臨床栄養士のひとり言

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第538回 ビタミンK 食材と1日摂取量の目安

今日の東京は朝から雨ですが、冬の雨というほど冷たくはないかもしれません。
最近このブログも急激にアクセス数が多くなっています。また医療従事者、特に臨床医のアクセスが増えているようです。昨年はじめから病院とクリニックで本格的に栄養カウンセリングを行うようになったことや、この1月から栄養療法に興味があるドクター・看護師たちと月に1回の勉強会をスタートしたことも背景にはあるのでしょう。

さて、今日はビタミンKの3回目です。
ビタミンKの1日に摂取したほうがいいと推奨されている量はほかのビタミンに比べてそれほど多くはありません。日本では成人男女でも60-80μg(マイクログラム)、アメリカでも65-80μg、オーストラリアでは少し多くて、75-150μgとされています。
皆さんもあまり心当たりがないと感じるほど、日本ではビタミンKだけの単独のサプリメントはまずお目にかかることはないと思います。
その理由の1つには、上記のように1日あたりに必要とされているビタミンKの摂取量がそれほど多くはなく、かつその量は日本人が平均的に食べている食材からかなり摂取できること。2つめはビタミンKは大腸近辺に生息する乳酸菌によっても作られるために、ビタミンKの不足に陥ることは稀だと言われていました・・・今までは。
予断ですが、アメリカではネズミの害から畑の作物をふせぐために使われる殺鼠剤(さっそざい)の中には、ネズミをビタミンK不足にさせて体内で出血をおこさせて殺す薬剤がありますが、この主成分は前回お話したビタミンKの働きとは逆の働きをもつ薬(ワーファリン、クマリンなど)、つまり血液を固まりにくくする薬がつかわれています。

ちなみに100gあたりの食材にどれくらいのビタミンKが含まれているかを見てみると・・・・
海苔:2600μg
納豆:930μg
しその葉:690μg
乾燥わかめ:660μg
ブロッコリ:320μg
大豆油:210μg
水菜:120μg

このあたりは結構多いですね。

脂溶性のビタミンKは胆汁酸や膵液とからみあって、小腸から吸収され、脂質(カイロミクロン)と結合して血液中に入り、肝臓に運ばれます。

成人男女ではビタミンKの不足はあまり問題にはされてきませんでした。ビタミンKの不足に注意が促されてきたのは、妊婦さん、生理出血が多い女性、骨密度が低下している場合などがいままでの対象者でした。
妊婦さんの場合には、出産後の新生児の腸内細菌が少ないために、ビタミンKの体内で供給不足になることがあるためです。

ただ、最近欧米やオーストラリアでは、現代人の食生活からくるビタミンKの不足が、現代人病といわれているいろいろな症状の背景にかかわっている可能性が高いと報告されはじめています。

次回はビタミンKの不足の症状について・・・
by nutmed | 2009-01-30 16:50

第537回 ビタミンK その2

今朝の東京は少し肌寒い曇天。午後からは晴れるようです。この季節、何よりもうれしいのは太陽の日差しですね。日陰をさけて陽だまりにたたずむと、体の中心温度がグングンと上昇してきます。それとともに元気も!

さて、今日はビタミンKの2回目です。
ビタミンKには前回お話した働き・作用のほかに、体内でのカルシウムの調整に重要な働きを持つビタミンでもあります。ビタミンKの過不足によってバランスが崩れることによって、カルシウムの作用、特にカルシウム不足や代謝に影響を受ける骨そしょう症、逆にカルシウム過剰や代謝異常に影響を受ける血管内の石灰化を引き起こすことがあります。
それを考えるとビタミンKは体内のカルシウムのバランス調整には「必須ビタミン」であるといってもいいでしょう。
皆さんの中には「ワーファリン(Coumadin)」という薬の名前を聞いたことがある方がいると思います。この薬は言ってみれば血液を固まりにくくするための薬です。この薬をドクターや薬剤師からもらうときには必ずその注意の最初に「ビタミンKの多く含まれる食材は避けるように」という指導を受けるはずです。それはビタミンKがこのワーファリンの作用に反する、血液を固まりにくくする働きを持っているからです。この薬を服用している場合のもう1つの注意点には、ビタミンKの不足にかかわる注意が指導されますが、それはビタミンKが不足することによってカルシウムの代謝に大きく影響がでてくるためです。アメリカの研究者によると、ワーファリンなど、血液を固まりにくくする薬を服用している人は、薬を服用していない人に比べて骨そしょう症になる危険率が2倍ー3倍高くなるという報告があります。

