臨床栄養士のひとり言

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第605回 メタボリックタイプとビタミンC

今週いっぱいは本格的な梅雨の天気模様のようです。九州では水不足があったかと思ったら今度は豪雨による洪水災害が出ているようですので土砂崩れなどには注意してください。

さて、今日は以前にブログでテーマにあげたメタボリック(代謝)タイプとビタミンCについてです。
栄養医学研究所やクリニックでクライアントさんのエネルギーを作るタイプをアンケートで日常的に確認するようになってから1年以上が経ちます。多くの方が自分の代謝タイプを確認して食事内容を改善することができ、それに伴って悩んでいた症状や状態の改善、減量の大きなサポートになっています。

日本人は欧米人に比べて炭水化物とタンパク質の両者でエネルギーを作り出すいわゆる「ミックスタイプ」が圧倒的に多いようですが、最近の傾向では10代20代の方に欧米人のようなタンパク質を食べてエネルギーを作りタイプが少し見られるようになったことと、年配の方の中に炭水化物で圧倒的にエネルギーを作りだすタイプである方が散見されることです。
残念なことに、若い人も年配の人も、現在の自分がエネルギーを作り出すための主な食材が十分に理解されていないために、炭水化物でエネルギーを作り出す傾向にある人がタンパク質ばかりを摂りすぎることで(その逆も同じように)体内環境が著しく悪くなってしまうことや、現在の症状の改善が遅遅として進まない背景になっていることは少なくありません。

さて、ここからが今日のテーマです。体内、特に体を循環している血液のpH(酸度・アルカリ度)はエネルギー代謝にも大きな影響を与えるものですが、人間の最適な血液のpHは7.46で若干アルカリ性に傾いている状態であると言われています。「体が酸性に傾く、アルカリ性に傾く・・」という言葉を聞くこともあると思いますが、たとえば乳酸が体に溜まると人間はそれを分解して最適な弱アルカリ性に戻そうとする働きを持っていますが、過剰な運動や肉体労働で体内に乳酸が日常的に溜まりすぎてそれを自ら中和できなくなると疲労という形で症状があらわれてくることになります。pHの変化は体が疲労を感じるほかにエネルギー生産の働きや免疫システムにも様々な影響を及ぼします。代謝タイプに合わない食材や食事の仕方も運動と同じように体のpHに影響を与えます。タンパク質でエネルギーを作り出すような代謝タイプの人は体内が酸性傾向にあり、炭水化物でエネルギーを作り出すような代謝タイプの人は、逆に体内がアルカリ性傾向にあるといえます。この代謝タイプを考えた場合、自分のエネルギー代謝のタイプにあった食材だけでなくサプリメントも同様に代謝にあった形のサプリメントを選択することが大切です。
たとえば今日のテーマのビタミンCは世界中で最も消費されているビタミン(サプリメント)の1つですが、ビタミンCを飲もうと考える人の中に、自分の現在の症状だけでなく代謝タイプを考えてビタミンCを購入する方は日本にはほとんどいないと思います。ビタミンCなら何でもいいというのが本音、ビタミンCにいろいろな形がったのかというのが正直なところでしょう。
ビタミンC(アスコルビン酸)のは酸性のビタミンで一般的なpHは2.0-2.5くらいで非常に酸性の強いビタミンです。もっとも実験室の棚にある「アスコルビン酸」の粉末を飲むことがないかぎり、皆さんがサプリメントとして飲んでいるアスコルビン酸はミネラルやエステル基が結合してpHを5.0-6.5くらいに調整をしているものと考えてください。最近話題の高濃度ビタミンCの点滴で使われるビタミンCも浸透圧を計算して作られており、pHは高いものなので、体が極度に酸性に傾くことはよほどのことがない限りないでしょう。

極度の酸性ではないとはいえ、酸性であることは間違いないビタミンCですから、タンパク質でエネルギーを作り出すような代謝タイプで体内が酸性傾向にある人には限りなく中性に近いビタミンCが、逆に炭水化物でエネルギーを作り出すような代謝タイプで体内がアルカリ性傾向にある人には多少酸性の強いビタミンCが、体内環境と代謝を考えた場合には最適な選択といえます。
一般的なビタミンCに比べ中性方向に傾いているビタミンCの代表格は、アルカリ性ミネラルのカルシウムと結合している「アスコルビン酸カルシウム」です。従来、日本以外の先進国ではサプリメント(食品)としてこのアスコルビン酸カルシウムが認可されていて、日本では医薬品扱いの素材でしたが幸い2008年5月1日から日本でもサプリメント(食品)としてアスコルビン酸カルシウムが使用できるようになりました。

