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今日は5月最後の日曜日。1か月ほど前に我が家の家族の一員になったトラ猫のチェロ君も生後ほぼ1か月。最近は朝から元気に飛び回っていたずら放題。おかげで私の手には彼の爪痕だらけです。そんな今朝も強制的に起こされました。
さて、1週間ほど前にアメリカから飛び込んできたニュースの中に、日本でもコレステロールや中性脂肪を下げ高脂血症を改善する薬としてポピュラーに処方されているリピトールというスタチン系の薬が一時的な記憶障害や健忘症を引き起こすという調査結果報告がありました。詳な内容は栄養医学研究所ホームページ(www.nutmed.com)の「MEDICAL NEWS最新ニュース」をごらんください。
by nutmed | 2009-05-31 08:54

今朝の東京は激しい雨でスタートです。朝のニュースでは江ノ島にきれいな虹がかかっていたので、今日は持ち直すかと思っていたら、やはり今日も1日曇天の東京です。

さて、今日は中高年に多いうつ、慢性疲労、肥満の原因の3回目。今日から少しトリプトファンの働きと素性について話してみましょう。今日はうつ症状では頻繁に処方されるSSRI(セロトニン再取り込み阻害剤)と呼ばれる薬に関して以前から私が持っている疑問についてお話しします。

トリプトファンは主に脳内で神経伝達物質(ホルモン)であるセロトニンに変化をします。セロトニンは気持ちの抑揚、情緒、眠りおよび食欲のコントロールをしている物質です。繰り返しますがセロトニンはトリプトファンというアミノ酸から合成され変化した物質でその過程を簡単に表すと以下になります。
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ここは今日の話の中で重要なポイントなのでよく理解しておいてください。

最近はよく耳にするようになった「パキシル」といううつ病改善薬(抗うつ剤)があります。アメリカでは1992年にFDAが認可しその8年後の2000年に日本でも承認された薬です。この薬は不安症、パニック症候群、非社交的症状、生理前の情緒不安などにも適用されている薬で、その働きは放出されたセロトニンが再び神経細胞に取り込まれてしまうことを阻害する作用を持っています。
神経細胞の中でセロトニンがどのように作用するかの模式図は以下のようになります。
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セロトニンが何かの情報を持って神経細胞の間を行き来するためには上の図のようにセロトニンの受容体(Serotoninn Receptor)を介して情報を受け渡しをしますが、この受容体と巡り合わなかったセロトニンは再び神経細胞に取り込まれてしまうため、パキシルのようなSSRI薬によってその取り込みを邪魔することになります。最近では第2世代抗うつ剤としてSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)も処方されはじめてはいます。

つまり、多くのドクターは、うつ症状を持った方だけでなく、情緒不安定、不安感、不眠などのトラブルを抱えている方の多くはこのセロトニンの生産能力またはセロトニンを合成する元となるトリプトファンが何らかの原因で少ないまたは不足していると考えているわけです。実際にパキシルなどの抗うつ剤を処方しているクリニックのホームページをのぞいてみると、 「セロトニンは、神経細胞内で作られ、神経伝達物質として放出されると同時に、同じ神経細胞に再度取り込まるという性質があり、正常であればこのバランスが保たれているのですが、セロトニンが低下してくるとバランスが崩れ、思考面や感情面で様々な症状を引き起こすとされています。パキシルは神経伝達をスムーズに行う役目があり、服薬を続けていくことで、神経伝達物質の機能が正常化し、症状が改善されていきます」と書かれています。
ここが臨床栄養学を学んできた私の疑問でもあります。セロトニンはもともとアミノ酸のトリプトファンから作られる物質であるわけですから、SSRI薬を使ってセロトニンの再とりこみを邪魔する以前にセロトニンの元であるトリプトファンに着目することがスタートラインではないかと思うのです。前々回のブログでも紹介したようにトリプトファンが豊富に含まれる食材やトリプトファンを正しく吸収するための環境などをアドバイスするだけでなく、実際に体内にトリプトファンがどれほど存在しているのかを検査してみることも重要な手がかりになります。
もう少し詳しく言えば、トリプトファンから5-HTPを経てセロトニンが合成されるプロセスではいくつかの酵素とビタミンB6(ピリドキシン)が必要になります。
私の師匠でもあるDr.ライトがタホマクリニックで行っているうつ症状を持った方への治療における第一選択肢はやはりトリプトファンを中心に考えたもので、専門の栄養士によるトリプトファンの食事からの摂取方法や5-HTPとビタミンB6、マグネシウムのサプリメントの処方で、尿検査によって体内のアミノ酸総量を分析することも欠かせません。
最近では日本でも食事療法を積極的に取り入れたうつ病治療を行っているドクターも見られるようになりましたが、この2年間でパキシルやその他のSSRIを処方されているクライアントに行った栄養カウンセリングでは、トリプトファンや食事内容などについては主治医から指導をされていない方が圧倒的に多いことは残念でした。
SSRIでセロトニンを有効に使うことはいいとしても、そのセロトニンの元になるトリプトファンを増やし、効率的かつ適切にセロトニンの合成を増やすことが先決であるはずです。
by nutmed | 2009-05-29 14:20