日本でもアメリカでも、病院で処方される薬の注意指導の中に、「この薬を飲むときにはビタミンXXの多い食品には注意してください・・」というものは多くはないことを考えると、ビタミンKはそれほど影響が大きいビタミンであるともいえます。
by nutmed | 2009-01-28 13:44

第536回 実はスーパースターです ビタミンK

今朝の東京は昨晩からの雨が残っているものの、小春日和の陽気になる予報。大寒も過ぎ、これから春に向かって・・と期待していたら週末は関東にはかなり強力な寒波来襲の予報です。
再三の話ですがインフルエンザがかなり流行していて各地で注意から「警報」レベルまでに至っていますので、予防は十分にしてください。

さて、今日からしばらくビタミンKをテーマに進めていきます。
ビタミンKはほかのビタミンに比べると、あまり話題にはならない地味なビタミンのようですが、とんでもない! ビタミンKはある意味ではビタミンのスーパースターともいえるビタミンなんです。
ビタミンKは現在までに7種類の存在がわかっています。自然界に存在するのはその中のビタミンK1(フィロキノン)とK2(メナキノン)になります。ビタミンKはよく「血液凝固ビタミン」とか「骨のビタミン」と呼ばれています。それにはビタミンKの働きが背景にあって、ビタミンKがグルタミン酸というアミノ酸に「補酵素」として作用し、血液が定常に凝固するために働くことと、血液が固まるために必要な物質がカルシウムと結合できるように働くことにあります。骨粗鬆症治療のためにに処方される(メナテトレノン)という薬がありますが、これもビタミンK製剤です。

ビタミンKが不足することによって現れる症状としては鼻血が出やすい、胃腸からの出血、生理のときの出血が多い、血尿、血液が固まりにくいなど血液の凝固にかかわる症状のほか、骨折をしやくくなったり、骨の密度が低くなるなどの症状が現れます。このほか、リウマチの痛みの軽減にも有効であることが期待されており、2008年6月に日本人の研究者による研究にビタミンKとリウマチのことが報告されいて、コラーゲンにかかわるリウマチの痛みの軽減にビタミンK2が有効であることが報告されています。

これに加えて最近の海外の研究によると、老化抑制、前立腺がんの治療にもかかわることが報告されていて、現代生活がかかえる問題の改善のためのビタミンとして大きな期待が持てるビタミンといえます。