ビタミンCのみならず、自分の体の代謝タイプを知ることによって食材だけでなくサプリメントの選択をすることは、健康管理や症状改善の方法の幅を大きく広げることになりますので、一度ご自分の代謝タイプを知っておくこともお勧めします。
by nutmed | 2009-06-30 16:47

第604回 ケルセチンの新たなトピックス 

昨晩の予報では、今日の東京は1日曇天模様とのことでしたが、一転、朝から太陽が見え隠れする蒸す1日です。
今日からのテーマはフラボノイド類の中でもエビデンスの数も、機能も医薬品と遜色のないケルセチンについてです。ケルセチンについては以前にも数回にわたって特集をしていますのでおさらいのために見てください。
さて、今日はアメリカで2003年から継続されてきているケルセチンと糖尿病の治療に関するロングランな研究の最終段階の報告が、今年の1月に報告されていたのでそれを少し紹介しましょう。
この研究はアメリカの厚生労働省にあたるNIH(National Institutes of Health、国立衛生研究所)で2003年にスタートした研究で、肥満傾向にある血糖値が高い、いわゆる2型糖尿病の予備軍と判定された19歳から65歳までの32人の男女のインスリンに対する抵抗性が、ケルセチンによって抑制される可能性の確認研究です。
1日あたり1500-1700カロリーの制限食と1日20分間の軽いウォーキングに加えて、1日あたり2グラム(2,000mg)のケルセチンを服用した場合とそうでない場合を、3か月ごとに同じ人間で繰り返し検討を行った結果では、明らかにケルセチンを服用した場合のほうが血糖値の下がる反応は良く、つまりインスリンが十分に機能していると考えられる結果が現状までに出ています。
カナダのトロント大学のケルセチンに関する症例報告の中に、このNIHの研究に似た症例報告があります。
ぜんそくの治療で来院した26歳の男性の場合、体重が105kg、身長170cmで明らかな肥満に加え、空腹時血糖値が157ありましたが、ぜんそく症状を改善する目的で1日あたり1500mgのケルセチンを4ヶ月間摂取した結果、ぜんそくの症状が軽減したと同時に、空腹時血糖値が97まで安定するようになっていました。

ケルセチンがインスリンの抵抗性を抑制する詳細なメカニズムはNIHの今後の研究報告に期待するところですが、研究チームでは、小腸におけるグルコーストランスポーター(GLUT:glucose transporter)の働きに何らかのかかわりがあるのではないかとしています。

ケルセチンはアレルギー症状、気管支炎などの炎症をともなう症状の緩和に働く抗炎症作用は医薬品の抗炎症剤に匹敵する作用を持っていることは200以上の研究報告が世界中で報告されていますし、実際の臨床現場でも抗炎症剤の代わりに処方されたり、同時に使用されることも決して珍しいことではなくなってきました。
ケルセチンは日本ではまだ汎用性の低い機能性成分ではありますが、副作用が非常に少なく、的確に炎症や痛みを抑える作用をもった数少ない成分であると考えます。
アメリカでは医薬品メーカーもケルセチンの薬理作用には非常に高い関心をもっており、政府にプレッシャーをかけてケルセチンを「医薬品カテゴリー」に入れようとする動きも見え始めているのが非常に気がかりではあります。
by nutmed | 2009-06-29 14:05

第603回 ファラフォーセットの死

今朝は訃報を聞いて朝から驚きを隠せません。もちろん51歳のマイケルジャクソン死亡も非常にショックなことでした。それ以上に私にとって驚きだったのは70年代後半に一世を風靡したチャーリーズエンジェルのファーストシーズンに出演していたファラフォーセットが62歳で直腸がんから肝臓への転移で死亡したニュースでした。
実は偶然昨晩遅くに何故か往年のジェニファーオニール主演の「夏の日の思い出」のテーマ曲が聞きたくなってネットを検索していたときに「オニールと言えばライアンオニールと同棲していたはずのファラフォーセットは何をしているのだろうか・・?」と思って最近の彼女の様子を検索してみると3年前に直腸がんがみつかり、ドイツとアメリカでの辛い治療と闘病生活が続いた後、一時はがん完治宣言を出したものの、今年の2月に肝臓への転移が見つかり、再び闘病に入りライアンオニールはずっとそばで看病しているということがわかりました。
ネットでそれを見つけたちょうど1時間後にファラフォーセットはライアンオニールに看取られながら62歳でこの世を去ったことを今朝のニュースとネットの記事で見たときには、何か虫の知らせだったのかと感じました。もちろん会ったこともないし、血のつながりがあるわけでもないので、そんなはずはないでしょうが、不思議なものを感じた今朝の出来事でした。
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ところで、彼女が闘病中にクルクミン(ターメリック抽出精油成分)を飲んでいたことをあるネットの情報でみつけました。
クルクミンには非常に強い抗炎症作用、鎮痛作用があるだけでなく、抗がん作用も確認されている機能素材成分です。彼女がどのようにしてクルクミンを摂取していたのかは不明ですが、がんの進行にともなう疼痛を緩和する痛み止めを彼女が極力避けたいと生前言っていたということを考えると、鎮痛作用と炎症を抑える作用を期待して摂取していたのではないかと思います。
私が初めてアメリカに渡った日の夜にTVからあの軽快なテーマ曲とともにファラフォーセットの合成的とも思えるほどの白い歯丸出しの笑顔は、今でも鮮明に脳裏に焼き付いています。

