臨床栄養士のひとり言

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第480回 明日からアメリカ

明日から学会出席とDr.ライトのタホマクリニックでの研修があるため、1週間ほどアメリカ出張になります。
今回の目玉は以前にもこのブログで少しだけ紹介した、Dr.ライトがスタートした噂の点滴によるガン療法の内容披露と、アメリカでも最近にわかに増えてきているTILTH農法によるTILTH素材の勉強会です。
TILTH農法は単なるオーガニックを超え、土作りから時間をかけて耕地を育て、そのうえで力のある野菜や果実を育てる農法です。アメリカではオレゴン州を中心に全米にも広がりつつあるこの農法から得られる素材がサプリメントの素材市場に出ることは稀なほどまだまだ収穫量が少ないですが、ここから育った野菜や果実はまさにスーパーフードと言ってもいいでしょう。

今週から来週にかけてはアメリカからこれらのトピックスを紹介することにしますので、帰国するまではマグネシウムの話題はしばらくお休みさせていただきます。

帰国早々の来週末は沖縄で市民講演会がありますので、マグネシウムの話題更新はその翌週からということになると思います・・
by nutmed | 2008-10-29 08:50

第479回 マグネシウム Vol.12 頭痛とマグネシウム

週末、北関東は絶好の紅葉日和だったようです。バイクに乗る友人たちが週末紅葉狩に出かけてきたようで、送られてきた画像をみると鮮やかな黄色、赤の葉が山麓を染めていました。

さて、マグネシウムの話題もそろそろ佳境にはいることになります。今日からは体に現れる具体的な症状とマグネシウムの関係についてお話していきます。今日は頭痛です。
日本でも推定で2000万人以上の人が何らかの原因で頭痛に悩まされているというデータがありますが、頭痛は、多くの場合我慢するか、OTCの頭痛薬でその場を過ぎ去るのを待つことが少なくない症状の1つでしょう。仮に医療施設に行って検査をしても多くの場合血液検査などでは原因を突き止められることは稀ですね。頭痛の原因は20-25のカテゴリーに分けられることがありますが、マグネシウムが背景にあることは意外に多いんです。たとえば・・
生理が終わる日に近いころに限って頭痛が起こる女性のケース
体内ではエストロゲンというホルモンが上昇してきますが、この原因の1つに血中を流れていたマグネシウムが骨や筋肉に取り込まれることがあります。結果として脳内に供給されるマグネシウム量が少なくなり頭痛が発生しやすくなります。
このような経験を持っている女性の場合、生理の中日から後半の時期にマグネシウムを積極的に補充してあげることで頭痛が起こりにくくなるはずです。摂取量の目安はマグネシウムのエレメント量として50-80mgを1日に3-4回がいいと思います。


もし頭痛の原因がわからないで困っている方の中に、カルシウムの摂取過剰の傾向があると心当たりがある方の場合には、マグネシウムを多めに摂取してあげることで頭痛は改善の方向に向かうと思いますよ。カルシウムは血液の凝固作用をもったミネラルですから、過剰にカルシウムが血液内を流れることで骨や筋肉には都合がよくても、末梢血管、特に脳内の末梢血管で微細な凝固が頻繁に発生することによって頭痛も発生しやすくなります。マグネシウムが不足していることでその作用はもっと高まります。マグネシウムはカルシウムとは逆に血液の凝固を抑制する作用があるためにカルシウムの持つ作用とバランスがとれるわけですが、マグネシウムが少くカルシウム優位にある場合には頭痛の頻度も多くなると考えられます。

もう1つの背景には、マグネシウムが脳内の神経伝達物質の生産と働き、それに先日のブログでも書いた「神経興奮毒物」によって起こる頭痛です。マグネシウムは神経興奮毒物の排泄を促してくれる作用もあります。

総じて、マグネシウムには筋肉をリラックスさせる強い作用があるので、頭痛だけでなく肩こりや痙攣(けいれん)が頻繁に発生する場合には、薬で解決する前にマグネシウムの不足を疑ってみるべきでしょうね。
by nutmed | 2008-10-27 17:46