今日の日本は東北、北海道を除いて朝からグズついた空模様。5月最後の週末はそうやらこのまま曇天で終わるようです。まさか梅雨の走りではないでしょうが・・

さて、前回はセロトニンとトリプトファンが特に中高齢者のうつ、慢性疲労、肥満に少なからずかかわっていることを紹介しました。今日は食事から摂取しているトリプトファンが何故不足しがちになるのかについてお話します。
トリプトファンは8種類ある必須アミノ酸(人間が作ることができないアミノ酸)の1つですが、その中でも1日あたりにかなりの量を必要とするアミノ酸の1つでもあります。その背景にはトリプトファンがかなり多くの役割を担っているアミノ酸であるということがあります。
一般的な1日3食の食事から摂取できるトリプトファンの1日量は1,000から1,500mgだと推定されています。この量は1日に必要とするトリプトファンの量にほぼ近いと考えてもいいでしょう。残念ながらここでいう「一般的な食事」はひょっとすると老若男女問わず現代人が食げている食事内容、素材、食事の仕方を考えると、かなりかけ離れている可能性はあるかもしれませんね。
トリプトファンはセロトニンのタネになるアミノ酸であることはお話しましたが、これ以外にも1例をあげると、ビタミンB3(ナイアシン)を作るアミノ酸でもあります。食事からのビタミンB3の摂取が乏しい場合や腸内細菌の環境が悪く、ビタミンB3の供給が不足している場合、人は肝臓でトリプトファンからビタミンB3を合成します。イギリスの研究者によると、1mgのビタミンB3を合成するためには60mgのトリプトファンが必要になると報告しています。特別のことがない限りありえないことですが、もしビタミンB3の摂取が全くなく、腸内細菌による合成もないと仮定した場合、1日に必要なビタミンB3量を20mgとして、この量をトリプトファンから合成しようとすると1,200mgのトリプトファンが必要になり、一般的な食事から摂取する量でも間に合わないということになります。そんな状況になる前に「危険信号」としての自覚症状が必ず出てくるのでまずそんなことはないですが、でも現代人の食生活や腸内環境を考えると、あながち全くない話ではないかもしれませんね。

以前からこのブログでは「食べたものに含まれる栄養素が100%吸収されることはない」ということをお話してきましたが、それは消化分解と吸収能力には年齢、症状、体内環境などの条件に個人差があるからであることもお話してきました。アミノ酸も同様で、トリプトファンが多く含まれた食材を沢山食べたからと言ってすべてが吸収されるわけではありません。そもそもアミノ酸はタンパク質を構成する物質ですから、タンパク質の分解能力(胃酸やプロテアーゼ酵素の生産分泌能力)に大きく依存するわけです。
トリプトファンがセロトニンを合成するためには、血液によって脳細胞の中に運ばれなくてはなりませんが、このとき脳間膜という関所を通過するために、トリプトファンは脳内まで運搬をしてくれるパートナーを必要とします。やっかいなことに、この運搬パートナーはトリプトファンだけでなく、その他のアミノ酸にも必要なために、ここで運搬パートナーの奪い合いがはじまります。さらに加齢によって血液の中を運搬されているトリプトファンの劣化を促進してしまう酵素(IDO:indoleamine 2,3-dioxygenase)が働いてしまうことで、中高齢者では若い世代よりもトリプトファンが不足しやすくなります。
この酵素については後日説明するとして、こんな背景もあり中高齢者ではセロトニンが不足しやすくなり、それにともなう症状が出やすくなるという構図になるわけです。
by nutmed | 2009-05-28 12:59