私の青春を強烈に駆け抜けて行ったファラフォーセットとマイケルジャクソンの冥福を祈って・・・

次回はケルセチンの新しいトピックスについてです
by nutmed | 2009-06-26 09:53

第602回 減量のための9つのポイント 最終回 プロファイリング

今日は「建築の日」という記念日だそうです。由来はスペインの建築家、アントニオ・ガウディの誕生日(1926年)ということです。アントニオ・ガウディと言えばバルセロナの中心にそびえるサグラダファミリア聖堂ですね。今から3年前に学会があってバルセロナを訪れたことがあり、その時にサグラダファミリアを見て感動しました。

さて、今日は減量のための9つのポイントの9回目、最終回です。
今日まで8回にわたってお話してきた減量のポイントですが、最終回の今日のポピンとはダイエット、減量に取り組む誰もが経験する内容、「継続」というテーマです。
読者の中にはいらっしゃらないでしょうが、ダイエットを試みる方の中には「一夜にしてスリムな体」という不可能でもあり、人間の体内環境を無視した注文をつける方が居ることは事実です。このような方は特別としても、多くの方がダイエットをするときに陥るのは「見上げるほどの棚の上に自分を乗せてしまう」こと、つまり自分の現在の体内環境、どうして体重が増えたのかを都合にいいように棚にあげてしまい、減量という行為自体にばかり目がいってしまうために、結果として継続できず挫折してしまうことでしょう。
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今回まで取り上げてきたポイントは、言ってみれば「手段・方法」で巷には満天の星のごとく多数の方法があります。「減量に失敗した・・」「思ったほど体重が減っていない・・」という話は日常的に耳にするのに、「減量に成功した!」という話はあまり耳にしないのは何故でしょう? 「私は〇〇で〇〇kgの減量に成功!」とか、「痩せるための法則!」などなど、減量成功者のストーリーを綴った書籍は相変わらず売上部数を伸ばしていますが、それにつられてダイエットをした方の成功話もあまり耳にしませんね・・
私が減量カウンセリングを行ってきたケースや減量に失敗した方の話を総合してみると、いくつかのキーワードが見えてきます。ダイエットを試みる方の中には「一夜にしてスリムな体」という不可能でもあり、人間の体内環境を無視した注文をつける方が居ることは事実です。このような方は特別としても、多くの方がダイエットをするときに陥るのは「見上げるほどの棚の上に自分を乗せてしまう」こと、つまり自分の現在の体内環境、どうして体重が増えたのかを都合のいいように棚にあげてしまい、減量という行為自体にばかり目がいってしまうために、結果として継続できず挫折してしまうことでしょう。加えてダイエットをすること自体が精神的なストレスとなってインスリンのコントロール、炭水化物の過食につながることだと思います。
最近、私はダイエット、減量のカウンセリングに際して「プロファイリング」の手法を取り入れはじめています。
これは個人の分析ということになりますが、最大の基本は「個人の体内環境、食生活、職業、ストレスの有無・大小はすべて異なる」ということからはじまります。結論から言えば「Aさんが成功した方法はBさんには決して最適な方法ではない」ということでもあります。
プロファイリングの中で重要なことは、「減量の目的」ですが、最も重要なことは、多くの方が棚にあげてしまっている「体重が増えた原因」をクライアントと一緒に分析しながらそれを認識させてあげることです。
これはご自分でも分析できることなので、ダイエット、減量を考えている方はぜひ自分自身のプロファイリングをしてみることをお勧めします。
プロファイリングを進めていく中で、クライアントの体内環境、特に消化分解と吸収の働き、食事内容、食事の仕方、運動量、場合によっては性格(決して性格を変えるようにする必要はありません)、そしてストレスについてを細かく分析していきます。もちろん過去にダイエットを試みてそれが何故成功したのか何故失敗したのかも重要な手がかりになります。
中でもストレスは成功失敗の大きな要因になるでしょう。 
今回までの8回で取り上げたテーマを見ていただければ理解いただけると思いますが、ダイエットを試みる方の多くは「摂食抑制(食べる量を減らす)」ことと「運動」を意識し、「〇〇〇はしてはいけない」「〇〇はダメ」「〇〇しなければいけない」という「ダイエットのための〇〇箇条」を掲げてスタートします。これはこれで悪いことではないですが、「ダイエットのための〇〇箇条」が実行できなかったとき、また食べたいものが我慢できなくなっったときにかかるストレスは想像以上に負担をかけることになり、いつしか実行できなかったことが「罪悪感」へと移行し大きなストレスとなることは少なくありません。
プロファイリングの結果私が行うカウンセリングでは、最初から崇高な目標を立てることはせず、ダイエットプログラム全体を細かくパートに分けハードルを可能な限り低く設定し、1つのハードルを越えた充実感とともに達成感を実感しながらステップをあげていく方法をお勧めしています。
実はダイエットに失敗する方の多くはこの充実感、達成感を一挙に味わおうと大きな網をかけてしまう傾向があり、言ってみれば「イチかバチか」の勝負をかけてしまうものですが、その分ストレスも一挙に押し寄せてくることになります。ダイエットプログラムのプロセスをいくつかのパートにわけることによって、ステップごとに充実感、達成感を実感するとともに、次のステップに向かう際の起動修正を容易に行うことができるわけです。

