私が昨年から栄養カウンセリングを行っている慢性疲労と慢性副腎疲労、LGS、低血糖の可能性がある食事や歩行もままならない女性がいます。
内科的な治療を行っている彼女の地元の主治医に血液、便、尿の検査を実施してもらうように彼女を通してお願いをしてもらったところ、「これは精神的な症状からくるものだから私の紹介する精神科に行くように・・」と紹介をされたようです。
以前、まだ歩けるころに私の知人の医師の協力で血液、尿、便を分析してもらったときには、極度のタンパク質摂取不足(欠乏に近い)、アミノ酸の合成能力低下、カンジダ菌の繁殖、胃酸不足とそこからくるビタミンB12の欠乏状態の可能性がありました。彼女と彼女の家族には食事の注意点、特に食材と消化分解のサポートをするような食事の仕方など、また可能であるならば地元の医師にお願いしてアミノ酸とビタミンB12の補充もお願いしました。
しばらくは体調も良くなり、自分で歩行することができるようになり、慢性的な倦怠感や疲労もかなり改善されました。最大の改善点はカンジダ菌の異常繁殖がなくなったことでした。

いろいろな事情もあって連絡がなくなり、その食事療法が継続できなくなり、再び体調が悪くなって地元の内科クリニックへ駆け込んだ後に、再び連絡がありました。
その結果、上記のように精神科へ紹介されるまま通院するようになったようですが、処方されている薬の数は抗うつ剤、睡眠薬を含め6種類、処方された翌日から体調は一気に悪くなり、食事もできないほど疲れがひどくなったようで、彼女の家族が心配して主治医の精神科医に薬の成分や副作用、どの程度継続すればいいかなどなどを聞いたところ、その主治医は突然機嫌が悪くなり、「つべこべ言わずに私の言うとおりに薬を飲んでいればいいから・・このような症状に対しては薬の種類を変えながら試してみて症状を抑えることを考えないといけない・・ごちゃごちゃ言って私が信用できないならもううちのクリニックに来なくていいですから・・」
当然、家族はビックリしただけではなく、彼女が見放されてしまう恐怖感で、それ以来言うがままに薬を飲み続けているということでの相談でした。

日本の医療システム、特に保険医療システムの良し悪しについては今更ここで話すつもりはありませんが、患者とその家族は専門教育を受けてきた「ドクター」から見れば赤子と同じ素人です。その素人にとって、飲むように指示された薬がどのような作用があり、考えられる副作用は何があって、今後どのように体調が変化していのかについて心配と不安でいっぱいの素人に対する対応ではあり得ない話ですね。 「医は仁術なり」と言われなくなって久しいですが、「医療とは、愛に基づいて施されるわざ」とは難しい世の中ではあるものの、少なくとも患者の不安を増長させるような抑圧的な医療は言語道断ではないかと・・
by nutmed | 2008-09-30 18:34

もう5年ほど前から親しくさせていただいている某商事会社に勤務する友人が、3年前にバイクのもらい事故でかなりひどい怪我を負い、長い自宅療養とリハビリを続けてきた結果、ようやく年末までには社会復帰できるまでになったという連絡を先週いただき、安心すると同時に陰ながら本職の栄養による低下した体力と筋力の回復のお手伝いをさせてもらうことになりました。
同じ年でもあり、また大型バイクの世界に引きずり込んだ張本人が私のようでもあるため、決して他人ごとではないような気がしてます・・

さて、今日はアメリカから入ってきたニュースを1つ紹介します。
皆さんの中にもキレーション療法という言葉を耳にしたことがある方がいると思いますが、今アメリカではこのキレーション療法をめぐって大きな問題が起きており、世界中のキレーション療法を巻き込む勢いの様相を呈しています。

キレート(Chelation)療法は、体内から有害ミネラルや老廃物を取り除く方法の一種で、Chelationの「Chele」は、ギリシャ語で「爪でつかむ」と言う意味です。
血管内に投与されたキレート剤は、血流を改善し、動脈硬化斑を除去することが知られています。キレート療法には、いろいろな種類がありますが、多発性硬化症(MS)や自閉症における体内蓄積重金属(水銀)の体外排泄、動脈硬化を軽減しバイパス手術の代わりとなり心臓発作、脳梗塞を予防、眼精疾患の治療、最近ではアンチエイジングなどが代表的なものです。

