCを使っています。

日本では相変わらず内部告発やクレーマーによって白日の下にさらされる食の偽装問題、食の安全性で騒いでいますが、世界ではすでに食材の確保のための紛争が始まっており、皆さんが毎日当たり前のように食べている食物がある日突然店から姿を消す日、少なくともエンゲル係数がかつての2倍3倍になる日は遠くはないでしょう。日本は先進国の中でも最低の自給率国です。ある評論家がこんなことを言っていましたね、「日本を滅ぼすにはミサイルと兵隊はいらない。食材の供給をストップさえすればいい」と。
by nutmed | 2008-05-23 14:09

アダプトゲンについて

今日は朝からムシムシとするような陽気で、日中の最高気温も東京では27℃、きっと内陸部では30℃を超えていたところもあるのではないでしょうか。 こんな話題の季節ですから、おのずと話題はビールになりますね。 さて、今晩は日本中で何リットルのビールが消費されるんでしょうね・・

今日の話題は「アダプトゲン(Adaptogen)」についてです。
アダプトゲンという言葉は古くから使われているのですが、日本ではまだまだ馴染みのない言葉かもしれませんね。私がアメリカでハーブの勉強をしているときにはこのアダプトゲンについてシツコイくらいに叩き込まれた思い出があります。
アダプトゲンとは「人間の体の働きの恒常性(ホメオスターシス)を保つ作用機能をもつ成分」と訳されていて、それは薬(生薬・漢方)、ハーブが対象となっています。加えて毒性や副作用がなく、その作用が特定の臓器に限定されおらず、体の機能を正常に戻す作用を持っている成分となります。
東洋医学、中国医療、アーユベーダ、北南米インディアンハーブ療法では数千年も前から取り入れられていたアダプトゲンのコンセプトですが、この50年ほどの間にその有効性が現代科学で証明されるようになり、現代西洋医学にもアダプトゲンのコンセプトを取り入れた治療改善方法が実践されるようになりました。

アメリカのホリスティック療法やハーブ療法では古くから実践され、効果があることが証明されてきたもっともポピュラーなアダプトゲンは、ストレス耐性を高める療法とエネルギー生産能力の向上の療法ではないでしょうか。
この2月から長丁場でシリーズで紹介してきた副腎疲労症候群の改善のところでもハーブの紹介をしましたね。
ストレスコントロール臓器の副腎の働きを改善する目的で使われるハーブの中で、日本ではあまりなじみのないハーブ(漢方)が使われています。ポピュラーな素材としては、ロシアンハーブと中国漢方で使われている交感神経の働きを改善するロディオラ(Rhodiola rosea),循環器の働きをサポートするベニサンザシ(Crataegus sanguinea)、サンザシにはコレステロール抑制作用もあります。 コケモモに含まれるフラボノイドのミリセチン(Myricetin)、抗うつ作用が医薬品並みに強いチサンドラ(Schisandra Chinensis)などが代表的な素材として西洋医学でも使われる場面が増えてきました。
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ロディオラ
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ベニサンザシ
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チサンドラ

日本でも漢方医だけでなく、最近アダプトゲンのコンセプトを取り入れた療法を実践するドクターがポツポツとあらわれてきたようです。
by nutmed | 2008-05-22 17:06
唐突に、昨年2007年3月25日のブログで紹介した絶品の黒ゴマプリンの話です。
甘いものがあまり得意でない、ましてはプリンやババロアの類は結構苦手な私にとって、確実に、そして素直に「こりゃウマイ!」と唸らせた、今世紀最高と言ってもいい北九州八幡にあるFUKATU COFFEEさんの黒ゴマプリン。残念なことに鮮度と出来立ての美味しい状態を保持することが難しく、地方発送はできないとされてきたんですが、この黒ゴマプリンの創案者でもあるFUKATU COFFEEの堤さんご夫婦の熱意と情熱によって、試行錯誤の結果、なんとこの4月から地方発送もできるようになったそうなんです。その黒ゴマプリンが昨晩、堤さんのご厚意で我が家に届けられました。
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昨年九州でのセミナーでFUKATU COFFEEさんを訪れて黒ゴマプリンを食べて以来、「この味は東京では叶わないのは残念だな・・」と・・知人友人、そしてブログを通じて皆さんに広く紹介はしたものの、この絶品黒ゴマプリンを味わってもらえないのは残念だな・・と思っていたので、うれしいニュースでした。名前も新たに「黒ごま三景プリン」となり、品質と出来立てのおいしさをそのままにクール宅急便で全国へ発送ができるようになったそうです。
私は日頃、どの商品がいいとか、まして自分の得意とする分野ではない菓子について、「これはうまい!お勧め!」ということはまずコメントすることはないんですが、この黒ゴマ三景プリンはすでに菓子の域を超えているかもしれませんね。

