臨床栄養士のひとり言

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第698回 耳鳴りの改善 その3

今日11月30日は「いい味噌の日」だそうです。11月はみんな「いい・・」なんとかの日になるのでしょうね。
これからの季節、具たくさんのみそ汁がおいしい季節です。

さて、今日は耳鳴りの改善のための食材についてです。

1、塩分の強い食材を避ける
慢性的に塩分の多い食事を続けることによって血圧を上昇させ、脳だけでなく耳組織への血流量を低下させることがあるため、塩分の濃い食事はさけたほうがいいでしょう。
2、精製漂白された「シロモノ」単純炭水化物を避ける
耳鳴りをもつ人の約90%が高インスリン血症であるという研究報告があり、食後ただちに糖に変換する砂糖、精製漂白された小麦など、単純な炭水化物は脳および聴覚器官が必要とするエネルギー源のグルコースの安定供給ができないことがあります。特に砂糖はアドレナリンの放出を促進させることで内耳における血管収縮を引き起こす可能性が高い素材のため、極力回避するべき素材です。
3、アレルゲン食材を避ける
アレルギー検査によって反応してしまうことが確認された食材は極力(ストレスのない範囲で・・)避けるべきでしょう。
4、症状が強くなる食材は避ける
食べて耳鳴りの症状が明らかに強くなるような食材は避けるべきです。
5、消化分解の促進
食事に集中し、ゆっくり時間をかけて咀嚼を十分に行う食事をこころがける。

血管収縮を促す食材は避ける
ラードやバター、マーガリン、ショートニングなど室温で固まる飽和脂肪酸の摂取抑制
砂糖の摂取抑制(アドレナリン放出を促し結果として内耳付近における血管収縮を招く)
血管拡張を促す食材を積極的に摂取する
マグネシウムとカリウムの積極的な摂取(杏、ジャガイモ、バナナ、緑黄色野菜、ナッツ)ただし、アレルギー反応を示す食材は避けるべきです。
by nutmed | 2009-11-30 13:52

第697回 耳鳴りの改善 その2

今日11月26日は「いい風呂の日」だそうで、昨日は地下鉄銀座駅構内に伊豆の温泉が運ばれてきて簡易足湯スペースがオープンしていました。有楽町のチャンスセンターで年末ジャンボを購入して帰宅途中のご老人夫妻が気持ちよさそうに足湯に浸かっていましたね。

さて、今日も耳鳴りの改善についてです。
①マグネシウム
亜鉛同様、耳鳴り症状を持つ人の多くがマグネシウム不足であるという研究報告は少なくありません。マグネシウムはグルタミン酸の拮抗物質で、このグルタミン酸は神経機能には必要であると同時に、過剰な場合には神経受容体にダメージを与えます。住環境において常時大きな騒音にさらされている背景からくる耳鳴りの場合、聴覚の受容器が慢性的にグルタミン酸を過剰に放出し、聴覚神経の受容体にダメージを与え耳鳴りを引き起こすことがあります。耳鳴りの人でマグネシウムの体内蓄積量が低い場合にはグルタミン酸の過剰放出が背景にある可能性があります。

②サリチル酸
アスピリンの構成成分であるサリチル酸が耳鳴り症状を誘発する研究報告がありますが、その原因については明確にはなっていません。今までの研究報告を見る限りでは、サリチル酸によってアラキドン酸が抑制され、耳鳴りを誘発する可能性が考えられています。痛み止めとしてアスピリンを飲んだ後に耳鳴りの症状が現れる人は意外に多いようです。


③水銀の過剰蓄積
水銀の蓄積が神経の働きに影響を及ぼすことは多くの研究によって明らかになっていますが、聴覚神経の働きもその1つです。少し前まで虫歯の治療で水銀が配合されたアマルガムが広く使われていましたが、このアマルガムから蒸発する水銀が体内に蓄積することによって耳鳴りを引き起こす可能性も報告されています。

次回は改善のための栄養摂取について・・・
by nutmed | 2009-11-26 13:08

第696回 耳鳴りの改善

昨晩は女子栄養大学の管理栄養士さんのグループで勉強会をしてきました。予定は2時間でしたが、ついつい喋り過ぎて、30分オーバー。お腹を空かせていた管理栄養士の方々には申し訳なかったです・・
おおむね好評の内容で、目からウロコを落としていただけていたらレクチャーしたほうとしても嬉しい限りです。

