昨日で14日間の北京オリンピックも幕をとじましたね。それにしても中国の躍進ばかりが目立った今回のオリンピックでしたが、ゲームから目を少し離してみると、何か異様な雰囲気の中で毎日のゲームが進んだ今回の北京オリンピックだったように感じたのは私だけではなかったのではないでしょうか・・
先週末に韓国のケーブルTV局の取材を受けました。テーマは重金属汚染についてで、日本の状況とその排泄についてのインタビューでした。スタッフの話を聞くと、韓国でも水銀をはじめとする重金属汚染がかなり深刻な問題となっているようです。残念ながら日本では1部を除いて番組をみることはできないようですが・・放映は9月26日の「MEDITV」という番組だそうです。

さて、8月も後半に入りました。しばらく閑話休題が続いていたので、注目の機能性成分に少し話を戻します。
今日はレスベラトロールについて。
レスベラトロールに関しては、この10年でたくさんの研究が世界中で進められており、その有効性については医薬品以上の効果があるエビデンスが多く報告されています。研究がはじめられた当初は、ポリフェノールとしてのレスベラトロールには心臓循環器の働きを改善する効果があることに注目され、その後神経伝達機能への有効性としてアルツハイマーの予防改善に有効である報告や血糖代謝の改善、免疫増強などの効果が続々と報告されてきています。
いずれの報告もその多くはレスベラトロールの持つ「強力な細胞の酸化抑制」にあります。今更の話ですが、細胞の酸化によって細胞組織の本来の働きが損なわれるわけですから、ほぼすべての疾患の背景には細胞の酸化があると思ってもいいでしょう。
レスベラトロールは植物がバクテリアやウィルスから身を守るために自らがつくりだしたアレキシンという物質が主成分ですが、このアレキシンは人間の体内でも作られる成分で免疫に関るたんぱく質として現在は「補体」と呼ばれています。アメリカ、ドイツ、イタリアでもレスベラトロールに血中の中性脂肪とLDL-コレステロールを抑制する作用があることが確認されており、高脂血症や肥満、高血圧、糖尿病の予防に期待がもたれていますが、最近の研究では、うつ病や痴呆症などの神経に関る症状のほか、免疫機能にも有効に作用することがわかりはじめています。
レスベラトロールには2つの異性体(cis-とtrans-)がありますが、中性脂肪とLDL-コレステロールを抑制する作用など様々な薬理作用を持つのはtrans-異性体のほうです。

レスベラトロールが含まれる植物には赤ブドウ、桑の実、ピーナッツ、大豆、蜜蝋があります。赤ブドウの中でもブルゴーニュ地方の赤ワイン種としても有名な「ピノ・ノワール」にはレスベラトロールが豊富に含まれています。俗に「フレンチパラドックス」ということがよく言われますが、あれほどワインを飲むフランス人には心臓循環器病の発症率が低い背景には、赤ワインに含まれるポリフェノール、特にこのレスベラトロールがあるからではないかとも言われています。

日本でも至るところに生育している「雑草」「山菜」の中にも豊富に含まれていることが確認されていて、イタドリ(Japanese Knotweed)にはレスベラトロールが豊富に含まれています。
イタドリは繁殖力が盛んで、てんぷらにしても良し、おひたしにしても良しで、日本でも昔からよく食べられてきた植物です。でも「ジャパニースパラドックス」ってことは聞いたことがありませんね・・・
日本でもフランスでも、むしろ「カントリーパラドックス」ということに注目すべきだと私は思います。レスベラトロールのような自然の生き物が備えている強力な抗酸化機能など、機能性成分を日常から摂取していることが健康の秘訣であることはだれしもが疑う余地はないわけですからね。
by nutmed | 2008-08-25 11:41

昨晩は半ばあきらめていた日本ソフトボール女子チームが堂々の金メダル。それも長年の宿敵アメリカを下しての金で、中学高校とソフトボールでならしたワイフ、娘と大興奮の夜でした。

さて、今年も夏の休暇を利用して3回目となる東北へ、バイク仲間のおじさん、おばさんとツーリングに行ってきましたので少し紹介させてください。今年は下北半島まで足を延ばしてきました。生憎行程の80%は雨、それもかなりのドシャ降りの中でしたが、下北半島まで走った日は好天に恵まれました。
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圧巻は下北半島東端に位置する尻屋崎で、北海道までが見渡せます。ここには有名な「寒立馬(かんだちめ)」という放牧馬がいて、冬の寒さにも負けずにたくましく育っていました。
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遠くに見えるのが函館郊外の汐首岬です。