まあ、そうは言っても私が苦手なウンチクを並べるよりも、ぜひ1度この黒ゴマ三景プリン、ご賞味あれ!
インターネットからの購入もできるそうなので以下のサイトにアクセスしてみてください。
FUKATU COFFEE
by nutmed | 2008-05-21 09:19
今朝は台風4号の影響で都心の交通網も大荒れでした。水不足も困りますが、あれだけの豪雨も困ったものですね。雨の日にはこの水を個人レベルで貯水して生活用水に使いたいといつも思うんですけどね・・なかなか実行に移せないでいます。

昨日お知らせしたサプリメントバイブル08-09の本のことですが、早速今日の昼過ぎから「予約しました」「購入しました」のメール頂戴してます。ありがとうございました。

さて、今日は先日少しだけネタ紹介として話した「メタボリックタイプ」について、難しい表現ではなく簡単に理解できる表現で説明するとこんな風になりますよ、ということを少しだけ前ふりネタばらしとして・・

食生活のタイプから見て、代謝(メタボリック)のタイプが「ポテトタイプ」なのか「ミートタイプ」なのかということをタイプ分けするものなんです。「ポテトタイプ」は1週間に〇g以上のポテトを食べる人で、「ミートタイプ」の人は肉ばかり食べるタイプ、そんなに単純ではないんですが、全く違うわけでもないんです。
簡単にいえば、「ポテトタイプ」の人の場合、いわゆる単純な構造で食べてからすぐに糖分に変わってしまうような炭水化物の摂取量が多い人のタイプ。「ミートタイプ」は高たんぱくで質の良い脂肪をたくさん食べる人ということになります。
どちらがいいかと言えば、私の立場から言うとやはり「ミートタイプ」と「ポテトタイプ」の中間の「ミックスタイプ」ということでしょうか。
ミートタイプは食べたたんぱく質や脂肪を速やかにエネルギーに変えることができる代謝能力をもっている人のタイプで、特にこのタイプの人を「Fast Oxidizer(ファーストオキシダイザー)」とも言い、「ポテトタイプ」の人は「Slow Oxidizer(スローオキシタイザー)」ともいいます。
このoxidization(オキシダイゼーション)は人間の細胞内でエネルギーを作り出すときに重要で必要なプロセスでもあります。タンパク質・炭水化物・脂質・線維質・ビタミン・ミネラルの6大栄養素がエネルギーをつくるためのいわば燃料として体内に摂取され、その燃料を爆発させてエネルギーを作り出しているのが細胞、特にミトコンドリアという組織になるわけですが、この爆発が酸化「oxidation(オキシデーション)」で、このプロセスを経てエネルギーが生み出されるわけです。
SlowとFastは早いのか遅いのかということになりますから、「Fast Oxidizer(ファーストオキシダイザー)」のミートタイプの人の場合、燃料が体内に入ってから爆発してエネルギーを生み出すまでの時間が早いということになり、逆に「Slow Oxidizer(スローオキシタイザー)」のポテトタイプの人ではそれが遅いということになるわけです。

実はこのタイプわけをすることによって現在皆さんが持っている体の不調や悩み、そして病気とその改善方法がかなり詳細にみえてくるんです。

それではどうやってタイプわけをするか・・ということについては近々に!
by nutmed | 2008-05-20 17:43
週末土曜日は四谷で5時間30分の長丁場の講義をしてきました。今年で3回目になりますが、アロマセラピスト養成スクールでの栄養学の講義でした。例年17名程の生徒さんへの講義なんですが、ここの講義は毎年楽しみにしている講義の1つでもあります。全員女性ということもありますが、生徒さん全員が「今日は何かを吸収してやる!」という真剣な目で聴講してくれるので、こちらも熱が入り、ついつい脱線が多くもなりますが・・
もう20年も前からアメリカでは「チーム医療」という、言ってみれば「可能性の医療」が多くの医療施設で実践されています。日本でも「チーム医療」という言葉が聞かれるようになって久しいですが、アメリカやカナダで実践されているチーム医療とはまだまだギャップがあるようです。以前に栄養療法だけでなく気功、カイロプラクティス、ハーブ、ホメオパチーなどのプロフェッショナルスキルをもったスタッフが、現代西洋医療の範囲を超えたまさに可能性のあるチーム医療を実践しています。実はこの中にアロマセラピストなどのプロフェッショナルも加わることが少なくありません。
アメリカでは国や州が積極的にこれらのプロフェッショナル育成のために大学や専門学校を作り、公的なライセンスを発行しています。残念ながら日本ではこのプロフェッショナルの育成についてはまだまだ遅れている感が否めまず、国はその点への着手が遅れています。ただ、民間レベルでは着実に育成システムが進んでいることは、今後日本でもアメリカやカナダ、オーストラリア同様に、医療現場で活躍する「可能性のあるチーム医療」のスタッフのニーズが高まることは確実です。