さて、今日から耳鳴りの改善について数回お送りします。
気にしてみていると耳鳴りの症状を持った方は意外に多く、やはり圧倒的に40歳以上の方に多いようです。耳鳴りの症状は多くの方が1度は経験していると思いますが、ほとんどは一過性に終わり長く継続することは少ないようです。でも、継続して長い期間耳鳴り症状を持っている方も多く、中には「長くお付き合いしていくつもりでいます・・」という方もいます。耳鳴りの原因は1つだけでなく、様々な背景があります。
耳鳴りまたは不快な音調が慢性的に継続する場合、アレルギー、サリチル酸(アスピリン)摂取、悪性腫瘍、ライム病、動脈硬化、歯の噛みあわせ障害、首骨の損傷および高血圧という背景が耳鳴りを引き起こすことも報告されています。また、いくつかの背景には栄養素の過不足であることも報告されていることです。

栄養素が背景にかかわっている場合の多くは、食材内容を確認すると動脈硬化、高血圧、副腎疲労を誘発する動物蛋白質(特に赤身肉)、精製漂白された小麦粉、砂糖および加工食品の摂取割合が多いことが少なくありません。また、胃酸の生産、分泌低下および消化酵素不足から慢性的な栄養吸収障害によるビタミン・ミネラルの不足が背景にあります。

1、亜鉛不足の背景
栄養素不足の中でも亜鉛不足と耳鳴りの関係についてはいくつかの研究報告があり、血中亜鉛を分析した結果耳鳴りの症状をもつ患者の多くが亜鉛不足で、亜鉛を一定期間集中して投与することによって症状の軽減または症状がなくなったケースが報告されています。
蝸牛(かぎゅう:耳の奥にあるカタツムリのような形状の組織)は体内でも亜鉛の蓄積量が多い器官であるため、亜鉛が聴覚に及ぼす影響は大きいと考えられています。


2、ビタミンB12の不足
ビタミンB群、特にビタミンB12不足と耳鳴りの関係についてはいくつかの研究報告があり、耳鳴りおよび騒音性難聴を持つ人の約50%にビタミンB12不足が報告されています。

明日はマグネシウムほか・・
by nutmed | 2009-11-25 10:02

第695回 最近話題のビタミンB12

この3連休、皆さんはどのように過ごされましたか? 1日を除いて概ね天気は崩れなくてよかったので外出にはよかったでしょうか。
私は趣味のバイクのオイル交換やらタイヤ交換など、油まみれになって楽しく過ごし、冬場のライディングに備えバイク仲間の間では昨年から評判のヒートテックの衣類をUNIQLOに買いにいきましたが、レジで30分待ちの状況で、さすがに「独り勝ちのUNIQLO」、これもデフレの影響なんでしょうか・・・

さて、今日は最近のOTC(大衆医薬品)でも話題のビタミンB12についてお話します。
最近TVコマーシャルで話題になり、ドラッグストアに行くと一番目につく場所に鎮座している「ナボリン」(エーザイ)という内服薬がありますがご存じでしょうか?ラインアップには3種類が用意されていますが、どれも末梢神経の損傷の修復をして症状を改善するものです。この薬の主成分はいずれの種類もビタミンB12です。このナボリンだけでなく、医薬品としてのビタミンB12の多くはメチルコバラミン(メコバラミン)でいわゆる活性型のビタミンミB12になります。ビタミンミB12(コバラミン)には大きく分けて4種類の型があり、活性型といわれている種類にはメチルコバラミンのほかにアデノシルコバラミンがあります。残りの2種類はコバラミンの中でも最も安定した型のシアノコバラミンともう1つはヒドロキソコバラミンです。
先日インターネットの薬剤師の方が主催しているサイトでこのナボリンとビタミンB12を紹介しているのを見ていたところ、少し疑問を感じるとともに「やはり薬を基本に考える職業の方は・・」を感じました。
最初の説明の中に「ビタミンB12はもともとビタミンB12が不足することでおこる貧血を改善するための成分として製剤化された。つまりはビタミンB12の補給です。実はシアノコバラミンは4つのコバラミンの中では最も安定した物質であるため、推測の域を出ませんが製剤化するには都合が良かったのだと思います。あとは体内で活性化され不足を補えればいいわけですから・・・」この説明は間違ってはいないと思います。つまりシアノコバラミンが体内で代謝されてはじめて活性のあるコバラミンに変化するということです。しかし次の説明には「腰痛や肩こりの原因となる末梢神経のキズを修復することが目的となってビタミンB12がメコバラミンに変換されて活用されることはありません。腰痛・肩こり・神経痛・手足のしびれの時には、末梢神経に直接作用するメコバラミンが必要になります。こうした理由からメコバラミン製剤が開発された・・」と書かれているために、ビタミンミB12には神経の修復という作用がなく、薬として直接服用するメチルコバラミンだけに神経修復作用があるかのようにとらえられてしまいますね。
人間は最も安定的なビタミンB12の型であるシアノコバラミンを食物から摂取した後、体内でメチルコバラミンやアデノシルコバラミンといった補酵素として働くビタミンミB12に代謝変化をすることができます。