下北半島は核再処理を含め原子力関連の施設が多く点在していますが、最近では風力発電でも有名でして、半島のいたる丘の上には直径40m級の風車が点在していて、今にも丘の上から地球防衛軍のウルトラホーク2号が飛び出てきそうな風景です・・・
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「名物に旨いものあり!」で、地元の方に紹介いただいた魚介新鮮なドンブリを食べさせる食堂では、今までに見たこともないような「ウニ・イカ丼」を堪能しました。
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このドンブリ、ミョウバンで処理していない生のウニと、イカが丸ごと乗っています。

厳しい冬の寒さはあるでしょうが、こんなに車の往来が少なくて、空気がおいしく、水がおいしく、そしてストレスを感じることが少ない環境に生活していることで、道を行きかう人たち、特に高齢者の方はすこぶる元気ですね。
昔から日本人が実践してきた、旬な時に実る作物の恩恵を受け、自然に逆らわずに素直に受け入れる生活環境が、実は何よりの健康方法であることは多くの方は頭では理解しているはずなんですが、私を含めてなかなかそれが実行できない・・・
年に1回でもこんな環境に触れることでそれを忘れないようにする・・そんな気持ちもあってか、夏のツーリングは私にとっては大切な時間の過ごし方にもなりつつあります・・
by nutmed | 2008-08-22 09:29

お恥ずかしいことに、昨晩娘から「ブログに書いてる回数が50以上おかしいよ・・」と指摘され、早速さかのぼって確認したところ、娘の言うとおり大幅に回数をさば読んでいました・・ということで正確な回数に訂正させてもらったところ、本日は第448回目になります。

さて、気を取り直して・・昨晩の女子柔道谷本選手の金メダル、嬉しかったですね。今回の柔道の試合を観戦していて、ポイント先行取得した選手の防御姿勢、それにあのまるで猫の喧嘩のような試合に閉口していたところに、あの谷本選手の文句なしの1本勝ちは、金メダル以上に本当の柔道を見せてもらい気分爽快になったのは私だけではないのでは。

さて、前々回体の細胞組織の機能を発揮させるためにエンジンの添加剤を例えにして紹介ましたが、サプリメントも広範囲な栄養素のアンバランスをカバーするための「マルチタイプ」という考え方から、細胞の酸化・糖化・老化が進み、人間の細胞と各組織の機能が衰え、十分にその性能が発揮できない個別の細胞組織に働きかけ十分な性能を発揮させるための機能を備えた成分を使って、体内環境のハーモニー(調和)をとるという考え方がこの添加剤になると思います。

このコンセプトは私自身も非常に重要な考え方だと以前から認識していて、従来のマルチビタミン・ミネラルという概念を超えた、いわば「ハーモナイズドサプリメント(Harmonized Supplement)」コンセプトのサプリメント開発をこの4月から進めています。もちろんこのサプリメントのポイントは細胞や組織が本来持つ機能を十分発揮できるようにするための「調和」です。
この秋から年末には新たな商品がリリースできるのではないかと思います。

さて、栄養医学研究所も明日14日から夏季休暇にはいります。今年もリフレッシュのために大好きなバイクでロングツーリングにでかけます。今年は下北半島まで足を延ばしてこようと思います。
次回は8月18日の予定です・・・
by nutmed | 2008-08-13 08:36

昨日は全国が北島選手の勝利に酔いしれたことでしょう。珍しく涙の会見で、この4年間の彼の葛藤を物語っているようでしたね。

さて、今日は話題を変えてグルメ料理とビタミンB群の不足についてお話したいと思います。
昨日、銀座の老舗で某有名フレンチのシェフと話をする機会があって、ひょんなことからビタミンB群の話で盛り上がりました。この話は私が懇意にさせてもらっている四谷のクリニックのドクターから聞いた話が最初にあって、昨日その話の真相を彼に振ってみて再確認したものです。