第478回 マグネシウム Vol.11

今朝の関東地方は昨晩から降り続いている雨が一段と強く、路面にしぶきがあがるほど強く振っています。週末はどうやら天気は回復するようですが・・・

昨晩深夜に入ったメールでの問い合わせが少し面白かったので公開回答というよりも私なりの私見を含めて説明したいと思います。
メールの内容はこうでした・・「日本ではカルシウムのことばかりが話題になりますが、佐藤先生のブログでマグネシウムがカルシウムと同じくらい大切なミネラルであることに新鮮さを覚えると同時に、なぜ日本では、それも医師がマグネシウムのことをもっと説明してくれないのか不思議に思いました・・・」
日本でマグネシウムのことがあまり話題にならない背景にはいくつかの原因があると思いますが、まず医師がなぜマグネシウムのことをもっと説明してくれないのか?という点についての私の考え方ですが、これはマグネシウムだけの話ではなく、ほぼすべての栄養素について言えることだと思いますが、医学部での教育課程でほとんど栄養素について履修していないからだということがあげられるでしょう。これは日本だけでなくアメリカでも同じで、同じような質問をアメリカのドクターにすると「私はメディカルスクールで栄養素のことについては教えられても勉強もしていないからわからない。そもそも私は病気を治すことを勉強してきたので、どうやって健康な体をつくるか、については学んでいない・・」という答えが異口同音に返ってきます。 誤解を招かないように付け加えておきますが、Dr.ライトのようにメディカルスクールで「臨床医(MD)」になるための勉強をしてきた後に自己啓発、また手探りで栄養素と病気の関係を探究しまたそれを臨床にも生かして現在のような栄養療法を確立した臨床医は日本をはじめ世界中にたくさんいますが、多くの場合、医療保険のシステムや診療ノルマなどによって、臨床医になった卒後に栄養のことをもっと勉強したくてもそれを阻む環境があることも事実なんだと思っています。

ただ、カルシウムは言うに及ばずマグネシウムについても、多くの臨床医が日常的に治療の中で患者に処方をしていることも事実です。読者の中には「カマ」という言葉を聞いたことがある、または既に常用的に厄介になっている方もいると思いますが、たぶん臨床の中で最も汎用的にマグネシウムがつかわれている場面に登場するのがこの通称「カマ」=酸化マグネシウムだと思います。その目的は便秘改善や大腸ファーバーを飲む前の強制排便のケースがそれになります。
Vol.10で説明したように酸化マグネシウムに含まれるエレメント(元素)としてのマグネシウム含有量はたぶん現状では最も多いと思います。
便秘改善のためにカマを使っている人の中に、便通も改善したけど痙攣(けいれん)や肩こり、背中の張りが減ったという人の話を聞くことが少なくありません。これはまさにマグネシウムの体内での作用の最たるものの1つである筋肉をリラックスさせる作用にほかありません。
このようにマグネシウムはいわゆる健康食品やサプリメントとして健康を維持するためだけではなく、あきらかに治療や症状の改善の目的で臨床場面で汎用的に使われてきた歴史(エビデンス)があるわけです。
ただ、言いかえれば使い方や飲む量、また期待する結果を導くための飲むタイミングなどを間違えると、体内環境にも少なからず影響を与える栄養素の1つともいえます。
by nutmed | 2008-10-24 09:32

第477回 マグネシウム Vol.10

今日はいきなり本題に入ります。
この週末、読者の方から「マグネシウムの摂取で注意することを簡単に教えてください・・」という内容のメールが多かったので、マグネシウムの話題はまだ続きますがここで、注意点を先に説明しておきましょう。