2002年からアメリカの国立衛生研究所(NIH)で33億円の巨費を投じて実施している心臓病の治療に対するEDTAという物質を用いたキレーション療法の即時中止を求める医師のグループの調査レポートによって、来年結果報告が予定されている本研究が中止に追い込まれるだけでなく、1部の州の医師会ではキレーション療法を行う医師の医師会からの除名処分という強い対応にまで発展する可能性が出ています。

私の知りうる限り、キレーションは専門教育を受け、定期的なセミナーなどの研修によって正しい知識と適切な検査を行うことで、薬剤療法や外科的療法よりも有効であるケースことが認められています。
日本でもこの数年、キレーション療法を実施するクリニックやドクターが出始めていますが、専門教育を受け適切な治療をしているドクターばかりだと信じてはいます・・・
by nutmed | 2008-09-29 16:51

海の向こうアメリカでは9月が日本の4月にあたる新年度月です。この時期翌年のサプリメントの新たな素材や商品のリリースも目白押しです。アメリカでもこの10年以上サプリメントセールスのTOPを走っているのは相変わらず「ウェイトロス商品」つまりダイエット商品ですが、この数年の傾向としては抗酸化素材商品、特に従来のような曖昧な抗酸化商品ではなく、「皮膚の抗酸化・・」や「脳細胞の抗酸化・・」中には肝臓や心臓、副腎といったかなり限局された臓器の抗酸化をうたい文句にした商品が目立つようになってきました。日本にもきっとこの波がいずれ来るのでしょうね・・

さて、今日は7回シリーズで続けてきました脳に影響を与える7つの原因の最終章になりますが、その予防と改善についてです。
今までのシリーズを見ていただくとおわかりのように、脳に影響を与える原因には、脳が直接受けるダメージと、脳が間接的に受けるダメージによるものがあります。シリーズの最初にお話したように脳細胞はフリーラジカルの酸化ダメージに非常に弱いといえます。その背景の1つには体の中でも非常に優良な脂質が多く集中している組織であるということがあります。
フリーラジカルへの対処を含め、脳の働きに影響を与える要因を可能な限り除去するためには、脳にフリーラジカル除去対処ができるような成分を常にバランス良く運搬さしめることにあります。その1つの方法が血流促進改善にあると思います。私自身は「血液サラサラ・・」という言葉は好きではありませんが、ことの良し悪しは別としても、血液の循環、血流量が低下することは脳にフリーラジカルへの対処ができる栄養素、機能性成分が送り難くなることになるので、改善と予防は必須でしょう。
この10年ほどの抗酸化物質と脳の働きの研究をしている世界中の研究者らの報告や臨床試験の結果を見てくると、フリーラジカルを除去し脳の働きに影響を与える要因を可能な限り除去するために有効と考えられる栄養素・機能性成分と、それらの成分を運搬するために血流の改善をするために有効と考えられる栄養素・機能性成分がいくつかに絞られてきます。
それが以下の素材成分です。
1、必須脂肪酸(Omega 3 Fatty Acids)
2、ビタミンE(トコフェロールおよびトコトリエノール)
3、L-カルニチン(Acetyl L-Carnitine)
4、フォスファチジルコリン(Phosphatidal Choline)
5、フォスファチジルセリン(Phosphatidal Serine)
6、CO Q10
7、L-グルタミン(L-Glutamine)
8、イチョウ葉エキス(Gingko Biloba:EGb 761)


目新しいものはなく、皆さんの耳にも比較的なじみのある栄養素・素材成分ばかりだと思います。とかく日本人はこれらの成分をすべて一緒に摂れば効果があるから・・とすべてを飲みたがる傾向がありますが、今まで何回となく説明してきたように栄養素といえども薬と同等またはそれ以上に「過剰摂取」「飲み合わせ」そして「飲むタイミング」を誤れば効果がないだけでなく、マイナス作用も現れます。
今日のテーマに限ったことではありませんが、私は予防や未病促進、健康維持においてサプリメントで栄養素や機能性成分を摂取するときこそクリニックなど医療施設で自分の体の材料(血液、尿、便、爪、毛髪、唾液・・)によって体内環境を分析したうえで上手にまた的確に使うべきだと思います。
by nutmed | 2008-09-26 12:18