結論から言うと、日本人の食が欧米化し、味を追求してきた結果、人間には重要な栄養素であるビタミンB群が不足しはじめている可能性があるという話なんです。
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バブルがスタートして以降、事の良し悪しは別として、日本人の舌は非常に肥えてきて、いつしか素材そのの味の追及を超越して、万人にいかに「うまい!」「おいしい!」と言わせるかの果てに、料理の雑音となるような「苦味」「えぐ味」「独特の臭い」を可能な限り排他してきたのが現代の万人に受ける料理になってきたそうです。
特に、えぐ味。えぐ味の正体の多くはシュウ酸という物質ですが、実はえぐ味の中にはビタミンB群がかなり入っています。
サプリメントでビタミンB群を飲んでいる方は、あの独特の臭いと舐めたときのえぐ味はご存じだと思います。某製薬メーカーが販売しているアΟナΟンも比較的独特な臭いがしますね。

料理人の多くはこのえぐ味を「味の追求」という観点から排他してきたようですが、その1部がビタミンB群独特の味であることは多くの場合気づいていなかったようです。驚くことにこれは料理人が調理をする段階にとどまらず、レストランが使う野菜などの素材を育てる畑の段階、納品前の加工の段階でも「処理」が行われているものがあるそうです。

実際に彼にビタミンB1、B2、B3、B6を個別に舐めてもらったところ、「これこれ、このえぐ味がだめなんですよ」のコメントをいただきました。

今朝から食品会社に勤務している大学の友人にこの件を話して確認してみたところ、加工調理済の食品の中には、やはりこのえぐ味を徹底的に排他処理をしているものもあるようで、ひょっとすると現代人の食生活で幅を利かせている加工食品ではビタミンB群の不足が想像以上に進んでいる可能性があるかもしれませんね。

灰汁(あく)抜きという調理法は日本だけでなく世界中でかなり古くから見られる方法ですが、これはビタミンB1(チアミン)を分解してしまう酵素を除くための方法ですから、本来は味の問題を解決するものではありませんでした。

何かを追求することで何かを犠牲にするというのは世の常のようですが、できればビタミンB群は犠牲にしてほしくはない栄養素です・・
by nutmed | 2008-08-12 17:10

先週北京オリンピックが無事開会し、昨日の日曜日の夜は全国が内柴選手の金メダルで歓喜し、そしてまずは安堵したのではないでしょうか。「うそつきではない父親を証明するため」の金メダルは全国の父親にも一段と輝いて見えたのでは・・
今日からお盆休みに突入する方も多いことと思いますが、故郷で地のモノ、旬のモノを沢山食べてきてくださいね。

さて、今日からここ数カ月の間にアメリカで大きく注目されはじめた機能性成分について紹介してみたいと思います。その1つは2007年9月18日にこのブログでも紹介した「レスベラトロール」といままでに幾度となく紹介し最近でもトピックスした「クルクミン」です。

アメリカでは最近人間にも「添加剤」という考え方が派生しはじめています。
添加剤というと食品添加物と連想してしまうかもしれませんが、そうではなくて車のエンジンの性能を引き出すために添加する「添加剤」です。
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以前からアメリカではこの添加剤に例えて人間の栄養素もエンジン同様性能を引き出すためには添加剤が必要であるというコンセプトがありました。マルチビタミン・ミネラルという発想の根底には実はこの添加剤というコンセプトがありました。この1年ほど前から新たなコンセプトとして、環境や栄養不足、そしてストレスによって細胞の酸化・糖化・老化が進み、人間の細胞と各組織の機能が衰え、十分にその性能が発揮できない個別の細胞組織に働きかけ十分な性能を発揮させるためのマルチではない個別の機能成分の重要性と必要性が認識されはじめています。

その中でもレスベラトロールとクルクミンは、ストレスに最も影響を受け易い神経機能の機能衰退に対して今最も注目されている機能性成分であるといえます。
by nutmed | 2008-08-11 14:28

先週末から首都圏の高速道路と周辺道路は過去に例のないほどの激しい渋滞が連日続いています。ニュースでも大きく報じられていましたが、首都高速5号線(池袋-埼玉大宮方面線)の池袋付近で横転炎上したトレーラーによって今日現在でもこの線が通行止めになっています。
その影響で都内に出入りする幹線道路は軒並み渋滞で、通常30分で行けるところが2時間かかる以上ぶりです。来週までに復旧するかの目途がたっていないため、お盆のときには更なる悲劇になるのでしょうか・・