①エレメントとしてのマグネシウム量の多い順番に並べると、酸化マグネシウム、炭酸マ
グネシウム、塩化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウムとなるが、
吸収効率はクエン酸マグネシウムが高い。
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(図が見にくいのでクリックして拡大してから確認してください)
②マグネシウムはカルシウムと一緒に飲むことで相乗的に吸収効率が高まり、そのベスト
な割合は、カルシウム:マグネシウム=2:1。ですが、現在の食生活、ストレスなどをを考えると私は1:1でもいいと思います。
③吸収を促進させるためにビタミンCと一緒に摂る。ビタミンCが豊富なオレンジなどの
果物と一緒でもよい。
④入浴時にエプソムソルト(硫酸マグネシウム)として知られているマグネシウムを湯船
に入れて入浴 することで皮膚からマグネシウムの吸収効果が期待できる。ただし、皮膚に炎症や蕁麻疹のある場合には避ける。
⑤リン酸はマグネシウムの尿中排泄を促すため、リン酸が含まれた食材や飲料水(炭酸飲料水にはリン酸が含まれていることが多い)を避ける。
⑥高脂肪食品はマグネシウムの吸収を抑制するので、高脂肪食品を食べた2-3時間後にマグネシウムを飲んでも効果はあまり期待できない。
⑦多量のビタミンDを摂取する際にはマグネシウムの排泄が促されるので注意する。
⑧アルコールはマグネシウムの排泄を促すので、アルコール飲酒後にマグネシウムを飲んでも吸収量は期待できない。
⑨利尿剤、ギキタリス剤、テトラサイクリン系剤、およびコルチコイド剤を処方服用している場合にはマグネシウムの吸収が抑制、排泄促進されるので注意する。
⑩シュウ酸・フィチン酸はマグネシウムの吸収を抑制するためシュウ酸が含まれる食材には注意する。
 (ホウレンソウ、ココア、アーモンド、きなこetc)
⑪動物性たんぱく質(酸性食材)の食べすぎはマグネシウムの尿中排泄を促すため、食べすぎには注意する。肉類が好きでマグネシウムの積極的な摂取をこころがけている場合には、食事直後にマグネシウムを飲むよりも、胃が空になる2-3時間後に飲む。
⑫マグネシウムを摂取するときはビタミンB6(1日あたり50mgを越えないように注意)を併せて飲むようにすることで、細胞内へのマグネシウムの吸収が促進する。
by nutmed | 2008-10-23 18:26

第476回 箸休話題 EXCITOTOXINS(神経興奮毒物)

しばらくマグネシウムの話題が続いたので、少し箸やすめの話題を1つ紹介したいと思います。
もちろん、マグネシウムのテーマは今しばらく継続しますので、次回をお楽しみに・・

今日の話題はEXCITOTOXINS「神経興奮毒素」についてです。日本では一部を除いてはあまり話題になることがない神経興奮毒素ですが、最近世間をにぎわせているメタミドポスやジクロトポスなど、食品に混入している農薬による食の安全性という点ではかなり昔から問題になっているテーマでもあります。
神経興奮毒素にはたくさんの種類がありますが、薬もその1つといってもいいかもしれません。代表的な神経興奮毒素となる薬は中枢神経興奮剤「リタリン」でしょう。リタリンはうつ病や睡眠障害などで処方されてきた薬です。
これと同じような働きをする物質で我々の身近にあるものがたくさんあります。「天然の神経興奮毒素」と言ってもいいでしょう。 その代表的なものが毎日のように皆さんが食べる動物性植物性を問わずタンパク質の最少単位となっている「アミノ酸」です。アミノ酸の中でもグルタミン酸とアスパラギン酸は、人間の体を構成するタンパク質の源としては不可欠なアミノ酸でもありますが、神経興奮毒素でもあります。では、なぜ毎日のようにタンパク質を摂取していてもグルタミン酸、アスパラギン酸が神経興奮毒素として作用しないのか?という疑問がでてきますね。
それを説明する前に、同じアミノ酸でも、人間が合成した食品添加物などに使用されるグルタミン酸とアスパラギン酸について少しお話しておく必要があります。
MSG(monosodium glutamate:グルタミン酸ナトリウム)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。世界的に使われていて、最近ではアミノ酸飲料でオリンピック選手のサポートなども手掛けている某大手調味料メーカーの調味料や中国で作られている化学調味料(日本ではこの言葉は使わなくなったそうです・・)の主成分がこのMSGです。MSGはシイタケ、コンブなどに含まれるいわゆる「うま味成分」で、某調味料も開発当初はこれらの天然素材から抽出したものを使っていたようですが、現在ではサトウキビの搾りかすや石油系材料を発酵させたものを使っているという話を聞いたことがあります。
この某調味料含有食品は現在の日本の食生活から切り離すことは不可能なほど日常の食生活に密着をしています。
さて、このMSGは体内で分解されると非常にアクティブなアミノ酸に変化します。一般にはこの状態のアミノ酸のことを「フリー(遊離)」のアミノ酸と呼びます。
ここで食材に含まれるグルタミン酸とアスパラギン酸に話をもどしますが、MSGから変化するこれらのアミノ酸がアクティブな状態であるのに対して、食材のタンパク質が分解したアミノ酸は、アミン酸同志が結合した状態となり、フリーアミノ酸のように神経に対して過剰な影響を与えることは多くはありません。
日本ではあまりMSGと食の安全とのかかわりについては取り上げられることはありませんが、ためしにネットで「MSG」または「グルタミン酸ナトリウム」で検索してもらうと欧米ではいかにMSGによる体内環境への影響を懸念しているかがわかると思います。