このところ世界の話題を独占している金融業界の「異変」ですが、こんなデータがあります。
証券会社や銀行などで働くディーラーの45%がうつ病で、90%が何らかの精神的な機能障害を持っているというものです。俗にディーラーのディーラーとしての寿命は35歳とも言われているようですが、すべてのディーラーではないものの、多くのディーラーが何百億円というマネーを動かし、また一瞬で何百億円の利益を出すこともあれば損出を出すこともあるディーラーたちは、常に神経がピリピリしている状態を強いられるわけですから、人間の体のリズムや体内環境を全く無視した生活環境に置かれているようなものでしょう。世間からは高額所得のミリオネアーとして憧れの目で見られたり、やっかまれたり・・まさに骨身だけでなく神経がボロボロになることと引き換えに大金をつかむこともあれば奈落の底に落ちることもある毎日を送るディーラーたちにこそストレスコントロールとそのための食事環境や栄養の摂取についてもっと時間を割いて真剣に考えてもらいたいと思うこのごろです・・

さて、今日は脳に影響を与える7つの原因の7つ目「睡眠不足」についてです。
私がカウンセリングをしているクライアントの中でも悩みの愁訴として常に上位3位までに入ってくるのはこの「睡眠不足」「不眠」です。理由はともかくもそれほど現代人は眠れない生活を送っているということですね。
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ただ、恐ろしいことに多くの方が眠れないことを「いつものことだから・・」「改善はしたいけど仕方がない・・」と半ばあきらめている方が非常に多いことは残念です。
過去に多くの研究者が動物実験ではありますが、不眠状態が2-3週間続くことによって明らかに体調が変化し、中には死に至るケースもあることが報告されています。最もセンセーショナルな報告は1898年にイタリアの精神学研究者のもので、意図的に物理的なストレスを与え続け睡眠を阻害した犬が9日目で死に至り、17日目で全頭が死に至ったという報告です。
眠りのメカニズムについては多くの研究者が研究をしてきています。軽いものは心配や不安による精神的なストレスが慢性的に続くことが原因となるもの、食べたり飲んだりする食材に含まれる興奮やアドレナリンの分泌を促進させていまうものが原因となるものなどがありますが、予想以上に多い原因は「低酸素」による原因です。以前話題にもなった「無呼吸睡眠」というものです。寝ているときに呼吸が止まることで酸素不足になり、脳が一時的に低酸素状態に陥ることによるものですが、低酸素状態は同時にフリーラジカルを作りだすためにフリーラジカルの攻撃に弱い脳細胞は多大な影響を受けることとなります。
現在では無呼吸睡眠の治療方法も進んでいますので、身に覚えのある方は本格的な治療改善をすることをお勧めします。

さて、今日で脳に影響を与える7つの原因の説明は終了です。次回は最終章として脳に影響を与える原因を改善することについてお話します。
by nutmed | 2008-09-19 09:35

シリーズ連載中ですが、今日は嬉しいニュースがありますので少し紹介させてください。

以前このブログでも何回も紹介している乳酸菌ですが、皆さんの中にもヨーグルトやサプリメントで乳酸菌を摂っている方が少なくないと思います。
自覚症状としては確かに便通が良くなったり、じんましんや湿しんがすくなくなったりなどいろいろな効果がありますよね。ご存じのように腸内細菌はいわゆる善玉菌といわれる乳酸菌だけがたくさん繁殖していればいいというものではなく、悪玉菌とよばれている大腸菌群などの菌とのバランスが重要になります。
以前からアメリカやドイツではLGSからはじまる各種症状の確認のために、便による腸内細菌の培養検査を日常的に行いますが、日本ではこのような培養検査で腸内細菌、特に乳酸菌の状態を確認するための検査はほとんど行われていませんでした。以前から友人知人のドクターにお願い、相談をしてこのような乳酸菌検査は重要なので、ぜひ実施してほしいことを言い続けてきたのですが、その甲斐があって、このたび東京お茶の水の神尾記念病院で便による乳酸菌の培養検査を日常的に行ってもらえるようになりました。
この検査で確認する乳酸菌群は以下の菌種です。
・Bacteroidanceae
・Lactobacillus
・Bifidobacterium
材料は便を専用容器で採取します。