さて、今日はしばらく途絶えていたカルシフェロール(ビタミンD)についてです。今日はビタミンDの1日あたりの摂取量についてですが、今年の2月以降欧米、特にアメリカの臨床栄養学者や行政、研究機関の間では、ビタミンDの摂取量についてちょっと話題になっています。

アメリカにおけるビタミンDのRDA:1日あたりの推奨摂取量(Recommended Dietary Allowance)は200IU(5μg)から600IU(15μg)とされていて、日本の場合には60IU(1.5μg)から200IU(5μg)となっています。(ちなみにVDの1IU=0.025μgです)
カルシフェロール(ビタミンD)にはカルシウムやリンのバランス調整、ホルモンのような作用など様々な作用があることはお話しましたが、この5年ほどの間の動物実験と人の臨床検討によって、抗がん作用、多発性硬化症の予防、インスリン抵抗性の抑制、結核菌の感染予防などの可能性が報告されています。
しかし、2006年以降多くの研究者がカルシフェロール(ビタミンD)の働きの恩恵を受けるためには、従来から言われているRDA量では少なすぎるという意見や報告をしはじめています。
2007年にアメリカ臨床栄養学誌(American Clinical Nutrition)でビタミンDについて報告したDr.Hathcockらの研究でも、1日あたり2000IU(50μg)を上限とするべきあることが報告され、これをサポートするように、欧米各国からもRDAの上限についての研究報告があります。
従来からカルシフェロール(ビタミンD)の過剰摂取は体内に蓄積しているカルシウムの尿からの排泄を促してしまうという報告もありますが、最近の研究では1日あたり5000IUのビタミンDと500mg(エレメント量として)のカルシウムを3か月摂取しても尿中へのカルシウムの排泄が著しく促進しなかったという報告もあります。

実は私自身、ビタミンDには以前から興味を持っていたビタミンの1つで、この1月から1日あたり2000IU(50μg)のビタミンD3を毎日飲んでおり、5月の連休前に爪と血清、尿のカルシウム、
銅、マグネシウムなどを検査分析してみましたが、カルシウムについては排泄よりも蓄積量が多少増えている状態でした。
by nutmed | 2008-08-06 09:28

第444回 人間ドック

昨晩といい今日といい、大気が非常に不安定で東京近郊は連日の激しい雷とゲリラ豪雨です。
そんな中、毎年恒例の人間ドックで検診をしてきました。
今年で3年目の銀座にあるみゆき通りクリニックの梶原先生にお願いしていますが、いつものことながら丁寧で親切な女性医師で、保険診察でもありながらかなり長く時間を割いて診察してくれますので、私も何人もの女性に紹介しています。
いつも1日で終わらせたいこともあって午前中胃カメラ、午後1番で大腸スコープと非常にハードなスケジュールにも対応してくれます。

今年も胃はすこぶる健常な状態! 腸もいたって健康なものでした。毎度のことながら胃も大腸も画面をみさせてもらいながら進めていただくのですが、日常栄養素の消化分解・吸収についてウンチクを述べている私としては自分の消化器を覗いてみることは非常に興味があって、おもしろいことに第3者的に観察しています。

この6か月前からビタミンKとビタミンDを積極的に飲んでいたせいか、大腸からS状結腸の粘膜は昨年に比べて非常に滑らかな粘膜状態を保っています。俗に言われる体内年齢ですが、消化器、特に腸の状態から見た「吸収能力年齢」は30歳代前半、いや20歳代といっても過言はないと自負していますが・・

もちろん身長に変化はありませんが、体重は昨年よりも2kgほど減量していました。食事の嗜好が脂ものからたんぱくなものに変化してきたせいもあるでしょうが、昨年中性脂肪が若干高めだったので意識していた効果はありましたね。

現在の体重が76kgですから、15年前の私を知っている友人知人は今の私を見たら全く別人のように見えるでしょうね・・
by nutmed | 2008-08-05 17:52

第443回 雑誌取材

週末金曜日は仕事で京都に行ってきました。とかく京都の夏は暑い!といわれますが、昨年の同時期に比べるとそれほど暑さを感じなかったのですが、京都の方に聞いたら先週が猛暑だったのともと。ちょうど祇園祭りの前後はいつも暑いそうです。