日本では19991年7月から食品添加物の表示が変わりMSGだけの場合は「調味料(アミノ酸)」と書き核酸系(合成MSGを含む)などほかの調味料が混ざったものは「調味料(アミノ酸等)」と表示されることになったために、食品のラベルを一見しただけでは合成されたMSGが添加されてものか否かの識別は難しい状況もあります。
by nutmed | 2008-10-22 17:17

第475回マグネシウム Vol.9

昨晩というか真夜中12時を回ったころに、久しぶりに私の師匠であるシアトル、タホマクリニックのDr.ジョナサン・ライトと1時間ほど電話で喋ることになりました。話題は、彼がこの数年多忙を極めているバイオアイデンティカルホルモンとその研究会や講演会でほとんどシアトルにいない日が多くフラストレーションが溜まっていること。彼は基本的に臨床医ですから、患者を治療することが最大の喜びでもあります。もう1つの話題は、新たな「がん治療」についてでした。最近、日本でも欧米を追随するようにビタミンCの大量点滴療法が盛んになりはじめ、特にがんの治療分野でも有効性が証明されはじめています。今回Dr.ライトから聞いた新たながん治療法は、同じ点滴によるものではありますが、副作用がほぼ0に近く、いままでにかなりの研究をされエビデンスを持った、逆に言えば言い尽くされているような物質を用いた点滴療法です。
ちょうど私は11月4・5日とタホマクリニックでの研修がありDr.ライトともゆっくり時間をとって話すチャンスがあるので、ことの詳細をじっくりと聞いてこようと思っています。

さて、唐突ですが、皆さんはカルシウムとマグネシウムの最適な摂取比率をご存じでしょうか?
最近は健康雑誌やメディアでもこの黄金比について書かれていたり説明されているので、頭のどこかに残っているかもしれませんね。俗に、カルシウムが2、マグネシウムが1で2:1の割合が人間の体にとっては最も適しているといわれています。
しかし、アメリカの国立栄養研究所の書いている書物を見てみると、かなり昔、そう100年ほど前の人たちが食事から得ていたこのカルシウム:マグネシウム比を平均したところ、限りなく1:1に近いことがわかったようです。それに比べ、現代人のカルシウムとマグネシウムの摂取比を調査してみると、欧米でも日本でも5:1から15:1であり、カルシウムの摂取量がマグネシウムの10倍以上のケースが珍しくないということです。
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これは、政治的な背景を含め、この数十年間に世界中で積極的なカルシウム摂取を啓蒙してきた結果であると思います。俗に「Milk Positive」といいますが、「カルシウム不足=骨がもろくなる}という図式が鮮明に打ち出され、社会の高齢化が追い風となってこの公式はますます強くなってきたように思われます。ただ、私があまり納得できないのは、「カルシウム不足=骨がもろくなる=牛乳を飲めば解決」という公式です。この話題を話し出すと1日では終わりませんのでまた時間を見てということに・・・