LGSの可能性を感じている方、腸に動きを感じられず慢性的な便秘症の方、今飲んでいる乳酸菌の効果確認をしたい方、アレルギー性皮膚炎などをもっている方、慢性疲労の方など、ぜひ1度ご自分の腸内細菌、特に乳酸菌の確認をお勧めします。

この検査の問い合わせは神尾記念病院アンチエイジング外来まで
03-3253ー8228
http://www.kamio.org/biyou/index.html
by nutmed | 2008-09-17 17:58

この連休は友人のドクターと共通の知り合いが東京から移住した山形県鶴岡へ行ってきました。東京から飛行機で1時間の日本海に面した城下町の鶴岡は、東京から比べると確かに人間の刺激や活気には乏しい街ですが、野菜や果物、水には驚くほどの活気に満ちていて、野菜や果物から自然の恵みだけでなく、エネルギーをもらうことができました。
都会に住んでいると「音」と「刺激」に埋もれて生活をしているために、静けさの中にいると人間の五感の範囲を超えた感性が湧き上がることを感じます。

さて、今日は脳に影響を与える7つの原因の6つ目、ストレスについてです。 
以前のブログでもお話ししたコルチゾールというホルモンは、ストレスホルモンと呼ばれるほど、体が受けるストレスのコントロールに深くかかわっています。
コルチゾールの生産と分泌量は男性よりも女性のほうが多いといわれていますが、この背景には一生の間に起こる女性特有のイベントにかかわっているのかもしれません。
神経にかかわる病気や症状におけるコルチゾールの生産量を調べた研究によると、たとえばアルツハイマー症ではその進行度合によってコルチゾールが作られる量が増加することがわかっています。また、うつ病などでもコルチゾールの生産と放出量は増加します。コルチゾールは様々なホルモンの生産や分泌にも影響を与えますが、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)、テストステロン(男性ホルモン)、エストロゲン(女性ホルモン)といった重要な働きを担っているホルモンにも多大な影響を与え、同時にこれらのホルモンのバランスが変わることによって、脳神経にかかわる症状や病気へと発展します。2006年に発表されたJeongらによるマウスを使った実験は非常に興味深い結果をだしています。長い時間慢性的なストレスを与えられたマウスの脳細胞にはアルツハイマー症状特有の状況が現れ、そのストレスをさらに継続することによって記憶力だけでなく、ホルモンの生産量にも大きな変化がみられるようになったというものです。
現代、特に都会で生活している人の受けるストレス状態はまさにこのマウスに近い状態だと言ってもいいと思います。すべての病気は症状が表面や自覚的に現れる以前から進行していることを忘れてはいけないと思います。そしてそれを食い止めることは可能であることも。
by nutmed | 2008-09-16 11:21

以前からこのブログで幾度となく話している胃酸と消化分解ですが、昨日岐阜県に住みこのブログは初回から購読していただいている読者の方から嬉しいメールをいただきました。この2年前から6人家族全員が週に2回は一同に会して夕食を一緒に作り、食事の時にはTVをつけづに「ながら食べ」ではない食事と、全員が食事のときにレモン水を飲みながら1時間をかけてゆっくり食事をし、白米から玄米に変えてきた結果、この2年で長女の生理前症候群がなくなり、おかあさんの頭痛が軽減し、おとうさんの血圧が下がるなど、薬や健康食品に頼ることなく家族全員が健康になっただけでなく、家族の会話がもてることによって家の中が明るくなったという報告をいただきました。このような報告をいただくにつけ、非常にうれしい反面、食生活の1部を改善してもらい、消化分解ということに注意してもらうだけでこれほどの効果があることを実感してもらえることをもっと多くの人に味わってもらいたいと思いました。