今朝の東京もこの夏いちばんの暑さだそうです。水分の補給は意識しましょう。

さて、ちょうど1か月ほど前に雑誌の取材を受けまして、その雑誌が先週金曜日には書店に並んでいるようです。
テーマは「誌上サプリドッグ」というものです。雑誌の取材は久々でしたが、毎年いまくらいの時期になるとこの手のテーマでの取材依頼がありますね・・
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もし書店でみかけたら覗いてみてください・・
by nutmed | 2008-08-04 08:52

今日から8月1日です。今月はいよいよお隣の中国北京でオリンピックが開催されますね。
話題にこと欠かない中国ですが、内政や環境問題の良し悪しは別として、ここまで来たからには同じアジアの同朋として成功させてもらいたいものですが・・・

さて、今日はカルシフェロールの話題から少し離れて少し前にカウンセリングしためまいと耳鳴りで長年悩んでいた女性の話を紹介します。
40歳代半ばの彼女は右耳の耳鳴りとめまいでこの10年ほど悩まされてきました。病院やクリニックを転々と歩き、いろいろな検査を受け、治療を受け、漢方も鍼灸もマッサージも試してきましたが、本人が期待するほどの効果はなく、半ばあきらめかけていたところでした。
栄養療法で耳鳴りやめまいを改善する方法はありますが、個人差もあります。この女性には爪分析で体内のミネラル量を確認してもらったところ、耳鳴りやめまいに影響を与えるマグネシウム不足の傾向がみられただけでなく、コバルトが極端に少ないことからビタミンB12の補充が有効と考えられ、主治医に相談して週に1回ビタミンB12(メチコバール)の筋肉注射をお願いし、マグネシウムをエレメント量として1日あたり350mgほどしばらく摂取してもらうようにしました。
3か月が経過しましたが、私も本人も期待するほどの改善はやはりみられませんでした。

7月のはじめに彼女のカウンセリングをしているときに、世間話の延長線の中で彼女が12年前と5年前にインプラントの施術を受けたことを聞きました。実は彼女、これまでにお世話になっていた何人かの主治医や鍼灸の先生にもインプラントをしていることは話していなかったようです。彼女のインプラントは耳鳴り症状が出ている右奥歯の大臼歯2本です。12年前に第3大臼歯、5年前に第2大臼歯をそれぞれインプラントで施術しています。
私としては彼女を悩ませてきた耳鳴りとめまい、それにしばしば起こる右側の頭痛の原因背景はこのインプラントではないかと感じました。

日本では患者にインプラントや入れ歯、ブリッジなど、金属を使う場合には、患者にその金属が適合するかどうかの検査を行う歯科クリニックは私の知る限りではほとんど無いと思いますが、アメリカ、カナダ、スイス、ドイツ、オランダ、スウェーデンなど欧米では金属の適合性を確認するために血液を使って検査をすことが日常的に行われています。その背景にはもちろん患者にとっていいもので安全な素材を使いたいということではありますが、もう1つの背景には「医療訴訟」の問題がかなり影響しています。
私がシアトルで研修をしていたころに、シアトルのデンタルクリニックがインプラントをした患者から訴訟をおこされ、結局3億円を支払うはめになった事例がありました。これはまさに患者と金属の適合性を省いて施術をし、最もポピュラーなチタン素材を使ってしまったケースでした。
チタンは金属アレルギーがない金属として日本でもポピュラーに使われる金属ですが、すでにアメリカやドイツでは金属アレルギー患者の6%にチタンに反応してしまう症例が報告されています。

さて、この耳鳴りめまいで悩んでいた彼女ですが、現状、インプラントが原因の可能性がかなり高いとは思っていますが、インプラントを抜いてしまうわけにもいかず、その対処を考えているところです。ドイツとアメリカ、ブラジルの栄養療法ドクターや歯科医にも連絡をして協力を仰いでいるところではあります。
私として幸いだったのは、原因もわからない症状に八方塞がりだった彼女が、可能性の高い原因がわかったことで一縷の望みではあるものの、希望が持てるようになり、以前よりもかなり表情が明るくなったことです。
by nutmed | 2008-08-01 11:01