今までの8回でマグネシウムの性格と、マグネシウムは他のミネラル、特にカルシウムとは密接な関係にあるミネラルであることを話してきました。カルシウムもマグネシウムも吸収とその後の代謝には互いが必ず必要になる関係にあるわけです。どちらが多すぎても少なすぎても好ましくはないどころか、逆に体内環境への影響がでることが少なくはないともいえます。

その点では残念なことに日本の市場で販売されているカルシウムのサプリメントにマグネシウムを上手に配合しているものは多くないと言わざるをえません。

今日の最後に皆さんに1つ注意していただくべきことをお話しておきます。
カルシウムやマグネシウムの摂取比率など、栄養素の話では切っても切れないこの「摂取率」ですが、体内での代謝を考慮した研究であればいざ知らず、日本で行われている「国民栄養調査」などを含め多くの場合には、「食べた食材またはサプリメントなどに含有されている栄養素」を単純に合計し、口に入る前の段階でそれぞれの栄養素がどのくらいあり、摂取したかという数字が出されているわけです。ここで、よく考えなければいけないのは、食べたり飲んだりしたものがすべて体内で作用するわけではないということですね。まず、考えなければいけないファクターは消化分解能力です。ここに年齢やストレスの大小、病気の有無、飲んでいる薬の有無など様々なファクターが関与してくるわけです。
私は講演会での質問やメールでの問い合わせでも「この2つの栄養素はどのくらいの比率で摂取すればいいですか?」という類の難問を投げかけられることがありますが、大抵の場合「あなたの現在の食事や住環境、ストレス耐性の高低から考えて、あなたが最も体調やバランス、場合によっては気分がいいと感じる比率をまず参考にしてみるといいですよ」とお答えしています。
by nutmed | 2008-10-21 11:39

第474回マグネシウム Vol.8 吸収を阻害するもの

最近、友人のドクターが独立して吉祥寺駅前でクリニックを開業しました。整形外科の彼の専門はリウマチなんですが、栄養療法やアンチエイジングにも精通している優秀なドクターです。
お近くの方や西東京方面の方には朗報だと思いますので、少し紹介しておきます。
岡田クリニック:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-4-14三宅ビル5階0422-26-9029
URL:http://www.okada-cli.com

さて、今日はマグネシウムの吸収を阻害してしまう色々な原因背景を紹介します。

マグネシウムは小腸で吸収が始まりますが、胃酸の分泌が十分であったとしても、残念ながら摂取したマグネシウム量の50%前後は便や尿から体外排泄されてしまい、平均して吸収されるマグネシウム量は摂取量の50%前後だと言われています。
マグネシウムの吸収に影響を与える要因
1、小腸、十二指腸の機能低下
2、マグネシウムが吸収される際に必要となるたんぱく質不足(合成不良)
3、副甲状腺ホルモンの分泌
4、水分補給の不足
5、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、ラクトース(乳糖)の過剰摂取
  (これらの物質はマグネシウムの吸収を阻害する)
6、鉄の過剰摂取(鉄が過剰になるとマグネシウムの吸収を抑える。また逆にマグネシウムの過剰摂取によって鉄の吸収も抑えられる)もし、貧血ぎみで鉄分を摂取するのであれば、鉄を摂取してから3-4時間後にマグネシウムを摂取すると良い
7、シュウ酸はマグネシウムの吸収を抑制する(シュウ酸はホウレンソウやチャードなどに含まれている)
8、フィチン酸はマグネシウムの吸収を抑制する(フィチン酸は大豆や小麦胚芽などに含まれる)