今日からシリーズで紹介するテーマは、最近目立って多くなっている中高年に多いうつ、慢性疲労、肥満の原因についてです。しかし、このテーマは中高年だけでなく、20代、30代の男女にも多くなっている症状の1つでもあるように思います。
今日はその序章ということで、栄養学的に見たこれらの症状の背景の総論をまず先に紹介します。

皆さんは「セロトニン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? セロトニンは脳内神経ホルモンの1つでもありますが、人がリラックスしたり、緊張したり、睡眠、不安、恐怖感、気分の落ち込み、食欲、特に炭水化物(砂糖など)の過食にかかわるホルモンでもあります。このセロトニンが適切に生産され、体内環境、時間、ストレスの有無などの環境要因によって正しく働かない場合や、不足した場合には上記のような症状につながることになります。
この10年ほどの間に、セロトニンは加齢とともに少なくなってくることがわかってきました。この背景があるために、中高齢者のうつ病、不眠症、肥満などが増えているのではないかと注目されています。 もっとも、セロトニンはこの数十年の間に人間の体内で作られるようになったホルモンではなく、人が誕生したときからあったホルモンですから、これらの症状がすべてセロトニンに影響しているとは考えにくいと言う考え方がありますね。しかし、このセロトニンは食事の内容、つまり食材によってその量が過剰にもなり不足することもあることは間違いのないことで、どうやらこの数十年間の食事環境に大きく影響を受けている可能性は大きいと思います。
その1つを紹介すると、セロトニンはアミノ酸の1つである「トリプトファン」がなければつくることができないホルモンです。トリプトファンは人が作ることができず、食材から摂取する必須アミノ酸の1つで、多種の素材に含まれています。
トリプトファンが比較的多く含まれる素材(量が多い順番)
すじこ
ひまわりの種
たらこ
肉類
プロセスチーズ
納豆
アーモンド
そば
玄米
豆乳
ヨーグルト
バナナ

これらの素材以外にもトリプトファンは含まれている必須アミノ酸ですが、結論から言えばセロトニンのタネとなるこのトリプトファンが不足していることが、セロトニン不足を招く最大のシナリオになるということです。

かつてアメリカのFDA(米国食品医薬品局)が、トリプトファンをサプリメントや食品添加物としての使用を一切禁止していた時期があります。この背景には日本の昭和電工という会社が製造し輸出していたトリプトファンが原因になった「事件」でしたが、FDAはつい最近禁止していたトリプトファンの使用を認めることになりました。その後の調査報告書を見ると、想像の域を超えませんがどうやらアメリカの医薬品メーカーの圧力があり昭和電工には何も落ち度はないのにやり玉に挙げられたことが真相のようです。この話はネットで調べてみてください。
さて、それが原因かどうかは正確にはわかりませんが、アメリカの栄養学者の中には、FDAがトリプトファンの使用を禁止した時期には圧倒的にうつ病、肥満が増大していると報告しています。
by nutmed | 2009-05-27 09:06

週末の雷雨はかなりのものでした。自宅の近所にも数発落ちたようで、一時的な停電もありました。気象庁の長期予報では、この8月も昨年のように雷雨やゲリラ豪雨が多発する予想になっています。そういえば去年の雷雨と雹で自宅の物置の屋根に使っているプラスチックの波板に数か所穴があいたので今年は予防策を考えないと・・