しかし、中高齢者、とくに50歳以上の男女では加齢性の胃酸分泌量の低下によって、ビタミンB12の食材からの吸収が顕著に低下することに注意が必要です。食物(動物性たんぱく質)に含まれるビタミンB12はタンパク質と強固に結合していて、胃酸によってたんぱく質と切り離されてはじめてビタミンB12として代謝をはじめますが、この胃酸が少なくなることでビタミンB12の不足、欠乏に陥ることは少なくありません。
その点では、50歳以上の中高齢者に現れる末梢神経の症状の多くは栄養学的に見てもビタミンB12の不足がその背景にあるとも考えられ、またビタミンB12(活性型)を補うことで症状の改善になるわけです。
by nutmed | 2009-11-24 15:48

第694回 自分に最適な減量方法をみつけること

昨日は真冬を思わせるような冷たい雨と陽気でしたね。今朝は一変して日差しが暖かく、1日をとおして穏やかな日になりそうです。

昨日は青山外苑前のクリニックでカウンセリングの日でしたが、2週間前に初めての面接し、メンタル症状の改善と減量のためのカウンセリングを行った女性が再来しまして、本人感激のコメントをもらったので紹介したいと思います。
彼女の希望は両わき腹についた脂肪を無理なく落とすことでしたが、食事制限や脂を強制的に排泄するような過激なダイエットはしたくないとのことで、何よりも体内環境を崩し、健康と引き換えになるような無理な減量はしたくないことと、自分の体内環境のしくみを理解したうえで減量をしたいという女性です。 私の記憶をたどっても、この数年間で、この女性のように流行や周囲の影響で減量を考えるのではなく、「正しい減量」を考えている女性には久しぶりに出会っったような気がします。
2週間前のカウンセリングのときには約1時間を使って人間の体内環境、細胞臓器の働き、脂の重要性、何を食べてエネルギーを作るタイプなのかなどなどを説明し、少なくとも3つのステップにわけて減量をスタートさせ、「不要な脂肪は落としても筋肉は落とさず、逆に筋肉のトーンを上げる」減量を提案しました。
これは私が今までブログで幾度も紹介してきた方法ですし、私が減量のためのカウンセリングを行うときには必ずお勧めしてきた方法でもあります。手前味噌にはなりますが、今までに100人あまりの方(95%は女性です)にこの方法を勧めて実践してもらってきましたが、80人ほどの方には明確な減量の実感だけでなく、体調のポジティブな変化さえ感じていただいてきました。
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彼女にはフィットネスジムへ週に1-2回通うよりも、軽い負荷が筋肉にかかる運動を毎日無理なく継続することが適していることを説明し、この2週間継続してもらいました。毎晩入浴時に1リットルのペットボトル2本に水を満たし、両手に1本づつを持って入浴中に30回の腕の屈伸をしてもらうだけのプログラムです。
私から彼女にお願いしたことは、この2週間体重計には乗らないことでした。 さて、この2週間真面目にこれだけの運動をしてくれ、昨日やってきた彼女の開口一番が「両脇の脂肪がわずかだけど感じることができるほど落ちました」です。心なしか2週間前に会ったときの彼女に比べると顔の表情が明るくなり、笑顔も増えたようです。
先日、カウンセリングした女性も同じように減量希望の方で、過去2年間にいろいろなダイエットプログラムやサプリメント、薬、エクササイズをしてきて、最後に巡り合ったのが「炭水化物の摂取抑制」ダイエットプログラムだそうで、希望とおりにある程度減量ができたことはできたようですが、この2か月ほど前から明らかに集中力、記憶力が低下していることを感じ、以前に比べて体力も低下して疲れやすくなり、何よりも不眠の状態がひどくなったそうです。最近検査した血液検査の結果を見せてもらうと中性脂肪が非常に低く、1年前に検査したときの値の半分になっている状態でした。この女性には現在の食事内容を確認し、食事の指導をするとともに、知り合いのドクターにお願いして再度検査をしてもらうようにしました。