シュウ酸について
 シュウ酸は食物に含まれている自然由来の酸で、マグネシウムだけでなくカルシウムの吸収も阻害します。リンゴ、アスパラガス、紅茶、ブラックベリー、甜菜(ビート)、甜菜の葉、チョコレート、ココア、クランベリー、干しブドウ(赤)、グズベリー、ブドウ、ピーマン、スモモ、ラズベリー、ダイオウ、ホウレンソウ、チャード、イチゴ、トマトを摂りすぎないように注意します。幸いなことに、シュウ酸は熱を加えると破壊されます。したがって、アスパラガス、甜菜、甜菜の葉、フダンソウ、クランベリー、ピーマン、ダイオウ、ホウレンソウは調理して食すのにベストな食材であるといえます。
フィチン酸について
何千年ものあいだ、世界中のあらゆる食の伝承文化において、全粒穀類は、水に浸す、発酵させるなどの準備をしたうえで調理されてきました。すべての穀類とマメ科植物にはフィチン酸塩と呼ばれる物質が含まれていることを現代科学が発見したことにより、伝承文化における調理法が智恵にもとづいたものであることが明らかになりました。フィチン酸は、穀類の外皮やマメ科植物の種皮に含まれています。フィチン酸は腸管のなかでマグネシウム(さらに、鉄、カルシウム、リン、亜鉛とも)と結合して吸収を阻害します。フィチン酸塩を過剰に摂ると、深刻なミネラル不足、アレルギー、腸の痛み、骨量の減少を引き起こしかねません。あらゆる穀類にフィチン酸塩が含まれていますが、小麦、オート麦、豆乳にはとくに多く含まれています。では、どうすればよいのでしょうか?簡単です。穀類(大豆、オート麦、粟、ライ麦、大麦など)を料理するまえに一晩水に浸しておくだけでよいのです。また、味噌、醤油など発酵食品はフィチン酸塩を破壊するので好きなだけ使うとよいでしょう。しかし、豆腐、豆乳、大豆加工パウダーは発酵させてないので、フィチン酸塩が含まれています。したがって、制限して摂る必要があります。発芽パン、サワー種で膨らませたパンは長時間の発酵を経て作られているので、フィチン酸塩はほとんど含まれていません。そのほかのパンはすべてフィチン酸塩を多く含んでいるので注意してください。
by nutmed | 2008-10-17 10:39

第473回 マグネシウム Vol.7 マグネシウムと胃酸

昨晩、山形県鶴岡に住む友人が上京して、久しぶりに旧交を温めたときの話です。彼は以前は東京のど真ん中に住んでいましたが、思うところがあって昨年から鶴岡に居を移しています。仕事の関係で月に数回は上京してますが、東京ではホテル暮らしで、いつもは2-3日で鶴岡に帰るそうですが、3-4日東京に滞在しなければいけないときには、3日目を過ぎるとホテルのシャワーを浴びていると体に蕁麻疹のようなものが現れるそうです。これはホテルが変わっても同じそうで、きっとそれだけ東京の水が悪いということなのかもしれませんね・・
以前からも話しているように、東京や大阪などの大都市に住んで仕事をしている人に比べると、圧倒的に地方に住んでいる人のほうが体調はいいはずで、それは私の身近にいる何人もの人で経験しています。サプリメントや健康食品の摂り方も本当は「都市型」と「地方型」があるはずなんですね・・

さて、話題はマグネシウムです。
マグネシウムの吸収には胃で分泌される強酸の胃酸と小腸における吸収プロセスが大きく影響します。
胃酸とストレスの関係については皆の多くが少なくとも1度や2度は感じた経験をお持ちだと思いますが、ストレスが高くなることで十分な胃酸の分泌ができなくなり、胃が痛くなったり、消化不良で便通が滞ったりしますよね。
胃酸は食物を正しく消化分解するための液体であると同時に、マグネシウムなどのミネラルが次の小腸・十二指腸で正しく吸収される形に化学的な変化を与える工程で不可欠な強酸でもあります。
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不謹慎ながら、面白いことに高齢者および、関節痛、骨粗鬆症、うつ病、糖尿病、胆石、歯肉炎を患っている方の中には胃酸の分泌能力が低下している方が少なくないというデータがあり、またこれらの方の爪や毛髪分析をしてみるとマグネシウムが不足していることも少なくありません。