さて、今日はエンテロラクトンの最終回です。
前立腺の肥大や前立腺がんにかかわるホルモンは、男性ホルモンのテストステロンで、中でもタンパク質と結合していない活性の高いフリーのテストステロンです。このフリーテストステロンは様々な働きを持っていますが、男性のハゲもその1つです。テストステロンが男性のハゲの原因の1つなるフリーテストステロンに変化は酵素(5-α-リダクターゼ:5-α-reductase)の働きによって変化をします。
この数年、男性の頭頂部や頭皮中央部分の抜け毛パターン改善薬として使われているプロスカー(Proscar)という薬がありますが、この薬はもともと開発メーカー(メルク社)が前立腺肥大の治療薬として開発していたものですが、発毛効果があったので発毛剤として発売した薬です。その背景にはこの薬が5-α-リダクターゼの働きを抑制させる作用があるためです。
一方、エンテロラクトンにもこの5-α-リダクターゼの働きを抑える作用があることがわかっていて、前回説明した女性ホルモンのエストラジオールの働きを抑える作用とともに、エンテロラクトンには前立腺肥大やがんの予防に有効な作用があると考えられています。
エンテロラクトンがなぜ5-α-リダクターゼの働きを抑えてしまうのかについての詳細な理由はまだ解明されていませんが、前立腺の肥大や前立腺がんの予防には非常に有効な機能性分であると考えられます。事実、アメリカの泌尿器科のドクターの多くが、40歳を過ぎた男性に前立腺の肥大や前立腺がんの中期的な予防のためにリグナン、ノコギリヤシを勧めていることからもその有効性はあるということです。
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日本では55歳以上の男性の5人に1人が前立腺の肥大による症状で悩んでいるというデーターがありますが、おそらくその数字はもっと多いはずです。 男性ハゲの改善(直接的な育毛作用ではないが)を含め、40歳を過ぎてから前立腺の肥大や前立腺がんの予防のためにリグナンはとてもお勧めの素材であることは間違いありませんね。
中でも一番のお勧めはフラックスです。日本ではフラックスの浸透度がまだまだ低いために市場に出ている商品の劣化の問題があると思いますが、しっかりとした製造工程(冷絞工程)を経て、紫外線遮光や空気接触による酸化の問題がクリアされている素材であれば間違いはないと思います。
前立腺の肥大や前立腺がんの予防のためのフラックスオイルの目安は1日あたり500-1000mgです。

次回からは「中高年に多いうつ、慢性疲労、肥満の原因」についてです
by nutmed | 2009-05-26 12:47

今日は早めの昼食を食べているときに、隣の席に座っていた歳のころは20代後半と思われる女性3人のうちの1人がおししそうにサンマの塩焼きを食べていたので、私も同じものを注文した・・まではよかったのですが、その中の1人女性が「サンマって今年豊漁なんでしょ」するともう1人の女性が「そうそう、豊漁らしいよ。これからおいしい季節だもんね・・」ときました。よせばいいのにとは思いましたがだまっていられない私は「もうしわけないけどサンマは秋が旬の魚ですよ・・」と一喝すると「そうなんですか?サンマって1年中食べることができるから1年中獲れるのかと思ってた・・」 決して彼女たちを責める道理はありませんが、これが今の日本の食の状況なのかと思うと少し残念な昼食になりました。