雑誌やTV、インターネットでは様々なダイエットプログラムが紹介され、ダイエットサプリメントやダイエット食が販売され、減量のための情報が溢れかえっている現状のなかで、確かにインパクトのあるTVコマーシャルを見れば「私もきっと・・」と思ってしまうことはいたって自然の成り行きです。ただ、自分の体内環境や今ある症状、食事内容、生活環境、精神状態などを十分に理解把握したうえで、自分にとって最適な方法を進めることは重要なことだと思います。

みなさん良い週末を・・
by nutmed | 2009-11-20 11:07

第693回 ノコギリヤシ Saw Palmetto

今日は朝から全国的に冷たい雨ですね。いやな話ですが昨晩のニュースで新型インフルエンザワクチンの接種で亡くなった方がまた出てきました。これで8人になります。国には原因と対策の究明を急いでほしいことも事実ですが、この時期ですから確かな情報を正確に報道してもらいたいものです。

さて、今日はノコギリヤシについてです。
日本でもノコギリヤシは前立腺肥大予防作用が注目され、最近ではクリニックでも前立腺肥大症状の改善、予防に使用されることが多くなりました。
男性の前立腺はストステロンが5α-DHA(5α-ジヒドロテストステロン)に変化し、過剰に作られることによって前立腺肥大が発症します。

この10年ほどの間に報告されている研究では、ノコギリヤシには、男性ホルモン(テストステロン)の働きに影響を与える機能があることが報告され、女性の多毛症における最近の研究によって、男性ホルモン(アンドロジェン)であるテストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換させる酵素である、5-アルファ還元酵素が、女性の多毛症および薄毛、脱毛に深く関与していることが判ってきました。
米国では、男性の前立腺肥大治療薬として、5-アルファ還元酵素の働きを阻害する「プロスカー(ProscarR)」と言う処方薬が一般的に用いられていますが、一部の医師はこの薬を女性の多毛症に処方しています。この処方薬は男性の前立腺肥大専用の薬であると同時に、ステロイドホルモンを人工的に合成したもので、ホルモンバランスの異常を来す副作用があることが欠点でした。
同じように5-アルファ還元酵素の働きを阻害する物質として研究成果が報告されているのがsaw palmetto(ノコギリヤシ)で、このノコギリヤシには、「プロスカー(ProscarR)」のような副作用がありません。
そこで米国の研究者によって、多毛に悩む11人の女性に「プロスカー(ProscarR)」と、12人の女性にsaw palmetto(ノコギリヤシ)がそれぞれ6ヶ月間与えられた結果、年齢が異なる23人の女性で、血中テストステロンの値に変化が見られ、多毛の原因も多様であったにもかかわらず、23名のうち、1人を除いて22名の女性に多毛症症状の改善が見られました。
また、5-アルファ還元酵素を抑制することは、皮膚のニキビや吹き出物を抑制することにも効果があると考えられており、これはニキビや吹き出物は、テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換させる酵素である5-アルファ還元酵素が集中的に生産されることによって起こると考えられているためです。

ノコギリヤシは男性専用のハーブではなく、女性にも恩恵を与えてくれるハーブでもいあります。
by nutmed | 2009-11-19 13:35

第692回 片頭痛と栄養素

今朝は4時前に起きワクワクしながらカーテンを開けたところ、残念ながら曇天・・・ 残念ながらしし座流星gを観測することはできませんでした。幸運にも観測できた方はいますか?もちろんネットではなくご自分の目でですよ。