次回はビタミンKの必要量と食材について・・・
by nutmed | 2009-01-23 11:55

第535回 戦うシェフ 最終回

今日の東京は朝から冷たい雨です。オバマ大統領の就任式も何事もなく無事に終わって何よりでした。ライブ中継で見ていたので今日もその影響か睡眠不足の1日です。

さて、戦うシェフ、ムッシュ高木との出会いの紹介、今日は最終回です。
先週末のムッシュ高木との出会いで、一番印象的、かつ「やられた!」と感じたことが1つあります。
それは、ムッシュが考案した純国産、小豆島で育ち、絞られたエキストラバージンのオリーブオイルの商品でした。日本で流通しているオリーブオイルの90%以上はアメリカや地中海など海外からのもので、品質もピンキリです。昨年末のブログでも紹介した「その土地の水」の中でも書いていますが、日本人の体のしくみや生活習慣に最も適している食材や水は、その人が生まれ育った国や土地で作られた素材であるような気がしています。もちろん科学的な根拠があるわけではなく、あくまでも漠然とした感性によるものですが。
その点から考えると、小豆島で育った純国産のオリーブオイルには、必須脂肪酸の含有量という問題だけでない、日本人にとって優良な素材であるような気がしていました。ただ、収穫量が僅少であるがゆえに、価格自体も一般的なオリーブオイルに比較して高価であることも間違いありません。
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一方でその価格に見合うだけの価値は非常に高いともいえます。
私が「やられた!」と思ったのはその素材そのものであると同時に、ムッシュ高木の洒落のきいた商品のネーミングです。その名も「Anti 老いる(オイル)」ですからね! オリーブオイルに含まれる必須脂肪酸は、まさに細胞が化学物質やストレスによって酸化し、実際の年齢以上に細胞の老化速度を速めてしまう、現代社会にあっては最高の抗酸化機能素材であり、「不用意な老いを防ぐ」ための素材であることに疑いの余地はありません。
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ムッシュはこのオリーブオイルの使い方にもこだわりのエッセンスを加えています。それは、各地で料理教室やセミナーを行ってきたムッシュの経験ならではのエッセンスでした。
ムッシュ高木のオリーブオイル商品には、オリーブオイルのほかに、アトマイザースプレーの容器がセットされています。この中にオリーブオイルを入れ、付属の道具で数回ポンピングして容器の中に空気を圧縮させることで、ガスを使わずに簡単にエコスプレーとして、オリーブオイルを噴霧することができます。
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このようにオイルをスプレーすることで、ドレッシングや料理をつくるときに「オリーブオイルを大さじ何杯・・」ということを考えなくても、「スプレーを何回・・」と簡単に料理に使うことができること、また、携帯できる容器なので、外出時でも「マイオリーブオイル」として使い道が広がるわけですね。
私が感じたのは、小豆島のエキストラバージンオリーブオイルならば、スプレーに入れて顔や皮膚に噴霧することも可能だろうと・・・ 特にアトピー皮膚炎の方の患部の保湿や炎症を抑えるためには有効だろうと思いました。

あっという間の2日間でしたが、ムッシュ高木の食に対する考え方、素材に対する考え方に触れ、私自身も元気をもらっただけでなく、いつか必ずムッシュ高木と一緒に食に関するセミナーを開催してみたいと思いましたね。
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ぜひ皆さんも木更津方面やアクアラインを利用して房総方面にお出かけの折には、カズサアカデミアパークホテルに寄られて、ムッシュ高木の食の真髄に触れてみてはいかがでしょうか。
by nutmed | 2009-01-22 16:17

第534回 戦うシェフムッシュ高木の底力!

昨日の東京は3月下旬の気温まで上昇したようですが、やはり1月、夕方からは一段と冷え込みました。そろそろ梅の開花の声が聞こえてくる季節です。

さて、今日も前回の戦うシェフの続きです。
ムッシュ高木という人はユーモアのセンスも一流です。そして洒落も面白い。
ホテルオークラといえば世界のオークラ、そして日本を代表する老舗のホテルです。格式だけでなく、カスタマーサービスの点でも超級ホテルですよね。そんなオークラにあって、ムッシュ高木は、ご自分でも「私は異端児ですよ」と言われるほど、オークラホテルでは考えられないような荒行を試みています。敷居の高いせもあり私はオークラホテルに足を運ぶことは中々ないですが、それでもオークラホテルのシェフが自ら考案した食品の販売を手掛けるという話は今まで聞いたことも見たこともありませんでしたが、ムッシュ高木は、もしオークラホテルに不文律があるのだとすればそれを果敢に打破するようなアイデアと実行力を見せる、まさにオークラホテルの中では異端児なのかもしれません。でも私はそのムッシュの異端ぶりを大いに評価するとともに、エールを送りたいと思っています。だからこそムッシュ高木の料理や食材に魅力を感じるファンがたくさんいるのでしょうね。