「ああ、今年もまたいつもと同じことをするのか・・」と半ばあきらめている方は、ぜひここまでの8回のポイントを十分理解し、改めてご自分のプロファイリングをしてみてはいかがでしょうか。
by nutmed | 2009-06-25 13:57

第601回 減量のための9つのポイント 脂肪分解酵素リパーゼ

今朝の東京は激しい雨であけました。 昨日の梅雨の晴れ間で暑い1日とはうってかわり、梅雨らしくジメジメっとした朝です。それでも午後からは晴れ間も見えるような予報です。

さて、今日は減量のための9つのポイントのラス前の8回目、脂肪分解酵素リパーゼについてです。
リパーゼという消化酵素は体のいろいろな組織で作られます。多くはすい臓で作られる「膵リパーゼ」ですが、胃の壁やだ液腺でも作られ、食物の脂肪(中性脂肪)をグリセロールと脂肪酸に分解をする消化酵素です。
いつだったかアメリカで話題になり、日本にもやってきたダイエット方法の1つに、このリパーゼの働きを抑えてしまうダイエット方法がありました。この背景にはリパーゼが中性脂肪を分解して脂肪の吸収を促進させるための酵素だから、阻害したほうが脂肪が吸収されにくくなり減量効果があるというものです。
いまだに日本でもこのダイエット方法はネットに氾濫しているようですが、アメリカやEU諸国ではすでにこの方法は「人間の細胞の営みや必要な栄養素、エネルギーの摂取を考えた場合には、過度の肥満の人などの特別な状態を除くと、最適な方法ではない」と評価されています。
そもそも、脂肪は人間のエネルギー源でもあり、ホルモンなどを合成するときには欠かせないもの。また細胞には脂肪は不可欠なものであり、またビタミン(脂溶性)やカルテノイドの吸収には不可欠なものです。
エネルギーとして有効に活用(燃焼)させることによって正しく消費されるわけですから、過度の肥満の改善のためなどの特別な場合を除けば、人間としての営みを考え「脂肪をエネルギーとして消費する」ことを考えるのが妥当な考え方ではないでしょうか。むしろリパーゼは脂肪の分解を促進し、エネルギー源となるわけですから、適切な運動量をともなうことで脂肪の蓄積を抑えてくれるわけです。

日本でもその処方が最近は珍しくなくなりましたが「ゼニカルXenical(Orlistat)」という薬があります。この薬はネットで検索していただくとわかるように、脂肪を吸収させずに排せつを促す、いわゆる「ダイエットピル」として依然人気の高い薬です。この薬の働きはまさにリパーゼの働きを阻害して脂肪の吸収を抑えてしまうものですが、もともとこの薬は過度の肥満、糖尿病の血糖コントロールができにくい肥満の方の治療用として作られた薬です。
これらの症状を持った患者の改善効果は比較的高く、脂肪の吸収を平均で30%低下させ、中性脂肪が低くなることによってインスリンの抵抗性の改善と血糖値の改善に有効であることが多くの症例で報告されています。アメリカでは一時爆発的に人気の薬になったことがあり、ゼニカルの売上の70%は一般の方のダイエット目的ではないかとも言われていたことがあります。
リパーゼを抑制したり、その働きを阻害するということは、少なくとも脂溶性のビタミン(D,E,K、レチノール)やルテイン、ジアキサンチン、カロテンなどのカロテノイド、それに必須脂肪酸(オメガ-3など)の吸収にも影響がでることになりますから、それらの栄養素や機能性成分の不足による何らかの症状につながることもないわけではありません。