さて、今日は最近になってどういうわけか増えているような気がする「片頭痛」についてです。

統計学的な調査によると、日本人の15%ほどが大なり小なり、定期的な片頭痛に悩まされているということです。その15%全体のうち、85%の人は薬に頼って症状の改善を試みているとも言われています。
薬で症状の改善を試みている人の多くは、生活の中に片頭痛が居座ることで、薬で対症療法をしながら長く付き合っていくことを半ば覚悟しているのではないでしょうか。
すべての背景ではないものの、片頭痛がビタミン、ミネラルなど栄養素の過不足に深くかかわっていることと、それらの栄養素を必要とするミトコンドリアの働きや状態にかかわることがわかってきました。もう少し詳しく言えば、ミトコンドリアで作られるエネルギーの生産にかかわる栄養素が片頭痛の原因である可能性が少なくないということです。

その栄養素と補酵素をあげると以下の成分になり、いずれもミトコンドリアでエネルギーを生産する際には不可欠な成分です。
・マグネシウム
 エネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)の合成に不可欠なミネラル
・リボフラビン(ビタミンB2)
 エネルギー生産過程で生まれる電子を運搬するために不可欠なビタミン
・Co-Q10
 エネルギー生産過程で生まれる電子を運搬するために不可欠な補酵素


実際にこれらの栄養成分と補酵素が不足することと片頭痛の症状に与える影響の臨床実験の結果が報告されていますので、いくつかを紹介しましょう。

1、マグネシウム
81人の片頭痛患者をABのグループにわけ、Aグループ(42人)には1日あたり600mgのマグネシウム(クエン酸マグネシウム)を、Bグループ(39人)には偽薬(プラシボ)を12週間投与した結果、Bグループでは7人で片頭痛の改善が見られたのに対し、Aグループでは17人で片頭痛の改善が見られています。

2、リボフラビン(ビタミンB2)
45人の片頭痛患者をABのグループにわけ、Aグループ(23人)には1日1回400mgのリボフラビンを、Bグループ(22人)には偽薬(プラシボ)を3か月間投与した結果、Aグループでは14人が1日あたりの片頭痛が起こる回数が半分になったことを実感し、Bグループではそれが3人でした。
この研究では1日あたり400mgという通常のビタミンB2の推奨摂取量の40倍近い摂取を行っていますが、1日あたり20-45mgの摂取でも十分改善効果があるという研究結果も出ています。

3、Co-Q10
42人の片頭痛患者をABのグループにわけ、Aグループ(20人)には1回あたり100mgのCo-Q10を1日3回、Bグループ(22人)には偽薬(プラシボ)を4か月間投与した結果、Aグループでは10人が1日あたりの片頭痛が起こる回数が半分になったことを実感し、Bグループではそれが3人でした。

by nutmed | 2009-11-18 11:40

第691回 腹部肥満とインスリン

今日の深夜から明日の早朝にかけてしし座流星群がピークを迎えるのですが、なんとかギリギリで明日の早朝午前4時ころには流星群を見ることができるかもしれませんね。 私も今夜は早々に就寝して明日の早朝に備えるつもりです。