さて、今日はエンテロラクトンの2回目です。
多くのアメリカの栄養学者、医師が、日本人と中国人、台湾人に前立腺がんの発症率が低い背景には、欧米人に比べて野菜、穀類、果実を良く食べてきたことによるものではないかという見方が根強くあります。
もう少し詳細を見ていくと、特にリグナンが含まれている素材を豊富に食生活に取り込んでいるという見方が非常に強くあります。実際、前立腺がんの発症率を比べると日本人よりも平均で10倍は高いアメリカ人にしてみればまさに「オリエンタルマジック」として映ってきたのでしょう。そんな背景もあって、アメリカでは1996年からリグナンが豊富に含まれるフラックス(亜麻の実)サプリメントの売上が急激に伸び始め、現在でも着実にサプリメントマーケットの一角を築いています。
前立腺がんの予防や一部治療目的で使われているエンテロラクトンはこのリグナンを乳酸菌が分解してつくられた分解産物であることは前回お話しましたね。 前立腺がんと前立腺肥大に関するいくつかの研究によると、男性の加齢とともに女性ホルモンのエストロゲンのが増加することによって前立腺がんと前立腺肥大を作り出す可能性が強く示唆されています。
動物および人による研究では、エンテロラクトンにはこの加齢とともに増加するエストロゲンを抑制する作用があることがわかりました。
難しくなりますが、もう少し詳しく説明すると男性が作る女性ホルモンのエストロゲンは女性とは異なり、男性ホルモンのテストステロンが変化して作られます。またエストロゲンには大きく分けて3つの種類(エストロン:E1、エストラジオール:E2、エストリオール:E3)があります。
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エストロゲンの中でも活性の高いのがエストラジオール(E2)です。上の図を見てもらうとわかるようにエストラジオールだけは男性ホルモンのテストステロンが化学的に変化して作られますが、テストステロンがエストラジオールに変わるときにはアロマターゼという酵素が必要になります。
誤解のないように付け加えておきますと、女性の場合でも同様で、閉経後の女性ではこのエストラジオールがアロマターゼによってテストステロンから作られます。エンテロラクトンにはこのアロマターゼという酵素の働きを抑制してエストラジオールに変化し難くする働きを持っているわけです。
閉経後女性の乳がんの種類にはエストラジオールが増加することによって発症するものがあって、このアロマターゼの働きを阻害する薬(アナストロゾール,レトロゾール、キセメスタンなど)が治療に使われていますが、アメリカではこの高価な薬を高齢男性の男性機能回復、性欲増加、腹部の脂肪抑制の目的でも使われていますが、その背景にはアロマターゼの働きが抑制されエストラジオールに変わるテストステロンが増えるという理屈があります。
今日は少し余談と難しい話が多かったですね・・・
次回はもう少し・・難しくならぬように・・
by nutmed | 2009-05-22 13:02

昨日、今日と全国的に夏日のところが多いようですね。気温が高くてもまだ空気が乾燥している分、真夏に比べて楽ではありますが・・・。行政の対応方針が少し緩和されたことで新型インフルエンザに対する国民の意識も少し楽になるだろうと思っていた矢先、東京でも新型インフルエンザ感染者が出たことで、マスコミメディアが相も変わらず煽りたてるために医療施設で必要なマスクや消毒剤の不足が新たな問題になってきました。「報道の義務と自由」を盾にするなら最後のケアのことまで考えていただきたいものです。

さて、今日からのテーマは男性向きの前立腺がんの予防にかかわる話題です。
皆さんはリグナンという成分を耳にしたことがありますか? リグナンは植物の実、花、茎、根に含まれているポリフェノールの1種類です。特に多く含まれているのが亜麻の実(フラックス)やゴマです。ゴマに含まれるセサミンもこのリグナンの1つになります。
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リグナンには様々な働きがあることが研究報告されており、抗がん作用もその1つです。リグナンの持つ抗がん作用の背景にあるのはエンテロラクトンと呼ばれる物質です。このエンテロラクトンは植物では作られず、リグナンを摂取した動物の体内(腸)で作られる物質です。我々人間の腸でも作ることができるエンテロラクトンですが、残念ながら人間自ら作り出すものではなく、乳酸菌がリグナンを分解して作ってくれる物質なんです。 ここ数年、某ビール会社が莫大な宣伝費を費やしてセサミンをPRしており、売上も伸びていますね。
あの宣伝を見ていて少し疑問に思っている私は、乳酸菌も合わせて摂取して腸内の乳酸菌の環境を整えないと意味がないのに・・と思っていました。
それは別としても、確かにこのエンテロラクトンの抗がん作用は強力で、特にホルモンが深くかかわるがんの予防、一部は治療には有効であることが数々の人による臨床研究によってわかっています。