さて、先般このブログでも紹介しましたNPO日本サプリメント協会編の「サプリメントバイブル08-09」がいよいよ20日に書店に並びます。一足早く今朝手元に届き内容を見ましたが、自分で言うのも何ですが、かなり濃い内容で、まとまりがあって家庭に常備の1冊としてもお勧めの本です。
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by nutmed | 2008-05-19 09:29
中国成都の地震は犠牲者がこれからもっと増える予想だそうですが、日本でもいつ起きてもおかしくない時期に入っているという大地震、備えは万全ですか?

先般シリーズで掲載してきた副腎疲労症候群の関係で、このところの問い合わせはストレスや低血糖、慢性疲労の件が非常に多くなっています。私が栄養カウンセリングを行っているお茶の水の病院でも年齢に関係なくこのテーマが多いですね。

この慢性疲労症候群に関連して、食生活の傾向と、来週以降シリーズで掲載する予定のメタボリックのタイプ別食事傾向とその改善の前ふりになりますが、栄養医学研究所で行っている爪による体内のミネラル分析のあるミネラルに注目すると、その人の食事の傾向がわかるとうお話を少ししてみましょう。

そのミネラルはカルシウムとマグネシウムです。
カルシウムと言えばほとんどの人が「骨」を連想するミネラルですが、カルシウムは骨だけでなく、むしろ骨以上に人間の栄養素の代謝には深くかかわっているミネラルなんです。同様にマグネシウムも代謝にかかわる重要なミネラルの1つです。
カルシウムは血液中を流れる糖分(グルコース)を細胞内に取り込むために必要なインスリンの生産と分泌を促進するミネラルです。したがって体内(細胞内)のカルシウム濃度が高い場合には、血液中のインスリン量が多いと考えられます。このような方の場合、過剰なインスリンによって食事後2時間以内に血糖値が低くなる低血糖の傾向が見られることがあります。一方、マグネシウムはインスリンの分泌を抑える働きをもったミネラルで、体内(細胞内)の血糖を上手にコントロールするためには、カルシウムとマグネシウムのバランス(比率)が大切です。カルシウムとマグネシウムの比率は年齢によっても変化しますが、1つの目安としてカルシウム:マグネシウムの比率は3から10:1の範囲内にあることが望ましいと言えます。現代日本人の食生活を考えるとおよそ7:1が最適だと言えます。カルシウム:マグネシウムの比率が3:1よりも低い、または10:1よりも高い場合には、低血糖になる可能性が高くなり、その後糖尿病に移行する危険性が高くなりますので、食生活と生活習慣には十分注意が必要です。

で、この6か月間に栄養医学研究所で爪分析を行った人のうち、10歳から70歳以下までの男女、各年齢で50人ずつの分析結果をピックアップして、カルシウムとマグネシウムの比率を調査してみました。
すると残念なことに、また驚くことにカルシウム:マグネシウムの比率が10:1を超える人が非常に多いことがわかりました。年齢でみると20-30歳半ばまでの女性が一番多く、続いて40歳代の女性、10歳代の男女の順になります。
このような人の食生活をよく見てみるとすぐに糖に変化するような単純な炭水化物、たとえば白米や麺類を好んで食べる傾向があります。
28歳のある女性の場合カルシウム:マグネシウムが22:1という比率で、この女性には後日だ液のコルチゾール検査を行ってもらいましたが、1日を通じて恒常的にコルチゾールが高い状態で、副腎がかなりのストレスを受けていることがわかりました。

一方血液検査でカルシウムやマグネシウムの値を見ても爪や毛髪中のミネラルと同じような背景が分析できるかというとそれは役不足と言えます。これは血液や尿の場合にはせいぜい72時間ほど前の過去から現在にいたる、血液中を循環している指標としては優れたマーカーになる反面、細胞中や触媒として働くミネラルを分析する爪や毛髪とは異なるということです。

メトボリック症候群改善のためにこの4月から健康診断における血液検査でのコレステロールや中性脂肪の値に話題が集中していますが、むしろ中長期的な体内の代謝状況をモニターすることで栄養素の吸収代謝を把握することが重要だと思います。
by nutmed | 2008-05-15 15:54