この週末、ムッシュ高木の経験と感性に基づくアイデアから生み出された数々の食材を紹介していただき、また味わせていただきましたが、どれもムッシュの「気持ち」がこめられた素材でした。もうひとつ、ムッシュ高木がお客様に対するさりげない、それでいて心憎い気遣いが、すべての商品に冠される「ごあんぜんに」マークでしょう。ムッシュはこのマークについてこう語っています。
d0070361_10134095.jpg 「ごあんぜんに」シリーズには、私の横顔がイメージされているシールが貼られています。食品に対しての安全という点で、私がinspector(検査者・監督者)となってチェックして、調べられる限りのことを調べ私が認証したものにシールをつけることにしました。このシールがついている商品は、私が責任をもっていろんな証明ができるという商品です。特定・認定の農場で作っている商品などということも含めてですね。
ムッシュ高木が考案した商品はもちろんかずさアカデミアパークホテルオークラの売店でも購入はできますし、ネット通販でも購入ができます。
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とまと、しょうが、たまねぎ、ヤーコンを素材としたジャムは、通常のジャムとしてもおいしいですが、ステーキソースやサラダドレッシングとしてもおいしくいただけました。一切の保存料を使わずに、あえて賞味期限を「40日間」としているジャムです。
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日本ではフラックスオイルは中々普及に時間がかかっていますが、ムッシュ高木はフラックスオイルの持つ機能素材としてのすばらしさを知り、ホテル内のレストランで出されるメニューにも多用しているそうです。カナダで栽培され収穫されたフラックスの実を厳選してオメガ-3脂肪酸を壊さずに低い温度で絞られたオイルをこの遮光ボトルに充填させているところは、フラックスオイルに対する愛情と、オイルの性質についての知識がなければ中々できないことですね。

次回はムッシュ高木の老化抑制にかかわる素材について・・・
by nutmed | 2009-01-20 10:37

第523回 2009年出会いシリーズ 戦うシェフとの出会い

今日の東京は昨晩からの雨もあがり、朝から気温が一気に上昇し3月中旬の陽気です。
先週月曜日に、昨年3月から木更津からほど近い「カズサアカデミアパークホテルオークラ」の広報の仕事をしている古い友人が数年ぶりにオフィスにやってきて、カズサアカデミアパークホテルオークラの総料理長にぜひ会って欲しいから週末に遊びに来てくれないか、とのことで早速先週末の土日に1泊でご招待に預かってきました。
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今日から数回にわけてここで出会った「ムッシュ高木」という総料理長にまつわる話題を少し紹介させていただこうと思います。

オークラアカデミアパークホテル総料理長 高木 裕美知(たかぎ・ひろみち)、通称「ムッシュ高木」さんに会った途端に感じたのはオーラで、とにかくパワーがあります。
d0070361_12183145.jpgムッシュ高木が考える食とは?
「私が提案しているのは「食べて健康になる」ということです。サプリメントではなく、食事で自分の肉体に取り入れていく。それには、まず「噛む」。噛むことで脳波に振動を与え、脊髄を通ってアクションを起こします。そうしないと、どんどん退化してしまうと思うのです。口に入れたものは30~70回も噛んで、咀嚼して、自分の唾液にある消化酵素が身体のために働いていくのです。私は噛むことを推奨するために、いろんな素材を使って料理を作っています。それが元気になる源と思っているからです。 」

ムッシュの話を聞くうちに、食に対するコンセプトが私のそれに限りなく近いこともあり、その話術だけでなく魅力に引き込まれていきました。ムッシュ高木の知識の広さと、その説得力の背景には、ムッシュが一流の料理人であるという単純な話ではなく、ムッシュの食に対する考え方を基本とした食材選択、調理方法、そして私が常に言っている人間の栄養素の消化分解、吸収と代謝のメカニズムを考えた食べ方、食べさせ方の基本理念がしっかりと息づいているからにほかありません。私も栄養学者ではありますが、より人間の「食べる」「喰う」という行動の現場に近いところにいて、自らの経験と自己啓発によって得てきた知識、それに加えてムッシュも持つ感性と、「おいしく食べる」という料理人ならではの感覚によって作りあげられてきたもので、私がウンチクを話すよりも一層説得力があることは言うまでもありません。
土曜日の夕食はムッシュ高木考案のメニューをいただきました。
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ムッシュ高木は、極力地元千葉県産の素材を料理に使いますが、地元素材の持ち味を引き出しおいしく食べる、という単純なものではないことは味わってみてわかったような気がします。昨今は、有名処のレストランシェフが地元素材にこだわったメニュー開発をして振る舞うことが少なくありませんが、ムッシュの料理には人間の栄養素の消化分解と吸収のしくみを考えた調理の仕方、ソースの作り方、組み合わせ方の妙があるように思います。また、コタラヒムやカバノアナタケなどの機能性素材やクジャクヤシから作られる「キルト」という甘味料などを食材やソースに積極的に取り入れていることには目を見張ります。さらに私が驚いたのは、東欧では母乳の代替品として出産直後の新生児に与えられている「ナリネ菌」で作られたヨーグルトを積極的に使われていることです。ナリネ菌は生体内でビタミン類および乳酸の合成促進能が高く、腸からの吸収を助けるプロバイオティクスですが、ムッシュ高木はこの菌をアルメニアから直接伝授してもらっているということでした。