次回はエンテロラクトンとホルモンについて・・・
by nutmed | 2009-05-21 14:00

今日の東京は朝から気温はうなぎ昇りです。7月中旬の陽気になるらしいですが、まだ5月ですよね・・

さて、今日はインフルエンザから気を取り直して、読者の女性からの質問「肌の健康に保つには?」に公開回答してみたいと思います。

年齢が若いほど細胞の新陳代謝がいいのは当然のこと。でも、体の新陳代謝は栄養素と深く関係していることも事実で、若さのうえにアグラをかいていると、取りかえしのつかないことにもなりかねません。
わたしたちの体内には約60兆個もの細胞があり、それが集合しているものが人間の体です。もちろん肌を作っているのも細胞です。これらの細胞にはそれぞれ役割があり、心臓や肺などの臓器を作る細胞、目や口を作る細胞があるのと同様に、肌を作る細胞もあります。
新しい細胞が生まれ、細胞がそれぞれの役割を担ってその生涯をまっとうする、これが新陳代謝です。これらの細胞が正しくその役割を行っていくためには、つまり細胞が生きていくために必要なもの。それは栄養素です。細胞が正しく働くためには栄養素と言うエネルギーが必要になります。みなさんが毎日食べている食事は、空腹を満たすためのものではなく、この1つ1つの細胞に正しく働いてもらうために必要なエネルギーと言う栄養素を補給するためのものなのです。

人間の体を車にたとえた話はよく耳にしますね。今日は人間の心臓にあたるエンジンの話ではなく、皆さんの気になるお肌に相当するボディーの話にしましょう。
隣近所から見られても恥ずかしくないようにいつも水洗いしてワックスをかけピカピカに磨き上げた車。年数が経てばいやがおうにも艶がなくなります。この原因は紫外線だったり雨水に含まれる重金属だったりします。車のボディーは水洗いしてワックスをかければ見栄えは良くなりますが、目に見えないドアやボンネットの裏側に気を配り、錆びの腐食の予防は見落としがちです。ドアの裏側が腐食していても外見さえ見栄えが良ければ、1見何の問題もなく車は動くことはできます。ある日突然ボディーに穴があいたりしないように、日常から腐食の発生を予防することができれば、車はいつまでも見栄えよく走ってくれます。わたしたち人間のお肌も同じで、目に見えないお肌の裏側や体の中に知らぬ間に異変がおきていても、痛みや腫れなどの自覚症状がなければその異変には気付きません。この異変は1つ1つの細胞が正しく働くことができない状態ですから、細胞に必要な栄養素を正しく摂り、異変を未然に知ることができればお肌の健康は維持できるのです。

わたしたちの肌を作る細胞が正しく働くことができ、いつまでも健康で生き生きとしているためには、細胞が必要とする栄養素が必要です。
特に、下にあげるビタミン・ミネラルは皆さんのお肌を健康に保つために重要な栄養素で、不足することで、お化粧との相性が悪くなることもあります。

・ビタミンA:ニキビ・乾燥肌・乾癬(かんせん:赤い斑点が出る病気)・フケ症
・ベータカロチン:フケ症・乾癬・乾燥肌
・ビタミンC:コラーゲンの生成障害・乾癬・皮膚炎
 ビタミンCはコラーゲンを作り出す重要なプロリンとリジンを活性化するために重要な役割を持っている
・ビタミンE:ニキビ・脂肌。ビタミンEはセレン、亜鉛と一緒に働くことで、ニキビの予防、皮膚の炎症を抑えてくれる
・ビタミンB群:乾燥肌・フケ症・ニキビ
・ビタミンB6:ニキビ・フケ症
・セレン:皮膚炎・フケ症・ニキビ。セレンはビタミンE、亜鉛と一緒に働くことで、ニキビの予防、皮膚の炎症を抑えてくれるだけでなく、シワの予防にもなる。また、体内に蓄積している鉛、水銀、ニッケルなどの重金属を体外に排泄してくれる
・ 亜鉛:ニキビ・乾燥肌・乾癬・肌の紅潮・皮膚炎。亜鉛はビタミンE、セレンと一緒に働くことで、ニキビの予防、皮膚の炎症を抑えてくれるだけでなく銅と一緒に働くことでコラーゲンの生成を助ける
・ ケイ素:ビタミンAと一緒に働くことで、コラーゲンの生成を助ける