夏のミネラル対策

週末は生憎の雨、それもこの季節にしては冷たい雨でしたね。この時期には珍しく気温の変化が大きいようなので体調には十分注意してください。

さて、今日はこれからの季節に向かって注意していただきたい栄養素、特に失いやすいミネラルについてです。

夏は昼夜を問わず予想以上に発汗する季節です。発汗によって体外へ排泄されるミネラルは多く、その影響は体調にダイレクトに表れます。最近ではエアコンがどこに行ってもあることから、発汗しにくい状況のためミネラルが以前に比べて失われにくいという報告もありますが、想像以上に寝汗をかくことから夏の発汗で失われるミネラルは多いんです。
発汗で特に失いやすいミネラル
ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム


●次の症状を改善するミネラルとその組み合わせ

・倦怠感(疲れやすい):栄養素の吸収向上とエネルギー生産の向上
マグネシウム、マンガン、カルシウム、カリウム、セレン、亜鉛、鉄
・食欲不振:味覚の向上、消化機能と食欲を刺激
カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅
・性欲減退:性ホルモンの分泌刺激
亜鉛、銅、鉄、カルシウム、マグネシウム
・不眠:精神安定作用、ホルモン分泌刺激(女性のみ)
カルシウム、マグネシウム、リン
・眼精疲労:血液循環を良好にし、酸素と栄養素の運搬を向上
亜鉛、セレン、カルシウム、マグネシウム、リン、銅
・イライラ感(精神不安定):精神安定作用、ホルモン分泌刺激
マグネシウム、カルシウム、ケイ素、亜鉛
・頭痛:血液循環を良好にし、酸素と栄養素の運搬を向上
マグネシウム、銅、鉄、カルシウム、亜鉛
・肩こり・腰痛:血液循環を良好にし、痛みを緩和(ボロン)
カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、ボロン、ケイ素
・下痢:脱水症状を改善、便の凝固作用促進
カルシウム、カルシウム、マグネシウム
・吐き気(なんとなく胃がムカムカする):体内イオンバランス調整
カリウム、マグネシウム
・むくみ:水分バランス調整
カリウム、カルシウム、マグネシウム
・更年期障害(ほてり、のぼせ):ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)分泌調整
カルシウム、マグネシウム、ボロン、
・冷え:血液循環を良好
マグネシウム、鉄、カリウム、カルシウム
・肌荒れ:皮膚細胞の新陳代謝向上
マグネシウム、カルシウム、鉄
・しみ・ソバカス:皮膚細胞の新陳代謝向上、メラニンを抑えるシステイン活性向上
亜鉛、マグネシウム、カルシウム、セレン
・日焼け:皮膚細胞の新陳代謝向上
亜鉛、マグネシウム、カルシウム、セレン
・毛髪の傷み:ケラチン形成促進
亜鉛、銅、ケイ素、マグネシウム、鉄

by nutmed | 2008-05-12 10:03
いきなり手前味噌の話になりますが、私が個人または共同で執筆した本としては5冊目になる、NPO法人日本サプリメント協会が発刊(講談社出版)による『サプリメント健康バイブル'08~'09版』が来たる5月19日(月)に書店に並ぶことになりました。久々の改訂版になる同書には私自身8編ほどの執筆をしています。内容も最新のトピックスを交え執筆の各先生方も力筆していますので、ぜひ家庭に1冊常備してください。

今日のテーマのメタボリックタイプ別の栄養摂取ですが、私が2年前から渡米の度に出向いていたカリフォルニア大学バークレー校とアーバイン校の生理学および栄養学の研究室で受けて講義と研修、それに8冊に及ぶ原書によって、この2年間温めてきた内容です。この連休中に読み残した2冊の原書を読み終わり、ようやく考え方も方向性もまとまりまして、現在メタボリック(代謝)のタイプ別に生活習慣、特に食生活での注意点と改善内容、具体的なサプリメントの内容と摂り方についてのまとめをスタートしました。

恐らく日本にもこのような代謝と栄養素の摂取の方法についての考え方はあったものと思いますが、最近の食生活、ストレス耐性、運動などを取り巻く環境から、栄養の代謝をタイプ別に分けた書物はないと思います。

具体的なタイプとしては「タンパク質型」「炭水化物型」そして両方が混合した「混合型」に大別されます。いったい自分がどのタイプになるのかについては、現在の食生活の中でも頻繁に食べる食材や消化の仕方などを詳細なヒアリングによって決定するものです。

近いうちにこのテーマでシリーズ化したいとも思っていますのでご期待ください。
by nutmed | 2008-05-09 15:08

栄養・健康・食に関する気ままな日記


by nutmed