リパーゼという酵素は減量を考えたときにはかなり重要なポイントになると思おいますが、その働きや他の栄養素への影響を十分考え、また現在の自分の体内環境を十分理解したうえで上手にリパーゼをコントロールすることが最適な減量への手がかりになると思います。
by nutmed | 2009-06-24 08:46

第600回 減量のための9つのポイント 脂肪細胞が出すシグナルのコントロール

今日の東京は朝の雨もあがり、梅雨の晴れ間が期待できる1日になりそうです。でも気温は30℃を超える模様です。
昨晩の夕刊でも報道されていましたが、「謎の食中毒」が流行しているそうです。症状は下痢と嘔吐が比較的すぐに現れますが、症状はすぐに回復する。原因は不明で、ウィルスなのか、バクテリアなのか、はたまた化学物質、食品なのか???現在までに瀬戸内海地域と関東地方での症状確認がされているようです。いずれにしても原因がわからないということは穏やかではないですね・・・皆さんも注意してください。

さて、今日は減量のための9つのポイントの7回目、脂肪細胞が出すシグナルのコントロールについてです。
皆さんの脂肪細胞(Adipocyte)には脂肪が蓄積されていて、肥満の方ではそこに蓄積している中性脂肪(トリグリセライド)がかなり多いことがわかっています。脂肪細胞に蓄積されている脂肪がエネルギーとして使われたり、蓄積する際にはこの脂肪細胞から発信されるシグナル(指令)が深くかかわっています。このシグナルについては2008年の12月24日からのブログでテーマとして扱っています。
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体重が増える多くの原因は脂肪細胞が過剰な中性脂肪で大きくなることによるもので、その背景には過食、栄養素の不足、過剰なストレス、運動消費量不足などによるものです。
最近ではメタボリック症候群のことが頻繁に取り上げられるので、会社や地域の検診ではこの中性脂肪のことを強力に指導されることもあって、食事と運動について注意している方、特に35歳過ぎの男性女性ではかなりの方が神経をつかっていることでしょうね。
中には自分なりに食事にも注意しているし、運動も心がけているし、サプリメントも飲んでいるしストレスもなるべく貯めこまないように注意しているのに思ったほど中性脂肪が落ちてこない、または体重は増えるばかりだという方も少なくないのでは?
おそらくそのような経験のある方の多くは脂肪細胞が発信する3つのシグナル(レプチン、アディポネクチン、G3PDH:Glycerol-3-Phosphate dehydrogenase)の調整に問題が少なからずあるかもしれません。
これらの3つの物質の中でG3PDHの歴史は古いですが、レプチンは1994年に、アディポネクチンは1996年に発見されたものです。レプチンとアディポネクチンはホルモン様物質でG3PDHは酵素です。
この3つの物質の共通性は、脂肪を蓄積している脂肪細胞(Adipocytes)に働きかけ、脂肪の消費を促すシグナルであるということです。詳細については昨年12月のブログを見ていただけるといいでしょう。
1、レプチン
2、アディポネクチン
3、G3PDH


この3つのシグナルを上手にコントロールすることを助けてくれる自然の素材がいくつかありますが、これも昨年のブログで紹介しているIrvingia gabonensisというアフリカンマンゴです。この植物の種に含まれる物質(OB131)には、レプチン:Leptin、アディポネクチ ン:Adiponectin、グリセロール-3-リン酸脱水素酵素(G3PDH):Glycerol-3-Phosphate dehydrogenaseの働きを活性向上させる、または抑制させる作用があります。
by nutmed | 2009-06-23 08:58

第599回 減量のための9つのポイント 安静時のエネルギー消費率の改善

先週土曜日は年に1回講師を務めているアロマセラピスト養成スクールでの栄養素の講義がありました。今年で4回目になりますが、いつもここの生徒さんたちは熱心に聴講してくれるので、講義するほうもつい熱が入ってついつい時間が押してしまいます。今年の生徒さん達は例年よりも熱心に居眠りすることなくメモを取って聴講してくれていたようであっと言う間の5時間でした。