by nutmed | 2009-05-20 08:22

昨日の新型インフルエンザのテーマについてはかなり反響がありました。有楽町で内科クリニックを開業しているドクターから電話がありまして、「佐藤先生のブログの内容と同じことを言ってきたフランス人がいてね・・」とこんなことを話してくれました。場所柄、外国人の患者が来院することが少なくないこのクリニックで、先週土曜日50歳前後のフランス人ビジネスマンが微熱があると来院したそうです。この友人のドクターは時期的に「スワッ!」と背筋に悪寒が走ったそうですが、冷静に対処し念のためインフルエンザの検査を勧めたようです。友人のドクターはこのフランス人が先週木曜日にフランスから成田に到着したこと、微熱症状、喉の痛みも少しあることを考慮すると可能性は高いと感じていたようです。医師としての報告義務があるため、中央区の保健所に一報はいれたようです。結論から言うと精密検査の結果新型インフルエンザではなかったようです。
するとこのフランス人、「あと2週間は日本に滞在するので、念のために検査をしてもらうことには同意しますが、私が豚インフルエンザの可能性はどのくらいですか?」と聞いてきたそうです。ドクターは「まだ確定的なことは言えないですが、症状や状況から見て限りなく可能性は高いと思います」と告げると、「それはラッキーだ!」。顔色が曇るどころか満面の笑みを浮かべたので友人のドクターは不思議に思い「何がラッキーなんですか?」と聞くと、「昔から新種の風邪が流行するとフランスのリールに居る祖母に薬を飲むよりニンニクとウイキョウを赤ワインで煮込んだスープを飲まされ、近所でその風邪に感染した人のいたらその人の家に行って遊んでくるように言われてました」。友人のドクターはこのフランス人が何を言っているのか良く分からなかったので詳しく聞いてみると、「新種の風邪ウィルスに対する抗体を持っていなければ風邪をひいて、場合によっては重い症状で辛い思いをしなければいけないですが、症状が重くならない準備をして新種の風邪ウィルスにかかれば、人はそのウィルスに対して免疫を作り、2度と同じ風邪をひくことがないと祖母から教えられ、子供のころからずっとそうしてきましたし、私の家族にも同じようにしてます。私のワイフはベルギー出身ですが彼女の生まれ育った地でも同じような習慣があったそうです」。それを聞いた私の友人のドクターは民族や習慣の違いでウィルスや感染症に対する考え方も異なるのだなと感じたそうです。

確かに民族や習慣の違いはあるかもしれませんが、人間に与えられた機能は日本人でもフランス人でもほぼ同じです。外から侵入してくるインベーダーが体内環境に悪い影響を与えるものであれば、人は自らの力、すなわち「自然治癒力」でこれを無力化するという考え方は、現在の西洋医学が生まれるはるか昔から世界中の民族が実践してきたことであり、やがてそれが科学で証明され今のワクチンという考え方に至ったことには疑いの余地はありません。

はるか昔に比べれば今の我々の生活環境周辺に存在する「インベーダー」の数は数千倍、数万倍かもしれません。しかし、人間もまたウィルスやバクテリアと同じように、「生きて種を保存する」という本能があり、知恵があります。
いやみな話になりますが、ウィルスやバクテリアを殺すために人間の知恵と科学で作りだした薬に対して、ウィルスやバクテリアが種を保存するために顔つきや性質を変えることができるのに、また私たち人間にはウィルスやバクテリアを無力化するための免疫システムがあるのに、それを使わない手はないと思うのですが。

今ではあまりめぐりあうことが少なくなりましたが、かつての医者は風邪症状で来院する患者に「温かく、タンパク質豊富なものを食べて氷で熱を下げなさい」と言っていました。これはまさしく経験則によって「温かく、タンパク質豊富な食べ物」が免疫力(抗体を作る働き)を高めるために不可欠で、抗体がインベーダーを無力化してくれる自然治癒力の源になることをわかっていたからではないかと思います。

ここ最近の新型ウィルスの行政やマスメディアの報道を見聞きしていて残念なことは、予防のために「マスクを着用しましょう」「手洗いやうがいは必ず慣行しましょう」「人ごみには極力でないようにしましょう」とは必ず言うのですが、「自分の体の免疫の働きを高め、感染しても重い症状には至らないよう自然治癒力を向上するために毎日の食事から摂取する栄養素に注目しましょう」とは行政もどのメディアも言っていないことですね。
by nutmed | 2009-05-19 10:44