そんなムッシュ高木が食に関するフォーラムで講演をするそうですので、興味のある方はぜひムッシュの話を聞いてみると、また目からウロコかもしれませんよ。農水省主催の「ごはんで給食フォーラム」は このサイトをチェックしてみてください。

次回はムッシュ高木考案した素材について・・・
by nutmed | 2009-01-19 13:02

第522回 箱根駅伝出場の陰に栄養管理あり

昨日は成人式でしたね。私は丁度31年前の成人式の年はカナダに留学中だったために、成人式には出席していません。あるTV局でこの30年間の成人式の様子を紹介していましたが、あきらかに成人男女の「顔」と「コメント」がこの30年間で変わっているような気がしているのは私だけではないのでは・・・
まず、新成人の男女の顔が昔の成人に比べて非常に幼く見えるのは、決して髪型や化粧のせいだけではないように思います。それにコメントも。世相を反映しているのでしょうが、成人を迎えるにあたっての決意というか思い入れというか、力強さを感じないのは何故なんでしょう。
ある評論家が「1981年以降、バブルが崩壊してから要も悪くも日本の社会が大きく変化し、その変化の中でもリスクと責任の取り方に対する考え方が変わり、今の若者は何が自分にとってのリスクであるかを嗅ぎわける能力に長けていて、極力責任をとらなくてもいい方向へ、また自分にとってのリスクを極力排除しようとする生き方を・・」というコメントをしていました。
この十数年そばで毎年成人になる若者を見ていて、この評論家のコメントもまんざら外れてはいないような気もしています。

一方、食や体にかかわる若い人たちの状況をみていると、あまりの関心の少なさにも驚かされることが少なくありません。
「食に対する刹那主義」とでもいうのでしょうか、「食欲が満たされれば食べるものや栄養素のことには無関心」であることが少なくないようにも思います。

ところで正月2日・3日の箱根駅伝を見た方も多いと思いますが、先日日本テレビが放映した今年の箱根駅伝の総集編の中で、今年初出場を果たした群馬県の上武大学のことが紹介されていましたが、この中で監督が上武大学に招聘されてきた5年前の選手の体力と栄養管理を見て唖然としてことが紹介されていました。箱根駅伝常連大学の選手たちは、合宿所に専門の栄養士がいて食事や栄養摂取の管理を行い、体力や健康管理を行っていて、それが当たり前だと思っていたとこの監督がコメントしていました。一方、創立当初の上武大学では合宿所はあるものの、食事や栄養管理は選手個人に委ねられており、大盛りチャーハンや大盛りラーメンで食欲を満たすという状況だったそうです。選手たちも骨折や筋肉の肉離れ、カゼなど、記録を考える以前に選手の栄養管理が先決問題であったと当時の様子を語っていました。合宿所そばの食事処のご主人にお願いをして選手の栄養管理をはじめて以降、選手の故障も激減し、記録も向上し、創部5年目で念願の箱根駅伝初出場を果たすことができたとコメントしていたのが強烈に印象的でした。
この状況はアスリートである上武大学の選手たちだけの話ではないでしょう。おそらく現在の多くの若者が抱えている体内環境や健康の問題の背景にある事情に共通する内容ではないでしょうか。それ以上に、しっかりと栄養管理をしてあげることで、着実に成果が現れることも上武大学の経験を見ても明らかです。

リスクや責任を避けながら世の中を上手に立ち回って生きる術の必要性の是非についてはコメントを避けますが、少なくとも自らがしっかりと根を張って生きてゆかなければいけないこれからの世の中は、体が資本であることは間違いのないことです。その体の状態に影響を与える最大の要因は栄養であることも間違いのないことです。
by nutmed | 2009-01-13 10:25