日本のマスコミメディアがあれだけ大騒ぎし、国民も固唾を飲んでこれからどうしようかと気をもんだメタボリック症候群の話題も、今はどこへ?と言った感じすらするこの頃です。もっとも今までの歴史の紐を解いて日本人の性格を考えれば、これも仕方のないことなのかもしれませんね。それでも、皆さんの多くがメタボをキーワードに、食生活や食事の仕方に留意するようになったことは、少なからずいいきっかけであったことは間違いのないことだと思います・・
さて、今日は今更ではありますが、そのメタボリック症候群の中でも最大のやり玉にあがっていた「肥満」とその背景にあるインスリンの関係について紹介したいと思います。季節はこれから冬、人間が熱量を確保するために秋に収穫された炭水化物と脂肪がたっぷりの素材を口にする機会が多いこの季節だからこそ、「冬肥満」には注意してくださいね。
メタボリック症候群で話題になっていた肥満は、いわゆる「腹部肥満」と言ってお腹の周囲に溜まる脂肪のことですが、この腹部に溜まる脂肪が増える大きな原因の1つがインスリンです。ご存じのように、インスリンは食事で摂取した糖分がいつまでも血液の中を流れていることによる弊害を防ぐことと、その糖分からエネルギーをつくるために、すい臓で作られ血液中に分泌されます。このインスリンの働きによって血液中の糖分は中性脂肪(トリグリセライド)に変換されます。ほとんどの中性脂肪はお腹の周囲に蓄積し、その後に必要となるエネルギー源として使われることになりますが、エネルギーを必要とすること、つまり運動などのよって消費されることがなければいつまでたっても蓄積された中性脂肪が減ることはありません。インスリンの別な働きには、食欲を増進させ、肝臓に働きかけて、ホルモンの源となったり、細胞の損傷を修復するための脂肪を作るよう刺激を与え、この脂肪の1部もまた腹部脂肪として蓄積をしはじめます。インスリンの分泌が増えることによって腹部の周囲に蓄積する脂肪が増える背景には、少なくとも2つの経路が影響を与えているということになります。一方で肝臓にはインスリンの分泌を抑える働きもあるので話は少し複雑になります。
お腹の周囲に脂肪が増える肥満の人では、肝臓の周囲に脂肪がつく、いわゆる「脂肪肝」の人が多いですが、この脂肪が肝臓につきすぎることで肝臓の働きが低下するため、インスリンの出すぎを抑制する肝臓の働きが低下しはじめ、さらにお腹の周りに脂肪が溜まり、結果として体重が増えるようなことにもなります。年齢が35歳を超えたころから、この状態が慢性的に続くようになると、インスリンに対する抵抗性が高くなりはじめ、インスリンがいくら分泌されても血液中の糖分が細胞に取り込まれなくなり、血糖値が高くなる、いわゆる2型糖尿病の状態を作り始めることになります。
私は以前から2型糖尿病予防のためには炭水化物、特にでんぷん質の過剰な摂取には注意することを警鐘してきましたが、同時に炭水化物は何が何でも控えなければいけないとは言ってはいません。炭水化物は人間が生きていくためには重要なエネルギー源でもあるわけですから、単純に単糖類に変わってしまうような精製漂白されたいわゆる「白モノ」の過剰な摂取は控えるべきだということです。

中性脂肪を中心とした脂肪群を蓄積しておくための細胞を「脂肪細胞」といいますが、お腹の周囲にある脂肪細胞はその他の脂肪細胞とは性格と働きが多少異なります。
お腹の周囲にある脂肪細胞を流れている血液は、すぐそばにある肝臓を流れ循環をしていますが、女性が最も気になる下半身やお尻につく脂肪が蓄積している脂肪細胞を流れている血液は、心臓と各組織との間をめぐる血液の流れ(大循環)で循環しています。
つまり、同じ肥満でも「腹部肥満」の人は、いわゆる「下半身肥満」の人に比べて肝臓の働きに負担がかかる分、インスリンの分泌を抑制する働きも低く、インスリンに対する抵抗性の高くなりやすいということになります。
一方、それほど体重は多くはないし、肥満のカテゴリーには入らない人でも、病院、クリニックや検診で行う血液検査で、中性脂肪が慢性的に高く、肝臓機能の値が高め安定になっている人では、インスリンに対する抵抗性が高くなりやすい予備軍であることも自覚して食生活や飲酒、薬の飲みすぎには注意する必要があると思います。

メタボリック症候群の対策として、フィットネスクラブや雑誌が腹筋運動を推奨したり、週に1-2回のジム通いを奨励することがありますが、血液の循環システム、お腹の周囲の脂肪細胞に溜まる脂肪の性格を考えた場合には、腹筋運動や週に1-2回の運動をするよりも、軽い負荷でもいいので全身に負荷がかかる運動を毎日継続的に行うことのほうが、腹部肥満を改善し、インスリン抵抗性を高くすることを防ぐことになります。

その意味で以前にもこのブログで紹介したような、いつでもどこでもできる軽い負荷運動や、ペットボトルに水を満たし風呂の中で湯船につかりながらこれを上げ下げする運動は効果的ですね。
by nutmed | 2009-11-17 16:18

第690回 スーパーフード 「ホースラディッシュ」

先週末はワイフの体調がすぐれず、毎年恒例にしていた長野県は上田に住む友人による手打ち新蕎麦の相伴会を断念し、患病に専念していました。そのおかげということでもないですが、年内中に読まなければいけなかった書籍を2冊半完読しました。これからの季節はひと雨ごとに寒さが増しますから皆さんも体調を崩さぬようにご用心くださいね。