さて、今日は減量のための9つのポイントの6回目「安静時のエネルギー消費率の改善(REER:Resting energy expenditure rate) 」についてです。
減量を目的にダイエットをする方のほとんどが低カロリー食、高繊維食、低炭水化物食、エクササイズへの関心が強いことがあげられるでしょう。それに最近では中高年の方に多くみられるようになりましたがホルモン補充などへの関心も強くなりました。巷にあふれるダイエット本やダイエット特集をしている雑誌を見ても、これらの食生活や生活スタイルを謳ったものが少なくありません。日本ではこのようにダイエットのアクティブなパートに関することには皆さん共通して関心があるようですが、アメリカやフランスを中心に5年ほどまえから提唱されているのが「安静時のエネルギー消費率の改善」ということで、いかに安静時に細胞の働きとエネルギー消費率を改善(上げる)かが最適で体内環境に負担の少ないダイエットであるかということです。人間は生きているだけでエネルギーを消費しますから、アクティブなときではない休息時間、食事時間、睡眠時にさえもエネルギーを消費しています。この時間帯のエネルギー消費率を向上させてあげることが、アクティブなダイエットプログラムをより有効に脂肪燃焼と筋肉増量に行うポイントになるということです。
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特に40歳を過ぎると安静時のエネルギー消費率は低下しはじめますので、せっかく食事内容、食事の仕方、運動に積極的に取り組んでも思いのほか期待とおりのボディーコンディションを築けない方が少なくありませんね。この安静時のエネルギー消費率をいかに向上させるかがダイエットを効率的に進め、そして最適なボディーコンディションを築くことができるかの鍵になります。
今日はそのための素材をいくつか紹介しましょう。
1、EGCG(エピガロカテキンガレート:epigallocatechin gallate)
言わずと知れた緑茶に多く含まれるポリフェノールです。三日月マークの会社が販売しているあのお茶の成分でもありますね。2000年にアメリカで発表された研究によると、安静時の脂肪燃焼を促進するためにはEGCGとカフェインのコンビネーションが有効であるとされています。平均的なペットボトルのお茶の値段よりも高いあのお茶を飲まずとも、毎日お茶茶碗で3-5杯のお茶を飲むことでEGCGもカフェインも摂取できますし、お茶に含まれるテアニン(アミノ酸副産物)によって精神安定作用が働くことで安静時によりリラックスできますね。
2、魚油(タラの肝油)
魚油に含まれるオメガ-3脂肪酸(DHA/EPA)には脂肪燃焼作用もあります。脂肪細胞からの遊離脂肪を抑制する作用があります。
3、カプサイシン
赤トウガラシの成分の1つであるカプサイシンには脂肪の燃焼作用があります。カプサイシンの脂肪燃焼作用の1つは体の中心温度を上昇させることによって代謝を上昇させる働きによるものです。
4、ショウガ
ショウガに含まれるジンジャオールとショウガオールによって酸素消費が向上し脂肪燃焼を促進させます。

by nutmed | 2009-06-22 13:37

第598回 減量のための9つのポイント 脳内セロトニンの生産向上

今日のテーマでもそうですが、先日のセロトニンのテーマでも登場したヒマワリの種ですが、読者の方から「どこのショップで売っているのか?」という問い合わせが増えています。ヒマワリの種の流通市場について調べてみると国産の種はかなり高価で入手しにくい状況があるようです。中国産ではありますが品質管理のされている種がネット通販でも販売されているようです。こんなネットショップもありますね。