第521回 今年こそ継続を・・

昨晩の天気予報では今朝から東京近郊は雪模様ということだったので、初雪を拝めるかなと朝から期待をしていましたが、低気圧が少し沿岸から離れたことと気温が思ったほど低くならなかったようで、起きたときにはもう雨でした。それでも雪に弱い東京が露呈し、被害がでなくてよかったです。

サプリメントや健康食品を摂取する消費者の動向を見ると、アメリカやカナダと日本ではその継続性に大きな違いがあります。
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端的に言えば欧米では多くの消費者がサプリメントを選択する前に、自分の症状や体内環境の状況を色々な方法で確認し、さらにその症状の改善に適した栄養素の配合されたサプリメントを選択します。もちろん途中で試行錯誤がないわけではありませんが、基本的にこのようにして選択したサプリメントを、自覚改善の有無が確認できるまで、大方の場合2-3か月が1つの目安になると思いますが、その期間は別根商品に浮気するようなことは少ないですし、もちろん流行で商品を取捨選択することは少ないといえます。
それに対して日本の場合はどうでしょうか・・
サプリメントの選択基準を考えてみると・・・
*巨額な宣伝費にものを言わせてTVや雑誌での宣伝広告露出度が多い商品
*芸能人など有名人の商品使用効果の宣伝
*知人からの紹「介
*商品の価格(高かろう良かろう商品」または「安くても飲まないよりは飲んだほうがまし商品」)

ここまでは昔も今も同じ状況かと思いますが、最近ではこれらの目安に加えて安全な素材で作られているか?という、食の安全性の問題以降に加わった目安があるのではないでしょうか。

もっとも、今の日本の消費者が考えている「安全な素材」とは、何をもって安全と判断するのかが私にはよく理解できないことも事実なので、ここでコメントすることは控えますが、いずれにしても欧米の消費者の基準目安と比べるとかなり貧弱で心もとないと言わざるを得ないようです。

今までこのブログでも何回も紹介してきたように、自分自身の体内環境や症状の背景にあるものをいろいろな方法で確認して、専門家のアドバイスを参考にしながら、自分にとって何が良くて何が悪いのかを、自分の判断の「ものさし」をつくり、今年こそ流行やメディアに左右されないサプリメントの選択をしてみてはいかがでしょうか。
by nutmed | 2009-01-09 16:12

第520回 何でも食べてみること

東京近郊は昨年来からの晴れの日が連続で15日だそうです。気温も低いのですが、陽があたる場所は体の中から暖まるように気持ちがいいです。小寒から大寒までのこの季節、このような日を小春日和に対して「寒日和」というのだそうな。日本語は本当に情緒がありますね。

昨日、かつて私が栄養療法の指導を受けたオレゴン州のポートランドで開業しているDr.Brown夫妻が台湾での学会出席の途中で東京に立ち寄ってくれました。10年ぶりの再会で話がはずみ、あっという間の4時間を過ごしました。彼はボルチモアにあるJohns Hopkins大学で西洋医学を学んできた医師ですが、1986年から栄養療法、カイロプラクティスを中心とした今の自然療法を実践している私が尊敬するドクターの1人でもあります。

彼の教えで最も印象的で今の私に与えてくれた影響の1つに「何でもまず食べてみること。そしてその機能性を体得すること」というフレーズがあります。これを毎日のように教え続けられました。はじめのうちは、、人体実験よろしく何でも食べて有益なのか毒なのかを知ることなんだろうな・・と思っていましたが、その言葉の意味は非常に哲学的かつ奥の深いものであることを知ることになりました。
簡単に言うと、「自然に逆らわず、自分の体が発する言葉(求めるもの)に耳を傾け、動植物を問わずこの自然界の恵みの力を借りて、自分の体内環境を整える」ということになるのですが、抽象的でもあり、理解はできても中々実践するのは難しいものでもありました。