さて、今日は脳に影響を与える7つの原因の5つ目 ホモシステインの上昇についてです。
ホモシステインはタンパク質の1種で健康な状態でも多少なりともみなさんの体内、特に血液中に存在するものです。最近ホモシステインのことがテーマになる雑誌やTVの番組では、いかにもホモシステインが悪者扱いをされているものが目立ちますが、このホモシステインは人間にとっては重要不可欠な物質であることを覚えておいてください。
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上の図を見てもらうとわかりますが、ホモシステインはメチオニンというアミノ酸が人間の細胞の抗酸化にとって重要な働きを担っているグルタチオン(Glutathione)やS-アデノシルメチオニン(SAMe)という物質に変化をする源の物質になります。ただ、ホモシステインがグルタチオンやSAMeに正しく変化するためには、ビタミンB群(VB2/VB6/VB12/葉酸)と亜鉛が不可欠になります。ですからホモシステインが正しくグルタチオンやSAMeに変化するためにはこれらのビタミン・ミネラルの補給は欠かせません。
これらのビタミン・ミネラルが食事からの摂取で不足することによってアミノ酸のメチオニンがホモシステインを介してグルタチオンやSAMeに変化しなくなり、血液中にホモシステインの量が増えつづけることによって、心臓の働き、血糖コントロール、がん細胞の発現だけでなく脳の神経組織にも影響を及ぼすことがわかっています。パーキンソン病とアルツハイマー症の患者の血液中ホモシステイン量が健常な人に比べ高いことも研究によってわかりました。
このような神経症状に至る前でも、記憶力や集中力が低下している場合やストレス耐性が低く、うつ症状が現れるケースの中にも血液中のホモシステインの濃度が高くなっている場合が少なくありません。このようなケースでは食生活の背景を調査してみると、圧倒的にビタミンB群の摂取不足が顕著に見られています。
ホモシステインは決して悪者ではありませんが、体内での働き状態が正しくない場合には、体内環境、特に脳の働きに多大な影響をもたらすことは間違いありません。
by nutmed | 2008-09-12 15:53

最近栄養医学研究所に寄せられる問い合わせやカウンセリング要望の中で比較的多いのは、「体重を増やしたい」「太れない・・」という内容です。なんとも減量や痩せたいと願う女性が世の中には多いのにと思われるかもしれませんが、彼女たちの悩みはかなり深刻なものが少なくありません。アメリカでは100人に1人くらいの割合で食べても体重が増えない人は存在しているといいます。日本でも減量・ダイエットばかりが話題になっていますが、きっとこのような症状で悩んでいる人は少なくないと思います。背景には薬、抗うつ剤などの医薬品の影響、ストレスによるものなど様々ですが、何らかの理由で代謝速度が速くなってしまったことによる原因が少なくありません。このテーマについては近いうちに紹介したいと思っています。

さて、今日は脳に影響を与える7つの原因の4つ目、環境性神経毒素についてです。
最近では「公害」という言葉をあまり耳にしなくなりましたが、公害がなくなったわけではなく、「環境汚染」という言葉に変わったものの、確実に人間の脳に影響を与える環境性毒素は増えています。
これらの環境汚染物質は人間の脳の働きの低下を加速してしまうことが様々な研究によってわかり始めています。しかし世界中で1年間に数千種類の新たな化学物質が生まれている現状を考えると、その中に人間の脳に影響を与える物質がかなり含まれていることは疑う余地がありませんね。したがって、脳に影響を与えるか否かの研究よりも新たな化学物質が生まれるスピードのほうが速くて、検証が追い付かない状況といってもいいでしょう。
最近欧米で話題になっている環境性神経毒素の中にジブチルスズ(Dibutyltin)という重金属のスズの化合物があります。あまりなじみのない名前だと思いますが、皆さんの家庭にも必ずあるはずの、ポリ塩化ビニル(PVC)でできた雨どいに含まれていることが多い素材です。ジブチルスズの神経毒性はトリメチルスズなど一般的な神経毒素の40-50倍強いとも言われています。
鉛、水銀といったポピュラーな重金属にいたっては、われわれの生活環境の中にはかなり使われていますので、カナダの環境学のドクターが「現代人が環境性神経毒素に暴露するチャンスは50年前に比べて100倍は高くなっているはずで、アルツハイマーや多発性硬化症などの神経性の病気だけでなく、生活習慣病、うつ病、慢性疲労、不眠、がんなど、今では当たり前になってしまった病気の原因はこのような環境性神経f毒素によって引き金がひかれていることは疑いの余地がないだろう・・」とコメントしていることもうなずけるような気がします。
日本では少し前に「解毒」「DETOX」という言葉が流行して、女性誌や健康雑誌がこぞってそれを特集したことは記憶に新しいと思います。我々の生活環境考えると、もはやこのような環境性神経毒素から逃れることは不可能に近いわけです。ですから、解毒、DETOXは流行で行うmのではなく、残念ながら我々の日常生活の1部として取り入れなければいけない行動の1つであるといえます。
by nutmed | 2008-09-11 15:36