日本で販売されているOTC(薬局で販売される薬)の中でも、胃酸を中和する目的の制酸剤は相変わらず売上の上位に入っていると思いますが、カルシウム同様、マグネシウムも小腸・十二指腸で吸収されるためには「酸」が不可欠になります。この酸を強いアルカリ性物質(多くの場合は強いアルカリ性のミネラルであるカルシウムやマグネシウムそのものを主成分として配合した制酸剤)によって胃液がアルカリ性に傾くことは、マグネシウムをはじめとする、吸収プロセスで酸を必要とするミネラルの吸収を著しく低下させてしまうことにもなります。

さて、ここで、以前からずっと私のブログを購読していただいている読者の中には、「矛盾」を感じている方がいると思います。私は以前からマグネシウムとカルシウムをサプリメントとして飲む場合の注意点として、「早朝の空腹時にはじまって、4-5時間おきになるべく食前または食事をしてから2-3時間後に飲むように」と説明してきたからです。このことを思い出した方は、私が言ったもう1つのことを思い出してください。「マグネシウムとカルシウムをサプリメントとして選択するときには、可能であればクエン酸と結合しているクエン酸マグネシウムまたはクエン酸カルシウムがベストで、不可能であればカルシウムとマグネシウムを飲むときには酸味の強いレモン水やクエン酸の多く含まれた飲み物(ただし甘味は不要!)と一緒に飲むように」と説明してきています。
by nutmed | 2008-10-16 11:40

第472回 マグネシウム Vol.6 加工食品のマグネシウム

この1週間の世界的な金融市場の対応を見ていて、「公的資金の投入」というくだりが、人間がサプリメントを摂ることに少し似ているかもしれない・・と思っているのは私だけでしょうか・・毎日のように乱高下する株価や為替の数字は、肝臓や心臓、脳の働きを示す血液検査の数値のようでもあり、上がり下がりに一喜一憂している人の様子は、まさに自分の健康問題のようにも思えます。

さて、今日からはそろそろマグネシウムの生活感のある情報に入っていきたいと思います。
今日は、加工食品や精製食品に含まれるマグネシウム、というよりも加工されたり精製されることによってどれほどのマグネシウムが無くなってしまうのかについてお話します。
私たちの毎日の食生活で使う、米、小麦、砂糖、油には本来たくさんのミネラルが含まれていますが、マグネシウムはカルシウムと同様に含有量の多いミネラルの1つでもあります。人間をはじめ、ほとんどの動植物が生きていくための「SPARK MINERAL」としてマグネシウムが必要不可欠であるともいえます。
ここにこんなデータがあります。人間が食べやすいように、また保存がきくように、そしておいしくたべることができる目的によって加工、精製という工程を踏むことで、どれほどのマグネシウムが損失してしまうかという数値です。

1、小麦を精製して漂白した小麦粉には本来存在するマグネシウムのわずか20%しか残らない
2、玄米を磨いて精製した白米には本来存在するマグネシウムのわずか17%しか残らない
3、トウモロコシを精製したスターチには本来存在するマグネシウムのわずか3%しか残らない
4、糖蜜を精製漂白した砂糖には本来存在するマグネシウムのわずか1%しか残らない


どうですか?折角自然の植物が蓄積しているマグネシウムが、加工処理によってこれほど削り落とされているんですね。

サプリメントで摂るマグネシウムと自然の動植物の恩恵として摂るマグネシウムの違いを考えてみると、人間と同じ動植物が自分の体の細胞にとって最も最適な形で吸収したマグネシウムであるわけですから、同じ生き物である人間の細胞にとっても最適な「バイオアクティブ」な形をしたマグネシウムであるといえるのではないかと思います。
by nutmed | 2008-10-15 12:17