さて、今日は以前から紹介しよう紹介しようと思ってのびのびになっていたホースラディッシュ(horseradish:西洋ワサビ)の効用についてです。
ホースラディッシュはワサビ、カラシ、大根、ブロッコリー、キャベツと同じアブラナ科に属する植物で、その根をすりおろしたものには独特の辛味があり、今でこそ日本でもローストビーフや肉料理の薬味として重宝されるようになり、愛好者も増えつつありますね。私がホースラディッシュに初めて出会ったのは、今から32年前に初めて訪れたカナダのバンクーバーのレストランでした。私が注文したステーキの薬味として付いてきたのが初めての出会いですが、そのころは「何でこんなに辛いの?・・」と思ったものですが、今では大好きな薬味の1つでもあります。
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ホースラディッシュに含まれるペルオキシターゼという色素反応を起こす酵素は、かなり昔からウィルスや細菌の抗原抗体検査でポピュラーに使われているので、臨床検査に携わる人にはローストビーフの薬味としてよりも検査試薬の1つとしての馴染みのほうが深いかもしれないですね。
さて、このホースラディッシュに含まれているのがグルコシノレート(Glucosinolates)と呼ばれる配糖体で、アブラナ科植物を中心に、植物の葉、茎、根、および種子に広く存在している物質です。グルコシノレートには強い抗がん作用があることが世界中の研究機関から報告されています。グルコシノレートの抗がん作用には、がん細胞の成長を抑制する作用のほか、肝臓の解毒作用を促進強化することで発がん性物質の解毒促進作用があることが報告されています。抗がん作用ということでは、同じアブラナ科のブロッコリー、キャベツ、芽キャベツが以前から注目されていますが、グルコシノレートの含有量で言えば、ホースラディッシュに含まれているグルコシノレートの量はブロッコリー、キャベツ、芽キャベツの10倍以上と言う報告があります。
ホースラディッシュの根をすりおろしたもは、欧米では古くからハーブ療法でも使用されていて、特に鼻炎(アレルギー性)、鼻詰まりの症状の改善には非常に有効で、私の親友でコネチカットで開業する栄養療法のドクターもヘイフィーバー(Hey fever:日本で言う花粉症)の鼻炎にはホースラディッシュの瓶詰を購入させて、それを小さじに半分取り、早朝と昼の食事前に水で薄めずにそのまま飲ませ、飲んだ後は少なくとも10分間は食事をしないように指示しています。私も鼻炎がひどくなると今でもホースラディッシュをこのようにして飲んでいますが、涙がでることがすくなくないですが非常に効果はあり、5分もすると鼻の通りが良くなり1日中爽快な気分を保ってくれます。また、ホースラディッシュには強い抗菌作用があり、尿路感染症や細菌による気管支炎には有効です。明確な報告はありませんが、ホースラディッシュに含まれる強い抗菌物質と酵素が腎臓、膀胱を経て体外に排泄される経路の中で、尿路感染の原因菌の殺菌をすることと、この酵素の働きで利尿作用が強まり、腎臓・膀胱で炎症物質が強制的に排泄促進されるのではないかと考えられています。 事実、ドイツ(The German Commision E:日本の厚生労働省に相当)ではホースラディッシュを尿路感染症の治療処方薬として承認しているほどです。
日本のワサビにも同様な作用があることが国内の大学や研究機関から報告されているので、日本のワサビにも鼻炎の改善や尿路感染症改善効果があるのではないでしょうか。
by nutmed | 2009-11-16 15:26

第689回 尿のpHが教えてくれること その3

昨日は車で都内を移動していましたが、午後5時過ぎから天皇即位20周年記念行事の影響で、皇居周辺は大渋滞。おまけに今日のオバマ大統領来日の警備でどこもかしこも赤色灯が・・