週末の土曜日の朝、テレビから飛び込んできたニュースを見て聞いて、多くの日本人が驚きを隠せないかったのではないでしょうか。神戸の渡航経験のない高校生3人が遺伝子レベルで新型インフルエンザと確認されたという報道です。その後土曜日曜と大阪にも感染者が確認され、日曜日の深夜には90人をあっという間に超え、今日の午後には130人を超えました。
私自身はウィルスに詳しいわけではありませんが、多くの専門家が言っているように「国民は冷静になるべき」だとは思います。
どうもマスコミメディアは少し大袈裟に騒ぎすぎるような気さえしています。
今回の新型(豚)インフルエンザは通常のインフルエンザに比べても毒性が弱いということは以前から言われてきたことですし、仮に感染して発症しても、ケアさえしっかりしていれば死に至る可能性は極端に低いわけです。そもそも今回の新型(豚)インフルエンザよりも毒性が少し高い例年流行するインフルエンザについては、行政もマスコミメディアも我々国民も、その対応は特別なものではないのに、今回はどうしてこのようになるのでしょうか。 その背景の1つにはワクチンがないということが大きいのだろうと思います。それから、すぐそこまで来ている可能性のある「鳥インフルエンザ」の問題で、感染拡大することによって2つのインフルエンザが融合し全く別なウィルスが誕生してしまう可能性だと思っています。

ちょうど先週の木曜日、カナダのブリティッシュコロンビア州ダンカンに住む友人のドクターからメールがあって、彼は自分のクリニックの周辺住民に「新型(豚)インフルエンザはそれほど怖くはない。現在はワクチンはないが予防のためにビタミンD3やビタミンCを積極的にしばらく服用するように」と啓蒙しているそうです。加えて日常から自分の免疫の働きを高めておくようにタンパク質を多めに、水分を多めに摂る食生活を勧めたうえで、「もし近所に新型インフルエンザの感染者がでたら、自分はタミフルを飲む前に1週間くらい普通の生活を続けるように。その時には念のために体温やのどの異常には注意しておくように」と言っているようです。その真意を確かめると彼からの返信メールには意外であるけれども理にかなっている可能性のある返事が書かれていました。
「今回の新型(豚)インフルエンザは通常のインフルエンザに比べても毒性が弱く致死の可能性は極めて低い。今、タミフルを使うよりも自らこのインフルエンザの抗体を自分の体でつくることができるように、獲得免疫を考えるべきだと思う。」
つまり、感染者に近づいて自らが感染することによって自分の体で抗体をつくるという、乱暴にも思えるようなことではありますが、彼が言っていることは実はこの日本でも昔は行われてきたことでもあります。
妊娠中の女性が風疹ウィルスに感染することで流産などの危険が報告されていた当時、結婚を準備していた女性は、近所に風疹ウィルスに感染し発症した人の家に行き、自ら感染して抗体をつくるようなことをしていたという記録があります。
もちろん毒性が低く、自分の体で十分に抗体がつくることができるような免疫の働きがあり、ウィルス感染したことによって症状が重くなることがすでに公表されているような持病を持っていないということが前提にはなります。

この50年、人間はワクチンという予防のための武器を身に着けることが進みましたが、人間よりもはるかに早いスピードで、その性質、顔つき、強さを変化させているウィルスや細菌になすすべがなくなることがあることも事実であることを考えると、自らの体がウィルスや細菌に対する抵抗性、抗体をつくることができるために十分な体内環境、栄養の摂取、ストレス耐性を考え、ひいてはウィルスや細菌との共存共栄を考えないといけないという啓示のような気がしてならないのは・・私だけではないと思います。

「ワクチンがない!いつになったらできるんだ!」「感染者は厳重に隔離するべきだ!」と怒りを行政や組織に向ける前に、またテレビやメディアの感染者数の数字にあたふたする前に、落ち着き冷静になり、今は自分の体内環境を見つめ、免疫力を向上させることを最優先させるべきなのかもしれませんよ。
by nutmed | 2009-05-18 15:15