さて、今日は減量のための9つのポイントの5回目「脳内セロトニンの生産向上」についてです。
以前のセロトニンのテーマのところでもお話しましたが、セロトニンと食欲は深い関係にあり、セロトニンが正しく合成され満たされることで食欲が湧いてきます。セロトニンが不足をすることによって炭水化物、それも短時間で糖分に変わるGI値の高い単純な構造をした炭水化物の欲求が高くなり、結果として脂肪が増えることになります。この背景はセロトニンを作る源になるトリプトファンが少ないために、トリプトファンの吸収代謝を増加するために起きる現象と言ってもいいでしょう。これは第589回の章を見ていただければ原因がおわかりいただけると思います。
海外の研究論文を見ても、私のクライアントさんの状況を見ても、肥満や過食の根本原因の1つにはこのセロトニンの不足があることは間違いないと思っています。
2007年にオーストリアの研究グループが行った報告を見ると、肥満の方の多くは体内のどこかで慢性的な炎症と免疫システムが過剰反応していと報告しています。日本のドクターが行っているかどうかはわかりませんが、この2-3年の間に欧米では肥満の治療の際にこの炎症の有無を確認するために血液検査でCRP(C反応性タンパク)という炎症の有無の確認検査を行うことがポピュラーになってきました。炎症を引き起こすタンパク質(サイトカイン)は脂肪で作られ分泌されますが、このタンパク質はトリプトファンの働きに影響を及ぼすIDO(indoleamine 2,3-Dioxygenase)という酵素は、このタンパク質(インターフェロンγ)によって活発に働くようになります。このIDOが活発になるとトリプトファンが影響を受けセロトニンの合成量が少なくなるということになります。セロトニンが不足すると炭水化物、それも短時間で糖分に変わるGI値の高い単純な構造をした炭水化物の欲求が高くなり、結果として脂肪が増えることになります。
実際にトリプトファン(L-トリプトファン)を食事の1時間前に1回あたり1000-2000mg飲んでもらうことで、食欲を抑えられることは少なくありません。
もちろん現在何かの薬、特に神経の働きにかかわるような薬や睡眠導入剤を処方されている場合には主治医に相談することは言うまでもありませんが、なかなか思うように減量効果があらわれない方にはトリプトファンを摂取することを考えてみるといいと思います。その際にはまずはヒマワリの種からスタートしてみるといいでしょうね。
by nutmed | 2009-06-19 12:48

第597回 減量のための9つのポイント 運動

東京ではゲリラ豪雨で右往左往している間にも、中四国、九州地方では水不足が深刻になりつつあるようです。
水と言えば、「水」というキーワードで世界中をまわってみると、エコ、環境問題と同様、場合によってはそれ以上に水資源の確保は世界中で深刻化しているようです。実際にフランスをはじめEU諸国では何年も前から水を戦略的な国家課題として取り上げている国が少なくありません。お隣の中国ではすでに水資源不足が深刻化しており、日本の山林を買い占める話が現実味を帯びてきています。人間の体では栄養素とともに不可欠な水。水を巡る新たな国家紛争はすでにそこまできています。

さて、今日は減量のための9つのポイントの4回目 「運動」です。
ダイエットを行う方の多くは「できれば運動をせずに楽して痩せたい・・」と思うことが少なくないでしょう。ただ、残念ながら、筋力をUPしつつ余剰な脂を低減させるためにはフィジカルに体を動かしエネルギーを消費することは不可欠です。
多くの方が運動は必要と考えているにもかかわらず長続きしない理由の1つには、会費を払ってジムに通ったり、ハードなエクササイズをしなければいけないと思っているからではないでしょうか。もっとも、その中の多くの方が会費を払えばきっとジムに行くようになるだろうと考えているようですが、いつしかその行為は「ジムのメンバーになっているんだからいつでも行ける・・」という「安心感」に代わってしまうことも少なくないでしょう。
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私が2つの医療施設でダイエットメニュープログラムを提供するときに言っていることは・・・・・
1、継続しない運動は意味がない
2、ライトレジスタンス運動(軽い負荷をかける)
3、アイソメトリック
4、日常生活内でできる運動

以上の4つのポイントです。
もちろん、ジムに継続して(1週間に1-2回ではなく)通うことができたり、毎日ウォーキングやジョギングが継続できる自信がある方はそれで結構なんですよ。
私は病気や体調不良もダイエットでも避けるべきことがあると確信していますがそれは「ストレス」です。
「食べたいのに我慢しなければ・・」「飲みたいのに飲んだら・・」「運動をしなければいけないことはわかっているのに・・」これらはどれもストレスとなって、場合によっては「罪悪感」という最悪最大のストレスとなって体内環境に大きくのしかかってくることが少なくありません。
日本人はとかく最初からハードルを高くしすぎてしまう傾向があるために、飛び越すことができるかどうかも確認せずに立派な高いハードルを置いてしまいがちですが、最初から飛び越すことができる程度の低いハードルを置いて、徐々に高いハードルを設定してあげればストレスなく、逆に達成感と高揚感をもって進めることができるはずなんです。事実、私がダイエットのプログラムでお勧めしている運動を行っていただくと、無理なく毎日続けることができ、次第に実感をともなってダイエットを無理なく進めている方は少なくありません。