こんな話を紹介すると中には<b>「自然の恩恵を・・と言っても昨今の食材は加工食品が多いし、何が入っているかわからない。結局マニアックにオーガニックを求めないといけないのでは経済的に長続きは難しいよ・・」とこぼされる向きもあるかもしれませんね。
ただ、Dr.Brownが教えてくれたことの中には、無農薬や有機農法で育てられた食材だけに人間の体内環境を整えるべく成分が含まれているということではありません。
人間の細胞もまた環境順応性という機能を持っていて、今そのときに体内でおきている様々な化学的変化にはたくさんのビタミン・ミネラルなどの栄養素がかかわっていますが、その体内環境にマイナスの影響を与えるような有害物質、ウィルス、バクテリア、合成物質などなど、これらを解毒したり、排泄したり、中和したりする働きもまた、人間が本来持っている自然治癒能力です。
決して「毒を持って毒を制する」ということではありませんが、何が体内環境にとってマイナス影響をあたえる物質なのかを体に記憶させておくことも理に適ったことでもあることを歴史が物語ってもいます。
毎日口にするものですから気を遣うのは当然のことですが、あまりにも神経質になりすぎることで不要なストレスをため込んで、無用な症状が現れることだけは避けたいですね。
そういえば最近「体には自信がある」という言葉を聞くことがめっきり少なくなりましたが、皆さんはいかがですか?
私ですか?おかげさまで何でもまずは食べてみることを少なからず実践していますので、体には自信はあります・・
by nutmed | 2009-01-06 15:28

第519回 年頭に思うこと2009

栄養医学研究所も今日から仕事初めです。
新聞各紙、テレビの年頭放談をみると、今年も、それどころか今年は昨年以上に世界中で大変な情勢ということですが、こんなときこそメディアに踊らされずに自分をしっかり持って、今自分がどのあたりを歩いているのかを、周囲の環境を良く確認しながら理解することが大切なんですね。
正月にいただいた沢山の年賀状をみると、今年は一段と「自然回帰・・」や「自給自足・・」「田舎の実家に戻って農業を・・」などの便りがめっきり増えたことに驚くとともに、羨ましさも感じました。それでも彼ら彼女らの全員が都会育ち、都会暮らしを諦めて、または投げ捨ててというようなコンセプトではないことも驚きです。
かといって昨今の食の安全性の問題から、自分の口に入れるものは自分で育てて収穫し、その恩恵を受けようというものでもないようです。
彼ら彼女らの多くは、「安全」「危険」ということよりも、自らが自然の中の1員としてその環境に身を投じ、四季の変化の中で本来の人間としての生き方をしたいということが本音のようです。
年齢はすでに半世紀以上を過ごしてきた人たちばかり。年賀状の中の1枚に書いてあった言葉がとても印象的でした。
「今までは自分たち人間のエゴで自然の摂理をも変えて自らの欲求を満たしてきたので、自然の中での人間という生き物の生き方と、どう振る舞えばいいのかを忘れてしまったようで・・」

私にはまだその決断はできませんが、今年は彼ら彼女らの生活に注目して、これからの参考にさせてもらおうと思っています。

正月の2日に、知人の招きで食事会がありました。招かれていた客人の中に私の書籍やブログを購読してくれている男性がいまして、彼から「佐藤さんの話は確かに目からウロコの内容ばかりで楽しいですが、良く考えてみるとなんだか当たり前のことが書かれているばかりで、正直なところたまにその信憑性を考えてしまうこともあります・・」と話かけられました。

私は笑をこらえながらも「でも、その当たり前のことができていないから体内環境に影響を及ぼすような症状がでてきたり、本来の人間の体の働きすら失せてしまうのですよね?」

日本人はどうも新しいモノが好きなようでして、「今までに無い!・・」とかいう言葉には弱いようです。それもメディアの影響があるのかないのか・・
確かに今の自分の体調を改善するモノとして新しいものには期待するところも大きいですが、まずはその症状を作ってしまった背景を探ってみることをもっと真剣に考えてみるといいかもしれませんね。
今年は皆さんも真剣に自分の健康管理の一端に、この背景を探ることを考えてみることをお勧めします。
サプリメントは所詮サプリメント、されどサプリメントではありますが、サプリメントや健康食品ですべてを解決することは不可能でもあります。
サプリメントの選択でさえ、その症状を作ってしまった背景を探ることによって想像以上に効果をもたらすものになることもあります。
by nutmed | 2009-01-05 16:06