昨日の予想とおりの気圧配置になりましたね!今朝はすがすがしい秋を思わせる陽気でしたが、日中は気温も上昇しています。ただ、乾燥している分過ごしやすいでしょうかね。

さて、今日は脳に影響を与える7つの原因の3つ目「血糖」についてです。
以前のブログでも少しお話した「糖化(Glycation)」ですが、血液中の糖分がタンパク質と結合してしまう状態を「糖化」といいます。この糖化は脳の働きにも様々な影響を与えることが研究によってわかりはじめています。このシリーズの1回目で脳は細胞の酸化に対する抗酸化システムが手薄な細胞組織であることは説明しましたが、脳が酸化に対抗して絶え間なく働くために、脳のエネルギーとなる糖分を脳へ運ぶ必要があります。脳は他の細胞臓器に比べるとたくさんの糖分を必要としています。
糖分(グルコース)が脳でエネルギーとして使われるときには、グルコースは酵素によって分解をされます。このとき2つのアルデヒドとよばれる化学物質によって、脳を走っている動脈の壁や脳の働きにとって重要なたんぱく質と固く結合します。この状態がいわゆる梗塞とよばれるような血管を詰まらせてしまう状況のはじまりになります。これが細胞の糖化でもあります。
つまり、脳が働くために必要なエネルギー源としての糖分(グルコース)は同時に、脳梗塞を招く原因にもなるということです。
脳にエネルギー源としての糖分(グルコース)を送ることは人間が生きていくためには必要不可欠なことですが、同時に脳内で発生する糖化を抑制することも脳の働きに影響のあるトラブルを避けるためには不可欠なことでもあります。
この糖化を防ぐための方法や素材についてはこのシリーズの最終章でまとめて説明しましょう。
by nutmed | 2008-09-09 15:03

このところ気圧配置がようやく秋めいてきたような気がしていましたが、昨日の夕方はさすがに残暑の名残りか、上空の気圧も不安定で激しい雷雨に見舞われました。それでもこれからの季節は大陸からの高気圧がようやく乾いた秋風をもたらしてくれるようなので、安定した晴れ間が続く・・かな・・。

さて、今日は脳に影響を与える7つの原因の2つ目、「成長因子の低下」です。
脳の働きの低下は一般に加齢による影響が大きいことは言うまでもありませんが、この背景には脳へ供給される栄養素供給と成長因子の生産の低下が考えられます。栄養素の供給が能の働きに多大な影響を与えることは理解できると思いますが、成長因子は脳内神経細胞(特に樹状突起など)の成長に大きく関与しています。これらの神経細胞は髪の毛ほどの細さではありますが、神経細胞同士の情報の伝達には不可欠な働きを担っています。
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加齢とともに働きが低下してくるおもな細胞はこれらの細胞で、特に神経成長因子(NGF:Nerve Growth factor)の生産と分泌、アセチルコリンの不足、最近話題のアミノ酸産物のGABA(gamma amino benzoic acid)の合成低下および不足、同じくアミノ酸産物のシチジン、ウリジンの合成低下が深くかかわっています。
また、NGFの生産は十分であっても、NGFを受け止める受容体細胞になんらかのトラブルがあったり、受容体細胞が不足していた場合でも脳の働きは低下してしまいます。
この背景の1つには細胞の糖化(Glycation)がかかわっていることが分かり始めています。
by nutmed | 2008-09-08 10:28