どこかに行かなければ・・何か器具を買わなければ・・ではなくて、日常生活の中で毎日通過する場所を考えてみてはどうでしょう。たとえばお風呂です。ほとんどの方は毎日お風呂にははいりますよね。最近は増えているようですが、多くのかたは風呂で本を読んだりTVをみたりすることなく、リラックスしている時間ですね。
この入浴タイムに筋肉に軽い負荷をかけるライトレジスタンス運動を10-15分おこなうだけで、体内脂肪は確実に燃焼します。増して体内中心体温も上昇するので代謝も高くなります。軽い負荷をかけるということ、アイソメトリック運動で呼吸を止めずに血圧を上げないように運動することは体への負荷も少なくてすみます。
500mlのペットボトル2本を準備して水を満たし、これを両手に持ち湯船からなるべくひじをあげて片手で10回づつの曲げ伸ばし運動をして見てください。これをゆっくり3-5セット行うことで想像以上に燃焼効果がありますよ。もちろん毎日継続することはお忘れなく。
by nutmed | 2009-06-18 13:54

第596回 減量のための9つのポイント 炭水化物と食欲のコントロール

昨晩のゲリラ豪雨は都内でもすさまじかったですね。今年も昨年同様、ゲリラ豪雨と雷雨には要注意です。

さて、今日は減量のための9つのポイントの3回目「炭水化物と食欲のコントロール」についてです。
ダイエット、減量を試みる人たちに限らず、日本人の多くは糖分がお腹まわりを中心とする余剰な脂肪の原因であることは理解しているはずです。私は常々思っているのは、ダイエットにすいて言えば過去から何百何千という素材や方法が雨後の筍のように出ては消えて定着するものは本当にわずかしかない背景には、日本人という人種は良く言えば「流行に敏感」でその実、本当に新しいものが好きで、ともすると言い尽くされてきた商品や方法は効果がないと勘違いしている人があまりにも多いことです。もっともそういう日本だからダイエットをテーマにした市場が何千億円にまで膨れ上がったのでしょう。

繊維質、これもまた古くから存在するダイエット商品の1つですが、たとえば毎食前にわずか5gの繊維質を摂ることで満腹感が得られる食欲をコントロールできるだけでなく、血糖の急激な上昇を緩和しインスリンが有効に働き、そしてインスリン抵抗性を持ち難くしてくれるすばらしい働きがあります。ベジタリアンの多くがこの恩恵を受け、不用意に血糖を上昇させ、結果として余剰な脂肪を貯めないということも事実です。
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炭水化物のコントロール素材として私がお勧めするのはβ-グルカンです。世の中にはβ-グルカン素材がたくさん存在しますが、大麦由来のβ-グルカンです。β-グルカンは他の水溶性繊維質素材同様にコレステロールとの結合能力が強いことから、便中へのコレステロール排泄促進作用が高いこと、また、大麦由来のβ-グルカンには、食後血糖値の上昇を抑える作用がありますが、腸壁からの糖分吸収速度を抑える働きだけでなく、胃における炭水化物(糖類)の分解速度を抑制するものと考えられています。
もう1つ減量を成功させるうえで重要なことは食欲のコントロールでしょう。2008年の12月末にブログでも紹介したレプチンもそうですが、動物の体内には食欲をコントロールするしくみがたくさんあり、そこには栄養素がかかわっていることも少なくありません。今回紹介するのは2006年にイギリスで発表された研究報告で、タンパク質が空腹を抑えてくれるというもので、人間のすい臓と脳で作られるPYY(膵脳ペプチド:Peptide tyrosin-tyrosin)と呼ばれるペプチド(タンパク質)がそれです。PYYは食欲を抑制し食事の量を調整するホルモン様物質で、すでに医薬品メーカーがこれを肥満改善薬としての使用に注目しています。PYYは拒食症にもかかわっているのではないかということが報告されています。かなりの体重がある肥満の方にはレプチンに対する耐性がある可能性が報告されているため、このPYYが重度の肥満の改善になることに期待がもたれています。イギリスの研究グループによると、食材メニューの中でタンパク質の比率を50-60%にし、炭水化物、脂質の比率を最大で40%にすると、タンパク質に刺激されPYYの生産が増え、食欲が抑えられるだけでなく満腹感が満たされると報告しています。高タンパク質食が血糖の急激な上昇を抑え、ダイエットには有効であることは、アトキンズダイエット(Atkin’s Diet)プログラムなどでも以前から言われてきたことですが、アトキンズダイエットの場合には高タンパク質食とともに飽和脂肪食も同様に食べることが大きな違いでしょうか。高たんぱく食がPYYを刺激するメカニズムについては明確にはなっていないようですが、PYYは36個のアミノ酸の配列で合成されたペプチドですから、アミノ酸の基であるタンパク質を摂取することによってPYYの合成に何らかの影響があるものと思っています。
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by nutmed | 2009-06-17 08:00