第470回 マグネシウム Vol.4

昨日は大好きなジョン・レノンの誕生日でした。1940年10月9日に生まれた彼が生きていれば68歳ということになります。そんなわけで昨日はFM各局でも彼のノートが流れる時間が多かったような気がします。一番好きな曲は「イマジン」なんです。皆さんは「キリングフィールド」というピューリッツア賞を受賞したジャーナリスト(シドニー・シャンバーグ)の実話の映画をご存じでしょうか?イマジンはこの映画のラストシーンで流れてくる曲なんですが、私はイマジンが流れてくるとあのラストシーンの情景を今でも思い出して涙してしまいます・・
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さて、今日はマグネシウムの4回目です。
ここまでマグネシウムの働きや重要性の高いミネラルである一端を理解していただけたかと思いますが、今日はその役割の一部をもう少し詳しくお話します。

マグネシウムが担っている体内での働きは100以上にも及びますが、以下の5つのカテゴリーに大きく大別されるといえるでしょう。
1、体内における様々な生化学的な反応の過程で必要となる触媒としての酵素の働きを助ける 「補酵素」としての働き
マグネシウムが「補酵素」としてその働きをサポートする酵素は現在わかっているだけでも実に325種類あります。
2、エネルギーを作り出し、それを運搬する働き
最近日本でもビタミンB群は脂肪燃焼ビタミンといわれていますが、その背景にはビタミンB群がエネルギーを作り出す反応過程で必ず必要になるからです。そのビタミンB群が働くためにはマグネシウムが不可欠であることはあまり知られていませんね。マグネシウムもビタミンB群も食欲、消化分解、吸収、およびタンパク質・脂肪・炭水化物をエネルギーに変換するために必要な酵素の働きには不可欠な栄養素なんです。
3、タンパク質の合成
食事から摂取したタンパク質をアミノ酸まで分解し、再びアミノ酸を合成して体に必要なたんぱく質を合成するためには酵素が不可欠であると同時に、マグネシウムも直接的に必要なミネラルです。
4、神経情報の伝達を抑制または促進する働き
前回マグネシウムは細胞に取り込まれるカルシウムの量をコントロールしていることを説明しましたが、脳内で処理される情報の伝達にはカルシウムも深くかかわっていて、マグネシウムはこのカルシウムが情報伝達を担う神経細胞に取り込まれる量をコントロールしています。
5、筋肉細胞をリラックスさせる働き
カルシウムが筋肉の収縮作用に対して働くのに対して、マグネシウムは逆に筋肉を弛緩させてリラックスをさせる作用があります。人間の体は心臓をはじめ筋肉細胞が体全体に張り巡らされています。そのため、肩こり、まぶたがピクピクと動くような痙攣(けいれん)から、気管支炎、ぜんそく、生理痛などにいたるまで、筋肉の収縮弛緩にかかわる症状の背景にはカルシウムとマグネシウムの存在は切っても切れないものです。多くの場合にはカルシウムとマグネシウムのどちらかが過剰または不足していることによりこのような症状が現れる背景にあると言ってもいいでしょう。以前から言っているように、日本ではカルシウム、カルシウムと、老若男女がこぞってカルシウムを摂りますね。まあ幸いにも一生懸命摂っていただいているカルシウムが吸収し難いカルシウムであることと、飲む時間やタイミングが間違っていることが多いために、大きな問題には至らないという何とも皮肉な結果であるとは思いますが、それでも、肩こりやそこからくる目の疲労、気管支炎、ぜんそく患者が多くなったこと、また生理痛が激しい女性が多いことは、私の立場から言えば圧倒的にマグネシウムの摂取不足と不良によるものだと思ってはいます・・

さあ、今週末から3連休の方も多いでしょう。こんなときこそご家族で団欒の食事をしながら食事の仕方、栄養素のことなどを語り合って、秋の旬の恵みの恩恵を受けてくださいね・・
by nutmed | 2008-10-10 16:06