さて、今日は尿のpHの最終回、アルカローシス(アルカリ性症)についてです。
何かの理由で体内が過剰にアルカリ性になる状態をアルカローシスまたはアルカリ性症と言いますが、腎臓や肺(呼吸器)の働きが正常であればアシドーシスほど多い症状ではないです。数日間早朝尿のpHを検査したときに6.8以上が続くようである場合にはアルカローシス傾向である可能性があると考えます。体が過剰にアルカリ性に傾いている場合には、各種酵素の働きにも影響がでてきます。体の細胞は、粘液、水、重炭酸塩とミネラルによって過剰な酸を中和するために働きますが、この働きが低下してきたり、この働きに必要な栄養素の摂取が慢性的に不足してくると、場合によっては体内の骨や筋肉からミネラルを調達しなければならなくなり、たとえば骨粗鬆症や筋肉量の低下を招く可能性もあります。
アルカリローシスを招く背景
アルカローシスは主に2つに分けられます。1つは代謝性アルカローシスで、原因は、腎臓の処理能力を上回る大量のアルカリ性物質の摂取、飲酒や体調不良による嘔吐によって大量の胃酸が排泄されてしまうもの。2つめは呼吸性アルカローシスで、過呼吸によって二酸化炭素が過剰に排泄されてしまい、体内の酸が不足するため生じるものです。
過換気症候群
過呼吸症とも呼ばれていて最近の若い人には多いそうですが、緊張や不安、疲労などによって発作的に胸がしめつけられ、息苦しくなり呼吸が速く激しくなるような症状です。激しく呼吸したために血中の二酸化炭素濃度が一時的に低下して体内がアルカリ性状態になる症状です。血液中の二酸化炭素濃度が低下すると血中カルシウムイオン濃度も低下します。このような症状が発作的にでた場合には、焦らず、紙またはビニールの袋を口と鼻をおおうようにして袋の中の空気を呼吸します。袋の中の二酸化炭素を再呼吸することで肺と血液中の二酸化炭素濃度が上昇しアルカローシスの状態が改善されます。
このほか原因として考えられるのは、ヒスタミン不足、胃酸不足、コルチコステロイドの多用、利尿剤の多用、過剰な塩分摂取、慢性的な栄養素不足などが考えられます。
アルカローシスの症状
1、アレルギー
2、便秘
3、睡眠不良、居眠り
4、不安、恐怖感
5、筋肉のこわばり
6、肉離れ
7、高血圧
8、消化不良
9、低体温
10、筋肉痛

アルカローシスの改善
1、食材、食事の改善
① 消化のし易いたんぱく質の選択
早朝尿のpHが慢性的に6.8以上を示すような場合には、酸性食材の摂取過剰だけでなく、胃酸不足または胃酸のpHが十分に食物を消化分解できる状態ではない可能性があります。
このような場合には、たんぱく質が十分に分解できず、体に必要なアミノ酸の摂取にまで影響がでることがあります。動物性のたんぱく質よりも植物性のたんぱく質の摂取を考え、1日に5-6回に食事を小分けして食べるなども考える。
2、胃酸の状態を確認
胃液の塩酸(胃酸)の分泌量が低下することによって以下のような影響が現われます。
①鉄分の吸収低下
鉄分の吸収低下によって、鉄欠乏性貧血、カルシウムの吸収低下による骨粗鬆症が引き起こされる可能性が高くなる。
②食物アレルギー
胃酸の分泌が低いことによって食物の消化分解が十分に行われずLGS(Leaky Gut Syndrome)を引き起こしアレルギー症状へ発展する。
③胆石の形成が促進
  胆石を持つ人の約60%が胃酸の分泌が低いという報告(TAHOMA CLINIC)
④糖尿病合併症を誘発
  糖尿病患者で胃酸分泌が低い患者は湿疹、乾癬、脂漏性皮膚炎、歯根膜疾患、歯肉炎を容易に併発する(TAHOMA CLINIC, Bastyer University)
⑤腸内フローラの環境が悪化
  カンジダ菌の増殖を招く
3、アルカリ性食品を暫く避ける
一般的にはアルカリ性食材を60%、酸性食材を40%が最適な食生活バランスですが、アルカローシス傾向にある場合には、強アルカリ性食は避けてください。
強アルカリ性食の代表例としては、海草で、特にひじき、わかめ、そして緑茶、トマト、サツマイモ、カブです。これに対してマイルドなアルカリ性食としては、ニンジン、鮭、ジャガイモ、ホウレンソウ、キャベツ、ハツカダイコン、紅茶、セロリ、スイカ、マッシュルームです。


週末は生憎の天気、おまけに寒さも増すようですから外出時は体調崩さぬようにしてください。
by nutmed | 2009-11-13 10:19